チベ級宇宙重巡洋艦

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チベ級宇宙重巡洋艦 / チベ級高速重巡洋艦

[用語]
分類：艦種
区分：宇宙世紀
出典：機動戦士ガンダム

説明

　チベ級巡洋艦は，ジオン公国軍の宇宙艦隊における戦闘艦の一種である。
　モビルスーツ運用に適したとは言え，元来は輸送艦であった原型艦の設計を引きずっているムサイ級に対して，当初から戦闘艦として設計されたこともあり，極めて完成度の高い艦艇となっている。
　とはいうものの，元々の設計がモビルスーツ開発以前の旧来の戦闘艦であり，いわゆるロケットエンジンの旧式戦闘艦であったため，公国軍がモビルスーツの運用を戦術の要へと決定して以降，大幅な改良が加えられている。（蛇足ながら，本級は，ジオン公国軍初期の宇宙艦艇であり，当初は戦艦として分類されていたが，グワジン級の就役とともに，そのカテゴリを重巡洋艦に分類されている。）
　具体的には，熱核反応路の搭載による基本的な出力向上と，火薬式であった主砲のメガ粒子砲への換装，モビルスーツの運用能力の付与などである。特に，火力に関しては熱核反応炉を搭載したことで，強力な連装メガ粒子砲をこのサイズの艦艇に搭載できたことで，極めて有用な艦艇へとなったのである。
　一方で，旧来から存在する艦の改装は，時期によってその仕様に違いが見られ，兵装などに様々なパターンが見られるようになってしまっている。（特に，MS運用におけるカタパルト増設などの近代化は，後期型以降に行われている。）

　チベ級の運用は，基本的には各艦隊の旗艦，あるいはそれに準ずる位置づけの艦となっている。これは，元々が戦艦として運用されていたため，旗艦としての能力を持っていることと，戦艦として位置づけられたグワジン級が，事実上，ザビ家とそれに準ずる将官の座乗艦となってしまったためである。
　このため，一説には，その艦色が司令の階級を示すともいわれており，赤系が将官，緑系が佐官とも言われる。

チベ級宇宙重巡洋艦ティベ型 / ティベ級宇宙重巡洋艦

　単にティベ級と呼ばれる場合も多い「チベ級宇宙重巡洋艦ティベ型」は，チベ級をモビルスーツ運用に適した形に再設計した，いわゆる「後期型」にあたる艦艇である。
　チベ級そのものは，前述した通り，モビルスーツの運用以前の設計であり，設計そのものに古い部分が見られるものとなっている。
　しかし，独立戦争の開戦の差し迫った状況下では，旧来の艦を改装すると同時に，各部を改良しながらも次々と新造艦を進宙させる必要があった。
　このため，チベ級の装備や形状には多種多様なものが見られるのである。
　本タイプは，そうしたチベ級のモビルスーツ運用を当初から想定した改良型であるといえるもので，その完成度は当時の艦艇の中でもトップクラスといっても過言では無いものだった。
　しかしながら，その設計が完成し，本格的な建造が始まった時期は，既に終戦間際であり，数隻が進宙，就役したのみといわれている。

チベ改級宇宙重巡洋艦

　チベ改級は，一年戦争後に旧来のチベ級を改装して就役した戦闘艦である。
　一年戦争に敗北したジオン共和国は，一定の自治権は与えられたものの，様々な制約が課せられることとなった。
　新規の戦闘艦の建造もそうした制限のひとつで，この結果，旧来の艦艇を現代化改装して運用することとなったのである。
　本級もそうした位置づけの艦艇で，特に初期型に近いチベ級をベースにモビルスーツの運用をより効率的に行えるように改装したものである。（チベ級の艦首部にMSカタパルトを設置したことで，モビルスーツの展開・収容が効率的に行えるようになっている。）
　また，火力増強と，推力強化を行っており，一年戦争前の設計であったチベ級を十分現代戦に対応できるよう改良している。
　実際，その戦力は，ティターンズに編入された後に十分に発揮されており，この点でも公国軍の艦艇の基本設計の優秀さを証明することとなった。