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ステルス
- [用語]
- 分類:軍事用語・機能
- 区分:コズミック・イラ,西暦
- 出典:機動戦士ガンダムSEED,機動戦士ガンダムOO
説明
ステルス(stealth)とは,「隠密」,「こっそり行う」といった意味の単語であり,これが転じて,軍事技術のひとつとして使われるようになったもの。
相手の探知から逃れるための技術であり,これを実現するための技術を「ステルス技術」,これによって実現する隠密性を「ステルス性」と表現する。したがって,ステルス性とは,「相手からの探知のされにくさ」を示すものであり,多くは,電波探索であるレーダーに対する防御や各種光学センサなどに対する防御などのことを示すという認識をもたれているが,広義では迷彩塗装なども含まれることとなる。(こちらは,「迷彩」を参照のこと。)
また,敵性センサ,探知機からの探知を逃れるには,「相手のレーダーに映らなくする」受動型の対抗手段と,「相手のレーダーなどを機能させにくくする」能動型の対抗手段があるが,ステルスとは主に前者の技術をしめすものである。(ちなみに,後者の技術,例えばチャフ,ジャミングなどは,ソフトキルと呼ばれることが多い。)
レーダーの発展した近代科学戦では,(敵機が存在する事が既に確定事項である)能動型対抗手段だけでは,防衛手段を用意されるだけでは無く,時にカウンターをも受けかねない状況となる。そのため,非常に重要な技術となっており,近代戦兵器は,なにかしらのステルス性を意識した設計がかならず行われている。
近代的なステルス技術を搭載した兵器として初めて公に登場したものがアメリカ空軍が開発したF-117ナイトホークである。既に1970年代から開発が始まり,83年には実用段階に至っていたナイトホークは,1988年に公式発表されるまでは,まさに極秘中の極秘事項[1]であった。
ナイトホークは,主にレーダーが発信する電波を散らす(拡散させる)ことで,レーダーに戻る電波を減らすことでステルス性を実現している。そのため,一般的な航空機レーダーでは,映っても鳥サイズの大きさにしか認識されないと言われている[2]。
一般的に,こうしたステルス機は,電波を逸らす,散らす,吸収する,といった方法でステルス性を高めているが,そのために操縦性がかなり犠牲となっている。これが航空機として実現したのは,フライ・バイ・ワイヤなどの飛行補正に関わる技術が大きく進化したためである。
なお,ステルス機として有名どころは先のF-117など「ステルス戦闘機」が挙げられるが,厳密に言えば「ステルス攻撃機」,「ステルス爆撃機」といった範疇の機体であり,意外にも「戦闘機」は少ない。
ステルス技術
主にステルス技術として用いられるものは,次にあげるものなどである。
- (1)電波攪乱
レーダー波をレーダーに対して反射しないように機体形状などをコントロールするもので,レーダー波を受け流す(違う方向に反射する),分散する(波長によって違う方向に反射させる),吸収する(電波吸収材や電波吸収塗料を用いる)といった方法がある。
この際,レーダーに対して,どのくらいのステルス性を持っているかを表す数値として,RCS(Radar cross section/レーダー反射断面積)という値が用いられる。(先に提示されたF-117が鳥サイズの大きさに誤認されるのも,この数値が小さいからである。)
これを実現するには,(A)形状,(B)材質,(C)塗料などの要素がある。
形状は,いわゆるステルス機に見られる様な,直線と曲線を組み合わせたような形状など,様々なパターンが組み合わされており,一部はその組み合わせにも特許が存在する。
材質は,通常航空機はジェラルミン合金などで構成されるが,電波の反射率の大きい所にゴムシートを貼るなどの措置をとる場合がある。ただし,航空機として問題となる重量増加が起こってしまう。
塗料は,特定の波長の電波を吸収する塗料を塗布するというもので,完全に特許により管理[3]されている。しかし,これにも問題があり,高速で飛行する航空機の場合,その都度塗装し直す必要があり,コスト面での割が合わないとされている。
- (2)赤外線対策
多くの兵器は赤外線を探知するシステムを持っている。
航空機の場合,赤外線探知から逃れる術は無く,これを防ぐためにチャフやフレアと言った能動的防衛システムを持っているわけである。
F-117の唯一の撃墜事例が,この赤外線探査がきっかけとなったと言われており,これに対抗するには,熱感知するセンサの有効範囲外に廃熱するなど,手段を考える必要がある。
特に多いのが,廃熱部(排気ノズル)をベクタードノズルとして機体上面に設置し,地上からの赤外線探知を困難にする方法と,尾翼の間に排気ノズルを設置し,機体外に排気が出たときにはかなり低温下している状況を作り出すものである。後者は,機体設計の面でも有効であり,高い機動性を持った戦闘機の設計に活かされている。
また,赤外線反射率の異なる塗料を塗装して,赤外線センサを欺瞞する方法もあるが,これも電波吸収塗料と同じで,高コストでメンテナンスに手間がかかるという欠点がある。
- (3)光学ステルス
いわゆる「透明化」である。機体表面に,擬似的に周囲の風景を表示したり,機体表面での可視領域での電磁波を屈折させ,見えなくするといった方法である。
技術理論は可能であるという評価であるが,実際に実現したという情報はない。
なお,いわゆる迷彩塗装も広義の光学ステルスである。
また,人間の目で見て確認出来ない(あるいは確認しにくくする)方法も,こうした光学ステルスの一種であると考えてもいいだろう。例えば,飛行機雲の発生を抑制する装置を積んだ機体は,遠目にはUFOの様に見えてしまう場合もある。これも一種の欺瞞行為なのである。
航空機以外のステルス技術
航空機以外のステルス技術として,最も有名なものといえば,空母のアイランド構造などであろう。
空母は,滑走路があるために遠距離から発見しづらいという形状的特性を持つ。(これは,地球が球形をしているためで,水平線上に隠れやすいのである。)このため,空母を発見するには,航空機による探査が手っ取り早いのだが,夜間など状況が悪い場合には,護岸レーダーに頼るしか無い場合もある。空母のアイランドが進行方向に対して,上向き傾斜した形状をしているのは,陸地から(ほぼ水平に)発振されたレーダー波を空中へ逃がすためのものである。
また,地球が球形である事を利用し,水平線に隠れてしまう様なフルカバードシップと呼ばれるステルス戦闘艦を有している国も存在する。これは,上面構造物が全く存在しない艦で,上面から見ると空母の様な平たい形状をしており,必要に応じて構造物を展開するものである。
ヘリコプターでは,歩兵からの赤外線追尾ミサイルなどの脅威に対して,廃熱をローターの下降気流に混ぜ,外部に放出しない(つまり,下面が熱せられる)形状を選択した機体などがある。これらも,ステルスのひとつであるといえるだろう。
戦闘車両の場合,最大の敵はヘリコプターである(爆撃に関して言えば,広域に行われるものであるため論外である)ため,ヘリコプターから視認されにくい塗装や排気の車輛下面への放出などの手段がとられる[4]。
アンチステルス技術
レーダーを欺瞞するステルス技術が発展すれば,ステルス技術を破るための技術が登場するのは兵器の常である。
通常,レーダー波は発振と受信を同じアンテナで行うが,発振した電波を広域の受信アンテナで受け取る方法や,別のアンテナで受け取ったデータを反射率で返すシステムなど,広域によるレーダーシステムの構築で乗り切ろうとする方法論が提案されている。こうした発信と受信を違うアンテナで行うレーダーをバイスタティック・レーダーという。
ただし,これは様々な面で問題点が多く,現状大きな成果はあげていない。
この応用として,パッシブ・レーダーというシステムも存在する。
これは,既存の電波(例えばテレビ波,ラジオ波など)の受信率と距離などから物体の存在を判断するもので,一つの成果として研究が進められている。
関連項目
編集者
最終更新時間:2011年11月04日 18時09分06秒
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