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余録3

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FAZZ or Full ArmorZZ

  • [参考]

 概要

 ガンダムセンチネルという作品がある意味迷走した結果,ユーザーに大きく受け入れられるようになったという顛末については,当該項目に記しているが,その影響を最も大きく受けたのがプラモデルシリーズの第1弾として発売された「1/144 フルアーマーダブルゼータガンダム」であろう。
 第1弾であるフルアーマーΖΖガンダムが発売されてから,予定されていた第2弾は発売されず,正規の第2弾である「1/144 ゼータプラス」以降が発売されるまで,非常に時間がかかってしまい,結果的にシリーズラインナップでありながら,シリーズとは関連のない機体になってしまったのである。
 何故この様な事態になったかは,後にモデルグラフィックス別冊ガンダムセンチネル,あるいは本誌で継続されていたガンダムセンチネル連載において語られているのだが,一言で言えば,バンダイ側の商品開発スケジュールとMG側の考え方との相違[1],といえばいいだろうか。
 要するに,プラモデル発売のスケジュールと,本編たるアニメ(この場合劇場版「逆襲のシャア」)の宣伝スケジュールのバッティングがあったのが最大の理由なのである。

 当初,ガンダムセンチネルシリーズは,モデルグラフィックス協力によるプラモデルシリーズで,ΖガンダムおよびガンダムΖΖへの未登場MSと新規MSのラインナップで構成されるはずであった。しかしながら,実際に第2弾以降として発売されたのは,ゼータプラス,Sガンダム,Ex-Sガンダム,Sガンダムブースター装備型というラインナップであった[2]

 ここで話題にするのは,第1弾として発売され,しばらくの間放置状態であった「フルアーマーダブルゼータガンダム」のことである。

 このキットは,「新プラモデルオリジナルシリーズ」ガンダムセンチネルの第1弾キットでありながら,前シリーズ,機動戦士ガンダムZZにおける未発売MSのキット化という2つの要素が当初から存在していた。そのため,キットインストを見ると判るように,実に中途半端な状態でまとめられているのである。

 結果,このキットがMG版ガンダムセンチネルにおいて,「FAZZ」として生まれ変わるわけであるが,この流れにおいても様々な紆余曲折が存在する。
 劇中のフルアーマーZZガンダムとキットのフルアーマーZZガンダム,そしてセンチネルのFAZZとの関連(設定の顛末)は,以下に示すような流れで成立している。
 従って,真の意味でのFAZZ(またはフルアーマーΖΖ)は,実は1/144では,未だ発売されていないのである。

 現在入手できるFAZZは,後に起こされた設定画ベースの商品と,当初の成立過程に準じたフルアーマーZZガンダムベースの商品があることになる。前者が,GFFによるFAZZで,後者が,マスターグレードのFAZZと考えるといいだろう。

 FAZZの成立過程

01

 アニメ誌等でZZガンダムのパワーアップとしてフルアーマーZZガンダムの画稿が公開される。

02

 作中に登場するも,プロポーション,カラーリングの影響で,複数のアニメ誌で,「フィルム未登場」と誤記される。

03

 ニュータイプ'87/04で特集。
 明貴美加氏の書き下ろしで,メガランチャー付の機体が公開される。(カラーリングは,TV版のもの)[3]

04

 モデルグラフィックス'87/03〜04で,1/100のフルアーマーZZガンダムが,牛久保孝一氏の手によって作例として発表される。
 カラーリングは,彼のオリジナルで,白を基調としたもの。

05

 Zガンダム,ガンダムZZでキット化が没となったMSとオリジナルのMSのキット化というスタンスで,ガンダムセンチネルシリーズを開始すると告知。

 モデルグラフィックス'87/06で,スプリームガンダム(現Sガンダム)と共に大々的に告知が行われ,第1弾としてフルアーマーZZガンダム(87/08発売),第2弾としてクィン・マンサ(87/09発売),スプリームガンダム(秋頃発売),が告知される。[4]
 また,フルアーマーZZガンダムは,内部のZZガンダムも新設計のキットであるとの記述も見える。

06

 フルアーマーZZガンダムが発売される。
 だが,既存の1/144キットに増加装甲,メガランチャーを追加する仕様となった。
 さらに,センチネルオリジナルのストーリー(後のMG版アリスの懺悔とは別物)が検討され,シリーズのオリジナル要素として,カラーリングの変更が行われることとなり,文芸担当となったMG側から牛久保氏の作例のカラーリングが提案,採用される。

07

 逆襲のシャア,ポケットの中の戦争のキット化[5]のため,ペンディング。(・・と表向きはされているが,フルアーマーZZガンダムが思った以上に動かなかったためのペンディングとの説もある。)

08

 モデルグラフィックスにおいて,88/10より,ガンダムセンチネルの連載開始。(88/09はプレ)
 キットで発売されている,フルアーマーZZガンダムを採用することとなり,3機が運用されたとの設定となる。[6]

09

 逆襲のシャア/ポケ戦のキット化が終了,再びセンチネルシリーズのキット化にゴーがかかる。(顛末は,MG誌別冊を参照のこと)
 モデルグラフィックス本誌で,Sガンダムの組み立て説明書の解説に準じた「センチネル版FAZZ」の組み立て説明書の解説を付録として付ける。
 このときは,まだフルアーマーZZガンダムに近い形状であった。

10

 ストーリーの展開が進むにつれ,センチネル系のMSのラインが整い始める。
 FAZZの作例をモデルグラフィックス本誌で行う際に,牛久保孝一氏のフルアーマーZZガンダムを改修することになったが,この際にほぼ現在のFAZZのデザインラインが完成する。

11

 ガンダムセンチネル別冊などで目にすることのできる設定画としてFAZZが起こされる。

12

 GFFで,設定画ベースのFAZZの商品化。
 マスターグレードで,フルアーマーZZガンダムベースのFAZZ商品化。

 編集者


最終更新時間:2014年10月02日 18時44分41秒

脚注

  • [1]当然ながら,これら資料では,MG側の視点だけで述べられているため,少々一方的な感じがする分は,割り引いて考えなければならない。
  • [2]見て分かるとおり,実質的に2種しかキットは新規開発されていない。
  • [3]メガランチャー自体は,1/100ZZガンダムの組み立て説明書に掲載されていた画稿のアップデートとの説明。
  • [4]なお,この時点で,7点ほどのキット化の予定と告知される。現在では,その内容は知るよしもないが,残り4点(ガザC,バーザム,キュベレイ,ジオなどか?)が気になる。
  • [5]逆襲のシャアのキット化終了直後にポケットの中の戦争のキット化がスタートしており,当時としては,ユーザー側に複数のシリーズを受け入れる余地がないと考えられていた。(というか,それくらいZZシリーズは苦戦していた。)
  • [6]カラーリングは,キット準拠。また,実際に牛久保氏のFAZZもフォトストーリーで使用されている。