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スペースコロニーの変更点

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!!!スペースコロニー(スペースセツルメント・スペースハビタット)
*[用語]
//*読み:
*分類:設備
*区分:[[宇宙世紀]],[[未来世紀]],[[アフター・コロニー]],[[アフター・ウォー]],[[コズミック・イラ]],[[西暦]],[[アドバンスド・ジェネレーション]]
*出典:[[機動戦士ガンダム]](他,宇宙世紀作品)
*出典:[[機動武闘伝Gガンダム]](他,未来世紀作品)
*出典:[[新機動戦記ガンダムW]](他,アフター・コロニー作品)
*出典:[[機動新世紀ガンダムX]](他,アフター・ウォー作品)
*出典:[[機動戦士ガンダムSEED]](他,コズミック・イラ作品)
*出典:[[機動戦士ガンダムOO]](他,西暦作品)
*出典:[[機動戦士ガンダムAGE]]
!!説明
 1969年にアメリカのジェラルド・オニールらによって構想された宇宙に浮かぶ巨大な人工島のこと。宇宙植民島(スペースコロニー),宇宙島(スペースアイランド)などと呼ばれる場合もある。

 大学のセミナーの中で誕生したプランで,それまで地球上に人類が増え,地球がその人口を支えきれなくなった時のプランとして提唱されていた「テラフォーミング(惑星地球化)」による移住プランに代わる新たな移民プランのひとつとして提唱された。
 一般的に知られているのは,オニール等によって「ハイ・フロンティア」で提唱された3種のプランで,Island One(島1号),Island Two(島2号),Tsland Three(島3号)という名称が割り振られている。

 [[軌道エレベータ]]と並んで,この時代前後に提唱された各種宇宙開発技術の中でも,実現可能性が高いものの一つとして高い評価を受けていたが,当初提唱された21世紀初めの実現も成し得なかった。
 最大の理由は,先進国間の冷戦構造が解消され,宇宙への投資(厳密に言えば,宇宙開発競争の終了)の減少から,宇宙開発の目的が変化してしまったことである。冷戦時代は,宇宙開発を進める事で,技術的にも軍事的にも相手陣営の上に立つ事ができたが,その反面,開発費を湯水のように使う必要{{fn スペースシャトルが,アポロ計画の反省に則って,リサイクル利用することで,コスト削減を目指したことは有名であるが,そのシャトルもコスト削減のために2011年を持って全て退役してしまった。これは,シャトルのメンテナンスコストが予想以上に高額化したこと,そして何よりも通常型ロケットがアポロ時代とは異なり,「技術が枯れた」ため,使い捨ての方がコスト面で有利になってしまったことがある。}}があった。
 しかし,冷戦終結後,先進国は新興国に対して技術的優位になるための新技術開発にコストを割く様になり,これまでの宇宙開発のための技術の開発ではなく,宇宙で経済活動のための新技術開発を行う{{fn 国際宇宙ステーションは,「国際」とは名が付いているが,実際には先進国の新技術開発に用いられており,開発された新技術は先進国間で(特許料はあれど)運用されている事を考えれば,その意図するものは見えてくるだろう。}}ようになったのである。
 こうした理由から,当初の発案通りのスケジュールでのコロニー建設は進んでいない。
 しかし,発展途上国の人口爆発が継続している状況もあり,宇宙への移民の手段のひとつとしては,意義のあるプランとして存在し続けていたのである。
!建造における問題点
 スペースコロニーの建造には,いくつかの問題点があった{{fn 過去形で記載していますが,実際には我々2010年代現在での問題点として記載されています。本節は,あくまでも劇中未来視点(意図としては正暦視点)であるため,過去にあったこととしています。}}
 まず,原材料の問題である。
 初期のコロニー建造では,オニールプランに示される島1号などの小型コロニーの建造が優先された。
 これは,地球から原材料を打ち上げるにせよ,月面から打ち上げるにせよ,膨大なコストが必要とされるためである。特に初号機となったコロニーは,コスト的にも地球から軌道上の宇宙ステーションを経由して輸送した資材を利用するしか無く,莫大なコストと様々な(宇宙建築の)新技術を投入され,建造が進められた。
 この初号コロニーに建築労働者は暮らしながら,次のコロニーを建造したのである。

 一度宇宙に足掛かりができると,次は月面中継基地の建造,月面へのマス・ドライバーシステムの建造と,技術面での革新は続き,ついには小惑星帯から小惑星を移送するまでになる。
 この状況になると,各種建材はこうした小惑星から得るため,大型のコロニーの建造も行える様になるのである。もちろん,コロニー本体の建造方法も,人や小型の宇宙機を使って行う初期の建造方法から,コロニービルダーと呼ばれる大型機器を用いるまでに発展するのである。

 この頃になると,問題となるのはむしろ「安定化軌道の確保」となる。知っての通り,スペースコロニーは,ラグランジュ・ポイントに設置される。ラグランジュ・ポイントとは,大小2つの重力物体の間の安定点であるため,コロニーの軌道を安定させるにはラグランジュ・ポイントへの設置が必要なのである。(逆に言えば,ラグランジュ・ポイント以外へ設置した場合,ほぼ定期的に周期軌道を安定させるためのエネルギー放出,すなわちスラスター噴射など,が必要となる。)
 しかし,重力的に安定ということは,スペースデブリなども集まりやすい,ということであるため,建造時や運用時の最大の問題はこうしたデブリ対策にあるといっても過言では無いだろう。
 また,コロニーの構造は,内部に空気という圧力媒体を内包するため,事実上圧力鍋のような構造である。すなわちフレーム部などに対するテロなどは最も警戒すべき事項のひとつである。
!建造後の問題点
 先に示したテロ同様,コロニーはその構造故の問題点を数多く抱えている。
 まず,コロニーを居住施設として維持するためには,空気の循環と不要物の処理という最大の問題が待っている。
 前者は,大気の完全循環型環境を作り出さない限りは,人為的に「空気を作る」必要があり,これを維持するためにコロニーによっては「空気税」を導入する必要があると考えられる。特に密閉型コロニーの様に,居住者が多いコロニーは,それだけ緑化設備などが限られてくることもあって,循環設備はコロニーの外に建造する場合が多くなり,こうした空気の維持にコストがかかると考えられる。
 多くのコロニーが,宇宙港側の山部分に緑化帯を設置しているのは,これらの緑が光合成によって二酸化炭素を酸素に変換するためである。これでも足りない分は農業ブロックへ換気し作物に光合成させることで消費させることになるだろう。最終的には,化学分解してしまう場合も考えられる。

 問題となるのは,後者の不要物だろう。単純に不要物というと,ゴミを想定するであろうが,スペースコロニーという環境では,細菌や微生物が繁殖しにくい(あるいは繁殖を阻害される)ため,落ち葉がなかなか腐れないなどの,地球上では考えにくい現象が生じる。ペット等の持ち込みが許されるかどうかは,コロニー次第であるが,こうしたペット,果ては人間の死体も,宇宙での処理は問題となるのである{{fn SF作品においては,人間の死体を再利用することがあるなどの話題は比較的多く見られるネタであるが,多くの場合,倫理面からこうした処理については濁されている場合が多い。このあたりの話題の「重さ」を知るにはいくつかのSF作品が話題として挙げられるが,ガンダム関連の書籍に関係したところで言うと,サイバーコミックス第1巻(意外に入手は容易いためガンダム関連資料を集めている人で持っている人も多いだろう)に掲載された克・亜樹氏作の「チュナのいる風景」はインパクトがあるだろう。なお,サイバーコミックス第1巻は,他にミノフスキー博士物語など重要な作品もあるため,手持ちで無い人は発見したら抑えておくといいだろう。}}。
 これらは,工業的な処理を施す事で有機物やアミノ酸に分解し,肥料などに再利用するしかないのである。このため,スペースノイドとアースノイドでは死者に対する倫理観の変化があったかもしれないだろう。
 なお,化学的処置については,既に20世紀に方法論が確立されており,これをブラッシュアップした方法が,各宇宙船などにも搭載されている。

 また,外的要因の問題としては,重力(遠心重力であるため,回転方向に対する重力の変化により,体調を壊す場合も考えられる→[[コリオリ症候群]]),放射線(宇宙線による被曝問題があり,地上に暮らすときよりも遥かに多い放射線を浴びることとなる),温度管理(宇宙では廃熱が難しいため,コロニーはすぐに温室化してしまう),といった問題点が指摘されている。
!!構造
 スペースコロニーには,いくつかの構造体のデザインが存在する。先述の「ハイ・フロンティア」に掲載された3種以外にもプランはいくつか提示されているが,有効と考えられるものはそれほど多くないとされている。
 ここでは,ハイ・フロンティアに掲載された3種と,トーラス型,フラスコ型と呼ばれるタイプの5種を簡単に説明する。
!ベルナール球型コロニー(宇宙島1号/アイランド・ワン)
 1929年に提唱されたもので,その名の通りジョン・デズモンド・ベルナールによるプランである。
 ただし,当初プランでは,直径16kmの球状コロニーで,居住者は2〜3万人という想定のものであったが,後に再プランニングされたものが島1号として定義された。

 このタイプは,初期型の小型球状のスペースコロニーで,収容人員は約1万人。直径およそ500mの球状の居住区を中心とし,その中心部を貫く形で回転軸が設置されている。(ちょうど,団子を串刺しにしたような形である。)
 この球状ブロックが,約1/2分で1回転することで,最大円周部(すなわち赤道に相当する部分)で,ほぼ地球と同じ重力が発生する。(ただし,遠心重力としてはこれでも回転が高速であり,人によっては傾きを感じる「酔い」が生じる事もあるとされる。)そのため,居住区は赤道近くに設置され,高緯度地域は,低重力施設に用いられる。
 居住区の外側,回転軸の端に宇宙港が用意され,そこから居住区までの間の回転軸に沿って工業・農業ブロックが設置される。

 このタイプのアイランドは,宇宙移民の初期の工業基地として設置することを目的としており,その住民のほとんどが,宇宙での工業(すなわち大型のアイランドの建設)に従事する労働者となる。[[ブッホ・コロニー|サイド1]]や[[ムーン・ムーン|サイド1]]などは,そうしたコロニーのひとつである。
!宇宙島2号/アイランド・ツー
 ベルナール球型コロニーの拡大版として発表されたものが島2号である。
 基本構造は,島1号に準じており,中心部の直径が約1.8kmで居住可能人員が14万人となっている。このサイズになると回転速度も落ちる(約1分/回転)ため,宇宙酔いも少なくなると考えられている。
 実は初期のプランでは,島1号の拡大版としての設計であり,厳密に言えば居住区が球形ブロックであるのが島2号なのであるが,同じ規模で,球形コロニーではなく円柱型を採用している場合もある。つまり,後述するトーラス型と島3号の中間タイプのような形状のもので,赤道面が広がったものもデザインとしては存在しているのである。
 このタイプのコロニーは,宇宙移民における大型コロニーへの移行期に建造される場合が多く,宇宙世紀ではすでにほとんどのコロニーが役目を終えていたと考えられる。
 一方,アフター・コロニーでは,いくつかの事例がみえるため,そうした移行期に該当するものと考えられる。
!宇宙島3号/アイランド・スリー(シリンダー型コロニー)
 我々が一般的に想像するのがこの島3号型である。
 直径6km,長さ30kmのもので,居住可能人員は100万人ほどというプランで,回転速度もほとんどの人が違和感を感じない(ただし,運動を行うとそうではないが)速度である約2分で1回転という低速のものである。(とはいえ,外周での回転速度は,毎分9.4km余り,時速換算では約570km/hとかなりの速度{{fn 近近では,ガンダムAGE第1話でUEガフランがコロニーに取り付く様子で表現されたが,実はかなりの速度であるため,上手く取り付かなければ簡単に吹っ飛ばされてしまうのである。その点で言えば,宇宙港側(それでもかなり無理があるのだが)に接地したファースト第1話のザクの描写は理にかなっており,逆に言えば,なぜわざわざ危険を冒してまであえて側壁に接地したか,そうしたUEの不気味さもある種表現されていると考えられる。}}である。)

 円筒状の居住ブロックは,6つの区画に分けられており,居住ブロックと,太陽光を取り入れるアクリルスレート板による採光ブロックに分けられる。採光ブロックの外側には,太陽光を反射するための鏡が設置されており,この反射率を変える事で一日を表現する。(ただし,地球上で,朝夕の赤い空が表現されるのは,厚い大気の層が存在しているためであり,コロニー内では内部への投射という形で表現される。つまり,反射光を赤くすることで,擬似的に夕焼けや朝焼けを再現するのである。無論,コストの増大を招くため,こうした機能が存在しないコロニーもあっただろう。)
 外部のミラーブロックは,可動式の小型ミラー数万枚が設置されており,これが最適な角度に調整{{fn かつてのSF雑誌等では,このミラー部本体が折りたたまれ,コロニー側壁を覆ってしまうという解釈も多かった。この方法だと,ミラーブロックのヒンジ部にかかる負荷が大きく,また,ミラー部を可動させる事で回転モーメントが変化してしまい,コロニーの軌道維持が困難になるという問題点を抱えている。実際,ガンダムにおいてもそうした解釈で描かれたコロニー画もあり,当時の考え方がまだまだ未熟であった部分が見える。現在では,本節で示した様に,小型の鏡を可動させたり,鏡そのものの反射率を変化させること,あるいは,それらのハイブリッドで構成するという考え方が一般的になっている。ガンダムAGEで描かれたコロニーは,そうした最新のデザインに近く,ミラーのスタビライザも存在するなど,より可能性の高いデザインとなっている。}}され,太陽光を取り込むのである。このミラーの角度を調整することで,季節感や時間経過などの日照のコントロールが行われている。

 スペースコロニーの主要なエネルギー源は太陽エネルギーであるため,ミラーは常に太陽の方向を向くように制御されている。つまりミラーの付け根は,必ず太陽とは反対側に向いており,太陽光による輻射を避けるため一般的にこちら側に宇宙港は設置される。

 この太陽と反対側の端の根本から,半径14.35kmの円周上に,ドーム型の農場プラントが多数配置されている。それぞれの農場は,ミラーの影に隠れない3つのブロックに別れて分散配置されており,コロニーの住人の食料を補って余りある生産能力がある。ただし,余剰分は半ば義務的に地球連邦への輸出に当てられるため,コロニーでの暮らしは決して楽ではない。

:開放型コロニー:
 島3号型コロニーで,円筒内部が軸方向にそって6つの区画に分割され,3つの大地と3つのミラーによって構成されるタイプのこと。一般的にイメージされるスペースコロニーの形状はこのタイプで,中心に対して60度ごとに大地と太陽光取り入れ口(河)が並ぶ構造となる。
 実際に建造されたタイプの平均的なサイズは,直径6.4km,長さ36.0kmとなり,計画案よりも若干大きなものとなっている。(逆に言えば,計画案よりも小さなサイズや,極端に大きなサイズも存在していると考えられ,移民初期に様々なプランが検討されていたことがわかる。)

:密閉型コロニー:
 ミラーを使わない,完全シリンダー型島3号型コロニーのこと。(元々のオニールのプランには存在しない。)シリンダーの内壁を全て大地として使用できる為,収容できる人口は多くなるが,内部で人工太陽が必要になる点,また,多量の空気をリサイクルする必要があり,非経済的な面もある。(ただし,これらは単純に開放型で同様のシステムを導入した場合,結果的に低コストとなるものではある。)
 構造的に強固である為,コロニーレーザーなどに転用されることも多かった。

 密閉型コロニーが誕生したのは,ひとえに宇宙世紀初期の技術的側面によるものが大きい。宇宙世紀初期に建造が進められたサイド1,2は,スペースコロニーの建造における技術的検証の意味合いもあった。しかし,巨大な透明窓やミラーなど,高い技術が必要な構造物であり,安定した軌道であるサイド1,2でも工事は難航し,事故の頻発により計画は大幅に遅れていた。特にサイド3は,ラグランジュ・ポイントのなかでも安定度の低い地点であり,ここでのコロニー建設は困難を極めることは想像するに難くなかったのである。
 このため,従来よりもより現実的なテクノロジーによってコロニー建設を加速し,速やかな宇宙移民を実現するためのプランとして提示されたのが密閉型と呼ばれるコロニーなのである。
 密閉型は,開放型に比べて技術的に簡単なため,工期も短い上,コストも安いというメリットがあった。さらに,太陽光を取り入れる窓部分が必要ないため,陸地面積が開放型より広く取れ,単純計算で二倍の人口を収容できることから,住民の負担するコストも小さくなるというメリットがあった。(必要な電力は,周辺に浮かべた太陽発電プラントから供給される仕組みになっている。)

 しかし,密閉型コロニーならではの問題点も数多く存在した。
 例えば,常に空に陸地が存在する圧迫感など,宇宙移民を行った第1世代の移住者にとって地球と比較にならないものであった。
 そのため,開放型についての技術的な課題が克服されると,多くの人々はより高級感のある開放型を望むようになり,サイド4以降のコロニーもすべて開放型が採用されることとなった。
!トーラス型(スタンフォード・トーラス)
 1975年にスタンフォード大学で提唱されたステーション(ドーナツ)型コロニー{{fn 我々ファースト世代が「宇宙ステーション」と言われて想像する様なタイプが,このトーラス型である。ガンダムWではオープニングの背景に登場している。近年では,ガンダムUCのラプラスがこのタイプ(幾分小型の様だが)であった。}}のひとつ。
 直径1.6kmの自転車のタイヤのような形状の本体を,約1分で1回転させ,地球と同じ程度の重力を発生させる。居住区は,タイヤで言う接地面の裏側,つまり回転するユニットの外郭内側に存在し,上部は投写型の空と採光用の窓によって構成される。
 また,数十ものスポークで中心ブロックと結ばれており,これが物資などの搬入エレベータを兼ねている。
!フラスコ型(スペース・ナッツ供
 1990年代に日本で考案されたタイプ。三角錐をその頂点で接合した砂時計のような形状となる。接合点を中心にして,回転することで遠心重力を発生させる。
 ベースプランでは,長さ1.9km(1区画0.95km)のもので居住者2千人ほどとなっていたが,実際に建造された[[プラント]]では,数万人規模での居住者が可能となっており,さらに巨大化したことから,回転速度が緩やかになった。
!!島3号型コロニーにおける居住人数
 ここでは一般的な開放型スペースコロニーの各部について解説を行う。
 (red:【この項は,劇中視点ではなく現実視点で記述している。】)

 劇中に登場するスペースコロニーのなかでも最も一般的な島3号型コロニーは,俗にシリンダー型とも言われるように,巨大なシリンダー状の本体の内壁に人々が居住するというもので,その直径は6km,全長は30kmにも及ぶとされており,オニールプランでは100万人居住用とされている。

 劇中に登場する地球圏の総人口と保有バンチ数から逆算すると,1コロニーあたり1000万人規模のものでないとつじつまが合わない{{fn オニールプランの100万人居住用コロニーが40基程で1サイドを構成するという考え方で,計算を行うと,ひとつのサイドに居住する人口は,せいぜい4000万人であり,劇中描写とは大きくかけ離れてしまう。このオニールプランの人数をそのまま利用した資料も多く,この点が初期の資料の各サイドの人口の相違として現れているのである。}}とされているのだが,ここではオニールプランの島3号に居住できる人数を概算で計算する。

 1家族4人
 ○与えられる居住面積が建坪50坪の2階建て延べ100坪とする
 ○公共設備・道路などの非居住域を居住面積の70%とする
 ○開放型コロニーの場合とし,密閉型は倍となる
 
 直径6km,全長30kmのオニールプランの場合
 2π3000×30000=56200000m^2…(1)内壁面積
 (1)÷2=282600000m^2…(2)陸地面積
 (2)×0.3=84780000m^2…(3)居住可能面積
 (3)÷(50坪×3.3)≒513818.2…(4)居住可能な家族数
 (4)×4≒2055272.8…(5)居住可能人員数

 島3号の内壁部の土地面積を概算で算出すると約565.2平方キロ(1)となるが,実際にはその半分を採光部がしめるため,約282.6平方キロ(2)が陸地となる。また,この70%ほどを道路や公共施設などの非居住地と想定したものが,約85平方キロ(3)である。(日本人的感覚からすれば,かなり広い家となるが…)建坪50坪の2階建て住宅を1家族に供与すると考えた場合,全てが4人家族であったとして,およそ200万人との想定結果がでた。
 実際には,核家族や単身家族などもあるであろうことを考慮すると,オニールプランでの100万人居住用という想定は,(アメリカ的住宅を考慮すると)有り得る想定だということがわかる{{fn なお,実際には酸素循環などの効率面も考慮されているが,ガンダム世界では,大規模な二酸化炭素→酸素還元施設が各コロニーに存在していると仮定している。}}。

 実際に劇中にサイド内が登場した際の描写{{fn ざっと確認したレベルでは,「ファースト」サイド7,サイド6,サイド3,「Ζ」グリーンノア,「ΖΖ」シャングリラ,「逆襲のシャア」スウィートウォーター,「0080」リボー,などはどちらかと言えば非常に混み合った印象の住居が多く,「F91」のフロンティアは余裕を持った設計であったように見える。}}から考えると,コロニーではあまり推奨されない多層階(5〜6階立以上)も見られることから,かなり住民が詰め込まれた印象が存在するため,仮に一般的なオニールプランのコロニーであっても,想定される人数を上回る居住者が存在する可能性は高い。

 先述の計算を元に機動戦士ガンダム0083の製作時に設定されたサイズを当てはめて考えると,次の様に考える事ができる{{fn なお,繰り返しになるが,この想定も実際には一家族あたりの居住域を日本人的感覚からするとかなり広めに設定している。劇中の描写では,日本人が考える様な一軒家やマンションといったレベルの居住設備ばかりが登場しているため,(棄民政策的な意味合いを宇宙移民が持っていたと考えると)もっとギュウギュウに押し込められている可能性の方が高い。}}。

 1家族4人
 ○コロニーの直径は6.4km
 ○全長は,32km級,36km級,40km級,45km級の4種が存在する
 ○与えられる居住面積が建坪50坪の2階建て延べ100坪とする
 ○公共設備・道路などの非居住域を居住面積の70%とする
 ○開放型コロニーの場合とし,密閉型は倍となる
 
 全長32km級の場合
 ○居住可能人員数≒2,338,443.6≒234.4万人
 
 全長36km級の場合
 ○居住可能人員数≒2,630,749.1≒263.7万人
 
 全長40km級の場合
 ○居住可能人員数≒2,923,054.6≒292.3万人
 
 全長45km級の場合
 ○居住可能人員数≒3,288,436.4≒328.8万人

 これらから考慮すると,最大規模である45km級に(様々な資料中で最も居住数が多い)2000万人が居住するとして,一人あたりの配分が約2坪となり,一家族で約8坪の土地が割り当てられることとなる{{fn なお,建坪で8坪と考えると,実は一般的な二階建て住居だと,合計30畳ほどの住居となり,日本人的な感覚で言えば,一般的な住居と大差ないレベルとなってしまう。6畳間2部屋,4.5畳間2部屋,キッチン他…の住宅が十分建つのである。}}。また,マンション型の高層建築物への入居が斡旋された場合,割当面積はさらに増えることとなる。
 従って,スペースコロニー1基に居住可能な人員数としては,1000万人程度とする各種資料の正当性は極めて高いと考えられる。
{{anchor 各部解説}}
!!島3号型コロニーにおける各部の解説
 ここでは一般的な開放型スペースコロニーの各部について解説を行う。
 (red:【この項は,劇中視点ではなく現実視点で記述している。】)

 スペースコロニーといって我々が一般的に想像するのがこの島3号型である。
 直径6km,長さ30km,居住可能人員は100万人ほどというプランが考案されたが,実際に劇中で運用されているものは,直径6.4km,長さが32km,36km,40km,45kmの4種が中心で,居住者数も最大1000万人程度と見積もられている。
 以下に,各部の通称と解説をまとめる。
!シリンダー部
 スペースコロニーの中心的な部分。外観ではソーセージ状の部分で,その両端,絞ってある部分が圧力隔壁となっており,さらにその中心部が宇宙港として機能している。
 シリンダー部は,陸地を形成する面と採光部が交互に並んでおり,一般的にはそれぞれが3カ所となっている。また,採光部の外部には太陽光を反射し,取り入れるためのミラーが設置されている。
 なお,シリーズ劇中に登場するコロニーは,同じ島3号型であっても時代と共にアップデートされており,シリンダー部とミラー部の構造の変化が最も大きい部分である。
 現在の島3号型コロニーの描写では,シリンダー部中央にセンターシャフト(センターコア,メインシャフト等呼称は様々である)と呼ばれる「軸」が設置されており,外壁部はこのセンターシャフトとワイヤー(あるいは各種接続軸など)で接続されている事が多い。これは,コロニーの回転による「ねじれ」現象による崩壊が深刻であることが判ってきたためで,センターシャフトからの張力で外壁を支える,という構造が考案されたためである。
!ミラー
 コロニーの採光部に太陽光を反射するために設置された鏡のことで,太陽とは反対側の宇宙港近くの基部に巨大なユニットが一定の角度で設置され,その表面に小型のミラーが数万枚規模で設置されている。
 かつては,このミラーユニットごと可動し,コロニーの採光部を覆ってしまう,というプランが提示されていたが,40kmを超える巨大なユニットを作動させるヒンジ部分の強度の問題と,それによって起こるコロニーの回転モーメント変化,数時間おきに巨大なミラーブロックを動かすための動力{{fn ちなみに,仮にミラーブロックがシリンダー部と30度の角度で太陽光を取り入れていると仮定した場合,ミラーの末端部は,1/2回転の間に15km以上の距離を移動するため,コロニー本体にねじれが生じる可能性が極めて高くあんる。また,そうでなくても完全にコロニーの軌道は変化してしまう。}}など,様々な問題から,その後は,小型のミラーを大量に設置し,これら小型のミラーが,必要な角度に可動することで,太陽光を取り入れるという方向性に変化した。
 しかし,これでもコロニーの回転に与える影響を無視できないとする考え方もあり,ミラー表面の反射率を変化させることで,コロニー内に到達する光の量を加減するという方式のミラーも考案されている{{fn またもやちなみに,宇宙世紀作品におけるコロニー描写は,ガンダムUCでかなり新しいものへと改案されたが,それよりも未来の世界であるガンダムF91やVガンダム,Gセイバーなどで古いタイプのコロニーが描写されているため,根本的な概念は,せいぜい1980年代半ばのものでしかない。ガンダムSEEDでは,センターシャフト式のコロニーが登場したが,ガンダムAGEでは,ミラー部も最新のコロニー案に則ったデザインとなっている。}}。
!河(かわ)
 コロニー内に太陽光を取り入れる採光窓の通称。
 居住ブロック(陸地面)の間に横たわり,各ブロックを橋で繋いでいることから,このような呼び方となった。材質はアクリルスレート板で,かなりの厚さと強度を持っているが,コロニーにおいては最も脆い部分のひとつとなる。
 地球と異なり,たかだか6kmほどの大気の層しか存在しないため,紫外線等有害な放射線が減衰することなく地上面に降り注ぐため,河部分の窓には,これら有害な放射線をカットするための特殊なコーティングが施されている。だが,これでも減衰しきれない部分は,大気によって減衰させるため,河の上にかかっている橋に長時間留まり続けるのは危険である。
!山(やま)
 島3号型コロニーのシリンダーの両端部のこと。実際に山があるわけではなく,コロニーの港口に向かって見かけの標高が上がっていく為,この様に呼称される。
 コロニーの構造上,山を登るにつれ重力が小さくなっていくという特性があるため,居住用地には適さない。多くのコロニーでは,自然環境エリアとして森林や緑地帯として用いられている。
!工業プラント及び農業プラント
 コロニーの太陽側港外周部に存在する大型のリング上に配置された直径200mほどの小型プラント。実は用途的には限定されたものではなく,農業用,工業用がコロニー内の産業構造に応じて配置されているもの。
 コロニー内での生産活動は,場合によっては環境を汚染する可能性がある為,独立したプラントが用意されているのである。

 また,一つのプラントでその産業に適した環境に調整を行うことが可能であるため,農作物の生産において作物ごとの適温を保ったり,工業製品加工において一定の温度を保つといった生産性を重視した調整が可能となった。
 このため,スペースコロニーの内部では,工業・農業という第1次・第2次産業は基本的に存在せず,原則第3次産業が中心となっている。

 逆に言えば,コロニー内に工場施設などがあるのは珍しいとも言えるのである。(一般的には工場がコロニー内にあっても,環境汚染の無いようなシステムになっている場合がほとんどで,グリプスのようにコロニー内の環境が悪化するほどの工業用途に用いられるのは異例である。)
!!各歴史観におけるコロニーの位置づけ
 スペースコロニーは,各作品群において位置づけが異なる。
 以下に作中の位置づけと形状について簡単にまとめておく。
!宇宙世紀
 西暦2045年に第1号コロニー(この場合小型の球形コロニーで,後の1番コロニー,シャングリラとは異なる。)の建造が始まっている。この時期に建造されたコロニーは,その形状とサイズから,「水の島(ウォーター・アイランド)」と俗称されることもあったという。既に,長い年月が経過しており,U.C.0090年代には,いくつかが行方不明となっている状況だったという。

 島2号型のコロニーは,それほど建造されたという記録はない。主となる島3号型コロニーは,全長30〜45km程度,直径6〜6.5km(建造時期によって異なる)のシリンダー型構造物で,1コロニーあたり,約2500万人が収容できる。シリンダー部は,2本1対で互いに回転{{fn なお,互いに逆回転することで軌道上での安定も作り出している。}}し,人工重力を生みだし,ほぼ地球と同様の環境を作り出している。(ただし,一部の生物,植物の持ち込みはできず,内燃機関の使用が制限されるなどのコロニー故の制限もある。)

 劇中に登場するコロニーには,太陽光を取り入れて昼夜を作り出す開放型と,中心部に人工太陽を持つ密閉型の2種類がある。
 開放型コロニーは,陸と「河」と呼ばれる採光用のガラス面が交互にある。外側には反射ミラーが3枚設置されており,ミラーの反射率を調整して昼夜を作り出している。シリンダーの両端は「山」とよばれ,港湾ブロックや工場設備(外部にない場合)などが設置される。
 密閉型コロニーは,同じサイズのシリンダーに倍の人口をすませることができるため,人口の多い方がよい場合などに採用される。この場合,昼夜は核融合による小型の人工太陽によってまかなうため,開放型コロニーに比べると全体的に暗い感じは否めない。
 いずれのコロニーでも,天候はコンピュータによるコントロールで,天気予報は「予定表」という形で行われる。また,通勤時間やレジャータイムなどはきちんと天候の管理を行うことによって居住者に不利益が生じないようになっている。なお,コロニー内では頭上に大地が存在するため,かならず雲が回転軸の中心を漂っており,「晴天」というものは存在しない。

 農作物,工業製品などはコロニー外の農場ブロック,工業ブロックによって生産されている。農業ブロックは基本的に太陽側に存在しており,農作物に最適な環境に調整されている。工業ブロックはコロニー内に悪影響のでないように配置されており,環境管理は地上以上に配慮されている。なお,工業製品については,各コロニーごとの特産品が存在するようで,いわば加工貿易のような状態のコロニーも多いらしい。

 移動手段としては,外壁を利用するリニアモノレールや,内部では電気自動車(エレカ)が主になっている。これは,コロニー内の空気の維持には莫大なコストがかかるためで,居住者は空気税という税金まで払っている。(特に内燃機関の所有者には莫大な税金がかけられているらしい。)
 島3号型コロニーは巨大であるために,逆に特殊な用途に限定したコロニーも存在する。具体的に言えば,観光用コロニーや遊興用コロニーなどである。

 それぞれのコロニーはラグランジュ点に配置され,40基ほどのコロニーが集まってサイドを構成している。サイドは,建造順に番号が振られ,サイド7まで建造された時点で安定期に入った。(一年戦争のため人口が激減したのも影響している。)その後,再び人口の増加に伴う問題によって,サイド8が建造されている。
 また,各々のコロニーは,建造順(あるいは計画順)にナンバーが与えられ,有名なコロニーになると,ナンバーよりも愛称が知られるようになる。例えば,第一号コロニーであるシャングリラは,サイド1の1バンチであるが,理想郷を意味する「シャングリラ」という愛称が一般的になっているのである。
 こうした独自の愛称が付けられたコロニーは,スペースコロニー(宇宙島)を意味する「アイランド・○○(あるいは単に○○)」と呼称される場合も多い。

 宇宙移民の開始当初はコロニー居住者はエリートであったが,連邦政府の政策の移り変わりに伴い,実質的に植民地的扱いになってきている。これは,強制移民の時期以降,連邦政府が徹底的に民衆の地球上での居住を排除したためで,地球上に住む者はエリートであるという認識を生みだしてしまうに至っている。

 なお,後に「コロニー(植民地)」という名称に不満を持つ層が増えたこともあり,「セツルメント」と表記が変更されている。
!未来世紀
 未来世紀では,地球の環境破壊が進んだため,国は自分の土地ごと宇宙にあがっていった。それがコロニーであり,おのおのが地上にあった頃と同様の国家としての体裁を保っている。各国単位で作ったため,例えば,ネオアメリカならば自由の女神が建てられていたりとその国の特徴が顕著に見られる。
 こうした事情から,すべての人類をコロニーに上げることは不可能だったため,一部の限られた人間のみ移住することができた。無論必要なコストも甚大であり,ネオホンコンの様に独自のコロニーを持たない独立主権国家も存在している。

 未来世紀におけるコロニーの形状は,いわゆるアイランド・タイプのものではなく,人口重力で管理された「大地」そのものである。また,重力制御装置により,空気が存在するため,地上を歩くこともできる。
 すなわち,あくまでも宇宙に浮かぶ大地であり,建造技術・維持技術,いずれをとっても極めて高い科学力によって成立しているのが未来世紀のコロニーなのである。

 なお,これらコロニーは宗主国(というよりも,コロニーが実際には行政府で有り宗主国なのだが)の名称に「ネオ」を付与し呼称される。すなわち,日本であれば,「ネオジャパン」という形になる。
!アフター・コロニー暦
 アフター・コロニー歴におけるスペースコロニーは,小型のコロニー(宇宙ステーションタイプのトーラス型をサイズ拡大した物)や,小惑星基地などに人類が移民を開始してからおよそ200年が経過しているため,その時代時代の経済背景などに応じて様々な形状のコロニーが存在している。
 また,各コロニーは,ラグランジュ点の配置地域により,A〜E地域で呼称されるが,中にはXナンバーを持つものもあり,現時点ではこの詳細は明らかでは無い。
 詳細は,「[[アフター・コロニーのスペース・コロニー]]」を参照。
!アフター・ウォー暦
 基本的に島3号型コロニーで,宇宙世紀と同様の形状である。
!コズミック・イラ暦
 資源衛星ヘリオポリスなど,旧タイプとされるスペースコロニーは,既存のガンダム作品同様,「島3号型」のものがほとんどである{{fn 意外に見過ごされやすいのだが,ヘリオポリスの外観や構造は,1990年代に言及された構造的な問題などを解消した新しいタイプのシリンダー型コロニーである。作品に対する評価の問題も有ってか,こうしたアップデートされた技術面が不当に評価されている点は残念である。}}。

 プラントに存在するコロニーは,ジョージ・グレンによって設計された砂時計型の新たなタイプ{{fn デザイン的には大林組が発表した「スペースナッツ」と呼ばれる形状に近い。円錐2つを頂点で結合したような形状で,この頂点を基準に回転する。大林組の案は小型で,2千名ほどの居住者を想定しているが,プラントは万単位の人間を収容可能である。}}である。
 その形状から「砂時計」と揶揄されるなど,ブルーコスモスなどからの憎悪の対象となっているが,重力の発生のさせかたなど,基本的な考え方は従来のものと大差ない。
!アドバンスド・ジェネレーション暦
 人類の宇宙進出から既に数百年が経過し,最大の宇宙戦争の後にスタートした新暦であるこの時代には,各コロニーは独立した自治国家のような状態になっている。(とはいえ,地球連邦という大きな統一政府内での自治のようなものだが。)このため,他のコロニーについては,無関心となっており,UE(ヴェイガン)の襲撃により,難民となった他のコロニーの住民たちについては,多くの場合歓迎されていない。

 コロニーそのものは,ほとんどが従前の島3号型{{fn SEEDの頃よりも更に新しい解釈が導入されている。}}であるが,一般的に難しいとされてきた動物や虫などが居住区に人間と共に生活している点から,何らかの技術革新があったものと考えられる。
 特に大きな特徴となっているのが,内部に使用されている土壌で,これらにはナノマシンが散布され,これによって土壌改良が行われている。また,植物のほとんどが遺伝子改良によってコロニー環境に適したものとなっている。
!!備考
!現実からの視点
 スペース「コロニー」という言葉が,植民地を表すこともあり,オニールの発表以後,その名称については様々な言及があった。現在,英訳では,「Space Colony」を用いるのは一部の資料のみであり,多くは「Space Habitat」(Habitat=生息地),宇宙での居住地の意味合いで用いられることが多い。
 無論,ファーストガンダムにおけるスペースコロニー≒スペースノイドの立場が,事実上植民地民に等しいかのような扱いを受けていることから,スペースコロニーでも間違いであると断じる事は出来ないのだが。

 なお,ガンダム関連作品では,G-SAVIOURで,スペースセツルメント(Space Settlement)と英訳されたが,これも実は見方によってはかなり上から目線の言葉ではある。
 セツルメントとは,「専門家による一般市民への福祉的援助・指導」を指す意味合いがあり,そうした専門家などが常駐する社会福祉援助施設などのことを指す言葉である。国内で言えば,人権センターや法律相談センターなどが該当する施設だが,海外ではスラムなどで住宅を持たない人々の為に用意された施設という意味合いもある。この点では,G-SAVIOUR劇中のセツルメントの意味合いに近いとも言えるだろう。

 こうしたことから,劇中のコロニーの扱いは,どちらかと言えばマイナスイメージが強く,Gガンダムの様に「コロニー居住者=権力者」という位置づけのほうが少ない。
 なお,海外SF等では,コロニー居住者=高所得者といった作品も多く,コロニーというよりは,ハビタット(居住地)という意味合いが強い作品も多い。

:補足:
 スペースセツルメントという言葉を用いたのは,アイザック・アシモフが先駆者ではないかと思われる。1986年から連載が始まった科学コラム「FRONTIERS」において,宇宙ステーションの「居住区」という言葉に「セツルメント」を当てているのである。邦文に訳したのは,宮田都氏で初版刊行が1991年であることから,G-SAVIOURにおける「セツルメント」は,このアシモフの記述に影響された可能性は否定できない。
 同時にアシモフは,宇宙居住者を「セツラー」と定義している。このセツラーこそが,次代(宇宙時代)を生き抜く「新人類」であるとも語っており,こうした点は,機動戦士ガンダムおよびそのシリーズに内包される「新人類」に意味合いとしては近いのではないだろうか。
!実現性
 スペースコロニーの建造における実現性については,本文節で語ったとおりだが,実際に現実問題として建造されるか,というと(1970年代〜80年代はともかく)現代ではほとんど否定的である。
 その最大の理由が「人類そのものの衰退」であり,コロニーを必要とする様な先進国では,既に少子高齢化の為の人口減少に向かっており,宇宙に大地を必要としないことが明確となってしまったためである。

 その一方で,東南アジア地域や中央アジア地域,またアフリカ地域では,人口増加に歯止めがかからず,2011年に総人口が70億を突破するに至っている。(これは,1980年代の予測よりも若干スピードダウンした程度に過ぎない。)これらの人口を支えるための手段として,砂漠緑化などのプランが考えられていたものの,逆に砂漠化の勢いは(特に中国を中心とするアジア)で加速度的に進行している。
 このため,宇宙進出については一部の国では真剣に検討されている状況であり,近年は軌道エレベータの実現性に注目が集まっている。
!!関連項目
*[[セツルメント国家議会]]
!!編集者
*あさぎり
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//統合履歴
//2011.11.10:アイランド統合
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