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マゼラン級宇宙戦艦
- [用語]
- 分類:艦種
- 区分:宇宙世紀
- 出典:機動戦士ガンダム,機動戦士ガンダム0083(改型),GUNDAM SENTINEL(改)
説明
マゼラン級宇宙戦艦は,地球連邦軍が70年代軍備増強計画で開発・配備した宇宙艦艇である。「宇宙戦艦」という艦種からも判るように,砲雷撃戦を重視した打撃力の高い戦闘艦である。
各艦隊の旗艦や各種の象徴艦としても位置づけられており,単艦での戦闘能力のみならず,データ連動による高い運用能力を保持した艦艇であった。
実際,通常運用においては,無補給で各サイドを回ることも可能であり,いわば連邦宇宙軍を象徴する艦艇だったのである。
U.C.0059年に設立された宇宙軍は,元々は連邦軍の中でもその扱いは低いものであった。そのため,装備についても旧国家軍の装備を使い回すことがほとんどで,従来からの化学ロケットを中心とした艦艇で編成されており,装備の旧態依然とした状況は,宇宙へと進出した人類が,地球上に残る人口を上回った時点で,対応が後手に回ってしまうことは必然であった。
マゼラン級とサラミス級は,こうした状況下で新たに発見されたミノフスキー物理学を応用した各種装備を採用した新造艦として70年代軍備増強計画で開発されたが,ミノフスキー物理学の応用によって実現した高出力の熱核融合炉と,これから得られる膨大なエネルギーを活用したビーム兵器(ただし,従来型の兵装も併設されている)の搭載によって,強力な艦艇として誕生したのである。
なお,本来は,治安維持のための艦隊編成を目的としており,どちらかと言えば示威行為を前提としていたが,情勢の悪化に伴い,対艦戦を想定した運用にシフトしていくこととなる。これは,ジオン共和国の配備したチベ級戦艦などとの戦闘を想定したものだとされており,これをきっかけとして砲雷撃戦のための各種運用ノウハウが蓄積されていくこととなった。
こうして完成したマゼラン級は,地球連邦軍の力の象徴として多数の艦が就役することとなった。
しかし,一年戦争の勃発に伴う序盤の戦闘において,マゼラン級をはじめとする地球連邦軍の艦艇は公国軍に多大な被害を被ることとなる。それは,艦としての性能の差によるものではなく,モビルスーツという新たな兵器を用いた全く新しい戦術によるものであった。
ミノフスキー粒子散布下においては,連邦軍艦艇の得意とする電子制御による防御機能を封じられ,各艦の連動による高い打撃収束能力をも封じられてしまい,圧倒的な機動性・運動性を誇るモビルスーツに蹂躙されてしまったのである。
一週間戦争とルウム戦役で,この大艦巨砲主義をなすすべもなく打ち砕かれた連邦軍はU.C.0079年4月,ティアンム中将によって提案された,失われた艦船の再建を目指すビンソン計画をスタートさせている。
これは,艦隊打撃力の再生が主眼に置かれていたものの,単に同型艦を再生するのみならず,対モビルスーツ戦を想定したかたちで,(限られた時間で)できうる限りの対抗策を盛り込んだものとなった。後述するが,マゼラン級の装備には様々な異説が存在しており,これらがこのビンソン計画によって再開発された艦艇である可能性は高い。(なお,この時点では連邦軍のモビルスーツは未だ実用たり得ず,この段階で建造された艦艇は基本的には宇宙戦闘機との連動を前提としている。)
なお,蛇足ながら星一号作戦においては,船体に繋留するという形で,モビルスーツを搭載した事例も多く,一説によると4機を繋留可能であったとされる。(無論,単に「搭載可能」という位置づけであり,メンテナンスを含む「運用」については,不完全な状況であった。)
マゼラン改級戦術指揮艦
ルウム戦役時に,連邦軍の旗艦として運用されたアナンケなどのマゼラン級の階層タイプである。電子情報統括戦術艦として運用されており,いわば戦術の要として位置づけられたものであるが,ミノフスキー粒子散布下ではその能力が発揮できずに終わってしまっている。
マゼラン改級宇宙戦艦
一年戦争後の連邦宇宙艦隊再建計画に基づき,武装と推進系が強化されたタイプとして就役したタイプである。単にマゼラン改と呼ばれる場合と,後年建造されたモビルスーツ運用艦との差別化のために,こちらを「後期型」と述べる場合もある。
武装は従来の2連装砲を2門追加(ただし,総数が7門であるため,標準化されたマゼラン級の一説と装備に違いは無い)され,対空砲が実弾からレーザーに変更されている。
その一方で,モビルスーツの運用能力は付与されず,あくまでもマゼラン級の改良に留まった艦艇となっている。(この点で言えば,モビルスーツが主力となっていた当時の戦術に置いて,改良というレベルのものではなかったというのが正しいだろう。)
本種のような艦艇が建造されたのは,一年戦争終盤において,多くの将官が戦死してしまった連邦軍の権力争いが影響している。
結果として,大艦巨砲主義から脱却できなかった本タイプは,デラーズ動乱においてその問題点が露呈し,極めて短期間で消えていくこととなった。
マゼラン改級宇宙戦艦(MS母艦タイプ)
デラーズ動乱後に建造(あるいは改装)されたタイプで,マゼラン級の特徴のひとつでもあった前部の主砲2門を取り払い,モビルスーツ用格納庫を設置したモビルスーツ運用艦タイプである。
こうした運用から,「航空戦艦」という艦種で呼ばれることもあったとされる。
大艦巨砲主義に基づく艦艇が,デラーズ動乱ではほとんど機能しなかったことをふまえて改修された艦で,新たな戦術に基づいたモビルスーツを運用することが可能になっている。
グリプス戦役時に艦隊旗艦クラスの配備艦として用いられたが,当時の艦隊運用は限定的であり,サラミス改級の運用が中心とした陣容に,新造の巡洋艦クラスの艦艇(アレキサンドリア級やクラップ級など)が建造が進められていたことと,外殻艦隊であるロンド・ベルによって要望された新造艦の建造が進められていたこともあって,短期間で主力艦の座を退くこととなる。
代わって建造されたカイラム級は,およそ80年あまりの期間,連邦軍の主力を務めることとなる。
スペック
マゼラン級のスペックについては,数値上幾つかの違いが見られる。
これは,資料保全性の問題のみならず,マゼラン級そのものが長期に渡って細部の改装が続けられていたことが根底にあるためである。
大きく区分すると,70年代軍備増強計画で開発された,いわゆる「初期型」とビンソン計画によって再生されたタイプ(資料によっては,「後期型」とも記される),0080年にスタートした連邦軍再建計画に伴う「マゼラン改級」,そして,0083年のデラーズ動乱の後に建造された「MS母艦タイプ」の4種である。
これらは,建造時の仕様と改装が加えられたものとでも異なった仕様が混在しており,それぞれの艦で明確に示されたものは少ない。
ここで表記しているスペックも一部明らかとなっているものを列記したものであり,特定の艦艇のデータもあれば,単にマゼラン級として提示されただけであるものも存在する。
従って,あくまでも標準的なスペックというかたちで判断してもらいたい。
タイプ | ルウム戦役時<1>[1] | ルウム戦役時<2>[2] | 一年戦争後期[3] |
---|---|---|---|
全長 | 346.6m | 327m | 265m |
全高 | 128.6m | 88.0m | |
全幅 | 121.6m | 94.5m | 67.1m |
本体重量 | 41000t | ||
全備重量 | 62900t | 22000t |
なお,他にもスペックが確認できる資料が存在しており,異説があれば追記していく。!武装
武装ならびに装備についてもスペック同様に違いが見られる部分である。
同様に,艦底に設置されている大気圏突入用カプセルにおいても,装備している艦とそうでは無い艦があったとされており,これも詳細は不明となっている。(推測ではあるが,サイド方面駐留軍は大気圏突入の機会がほとんどなく,装備されていなかったのではないかと思われる。)
マゼラン級の武装については,打撃戦を想定した装備が主であり,艦の後方以外ならどの方向にも5門以上同時に指向できるようになっている。
この内,主砲として艦首の2連装2門がメガ粒子砲として位置づけられているが,これも全て同型の連装メガ粒子砲として計上されてい資料も多い。(なお,特に古い資料には,この前方の2門を火薬式の通常型砲門であったとする説も多い[4]。)
武装については,以下のような説が存在する。
説 | 1[5] | 2[6] | 3[7] | 4[8] |
---|---|---|---|---|
主砲 | 大型2連装(火薬式) 2門 | 2連装メガ粒子砲 2門 | 2連装メガ粒子砲 7門 | 2連装メガ粒子砲 6門 |
副砲 | 2連装メガ粒子砲 5門 | 2連装メガ粒子砲 6門 | - | - |
その他 | 機銃(多数[9] ミサイル(多数) |
登録艦
- マゼラン級(初期型・後期型)
- アナンケ
- ウィスコンシン
- オーウェル
- ガーランド
- ゲイバッハ
- ゴルテウス
- サザーランド
- サマービル
- ジブラルタル(マゼラン級)
- ジャーヴィス
- ジュリエット
- スラバヤ
- タイタン
- タタール
- デスピナ
- トータチス
- ドラッグ
- ナイアッド
- ナッシュビル(マゼラン級)
- ネメシス
- ネレイド
- ハーレムノクターン
- ハル
- ヒペリオン
- フェーベ
- ホルムズ
- マゼラン
- マゼラン(艦名不明:Gの影忍)
- ミネソタ
- リズモア
- ルザル
- レナウン
- マゼラン改級
- マゼラン改級(MS母艦タイプ)
関連項目
編集者
最終更新時間:2017年07月31日 21時36分09秒
ノート
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脚注