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シャアの生死
- [参考/雑学知識]
概要
初期のガンダムシリーズである,「機動戦士ガンダム」,「機動戦士Ζガンダム」,「機動戦士ガンダムΖΖ」,「機動戦士ガンダム〜逆襲のシャア」においての,シリーズ全体を通した主人公というと,アムロ・レイ,シャア・アズナブル,ブライト・ノアであることに否定意見を持つ人は少ないだろう。
アムロとシャアは,連邦とジオンのエースパイロット,あるいは「世界を底辺から変えていこうとする思想」と「世界を俯瞰したところから変えていこうとする思想」の持ち主,といった,いわば相反する存在であった[1]。
一方,ブライトは,いわば世界の傍観者である。機動戦士ガンダムに始まり,「機動戦士ガンダム〜閃光のハサウェイ」において退役するまで,数多くの動乱をその中心から僅かに離れた部分で見てきた,という存在がブライトといえるだろう。
さて,そのシャアであるが,作中実に様々な立場に身を置くこととなる。そして,作品ごとにその姿を消すのである。
これについては,毎回生死不明とされるため,非常に物議を醸すのである。
機動戦士ガンダム
テレビ版最終回ではシャアの生死は明確には描かれていない。
これは,生死に関して含みを持たせておいた方がいいだろうとの考えからだったようだが,ファンの間でかなりの物議を醸してしまい,結果的にある程度はっきりさせる必要が生じたようである。
劇場版めぐりあい宇宙では,そのあたりに決着を付けるためか,ア・バオア・クーから脱出する艦船の描写が書き込まれ,エンディングではアクシズへと去るグワジン級戦艦が描写される。その艦橋にシャアらしき人物の影を描写することでシャアが生存していることを表現しているのである。
このことからも,テレビ版はどちらかといえばホワイトベースのクルーの物語であり,劇場版はシャアの物語(結果的に次のZガンダムまで含めて)であったと言えるだろう。
なおガンダムエースで連載された北爪氏作の「若き彗星の肖像」は,そのシーンの直前から描写が始められている。
機動戦士Ζガンダム
Ζガンダム最終話ではシャアとハマーン・カーンの戦いはハマーンの勝ったが,シャアが破壊されたサラミス改級の爆発を誘導し,巻き込まれることで結果的に行方不明となり,生死自体は触れられていない。
しかしながら,エンドシーンでは破壊された百式のコクピットハッチが開いた状態で漂流している絵が挿入されるため,シャアは生きているというのが共通した認識であった。ところが,続くガンダムΖΖではオープニングに姿を見ることはできるのだが,本編ではハマーンの口からシャアの言葉が出るだけで,登場することはなかったのである。
シャアの動静が語られるのはガンダムΖΖ最終話で,セイラの口から,兄は機会を待っているという旨の言葉がブライトに語られる。これにより,シャアの物語はまだ終わっていないのだということが印象づけられたのである。
なお,蛇足ながら,仮にシャアがパイロットという立場に拘らなければ,Ζガンダムから逆襲のシャアという作品は大きく変わっていた可能性も高い。というのも,ダカール宣言以降,シャアに対する地球連邦のアレルギーは,それほど感じられないこと,そして,エゥーゴも実質的にシャアが中心であったこと,を考えると,彼が指導者として,連邦とエゥーゴを動かした場合,あるいは彼の理想とする社会が実現できた可能性もあったのである。(ただし,劇場版Ζガンダムにおいては,そうした「シャア中心の世界」は明確に否定されている。これによって,逆襲のシャアにおいて,シャアが否定されたという状況がよりはっきりとしている。)
機動戦士ガンダム〜逆襲のシャア
破壊されたサザビーのイジェクションポッドとνガンダムのアムロによってアクシズを持ち上げる際に消息不明となってしまう。現在に至っても,シャアとアムロは「行方不明(未帰還)」であり,結論は明確にされてはいない。一時期,ラストシーンでアクシズから離れる一条の光があると話題になったが,それが結論とは思えないのである。
この状況に関しては「明確に死亡描写がなされていない」だけで,事実上の戦死であることが,監督のインタビュー等で語られている。
編集者
最終更新時間:2014年07月31日 18時19分05秒
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脚注