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X100系フレームの変更点

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!!!X100系フレーム
*[用語]
//*読み:
*分類:その他
*区分:[[コズミック・イラ]]
*出典:[[機動戦士ガンダムSEED]]
!!説明
 ザフトが開発し,実戦に投入したモビルスーツは,地球連合軍の主力である従来型の戦闘兵器モビルアーマー「メビウス」とは全く異なったコンセプトの機体であった。人型を模したその機体は,柔軟な可動領域をもった人間同様の兵装管理が可能なもので,対モビルアーマーの戦力比は,1対5とも言われるほど圧倒的なものであった。

 これに対して,大西洋連邦の一部技術者たちを中心に開発が進められた連合のモビルスーツがいわゆる「G」である。
 連合にとって初めてのモビルスーツは,様々な情報収集と,新技術の開発によってその建造が進められた。
 しかし,なにぶん従来に無い概念の兵器の開発であったこともあり,その開発には難航することとなった。

 こうした状況下で,まず最初に行われたのが,機体の基本となるメインフレームの開発であった。フレームの設計・開発に当たっては,実機の建造だけでは無く,量子コンピュータをはじめとした様々なシミュレーションデータによる開発プランも検討され,数多くの設計案が検討されたと言われている。

 この際にMSの最も基本的なフレームとして開発が進められたのが,X100系フレームなのである。
!!X100系フレーム
 大西洋連邦が開発を進めていた新型モビルスーツの試作シリーズである「GAT-Xシリーズ」において最も基本的なフレームとして開発が進められたのが,X100系フレームである。人型の機動兵器として,柔軟な可動範囲とそれ単体での稼働に支障がないレベルの完成度を誇り,このフレームをベースに様々な機体が開発されることとなった。

 X100系フレームは,量子コンピュータ上での設計データとしてまずX101(GAT-X101)が開発され,これを基準にその完成度を高める形で開発・改良が進められた。
 全てのモビルスーツのベースとなるフレームとして開発されたX100系フレームの基本となったのは,ザフトのZGMF-1017ジンであるが,開発当初からフレームその物の完成度を高める方向性で設計が進められており,続くX102でベーシックなフレームとしての基本設計は完了している。(その後の開発機は,どちらかと言えば完成度の向上といった意味合いが強いものとなっている。)

 また,フレームと装甲や武装など追加される装備は切り離されて開発が進められており,フレームに対する追加装備のデータさえ設定できれば,様々な機体をシミュレーションによって生み出すことが可能な状態となっていた。
 実際,GAT-Xシリーズにおいて存在した数多くの試作プランは,そのほとんどが量子コンピュータ上でのシミュレーションデータによる実証試験が行われたに過ぎず,実際に完成した機体のほうが少ないのである。

 X100系フレーム採用機として,極めて初期に建造されたX102,X103,X105は,いずれもベーシックな機体として完成しており,その機体運用面を見ても連合のモビルスーツ開発が試行錯誤の最中であったことが伺える。
!X100系の機体開発経緯
 ここでは,初期のX100系における機体の開発経緯について簡単にまとめておく。
 先にも示した通り,連合のMS開発においては,その多くが仮想空間上でのシミュレーションデータとして存在している。(実際には,ナンバーだけ与えられて検証作業すら行われていない機体も存在すると思われる。)
 この中で,最も初期に実機がロールアウトしたのが,X102,X103,X105,X207,X303である。(X207,X303については別項で解説する。)

 GAT-X102デュエルは,近接機として完成した機体だが,X101がシミュレーションデータ上の存在であったため,事実上の初号機として完成している。この結果,極めてベーシックな機体として完成しているが,逆に言えばどのような状況であっても対応可能な無難な機体を開発したということであり,機体コンセプトそのものは十分に煮詰められたものであったとは言い難いものとなっている。なにしろ,近接戦対応というコンセプトそのものもザフトのジンに対応して設定されただけと思われる様なもので,あえて言うならば「ベーシックな汎用性の高い機体」によって雛型を作り出した,という様な状況であったのである。
 また,兵装も後に標準的となる57mmビームライフル及びビームサーベル(及びイーゲルシュテルン)のみというシンプルなものであり,実質的にX102は,X101で試されたデータの実機検証機といったニュアンスの強い機体であったとともに続く開発機のコンセプトベースであったということが出来るであろう。
 実際,ザフトに奪取された後,X105との交戦による破損をきっかけに,X102にはザフト製の増加装甲システム「アサルトシュラウド」が導入されたが,これを導入して以降の安定した運用を見ても,様々な機体開発におけるテスト機的な側面があったことが功を奏したとも考えられるのである。

 GAT-X103バスターは,X102のデータから得られた運用形態において,母艦となるアークエンジェル級と敵機との間に挟まる支援機という形態で設計が進められた機体である。すなわち,ベースフレームに砲撃戦対応の武装・装甲を装着したプランとして開発されたものということができる。
 基本フレームは,ほぼX102と同じでありながら,その装備によって長距離支援型として運用可能な機体としてロールアウトしたX103の存在は,X100系フレームが極めて高い完成度を当初から持っていたことを示している。また,X103は支援機として設定されているが,ザフトに奪取された後の実際の運用は近接戦を中心に行われている。これもまた,X102の存在があったからこそだということもできる。

 GAT-X105ストライクは,初期のX100系MSの完成体として設計が進められた機体である。換装可能なストライカーパックを運用するためのストライカープラグが設置されている点が最大の相違点であるが,逆に言えば,その点を除けば細かいブラッシュアップが行われた程度でしかない。つまり,X100系フレームの完成形として提示されたX105が選択したのは,ストライカーパックによる極めて高い汎用性の獲得{{fn 実際には,ストライカーパックによって各装備の運用専用機に変化する機体,ということであってストライクそのものはデュエル同様のベーシックな機体である。}}であった。
 X105は,X104としてシミュレーションされたデータがさらに反映されており,X100系フレームとして,より完成されたフレームが用いられている{{fn この記述は,PGストライクのインストなどで見ることができる。}}。とはいえ,X105のフレームは,先のX102,X103と一見して変わるところはなく,同一のフレームと見ることもできる。
 つまりは,フレームの基本的な部分は変更されていないが,細かい材質面,構造面,プログラム設定面,といった細かい部分の改良が行われ,さらにストライカープラグを設置したことで,真のX100系フレームが完成した,というなのである。

 このX105のフレームは,事実上X100系フレームの完成形といっても過言ではなく,以後連合において量産されたダガー系列のほぼ全てがこのフレームに属するフレームを用いている。無論,細かい改装は継続していたと思われるが,機体の基本構成を決定する根本部分においては,GAT-01/02ダガー系,GAT-04ウィンダム,いずれもX105の系譜上に存在する機体なのである。

 一方,オーブ攻防戦において投入された新型GAT-XシリーズであるX131に搭載されたフレームは,それまでのフレームとは大きく異なるフレームであると言うことができる。
 これは,本体への内蔵兵装であるスキュラの存在が大きく,基本構造自体が大きく変更されている可能性が高い。(すなわち,機能的には強化されたものの,本来のX100系フレームの目指すところである汎用性は失われていったと言うことだろう。)
 このフレームを共用した機体は,同型のバリエーション機としてのX133しか確認されていない。これは,このフレームの扱いが困難である{{fn 構造的な面,運用的な面,価格的な面含めたものとして}}と考えられるのである。
 先に示したとおり,X100系フレームではX105と同系統のフレームが量産型MSであるダガー系には用いられている。これは,ナチュラル用OSの開発が進行したことも大きな要因の一つではあるが,もう一つ「フレーム(機体)の持つポテンシャルを発揮できる要素」としてのパイロットにかかる負担というものも考えられるのではないのだろうか。
 実際,X131,X133を運用したパイロットは,いずれもかなりの技量を持ったパイロットであり,これらの機体のポテンシャルフルに発揮するには一般のパイロットでは力量不足であったということではないだろうか。
 これは,X131に連なる系譜のフレーム構造を持ったX100系MSが登場していないことからも想定が可能である。

 結果的に,X100系フレームは,その標準性が決めてとなり,一般兵向け且つ大量生産向けとして連合製量産型MSのフレームのスタンダードとなった。しかし,改良を加え,X131に採用された新型フレームは,そのデータこそX100系フレームとしてフィードバックされたものの,フレームそのものは内蔵兵装を備えるなど,既にX200系と区別できないレベルのものとなっていたのである。これは,X200系の機体として登場したX252が既に部分的な可変機構を持ち,X300系フレームと区別が難しくなっていたのと同様だろう。
 このため,後に連合の主力となるMSは,ほぼ全てがX105系の発展型となり,一騎当千のスペシャル機は新たなフォーマットのMAに占められることとなった。
 その意味では,X100系フレームと共に開発されたX200系,X300系フレームは,MSという新たな兵器を検証する上での試行錯誤の一つとして機能した,と言うことができるだろう。

 なお,蛇足ながらこれら初期GAT-Xシリーズの技術盗用によって完成したオーブ連合首長国のMBF-P系MS(通称アストレイ系)は,X100系フレームの派生型と考える事ができる{{fn 実際,パーフェクトグレードのレッドフレームは,ストライクのフレームをベースに設計されており,その意味でフレームの共通性は残っている,といっていいだろう。}}。
 そのアストレイ系は,M1,M1Aと発展した後,同じフレームタイプから可変型のムラサメを生み出している。この点も,X100系フレームの高い完成度があったからこそ,といっても過言では無いだろう。
{{anchor X200}}
!X200系フレーム
 地球連合のGAT-Xシリーズにおいて,200番台の型式を持つ機体に採用されているフレームが,X200系フレームである。

 X200系は,俗に特殊戦用フレームとも言われ,X100系フレームをベースとしながらも,特殊な作戦行動に用いられる機体にそれ専用の改修を施した施したものとなっている。このため,ベースこそX100系でありながらも,運用する機体ごとに全く異なったフレームになっていると言っても過言では無い。
 X200系の開発コンセプトそのものは数多く提示されながらも,もともと特殊戦といっても状況が限られるため実用に耐えうるものは少なく,実機として完成した機体は少ない。
 実際,X200系の機体は,初期GAT-Xシリーズとしてロールアウトした隠密作戦用のX207ブリッツ,後期GAT-Xシリーズとしてロールアウトした特殊防御兵装運用型のX252フォビドゥンの二機種とその派生型(X207SRネロブリッツ,X255フォビドゥン・ブルー)が確認されるのみである。
 いずれの機体も派生型を含めて試作機レベルでの開発に留まり,実用量産型の開発に至っていない。

 X207系は,後に明らかとなったGAT-SO2R(NダガーNと呼称される)が事実上の量産機ではあるが,実のところダガー系にX207のコンセプトを導入した機体であり,また,根本的問題として核動力機であるため,本来のX200系フレームとは全く異なったものとして完成しているため,別の系譜と見なすこともある。(それ以上に,SO2Rは,存在その物を連合は公式に認めていない機体である。)
 また,X252フォビドゥンは,開発途上で示されたコンセプトの一つであるX255がメインとして採用され,結果的に局地戦対応機として新設された700系(水中型MS)として少数が量産されたに過ぎず,X200系として量産されたというものではない。(ただし,706Sディープ・フォビドゥンや707Eフォビドゥン・ヴォーテクスは,水中型MSとしては高い評価をえており,機体そのものは高い完成度である。)

 結果論ではあるが,X200系フレームはその後の連合の兵器開発におけるコンセプトからも取り除かれてしまうこととなる。
 一般的な量産機はX100系ベースで,また,特殊戦対応の機体は全く新しいコンセプトで開発されたMAが担うこととなるのである。
{{anchor X300}}
!X300系フレーム
 地球連合のGAT-Xシリーズにおいて,300番台の型式を持つ機体に採用されているフレームが,X300系フレームである。

 X300系は,俗に可変型フレームと呼称されるように,MSからMAへの変形能力を有する機体に用いられているフレームのことで,当然ながら変形パターンの異なる機体で統一できるはずもなく,各機バラバラの専用フレームということになる。

 300系フレームを採用した最初の実用機が,GAT-X303イージスである。
 X303は,当初プランの通りに運用されれば,他のGAT-Xシリーズの指揮機に相当する位置づけになるはずの機体であった。これは,MSの運用ノウハウが連合に存在せず,独自の開発プランに沿って様々な可能性を想定していたためである。
 X303は,同時に艦隊戦において敵艦に対する一撃離脱戦も想定されていた機体である。すなわち,連合の本来の兵装であるMAとしての運用がその根底にあったのである。(これには,MS単体としての打撃力の問題があり,これを解決するために用意されのが,MA形態であるという状況もある。)

 しかしながら,いわば特注のフレーム構造は,機体構造の複雑化を招き,他の機体と同時に運用する際の問題点も抱え込むこととなった。つまり,用途に応じた可変機構そのものが,運用上の障害その物になってしまったのである。これは,発展型として開発されたX303AAロッソイージスでも同様で,「高性能・高機能」と引き替えに「運用性・操作性・維持管理性」などが犠牲になってしまった,ということなのである。
 この結果,X207系がX100系フレームに機能を落とし込むことで量産を可能にしたのに対して,X303系は量産モデルが存在しないこととなった。
 なお,GAT-333レイダーは,わずかながらも量産されたが,これもストライカーパックを装備したダガー系(GAT-02L2)の本格配備に伴って姿を消している。同様に,X303のMA形態のような一撃離脱戦には,専用のMAが当てられることが増えており,結果的にMSとMAの運用思想がはっきりとしたため,X300系の存在意義そのものが揺らいだのである。

 X300系とは,連合のMS開発黎明期における試行錯誤の産物である,ということが言えるのだろう。
!!関連項目

!!編集者
*あさぎり
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