!!!武者ガンダム / 武者ガンダムシリーズ *分類:用語 *区分:その他 !!説明 !初出〜SDでの人気獲得 元々は,プラモ狂四郎に登場した,1/144ガンダムMk2改造の武者型MSのこと。 プラモ狂四郎劇中の模型秘伝帳編において,木の巻を巡る戦いで登場したのが初出である。(ただし,この時のデザインは現在我々の知るいわゆる「武者頑駄無」とは異なるデザインラインである。) この機体が人気を呼び,その後,作中で武者ガンダムMk2,武者Zガンダムが登場することとなった。(マークツーとゼータは,現在の武者頑駄無のデザインにほぼ近いものとなっている。) デザインコンセプトは,「足軽をイメージソースとしたガンダムを武者へと戻してみよう」というもので,やはり発想はクラフト団のものである。 このデザインは非常に人気となり,プラモ狂四郎が完結した後も,商品化に対する要望があったため,マイナーな機体も商品化されていたガシャポンでまず商品化が行われた。 この時期は,徐々にSDガンダムの人気が上昇を始めていた頃であり,来たる「SD作品のヒット」の気配が感じられつつあった。 この武者ガンダムの人気は,そういったヒットの先取りともいえ,ゲームでの登場やBB戦士,カードダスなど,1987〜1988年には,その下地ができた時期といえるだろう。 特に,BB戦士「ムシャガンダム」は人気となり,この取扱説明書の1P漫画「コミックワールド」で展開された作品をベースに今日で言うところの「SD戦国伝」のストーリーを構築することとなったのである。(この経緯については,SD戦国伝参照。) 元々コミックワールドは,BB戦士のキットを元にした「緩いおまけ漫画」的なスタンスであったのだが,これ以降ストーリーの展開をも念頭に置いた作品が登場する事となった。特に,これら武者シリーズは,コミックワールド劇中に登場したキャラをさらに発展させ,新たなキャラクタを登場させるというフォーマットになり,完全に「連載漫画」の形態になっていくのである。 一方,コミックボンボンでもSDキャラクタの原案である横井孝二氏の漫画(元祖!SDガンダム)が連載されており,ここでも武者系キャラクタのオリジナルキャラが次々と誕生している。 これらを統合し,ストーリーをまとめたのが今日のSD戦国伝なのである。 これらの流れが定着すると,さらなるタイアップも発生し,コミックボンボンで新プラモ狂四郎に続いて開始した「超戦士ガンダム野郎」では,BB戦士シリーズを中心としたストーリー展開が行われる様になった。(ここで登場したの天地スペシャルこと,農丸なのである。) こうした流れは,読者公募などのキャラクタが,実際の漫画や作品にフィードバックされるまでとなり,ガシャポンやカードダスで商品化されるものも多数登場したのである。 !リアル武者 こうしたSDによるヒットが続くと,今度は逆輸入的にいわゆる「リアル等身」のモビルスーツにこういった「武者」がフィードバックされていく。 BB戦士発売の翌年,1989年には,コミックボンボン誌上でプロジェクトMUSHAが展開され,既存のモビルスーツのプラモデルをベースに武者風に改造した作例が誌面を飾った。 これは,SDのブームが始まりつつあったことを認識した仕掛け側がこれをもとにいわゆる「リアルなモビルスーツ」にも低年齢層を引きつけようという方向性で仕掛けたものだと思われる。(この流れはMSV90に続くのだが,こちらはどちらかと言えば失敗している。) この「リアル武者」は,簡単にいえば「SD戦国伝のリアル版」なのだが,モデラーの高瀬氏の独自のアレンジも見られ,後の武者シリーズにも影響を残している。 更に翌年,1990年にはこういったリアル武者の要望に対して,バンダイから正式に「MS戦国伝」シリーズとしてプラモデルが発売された。(武者,武者Mk2,武者νの三種。) 当初は,武者ZZと武者Zの発売も臭わされていたが,実際には「リアルクロス」シリーズとして,かつて発売されたハイメタル(合金トイ)を流用した武者Mk2,武者Z,武者ZZが発売されたに終わった。(ちなみに,スピンアウト的に騎士ガンダムは本体のガンダムMk3,コマンドガンダムは本体のフレームガンダムを新規に製造してまでも製品化されている。) これらは,いずれも大河原邦男氏によってデザインが新規に起こされており,プラモ狂四郎に登場したデザインとは大きく変化している。これは,超戦士ガンダム野郎において,これらのデザイン協力を行った大河原氏が,このときの方向性に乗っ取って,既存のMSに「SD戦国伝の武者風」のアレンジを加えたものなのである。そのため,実際のデザイン画稿の他に,各誌で発表された他の武者風アレンジの機体も存在しており,実際にはこれらプロジェクトの複合的な産物と言えるだろう。(武者ザク,ガンキャノンなど多数のデザインが見られる。また,武者ガンダムに至っては,初期デザインとも思われる,壱型がB-CLUBで発表されている。) !ブーム後〜現在まで 一般的に武者ガンダムシリーズ(武者シリーズ)というと,SD戦国伝関連を指すことが多い。 これは,前出の通り,このシリーズの認知が進んだのが,SDガンダムが発端であることが理由である。そのため,武者シリーズでは,「武者」をモチーフとし,既存のモビルスーツをアレンジする方向で,作品を展開してきた。 これは,1990年代前半のTVシリーズ放映時に顕著で,放映中(厳密には前年)のテレビシリーズのモビルスーツを武者アレンジした形で作品が展開されていくのである。 だが,作品自体がかなりの複雑化の道をたどっており,1999年展開のムシャ戦記では,思い切ったアレンジが施され,既存の「SD戦国伝」,「新/超SD戦国伝」とは大きく距離を置いた。しかし,設定上は既存の作品の続きでしか無かったため,翌年の「ムシャジェネレーション」では,人気を博していた「SDガンダム Gジェネレーションシリーズ」のムシャ版として展開され,「ムシャ」は発掘モビルスーツの修復した「機体」として描かれ,あくまで兵器である,という思い切った手法がとられた。これは,先のムシャ戦記で思ったように行かなかったフォーマットの刷新を行った物と思われた。ところが,本作も最期の最期でどんでん返しがあり,既存のSD戦国伝シリーズの遙か過去の話として終結したのである。これは,モチーフとなった「ターンエーガンダム」が,遙か未来の作品であったのに対して,逆のアプローチで収束を図ったようにも見えるのである。 このムシャジェネレーションは,ある意味,これまでのSD戦国伝シリーズを終結させるために用意された様な作品であり,実際,この後に登場した作品は,いずれも(裏設定では既存の世界観の続編であるという設定はあるが),これまでの世界観から解き放たれた作品となっている。 特にムシャジェネレーションの直後に展開された「武者○伝」は,その作品展開と,馴染みやすい舞台が人気となり,3年(3シリーズ)にわたるシリーズとなった。また,この後に展開された「武者烈伝」は,アニメSDガンダムフォースの名前を借りてはいるが,実際には,武者ガンダム世界の雰囲気をリメイクという形で新規ユーザーに向けて発信した作品である。(だが,これも結果的には「既存の作品世界の延長線上」という縛りからは逃げられなかった。) しかし,その次に展開された「武者番長」シリーズは,この流れを変えようという思惑は見えるのだが,作品展開における「売り」が乏しく,また低年齢層に対する訴求力も弱く,結果的に事実上のシリーズ打ち切りとなってしまう。(漫画版は完結している。) この結果,いわゆる「武者シリーズ」は,この武者番長で終焉を迎え,「武者風」の作品としては,「BB戦士三国伝」が展開されることとなった。 !その他 これまで記してきたように一般的には「武者ガンダム」という言葉は,広義の「SD戦国伝」を指すことがほとんどである。 だが,場合によってはプラモ狂四郎のそれを指したり,モビルスーツ戦国伝を指すこともあるので注意が必要である。 蛇足ながら,SD版の「頑駄無」という当て字であるが,「頑張っても無駄」という意味があるといわれている。 ただし,GUNDAM EVOLVE 14では,頑駄無を「頑張りは無駄でない」と当てている。 !!関連項目 *[[〔型式不明〕武者ガンダム]] *[[SD戦国伝]] !!編集者 *あさぎり ---- {{category 関連用語}} ---- {{lastmodified}} !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。