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HG

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HG / ハイグレード

  • [模型用語]

 曖昧さ回避

(1) 高品位を表す言葉として用いられるもの。

 同一メーカが出荷する模型のなかでも高級品,あるいは高価格版として出荷されるものの通称。あるいは,メーカー側がそのような商品名として出荷した物。
 例えば,同じ航空機の模型であっても,エッチングパーツの付属する高価格版と,付属しない廉価版が出荷されたり,既に出荷されている製品のリニューアル版を販売する場合などに「ハイグレード版」といった名称で呼ばれることがある。

(2) バンダイのプラモデルの商品グレードのひとつ。

 バンダイ製品で,1990年以降に持ちいられるようになった商品グレードのこと。
 以下は,本項目の説明となる。

 説明

 HGとは,品質を表す「ハイグレード」の略称で,バンダイのプラモデルに冠されている商品グレードのひとつである。ハイグレードという正式な呼称よりも,「えっちじー」と省略して呼ばれることの方が多い。
 1990年3月に発売された「1/144 ハイグレード RX-78ガンダム」が商品としては最初のもので,以後,様々なシリーズに用いられ,カテゴリが分化した。

 最初の製品である「1/144 ハイグレード RX-78ガンダム(以下HGガンダム)」は,ガンプラ発売10周年記念企画として用意されたもので,当時シリーズが進行していたポケットの中の戦争シリーズ〜ガンダムF90に至る技術革新を投入した「最新の1/144 RX-78ガンダム」という位置づけのキットであった。(ただし,実際にはポケ戦シリーズ終了後〜F90までの新製品の「狭間」を埋めるキットでもあった。ちなみに,実際に「ガンダム10周年企画として発売された商品がフルカラーモデルであり,箱替え版も存在しており,事実上のガンプラ10周年バージョンでもあったのである。)

 商品企画としては,ポケットの中の戦争で行われた「MSのリニューアル」が事実上の失敗(つまり,ポケ戦作中の機体は全てバリエーションとして扱われたことがあり,アレックス≠ガンダムとなってしまった)のため,新たに「ガンダムをリニューアル」したデザインで進めることとなった。
 つまり,最新の模型設計技術を投入するだけでは無く,改めて「ガンダム」というアニメーションデザインに手を入れ,リニューアルすることが初めて明言されたのである。(ちなみに,キットとしてのリニューアルは,明言されてはいないが過去に幾度か行われている。デザインそのものに対するアプローチが明言されたのは初だったのである。)

 本来,こうした記念品的な意味合いが持たされた商品であったのだが,誕生したキットは,当時としては非常にクオリティが高い商品となり,ユーザー側からのリアクションも大きく大きな売り上げを記録した。また,それと共に,他の機体のリニューアルの要望も多く寄せられたことから,ガンダムMk-供うΕンダム,ΖΖガンダムと,4種が次々と発売されることとなった。

 第1弾として発売されたガンダムは,10周年記念キットという意味合いも強かったこともあり,非常に斬新な商品仕様であった。
 まず,当時の一般的なキットが成し遂げていた「色プラ」,「システムインジェクションによるパーツ内多色成型」,「スナップフィット」は言うまでも無く,「MSジョイント2による間接構造の半完成による組立ストレスの軽減」,「1/144スケールでのコアファイターの脱着」など,豪華な仕様となっていたのである。続くガンダムMk-供うΕンダム,ΖΖガンダムもこれに準じた仕様ではあったが,ガンダムほど豪華なものでは無くなっており,如何にガンダムが「特別」であったのか,を示している。

 しかしながら,この商品構成が災いし,HGガンダムは金型が大きく劣化,2001年5月にHGUC版ガンダムが発売されるのに伴い,ガンプラ史上初の絶版商品となった。(なお,後続の3種はガンダムのコアファイターのように,非常に細かいシステムインジェクションの使用頻度はそれほど高くなく,また,生産頻度も多くなかった為,それほど金型の劣化が進んでいないとも言われる。無論,ショット数の多いガンプラの金型は劣化が進んでいるが,多くはメンテナンスにより修復されている。例えば,ベストメカコレクション版の1/144ガンダムは,金型の各コマに対する修復が繰り返された結果,事実上別金型になっているとも言えるほどの状況であるとも言われる。)

 本シリーズの商品フォーマットは,既存のガンプラとは大きく異なっており,その点でも斬新な商品といえる。
 既存のガンプラでも機体解説(+幾ばくかのバリエーションなど)などは展開されていたが,本作は「読み物」としての体裁を整え,またイラストをふんだんに書き下ろすことでインストラクションの付加価値を高めていた。(ちなみに,イラストはカトキハジメ氏の書き下ろしで,いわゆるVer.kaの基礎部分はこのイラストで完成したといわれる。)
 また,インストラクションの完成見本は,既存のキットでは商品の素組であったが,本作はモデラーの改造作品であった。
 残念ながら,4種発売後のシリーズ化は行われなかった(というよりも,想定外に数がでてしまった,というのが正しいだろう)が,ユーザー側に「デザインリニューアルキット」の存在の意義を問うたことは大きな一歩だった。

 こうして誕生した「HGシリーズ」(当時は,ブランドでは無くあくまでも記念シリーズであった)だが,商品仕様などの問題から,その後はシリーズとして継続することは無かった。

 ところが,1993年の機動戦士Vガンダムの放映時に「組み立て難度が高い高品位製品」という意味合いが持たされた「商品グレード(品質)」に変質して,再び登場したのである。この方法論は,プラモデルの対象年齢を区分する上でも大きな意味があり,以後,HGというブランドに変質しながらも継続して用いられる様になった。
 その後,「機動戦艦ナデシコ」などいくつかのシリーズでHGブランドが冠されることとなったが,これが一定の方向性を持つようになるには,まだ時間を必要としたのである。
 なお,現在ではMG(マスターグレード)やPG(パーフェクトグレード)の登場により,高品位という意味合いよりも,「一定の品質を保ったスタンダード商品」という意味合いのキットに冠されることがほとんどである。

HGシリーズの迷走

 こうして一つの方向性が示されたHGブランドであるが,機動戦士Vガンダムでは1/100スケールの変形システムを持ったガンダム(つまり,VガンダムやV2ガンダムなど)に冠されるものであったが,1/60スケールのV2ガンダムの発売で再び混乱することとなる。つまり,HGよりも上のランクの商品が登場したのである。このため,1/60スケールのV2ガンダムでは「HGEX」というブランドが冠されることとなった。(ところが,実際の商品仕様としては,完全変形こそするものの,様々な問題を内包していたのである。)

 結果的に,こうした混乱はしばらくの間続くこととなる。
 94年の機動武闘伝Gガンダム,95年の新機動戦記ガンダムW,96年の機動新世紀ガンダムXでは,1/100スケールの全キットにHGが冠されたが,HGEXが冠されたのは,1/60スケールのシャイニングガンダムとゴッドガンダムだけであり,ウイングガンダムゼロには,なんのブランド名も冠されなかった。
 また,96年よりスタートした第08MS小隊では,1/144スケールにHGブランドが冠され,シリーズ全てがHGとなったのである。続く,エンドレスワルツシリーズでは,1/144スケールにはHGFA(HGファイティングアクション),1/100にはHGと全てのスケールでHGのブランドが冠されることとなった。(同時期のG-UNIT,G-SAVIOURも全ての商品がHGであるが,これらは1/144スケールしか発売されていない。)

 こうした「HG」の乱発は,(95年にマスターグレードシリーズがスタートしていたことも大きいのであるが,)確固としたブランドイメージが見えていなかったことが最大の原因である。

 これが大きく払拭されるのが,1999年のHGUCシリーズの立ち上げである。
 HGUCシリーズは,初期のHGの理念のひとつであった「リニューアル」を一つの要素として立ち上げられたもので,既存の1/144スケールキットや未発売の商品を発売するためのシリーズとしてスタートしている。
 ブランド名に,「UC」すなわち,宇宙世紀を冠する様に,「1/144スケールで,(当初の計画ではあるが)機動戦士ガンダムΖΖまでのMSを商品化する」という明確な指針が用意されたのである。
 実のところ,これ以降に発売された各シリーズは,基本的にこうしたシリーズの意図するものが明確化されている。これは,他の作品のキットの場合でも同様となった。

 なお,本Wikiでは,基本的に次の様な呼称を用いることが多い。
 これは,上記で示した通り,HGUC以降のシリーズは,確固としたブランドイメージが存在するためで,それ以前のシリーズと区別を行う為に,同じHGブランドでも区別する場合があるからである。

 他の項目で,こうした使い分けがある場合,以下の法則でほぼまとめられているので,参考にしてもらいたい。
 また,詳細説明は,下部に示しているのでそちらを参考にしてほしい。

  • (1)初期HG・旧HG
  • (2)HGUC・HGFC・HGAW・HGCC・HGAC・HGCE・HG[1]
  • (3)HG SEED・HG OO・HG AGE・HG GUNPLA BUILDERS・HG BUILD FIGHTERS
  • (4)HGオーラバトラー(HGAB)・HGヘビーメタル(HGHM)
  • (5)HGFA
  • (6)HG MECHANICS
  • (7)HG-EX・HGEX
  • (8)HG Ver.G30th
  • (9)HG


(1)初期HG・旧HG

 初期HG,旧HGといった場合,基本的に1990年から発売されたガンダム,ガンダムMk-供うΕンダム,ΖΖガンダムの4種を指す。価格帯は,1000円〜1500円。

 これら4種のHGキットは,10周年記念キットとして発売された(厳密にいえば,10周年記念キットはガンダムのみであるが)もので,現在の一般的なHGブランドのキットとも製品仕様の異なる独特のものであるため,特に区別して用いる事が多い。
 先述した通り,ガンダムはガンプラ史上初の絶版となっているが,残る3種は,近年ではHGUCでリメイクされたこともあって稀に再版が行われるに留まっている。
 しかしながら,多色システムインジェクションを用いたガンプラは,その特性上,金型に高い負荷が掛かるため,同様の成型品である「ガンダムF90」などもかなりモールド等に金型の劣化をみることができることから,頻繁な再版は望めないであろうと思われる。

(2)HGUC・HGFC・HGAW・HGCC・HGAC・HGCE・HG[2]

 それぞれ,「HGUC(ハイグレード・ユニバーサル・センチュリー)」,「HGFC(ハイグレード・フューチャー・センチュリー)」,「HGAW(ハイグレード・アフター・ウォー)」,「HGCC(ハイグレード・コレクト・センチュリー)」,「HGAC(ハイグレード・アフター・コロニー)」,「HGCE(ハイグレード・コズミック・イラ)」と呼称する。
 これらは正式名称であるが,通常は元々のシリーズ名である「HGUC」と単にまとめられる場合も多い。

 価格帯は700円〜28000円までと幅が広いが,中心となるのは1000円〜1500円程度の価格帯である。(最安値は,ズゴックやジムなどの700円,最高値はガンダム試作3号機デンドロビウムの28000円である。これ以外にも,5000円のサイコガンダムなど,設定上大きな機体が高額化する。)

HGUCシリーズの成立

 HGUCシリーズは,1999年にスタートした新たなキットシリーズである。既に記したとおり,既存のキット(並びに新規キット)をHGブランドに相応しいキット構成でリリースするという目的でスタートしたものである。
 このため,当初ラインナップとしては,機動戦士ガンダムΖΖまでの機体(時代設定的にU.C.0088年あたりまで)という条件でまとめられており,これらの時代設定上の機動兵器のキット化が行われている。(これは,それ以前のキットが原則として接着剤が必要なスナップフィット以前であったことも理由のひとつである。)

 元々は,第08小隊のシリーズで発売された「HGグフカスタム」が好評であり(これには様々な理由があるが,その一つとしてオプションのパーツにより「カトキ版グフ」を作ることができたことがある),これに準じたフォーマットの1/144キットを展開しようという企画の形でスタートしている。
 しかし,いわゆる「カトキ版」等のデザインアレンジに関しては,マスターグレードでも同様の手法が展開されていることと,カトキ氏が提示したリファイン案が,あえて「アニメーション劇中のスタイルを現在の技術でリファインした」ラインでまとめられていたことから,第1弾のガンキャノンの企画の最中に,アニメ本編のイメージを重視し「現代の技術でリニューアル」することを主眼においたシリーズとして企画が固まった。このため,これら当初のキットには,アニメーション劇中のシーンを再現できる「メモリアルアクション」として特殊なパーツが付属していた。(これは,HGFAと同様の発想である。)しかし,シリーズの進行と共に,商品の可動範囲などが拡大し,通常のキットで劇中イメージの再現が可能になったこともあり,自然消滅していった。

 HGUCシリーズは第1弾がガンキャノン,第2弾がギャンと,一年戦争時の機体のリメイクが続いた後,第3弾でザク改,第4弾でキュベレイとキット化されていない(キュベレイは1/220でのキット化実績はある)機体のキット化が行われ,以後もこうした傾向が続いたため,ユーザー側は既存の未キット化機体のキット化の希望が強く意識されることとなった[3]
 こうしてシリーズは順調に商品点数を増やしていき,開始からすぐに「0083」シリーズなども商品化に踏み切っている。また,同時にこれまでシリーズ化することが困難であったゲームオリジナル機体や,雑誌企画の機体などもシリーズラインナップに取り込むという柔軟な姿勢を見せ,瞬く間に「1/144スケールキットのスタンダード」の立場を獲得したのである。
 実際のところ,当初から「未キット化商品」のキット化も視野に入れられていたことは事実であり,企画スタート時から息の長いシリーズを目指して製品のラインナップが詰められていた。これは,ガンダムなど売れ線の機体のリニューアルを最初に投入するのではなく,時間をかけて製品化するという方針で,こうした点は,第1弾発売時からシリーズナンバーが3桁を想定したナンバリングがされている点などに現れている。

商品の概要

 HGUCは,旧HGの基本的な開発意図と同様に,デザインリニューアルによる「現代風プラモデル」として成立させる物であり,1/144のスタンダードサイズを前提としたものである。リニューアルデザインは,当初,その多くをカトキハジメ氏が担当し,世界観の統一をはかっていたが,そうした方向性は徐々にフェードアウトしており,現在では特定の機体を除けば,バンダイ側の商品仕様がそのままキットに反映されることが多くなっている。

 キットは1/144のスタンダードサイズを前提としているため,キットの組み立て・塗装にかかる負担を大きく減らしており,多色成型,スナップフィット,そしてシールによって,素組みの状態でもほぼ劇中のイメージ通りに仕上がるものとなっている。
 また,同様のリニューアルキットであるマスターグレードが1/100をベースラインとしていることから価格が高いこともあり,(旧来の1/144よりは高価ではあるが)比較的安価な価格で提供されるようになっている。そのため,デザインや商品としての価値に影響しないような部分では,思い切った分割が行われることもある。

 とはいえ,基本的に安価とはいえ,「1/144統一スケール」であることを利用した大型商品を展開することもあり,単純に安価とは言えないので注意は必要である。例えば,旧キットではその巨体故に1/300でしか商品化されていなかったサイコガンダム(5000円),またキット化すら行われず,やむなく1/550のHGメカニクスとして展開されたデンドロビウム(28000円/いずれも税抜)なども商品化されており,多種多様な商品が存在している。

現在と今後

 前述した通り,シリーズスタート当初は,「機動戦士ガンダムΖΖ」の時代までを製品化の縛りとして展開していたHGUCのブランドイメージが変化したのは,2007年の「逆襲のシャア」関連機体のキット化が最初であろう。逆襲のシャアに登場した機体のキット化は,当時連載中であり,アニメ化を前提とした動きも始まっていた「機動戦士ガンダムUC」のキット化のための布石であったことは明らかであった。
 しかし,この時代の機体は,かなり大型のものが多く(実際のところ第1次ネオ・ジオン戦争当時の機体にもかなり大型の機体があるのだが,これらはキット化されていなかった)キットそのものが高額化し,価格帯も従来の1,000円〜1,500円程度から,一気に2,000円前後の価格帯が常態化するに至っている。(もちろん,既に発売済みキットのバリエーションや,2007年以前に出し切れていなかった機体などは1,500円程度のものもありはするが,逆襲のシャア関連やガンダムUC関連は,多くが2,000円を超える価格になってしまっている。)
 このため,初期のマスターグレードに匹敵する価格帯になったともいえ,これは製品の一つのネックともなり得る部分となっている。

 2009年からはガンダムUCシリーズのキット化も本格化したが,アニメ化によって思わぬ恩恵も生じている。従来,様々な理由でキット化できなかった機体が,ガンダムUCに登場したバリエーション機という扱いで続々キット化されたのである。この中には,キット化が果たされなかったΖΖ登場機も多く,結果的にガンダムUCのアニメ化は,HGUCにとって大きなラインナップ拡充をもたらしたと言えるだろう。

 HGUCのブランドイメージを変化させたもう一つの大きな要因が,2010年の「ガンダムX」と「ゴッドガンダム」のキット化である。これらの機体は,いわゆる「アナザーガンダム」枠であり,HGUCという時代設定を固定したシリーズラインナップに加えられるには,違和感のあるものである。
 しかしながら,リメイクキット化という意味合いもあって,それぞれ「HGAW(ガンダムX)」,「HGFC(ゴッドガンダム)」とそれぞれの世界観を冠したブランド名に差し替えられた形で商品化されたことで,HGUCというブランドが,「ガンダムシリーズの旧キット(あるいは未キット化機体)の統一ブランド」という意味合いに変化したのである。(あえて付け加えるならば,原則として原典の作中イメージに近い形でのキット化ブランド,という方向性であろう。)
 これは,No.121「エクストリームガンダム」で更に顕在化したといえるだろう。エクストリームガンダムは,ゲーム媒体の機体であり,特定の世界観を持たない(というよりも,未だ世界観を明確化しきれていない,と言った方が妥当だろう[4]
 このため,単に「HG」という枠でキット化されているのである。(前年に「HG ガンダム Ver.30th」が発売されているにもかかわらず,である。)
 こうした方向性は,キット化ラインナップの拡大を意味しており,その後,「HGAC(アフター・コロニー暦関連機体)」,「HGCC(正暦関連機体)」が加わっており,2000年以前に放映された,いわば20世紀ガンダム作品の全ての世界観がHGUCブランドに統合されたのである。

 また,2014年の「ガンダムビルドファイターズ」の放映に際して,主役機「ビルドストライクガンダム」がキット化したことで,ベースとなっている(という設定の)ストライクガンダムもまたリメイクの機会を得た。この結果,ラインナップに「HGCE(コズミック・イラ暦関連機体)」が加わったのである。

 さらに,2015年7月,三度HGUCのブランドイメージの変化が訪れることとなった。
 HG REVIVEと銘打った「再リメイク」の実施である。
 実際のところ,HGUCブランドでキット化が進められた結果,「商売になり得る」機体のキット化はかなり進んでおり,ある意味残る機体は「ニッチ」であるとも言える状況となっている。
 また,既に15年以上にわたるラインナップとなった結果,初期のキットは,(リメイクブランドでありながらも)既に見劣りするレベルになってしまったのである。
 このため,HGUC(あるいは他のHGシリーズ)で既にキット化された機体を再リメイクするという方向性が打ち出された。この第1弾がガンキャノンであり,第2弾がガンダムとされたのである。(マスターグレードで言うところの,Ver.1.5やVer.2に相当する考え方と言えばいいだろう。)

 この方針転換で,HGUCシリーズもまた「同一機のバージョン違い」という概念を抱え込むこととなったのだが,HGUCの場合,多くは「劇中イメージの機体再現」という命題を抱えているため,マスターグレードのような大幅な方針転換は困難である。この点がどのように扱われるのか(つまり,No.1のガンキャノンとNo.21のガンダムの扱いがどうなるのか)は,HGUCブランドの「次の方向性」を示すものとなるだろう。

 なお,U.C.HARD GRAPHシリーズのスピンアウトと位置づけられている「HG U.C.HARD GRAPH」2種も商品展開上はHGUCのセット品扱いである。

(3)HG SEED・HG OO・HG AGE・HG GUNPLA BUILDERS・HG BUILD FIGHTERS

 それぞれ,「ハイグレード・ガンダムSEED(HG SEED)」,「ハイグレード・ガンダム00(HG OO)」,「ハイグレード・ガンダムAGE(HG AGE)」,「ハイグレード・ガンプラビルダーズ」,「ハイグレード・ビルドファイターズ(HGBF)」が正式名称で,21世紀に入ってから制作された宇宙世紀(および,未来世紀・アフター・コロニー,アフター・ウォー,正暦)以外の,世界観を持つシリーズの1/144スケールキットに与えられたシリーズ名である。

 実質的に,各作品のメインストリームを構成するラインナップであるが,初期のHGUCシリーズ同様,基本として「作品世界観をシリーズラインナップとする」方向性である。
 この意味で言えば,従来単独作品ごとに発売されていたラインナップとHGUCラインの折衷案的なラインナップということができる。
 こうした方向性が定まったのは,後述するHG SEEDからである。

HG SEED

 機動戦士ガンダムSEEDの世界観である「コズミック・イラ」をベースとしたキットシリーズである。
 価格帯は,1000円〜8000円(ミーティアユニット)で,中心価格帯は1500円程度である。特にザクウォーリアのカラーバリエーションが多いが,商品はいずれもかっちりとした仕上がりで,特に後期のものほど評価は高い。

 ガンダムSEEDの放映時には,1/144コレクションシリーズでラインナップを充実し,HGシリーズではその高品位版をリリースするという方向性であったため,シリーズラインナップは,僅か16種(厳密には,14種)でリリースを終了している。
 ところが,コレクションシリーズの方向性がぶれたため,続く機動戦士ガンダムSEED DESTINYでは,HGをメインに据えることとなってしまい,この際にSEEDの連番が選択されたのである。こ
 の結果,HG SEED-MSVとしてリリースがスタート(実はSEED MSVは単なるHGラインナップである)していたMSVキットのラインナップが中断し,以後のラインナップが全て「HG SEED」に集約され「コズミック・イラ世界のMSシリーズ」という形に変化したことから,SEED-MSVのキットは,状況的には宙ぶらりんであり,本項目での扱いとしては(9)に相当する状況となっている。

 基本的なネーミング理由は,旧HGに近い物があり,可動部などが制限されているコレクションシリーズに対して,HGUC並みの高品位モデルとして提供されたる商品としての意味合いが持たされている。

 基本的な商品形態もHGUC並みのものであり,コズミック・イラ世界の広がりに伴って,「SEED」,「DESTINY」,「ASTRAY B/R」,「STARGAZER」,「ASTRAYS」と様々な作品からそのまま商品がラインナップされている。(つまり,商品企画としてもHGUCと同じような展開になっているのである。また,逆に言えばそれだけSEED MSVが浮いた形になってしまっている。)
 ラインナップも多様化し,ミーティアユニットの様な大型アイテムも商品化されるなど,人気は高く(実は,デストロイガンダムも企画は寸前まで動いていた),バリエーションを含めると既に60種をこえる商品が発売されている。
 また,2011年のHDリマスター版の放映に合わせ,リマスターシリーズとしてHG SEEDシリーズの成型色替えキットが「Rナンバー」という新ナンバーで発売されたが,こちらにも新規キットが投入された結果,HG SEEDシリーズは混沌とする結果となった。

 なお,2014年にHGUCのラインナップにコズミック・イラが加わり「HGCE」として位置づけられた。このため,これ以降,新作(例えば延々とペンディングしている劇場版など)が製作された場合,HG SEEDシリーズのナンバリングを継承するのか,HGCEとなるのか,未だはっきりしない状況である。

HG OO

 機動戦士ガンダム00の世界観である「西暦」をベースとしたキットシリーズ。
 2006年の放映に併せてラインナップされたシリーズで,前シリーズでのキット展開を発展させ,ラインナップが構築されている。
 価格帯は,800円(オーライザー)〜6000円(GNアームズ)で,中心となる価格帯は1500円〜1800円。たくさん組んで並べるような機体が多いのも特徴で,非常にバリエーションに富んだラインナップとなった。

 SEEDシリーズでは,コレクションシリーズ,HG SEEDシリーズ,1/100,1/60とラインナップされたが,HG SEEDシリーズが最終的に「世界観を共用するシリーズ」としてラインナップが定着しているが,ここでの問題点を踏まえ,当初からシリーズ横断的なラインナップとして企画されているのが特徴である。
 このため,コレクションシリーズに相当するファーストグレードは主役機4機のみに限定され,これを除く他のラインナップは当初から公式外伝を含めたシリーズを横断したラインナップとして設定されているのである。(ただし,1/60で外伝の機体が発売される予定はない。)

 また,ガンダム00では,1/144スケールFG(ファーストグレード)を初心者向けとし,1/100スケールを入門用と位置づけた結果,HGというブランド名が持つ高品位シリーズという意味合いも復活している。

 ラインナップにはHG SEED以上にカラーバリエーションが多いのだが,いずれの商品もちょっとしたパーツ変更などが行われており,単なるカラーバリエーションで無くなっているのが特徴となっている。
 ガンダム00ファースト,セカンドシーズンだけではなく,OOP,OOV,OOF,OOIといった各外伝,劇場版をもラインナップとしてまとめた結果,実に80点に近い非常に大きなシリーズとなっている。

HG AGE

 機動戦士ガンダムAGEの世界観である「アドバンスド・ジェネレーション」をベースとしたシリーズ。価格帯は,1200円〜1800円と標準的な価格帯に収まっているともいうことができる。(逆に言えば,それだけラインナップに突出した大型機が含まれていないことを示している。)

 ガンダムAGEでは,再び低年齢層の取り込みを前提としたラインナップが拡充されており,模型店等の店頭に設置されたゲイジングバトルベースでゲームを行うための「ゲイジングチップ」を組み込んだ「AG(アドバンスド・グレード)」が新たに設定されている。
 AGは,ガンダムSEEDのコレクションシリーズに近い位置づけのキットではあるが,ゲイジングチップを組み込みゲームに用いる関係上,持ち運びを前提としており,可動部が排除されたものとなっている。これは,ある意味,仮面ライダーやウルトラマンなどの小型のソフビ人形に近いものがあるといえるだろう。(ダイレクトに言えば,ウルトラマンギンガで新規に発売されたウルトライブ用のライブサインを取り付けたソフビが該当するだろうか。)
 これに対して,従来のプラモデルの延長線上にあるのがHG AGEシリーズであり,フォーマットも一般的なHGブランドキットのものである。

 ガンダムAGEは,作品展開上の失敗があり,大幅なラインナップ展開が行われなかったため,40点に届かない商品数となっているが,単独のテレビアニメのラインナップとして考えると,十分すぎる数であるともいえるだろう。

HG GUNPLA BUILDERS / HG BUILD FIGHTERS / HG BUILD CUSTOM

 それぞれ「ハイグレード・ガンプラビルダーズ」,「ハイグレード・ビルドファイターズ」,「ハイグレード・ビルドカスタム」が正式名称。

 ガンプラ30周年に合わせて展開されたオリジナルアニメ「模型戦士ガンプラビルダーズ ビギニングG」に登場したオリジナルキットを商品化した「HGガンプラビルダーズ」は,いわば旧来のOVAシリーズのキットラインナップとほぼ同様のシリーズであるが,当時展開されていたHG 00同様にシリーズ名を冠したラインナップとなっている。
 結果的にであるが,外伝作品のキットを含めた形となっており,その点ではHG 00と同様の展開となったとも言えるだろう。

 シリーズ主役機である「ビギニングガンダム」のみ完全新規キットであり,残りのキットは原則パーツ変更キットである。また,カラーリング変更キットがプレミアムバンダイで販売されている。

 一方,HGビルドファイターズは,ガンダムビルドファイターズおよびガンダムビルドファイターズトライに登場したオリジナルガンプラを商品化したシリーズで,HGビルドカスタムは,それら作中に登場したカスタマイズパーツを扱うラインナップである。

 ビルドファイターズ関連キットは,ガンプラビルダーズ関連のいわばリメイクであり,アニメ放映に合わせた形で,ラインナップが拡充されたものとなっている。
 また,既存のHGキットとの組み合わせも想定されており,幅広い「カスタマイズ」が可能となっている。
 作品自体が,ガンプラを改造することがテーマのひとつでもあるため,ラインナップ展開は非常に早いものがあった。また,更に一瞬の登場に過ぎない機体もキット化されるなど,勢いのあるシリーズとなったこともあり,その商品数は他の作品世界横断型のラインナップに匹敵するものとなっている。

(4)HGオーラバトラー(HGAB)・HGヘビーメタル(HGHM)

 聖戦士ダンバイン(HGオーラバトラー),重戦機エルガイム(HGヘビーメタル)の登場メカのリニューアルキットシリーズとして展開されたシリーズ。いずれもユーザー側の期待は高かった物の,売り上げ的には芳しくなく,シリーズそのものが失敗に近く,ほとんど機能しないまま終わってしまっている。

 HGオーラバトラーは,旧キットの人気キットのリニューアルとかつてキット化が見送られたビランビーとビアレスという2種の商品化がなされたため,一応の目的は達したとも言えるが,ビアレスのキット化の際の「ユーザー側に熱意が無い」といったバンダイ側の発言等が物議を醸した。(ただし,あれだけ盛り上げておきながら,ほとんど商品が売れないという状況があったのも事実であり,こうした点がその後のユーザーマーケティングのあり方を見直させたとも言えるだろう。)
 HGヘビーメタルに至っては,僅か3種のみの商品化で,主役機のひとつエルガイムMk-兇任垢蕁ぅット化に至らなかった。

 こうした動きは,後にR3でも繰り返されており,「ユーザーの声」の大きさは,ある意味商品展開の邪魔にしかなっていない実情を示す格好の事例となってしまっている。

(5)HGFA

 新機動戦記ガンダムWのエンドレスワルツシリーズの1/144で採用されたブランド。
 正式には,ハイグレード・ファイティングアクションシリーズと呼称する。
 扱いとしては,旧キット群に相当するもので,OVAガンダムW展開時のキットラインナップとして展開されたものである。

 劇中のアクションを再現する専用のパーツを付属しているのが特徴。これにより,決めポーズを再現することができ,(見る方向は限られるが)ビネット的な陳列が可能となる。発想としては至極単純ではあるが,効果は大きく,もともとスマートな印象が強いエンドレスワルツ版MSが,さらに見栄え良く飾れるものとなった。
 この発想は,HGUCシリーズのメモリアルアクションに受け継がれる。

(6)HG MECHANICS

 正式名称は,ハイグレード・メカニクス。HGメカと略されることが多い。
 1/144のHGUCや1/100のマスターグレードでは,商品化するにはサイズ,価格から難しいMAなどの大型機体を商品化するためのカテゴリとして設定されたもの。……と,表向きはされるが,実質的にデンドロビウムをキット化するための物であったと言っても過言ではない。
 2002年に至るまでにデンドロビウム,ノイエ・ジール,ヴァル・ヴァロが商品化されたが,そのすぐ後にHGUCでのデンドロビウムの商品化が発表されてからは,シリーズそのものが立ち消えとなった。

 この1/550というスケールは,ファーストガンダムにおけるMAの商品化サイズと同じであり,このままシリーズが継続すれば,様々なMAのキット化に道を開く物と思われており,正直な話,ビグ・ザムのリニューアルなど,だいぶ期待したシリーズだったのだが……。

(7)HG-EX・HGEX

 正式呼称は,「ハイグレード・エクストラ」。このラインナップも旧キットに相当するものである。
 機動戦士Vガンダム放映当時の最高級グレードとして設定された物で,当時1/100スケールのVガンダムシリーズのキットにHGが冠されたため,さらなる高品位モデルの意味合いが持たされた。マスターグレードに対するパーフェクトグレードのようなものではあるが,この当時として「これ以上のキットはない」という意味合いをもって提供されている。
 1/60スケールキットの一部に付けられたもので,V2ガンダム,シャイニングガンダム,ゴッドガンダムの3種のみで終了している。
 これは,ガンダムXで主役機の1/60スケールのキット化が無かった事と,その2年後にエヴァンゲリオン初号機でパーフェクトグレードが立ち上がってしまったことに一つの原因がある。
 その後は,こうしたビッグサイズにブランド名が冠されるのはPGだけであったが,2010年になって「メガサイズモデル」という新しいブランドが登場している。

(8)HG Ver.G30th

 ガンダム30周年を記念して発売された「ガンダムVer.30th」に冠されたブランド名。
 記念事業で建造された1/1立像をモデルにしているのが特徴。
 単発シリーズであり,広義では(9)のその他HGに相当する。

(9)HG

 HGと単に表記された場合,上記で示した各HGシリーズに該当しないラインナップ,または,これらを全て含んだ「ハイグレード」というブランドそのものを指すかのいずれかで用いられる事がほとんどである。(なお,旧HGで用いられる場合もあるが,本サイトの場合は,HGと単に記した場合,前出の2パターンしかない。)
 HGのブランドが冠されているのは,[1]機動戦士Vガンダムの1/100スケールのガンダムタイプ,[2]機動武闘伝Gガンダムの1/100スケール,[3]新機動戦記ガンダムWおよび同エンドレスワルツの1/100スケール,[4]機動新世紀ガンダムXの1/100スケール,以上が1/100スケールで,[5]第08MS小隊,[6]G-SAVIOUR,[7]エンドレスワルツシリーズの1/144スケール,[8]G-UNITシリーズ,以上が1/144スケールとなる。
 通常は,これらをHGとしてまとめるが,前出のHGオーラバトラー,HGヘビーメタルを含めた「ガンダム作品以外のHG」(機動戦艦ナデシコ関連など)を指す場合もありえる。
 また,例外的ではあるが,エヴァンゲリオンシリーズには「LMHG」シリーズも存在している。

 備考

 模型に関する用語の集約の為,ガンダムに関連しないもの,関連しないメーカー名も含まれています。なお,参考として模型漫画関連からカテゴリーリンクされています。

 関連項目


 編集者


[模型用語]


最終更新時間:2015年05月24日 14時34分08秒

 ノート

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脚注

  • [1]エクストリームのみ
  • [2]エクストリームのみ
  • [3]特に,デンドロビウムのキット化は,HGUCならば「なんでもあり」といった印象を植え付けるには十分であったと思われる。しかし,逆に言えば,商売にならない機体に対するキット化希望の声が強く打ち出される結果になったとも言え,特に様々な外伝作品が頻出するようになった2001年以降,極論すれば「バンダイへの無理難題」も数を増すこととなったともいえるだろう。
  • [4]コミック化されているガンダムEXAにおいても,明確な時代設定は登場していない。