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〔AMX-004〕キュベレイ

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キュベレイ

  • [MS]

 データ

機体データ
型式番号AMX-004 / MMS-3 / AMS-004
兵器区分指揮官用ニュータイプ対応型モビルスーツ
所属ネオ・ジオン軍(アクシズ)
パイロットハマーン・カーン
製作データ
デザイナー永野護
初出作品機動戦士Zガンダム
機動戦士ガンダムZZ
参考文献MS大全集2003
GUNDAM WAR
FRIDAY DYNAMITE オレたちのガンプラ伝説
Gジェネレーションポータブル ほか

 スペック

項目内容
全高18.9m
頭頂高18.4m
本体重量35.2t
全備重量57.2t
ジェネレータ出力1820kw
スラスタ推力30800kg x2
スラスタ総推力61600Kg
姿勢制御バーニア12基
センサ有効半径10900m
装甲材質ガンダリウム合金
黒歴史コード07-0057686

 機体各部解説

頭部ユニット

 キュベレイの頭部は,既存のモビルスーツの頭部ユニットの機能に加え,サイコウェーブの送受信端末を内蔵されているため,従来のジオン公国系モビルスーツや後年アクシズ(ネオ・ジオン)によって開発されたモビルスーツ群とも異なる独特な形状を有する。
 また,頭部形状そのものがスタビライザーとして機能するように設計されており,これらが合わさることであのキュベレイ独特の飛行形態を構成する。

 頭部ユニットの持つ機能そのものは,従来のモビルスーツと大差なく,センサーカメラによる走査端末であるが,スリットスキャン端末を2基装備するデュアル端末構成であるため,ジオン系モビルスーツでありながら,一種独特の空気を醸し出している。

ショルダーバインダー

 キュベレイは機体機動のほとんど全てをショルダーバインダーによって行っている。
 両肩の前後計4枚のバインダーは,それぞれが独立したシールド並びにフレキシブルスラスターバインダーであり,裏面に設置されたスラスター(1枚当たり3基設置)によって事実上,ほぼ全ての機動を実現している。

マニピュレーター

 キュベレイのマニピュレーターは,既存の公国軍系モビルスーツとは一線を画した形状となっている。いわゆる擬人化による「手の模倣」とは異なった形状には,相応の意味があったとは考えられるが,その詳細については明らかとなっていない。
 一説によれば,キュベレイのマニピュレーターにはサイコウェーブ端末が設置されており,ファンネルを指さすことで,直接操作することが出来たとも言われている。無論,これが真実であったかについては不明であるが,思考操作が前提であるファンネルの操作において対象を指さすことで行為そのものの指向性を明確化することは可能であったと思われる。

ファンネルコンテナ

 キュベレイの主兵装であるファンネルを格納するコンテナ。
 背部スカートユニットそのものがコンテナとして機能しており,その裏面がファンネルの接続部になっている。
 キュベレイは,実用となるファンネルを装備した初の機体であるが,この時点で既にファンネルの改修,再チャージ,再射出のローテーションを実現していた。この点で言えば,後年登場した使い捨て型のファンネルよりも効率的であったともいうことができる。

 武装

 キュベレイは,その機体コンセプトが示すとおり,旧ジオン公国軍が開発,設計したニュータイプ専用モビルアーマー,MAN-08《エルメス》を発展させた装備を備えている。
 エルメスが装備する攻撃端末ビットは,いわゆる電子戦を無効化するミノフスキー粒子が散布された空間において有効な遠隔誘導兵器としてその威力を発揮したが,ファンネルは,その小型版とも言える兵器である。

ファンネル(1.3MW)

 キュベレイを象徴するといっても過言ではない兵装が,このファンネルである。
 MAN-08《エルメス》に搭載されていた,遠隔操作端末である「ビット」を発展させたもので,10基の端末が背部スカート部に用意されたファンネルコンテナに設置されている。!ビーム・ガン/ビーム・サーベル
 両手首(袖部)に設置された兵装。
 ファンネルを主兵装としているキュベレイにとって事実上唯一の自衛用兵装が,このビーム・ガンとなる。手首ユニット基部(袖部)に設置されており,前腕を向けた方向へと射撃することができる。
 ユニットは独立稼働も可能で,引き抜くとビーム・サーベルとして使用可能である。

 概要

 AMX-004《キュベレイ》は,U.C.0087年のグリプス戦役時に,地球圏へと帰還した旧ジオン公国残党組織「アクシズ」の首班であるハマーン・カーンの専用機として実戦に投入された機体である。つづく第1次ネオ・ジオン戦争時においても,強力な機体として君臨し続けた極めて完成度の高い機体であった。
 本機は,第1次ネオ・ジオン戦争における最終決戦(コア3沖海戦)において,エゥーゴが誇るフラッグシップモビルスーツ,MSZ-010S《ダブルゼータガンダム》と一騎打ちの末に撃破されている。

キュベレイの開発コンセプト

 一般的にキュベレイはその開発コードである「L-MES2」から「MAN-08《エルメス》のモビルスーツ版」と評される。同様な評価を行う資料は多いが,厳密に言えばキュベレイは,「エルメスのコンセプトをモビルスーツに持ち込んだ機体」といった方が妥当である。
 もちろん「エルメスの発展型」という評価が誤りなのではなく,これも「キュベレイ開発におけるコンセプトのひとつ」である,ということなのだ。

 もともと一年戦争当時に開発されたニュータイプ専用機(MAN-08《エルメス》,MAN-03《ブラウ・ブロ》,MSN-02《ジオング》など)は,ニュータイプと呼ばれる極めて機動兵器に対する適応特性の高いパイロット用に設計された機体は,その高い戦闘能力は他を圧倒するものであったが,戦局を左右するほどの影響を与えるものではなかった[1]
 このように,一年戦争末期の公国軍モビルスーツ(モビルアーマー)が一騎当千型のものが増加しているのは,やはり圧倒的な国力(ならびに兵力)の差を覆すためのものであり,戦略的に言えば「戦争状態としては」末期的状況であるということに他ならない。
 しかし,グリプス戦役や第1次ネオ・ジオン戦争は,従来の戦争のような物量戦による大規模戦闘ではなく,強力な機体同士による小規模な局地戦の繰り返しという状況に陥っており,一年戦争末期の公国軍の機体開発コンセプトが生きてくる状況であったため,こうした機体の持つポテンシャルは非常に大きなものがあった。
 また一方で,こうした機体は自国民へ向けたプロパガンダや,敵勢力一般兵士に与える心理的影響は大きく,こうした側面からの戦略的効果は絶大であったともいうことができる。

 すなわち,機体そのものの存在意義と運用が噛み合いさえすれば,こうした高額かつ運用条件の限られた機体であっても莫大な効果を得ることができるということなのである。

 アクシズは,従来からアクシズで独自に開発研究を続けていた人材に加え,一年戦争敗戦によってアクシズに逃れてきた技術者も加わっており,高い術力を有する人材は豊富であった。しかしながら,軍隊として考えた場合,その兵力は極めて小規模であり,工業力にも乏しかったため,大規模な兵器開発を展開することは困難であった。
 また,元々高いパイロット特性を持つ人材やニュータイプパイロットがアクシズに在籍していたため,彼らの能力を活かすための機体を開発する方向性へ至ったのは,ある意味,自然な流れであったとも言えるだろう。(こうしたことから,アクシズでは騎士専用モビルスーツというカテゴライズもあり,従来のモビルスーツのカスタムアップ機も多く存在する[2]。)

 キュベレイは,まさにこうした状況が生み出した機体であるということができる。
 逆に言えば,ハマーン・カーンという高いニュータイプ能力を持つ専任パイロットが存在したことで,キュベレイという機体が成立しているのである。

 この点で言えば,キュベレイという機体は,「ニュータイプのためのモビルスーツ」であり,「エルメスの発展型」であり,「指揮官用カスタム機」でもある,ということができる。すなわち,根源的にいえばキュベレイの開発コンセプトは「ハマーン・カーンの専用機としてのモビルスーツ」ということができるのである。

キュベレイの開発経緯

 キュベレイは,エルメスの発展機ということは繰り返し語られるが,この機体が一朝一夕に開発されたものではない。
 元々サイコミュ兵装に関しては,ジオン公国軍で開発が進められていたものであるが,その小型化・高性能化はアクシズで独自に行われていた。アクシズで開発された端末は,従来の小型宇宙艇並のサイズであったものをモビルスーツに搭載可能なレベルにまで小型化したもので,さらにパイロットに対する負荷も軽減されていたため,運用可能時間も延長されるというものであった。

 このサイコミュ端末を搭載した試作モビルスーツが,ハマーン・カーン自身によってテスト運用されている。MS-09RN《サイコ・リックドム・シュネー・ヴァイス》がそれで,この機体で得られたデータが,キュベレイの開発において重要なものとなったのである。
 シュネー・ヴァイスは,完全に空間戦闘に特化した機体で,モビルスーツ本体に大型のファンネルコンテナを接合するという構成となっていた。この時点では,まだまだ洗練されたものとは言いがたいものであったが,コンセプト的にはキュベレイの機体コンセプトの根幹を成しているといって間違いではないだろう。

 また,キュベレイの開発においては,他にもいくつかの機体が設計途上に浮かび上がってくる。
 例えば,原型機ともいえるMAN-08《エルメス》は,一説によればハマーン・カーン自身によるテスト運用が行われたともされており,その結果が反映されたとされている。
 また,エルメスをそのままモビルスーツに再設計したと思しきAMX-001《プロトタイプ・キュベレイ》なる機体の存在も噂されている。(なお,プロトタイプ・キュベレイについては,その型式番号が他の機体と同じであるなど,存在を疑問視する声も大きい。)

 こうしたことから,キュベレイは,いわば公国軍系ニュータイプ対応モビルスーツ(モビルアーマー)の集大成と言うべき機体であるということができる。

キュベレイの機体構造

 キュベレイの機体設計は,公国軍の持つ技術の粋を凝らした機体だとされており,既存の公国軍系モビルスーツの枠にとらわれない,斬新な機構も数多く導入されている。
 元々,公国軍系の空間戦闘用モビルスーツは,脚部全体をひとつのスラスターユニットと見なした設計が成されていることが多いが,キュベレイはその構造を踏襲しているだけでなく,さらに洗練したものとなっている。脚部構造そのものは,特筆すべき機能を有しているわけではないが,下半身ユニット全体で見た場合,これがほぼ独立したひとつの駆体として成立しているという大きな特徴がある。これは,上半身・下半身それぞれがいわばひとつのモビルスーツであるといっても間違いではないことを示している。(無論,それぞれを独立運用することは不可能であり,正確な意味としては間違っているが,機能的・機構的側面からみると同じだということである。)
 つまり,キュベレイは上半身と下半身がそれぞれ独立した構造体である,ということなのである。

 このため,仮に上半身のスラスターユニットや駆体そのものが損傷を受けたり,何らかの理由で全てのエネルギーゲインを消費しきったとしても,下半身(とコクピットブロック)が無事であれば,そのまま稼働し続けることが可能であることを示しているのである。実際,コア3沖海戦において上半身のみとなった常態でも稼働そのものには支障がかなったことから,この機構が極めて有効であることがわかるだろう。

 こうした機体構造は,従来の公国軍系モビルスーツの機体構造から発想されたものではなく,どちらかと言えば地球連邦軍のモビルスーツに採用されている構造に近いといえるだろう。
 これは,一年戦争後にアクシズへと避難した技術者が持ち込んだ情報によって連邦系モビルスーツの開発コンセプトが持ち込まれたことが影響していると考えられる。(なお,一説には,連邦軍の小惑星派遣艦隊から拿捕したモビルスーツから得られた情報である,あるいは,デラーズ動乱時に合流したデラーズ・フリートのメンバーから得られた情報であるともされ,この中にスパイ活動によって得た「ガンダム」関連情報が存在したとも言われている。実際,アクシズのみでは入手が困難なはずのルナチタニウムの精錬に関する情報をアクシズは得ており,これが改良された結果誕生したのが「ガンダリウムγ」であるため,これらの想定はあながち間違ったものではないであろうと思われる。)

 実際のところ,キュベレイの機体構造そのものは,グリプス戦役時においては古く枯れた技術によるものでしかなく,厳密の意味では第2世代モビルスーツと言うには問題がある。(なにしろ,キュベレイはムーバブル・フレーム機であるとは言いがたいのである。)
 しかしながら,枯れた技術の集大成でも,洗練された設計とサイコミュ・システムによる各種機能は,キュベレイをグリプス戦役時代においても最強クラスのモビルスーツとして君臨させたのである。

キュベレイの装備

 キュベレイの装備品は極めてシンプルなものとなっている。
 この時代の一般的なモビルスーツは,ビーム・ライフルなどの銃器,ビーム・サーベル,シールドという外付けの装備品を備えていたが,キュベレイはこうしたオプション兵装には頼らず,基本的に本体に装備される装備品が全てとなっている。

 最大の特徴は,MSN-08に搭載されていた「ビット」を発展させたサイコミュ兵器である「ファンネル」であろう。ファンネルは,ビットのように独自ジェネレータを持たない代わりにエネルギーCAPシステムを採用している。この結果,ビットと比較して極めて小型化することに成功し,ビット以上に発見が難しい兵器となっている。
 キュベレイは,このファンネルを背部ファンネルコンテナに10基搭載しているのだが,一見すると10基以上のファンネルが存在するような多彩な攻撃を行っている。これは,それぞれのファンネルがローテーションにより,ファンネルコンテナへと格納されることでエネルギー並びに推進剤の再チャージが行われているためで,後年登場する使い捨て型のファンネルよりも優れた部分が多かった。(あえて言えば,初めてファンネルを搭載した機体でありながら,既に完成の域に達していたと言うことができるだろう。)

 また,一般的な機体では別の装備となっていることの多い,ビーム・サーベルとビーム・ライフルであるが,キュベレイでは前腕袖口に収納されたビーム・サーベルがビーム・ガンを兼ねている。この結果,腕の動きに合わせて射撃方向を決定づけることが可能であり,大がかりな武装を保持しない分,機体そのものは軽快に動作することが可能となった。

キュベレイの運用

 キュベレイの運用については諸説有るが,少なくとも初めて実戦投入された時期として確定的なものは,ティターンズのコロニーレーザーを破壊もしくは奪回するためにエゥーゴが共闘を申し出た際に,ハマーンが単身アーガマに乗り込んだ時である。
 この時期は,アクシズ陣営のモビルスーツとしてAMX-003《ガザC》のみが実戦投入段階であったため,単機で強力なモビルスーツを多数有するティターンズ,エゥーゴ双方の目をガザCからそらす意図もあったものと思われる。実際,エゥーゴとティターンズの最終決戦に介入したアクシズ陣営は,投入したガザCの多くを損失しているが,開発途上であった様々な新鋭機を投入することなく事実上の漁夫の利を得ており,キュベレイという強力なモビルスーツにエゥーゴ,ティターンズ双方のトップの意識が集中した結果,上手く立ち回ることができたとも言えるだろう。
 その後は,アクシズ(ネオ・ジオン軍)の象徴的機体として,ほとんど戦場に立つことはなかった。
 本機の最後の戦闘となったのは,グレミーの反乱によるネオ・ジオンの内部抗争が終結して後のことで,ハマーンの非常に個人的な思惑でΖΖガンダムとの決戦にいどみ,撃破されている。

 引用

GUNDAM WAR ネオジオン U-1

 MAN-08エルメスのモビルスーツ版としてアクシズで開発された。サイコミュを搭載し,「ファンネル」によるオール・レンジ攻撃を可能とする。白いキュベレイはハマーン・カーンの愛機として敵味方に知られていた。

 備考

 キュベレイに関しては,媒体によって様々な型式番号が確認される。放映当時の基本設定としては,AMX-004とMMS-03の2種が正式なものであるが,本来は前者がアクシズ側の型式番号,後者が地球連邦側の型式番号という扱いであった。
 しかしながら,劇中で設定されたジュピトリス系モビルスーツの「PMX」の存在もあり,「AMX」を連邦軍ナンバーと解釈する資料が多く登場するようになった。
 一方,続く第1次ネオ・ジオン戦争では,ネオ・ジオン系として「AMX」ナンバーが利用されているが,第2次ネオ・ジオン戦争では,「AMS」ナンバーと,「MSN」ナンバーに変化している。特に第1次ネオ・ジオン戦争当時の「AMX」ナンバーはアクシズ(ネオ・ジオン)側のナンバリングとして考慮すると少々腑に落ちない部分もあるため,「AMX」ナンバーは,連邦軍系にも説得力はあるのである。
 結果的に,アクシズ側で用いていた型式はどのようなナンバーなのか,という点で疑問点は残るのだが,これは「AMS」であるとの解釈を行いたい。(これについては,暴論を展開したこともあるので,そちらを参照のこと。)

 関連項目

 編集者


[MS/MA・A]
[モビルスーツ・Z]
[モビルスーツ・ZZ]


最終更新時間:2015年04月19日 23時34分55秒

 ノート

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脚注

  • [1]要するに,いくら戦闘能力の高い機体であっても,数で押さえ込まれれば撃破数(=戦果)は加算されていっても,単機で劣勢を覆すほどの戦果は望めないということになるのである。もちろん,戦略によってはこうした機体が宝の持ち腐れになることは多々あり得たのである。(例えば,戦艦大和がいい例かと。)
  • [2]要するにアクシズにおけるモビルスーツとは,手工業時代のオーダーメイド品に近いものであったということになる。