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考察:Laboratory Report/第1章 宇宙世紀概要(10)

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第1章 宇宙世紀概要


 1979年に放映が始まったテレビアニメーション「機動戦士ガンダム(以下,ファーストガンダム)」は,日本におけるアニメーション史上に画期的な作品の一つとなった。それには様々な理由があるが,いずれの理由も「ガンダムがヒットした理由」にはなり得るであろう。

 逆に言えば,こういった様々な理由が複合的に重なった結果,「ガンダム」という作品は今日まで続く長期シリーズとなったと言えるだろう。本章では,最初に放映されたファーストガンダムが用いていた架空の暦「宇宙世紀」に関して時代ごとの概要をまとめている。

 なお,以降の本文と註釈で執筆のスタンスが違うので注意していただきたい。(本文は,宇宙世紀の遙か未来に生きる人間として,注釈は我々「ガンダムという作品を見ている者」としてのスタンスでまとめている。)

概要は,PDF版では章頭にのみ記載されるが,Wiki項目では説明の為に各小節ごとに掲載している。

 1-10 宇宙戦国時代〜ザンスカール戦争


 宇宙世紀127年に崩壊したコスモバビロニアは,「コロニー独立」というジオン共和国以来の宇宙移民者の夢を一度は形として成し遂げた。だが,コスモバビロニアもまた様々な問題を抱えており,結果的に崩壊することとなった。これには様々な理由があるが,コスモバビロニアもまた僅かながらも「時期が早かった」ということなのであろう。
 しかし,コスモバビロニアの崩壊後,時代が大きく変わっていくのである。

 宇宙世紀133年に勃発した「木星帝国戦争」では,地球連邦軍は軍隊としての能力が著しく低下している事を露呈してしまったのである。木星帝国との決戦では,地球連邦軍(及びクロスボーン・バンガードの残党)による戦闘行動では帝国軍の戦力を抑えきれず,大きな損害を被っている。
 この戦いが結果的に木星帝国の敗北で終わったのは,各コロニーの部隊が木星帝国との戦闘に参戦したことにある。すなわち,この時点でコロニーが独自に整備していた戦力が連邦政府にとっても侮れないほどの規模になっていたことを意味するのである。(*1)

 これ以降,各コロニーは独自の道を歩み始める。連邦政府も,これを阻止するだけの力はなく,連邦としての維持機能すらほとんど機能しなくなっていたのである。
 こうして宇宙世紀140年代に入ると,今度は各コロニー間の経済格差などが問題となってきたのである。既に初期のコロニー建造から長い年月が経過し,コロニーの中には,耐用年数に限界が来ているものも存在していた。一方で,宇宙世紀100年代以降に建造された新規のコロニーでは,新しい技術が積極的に用いられていたこともあり,生活環境そのものもコロニー間での格差が生じていたのである。また,コロニーごとの政治体制の確立が進んだ事もあり,それぞれの政庁の政治力の格差も問題となった。すなわち,貿易格差や経済格差もこれらの要因が原因とも言える状況であったのである。この様な時代背景となり,各サイド間,各コロニー間での対立が激化し,ついには戦闘状況に陥るものもでてきた。
 多くの紛争では,コロニーそのものを破壊するような大規模戦闘にはなっていないが,その戦闘状態は地球圏全域に広がっていったのである。

 こういった状況から,後にこの時代を「宇宙戦国時代」と呼ぶようになった(*2)。宇宙戦国時代の特徴は,先にも記したが,基本的にコロニー間の紛争時代であったということである。そのため,地球連邦政府としては(これら全てを押さえ込めるほどの力は既に無くなっていたこともあり)不干渉であった(*3)。
 このため各コロニーの政策によって,それぞれ立場が変わって来ていたのである。

 そういった状況の中,宇宙世紀147年,サイド2のコロニーの一つ,アメリアで一つの動きが生まれた。マリア主義を掲げた政治結社「ガチ党」の結成である。ガチ党は,アメリアで急速に勢力を伸ばし,政治的腐敗をもたらしていたグループをギロチンで処刑したことから,民衆の支持を得て(*4)政権与党となった。そして,宇宙世紀149年,アメリアコロニーは,ザンスカール帝国建国宣言を行い,コロニー国家「ザンスカール帝国」となったのである。
 ザンスカール帝国は,単なるコロニー国家という立場ではなく,ついには地球上にまで侵攻を開始する。他のコロニー国家が,基本的に自国の維持と経済的優位を確保するために戦っていたのに対し,ザンスカール帝国は,独自の思惑で動いていたのである。
 先にも述べたように,この時代の地球連邦政府は既に月のフォン・ブラウン市に移転しており,コロニー間の争いに介入することは無かった。これは,地球に関しても同様で,既に「僻地」という認識しかない地球に侵攻する国に対してわざわざ介入するまでも無いという判断であった。

 これに対して抵抗運動を行ったのが,民間の軍事同盟である「リガ・ミリティア」だったのである。リガ・ミリティアの活動は,ついには地球連邦軍の一部部隊までも巻き込み,ザンスカール帝国の地球侵攻を阻止することに成功する。この結果,ザンスカール帝国も衰退し,ついにはその姿を消すのである(*5)。

 註釈

 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

(*1)

 この点に関しては,クロスボーンガンダム劇中でその流れが見える。
 地球へ侵攻した木星帝国側は各コロニーの介入は無いと想定していたのだが,これは地球とコロニー側の対立構図も想定した物であったのだろう。
 だからこそ,地球だけを破壊するという木星帝国の作戦であったと考えられるのである。つまり,木星往還船規模の戦力しか存在し得ない木星帝国側にとって,不意打ちによる地球の破壊しか,実際には作戦行動は限られており,それ以外の戦術・戦略は採りようがなかったのである。逆に言えば,コロニー側の戦力の参戦は,それ自体避けたい事柄であったのである。だが,その読みは外れ,コロニー側の参戦がなされてしまった。
 これには,いくつかの理由が有ると思われるが,最大の理由は,やはりコロニー側にとっても「地球は故郷」としての意識(エレズムの思想)が残っていた,ということなのだろう。

(*2)

 なお,筆者の解釈であるが,ザンスカール戦争も広義の宇宙戦国時代に該当すると考えられる。
 これは,ザンスカール帝国そのものがサイド2での地盤固めが完全に終わってなかったことからも言え,対地球連邦という戦闘行為そのものが,地盤固めの一環といえるからである。

(*3)

 実際の所,この時代既に地球連邦政府は形骸化が進んでおり,そのほとんどの機能をルナリアンが握っていた。ルナリアンにとって,こういったコロニー間の紛争に介入するメリットは何もなく,放置されたのは半ば当然といえるだろう。

(*4)

 これについては,幾分疑問点は残る。おそらくだが,ジオンと同様の流れで,かなりの強権的態度でガチ党は与党化したのだと思われる。

(*5)

 ザンスカールの本来の目的は,地球上からの人類の一掃であった。これは,実のところ木星帝国の野望に近い物があると感じるのは筆者だけであろうか。
 また,ガチ党の党首であるフォンセ・カガチが,木星の出身であった点もこの点を補完する。
 つまり,U.C.0136年の「神の雷計画」失敗後,木星帝国は完全にその姿を消し,地球連邦の委任統治下に木星圏は置かれることになった。ザンスカール戦争時に木星圏の話題がそれほど出てこないのは,この委任統治が比較的良好であったということであろう。(当然ながら,本来は鋼鉄の7人の方が,新しい作品である為,整合性を取らざるを得なかった訳であるが。)
 カガチは,こういった委任統治下の木星圏から離脱してきた木星帝国の残党ではないのだろうか?

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最終更新時間:2011年08月15日 17時14分41秒

脚注