!!!大気圏突入 / 再突入 *[用語] //*読み: *分類:その他 *区分:共通 *出典:共通 !!説明  宇宙船などが大気圏に侵入すること。  一般的に,「大気圏突入」とした場合,大気圏に侵入する全ての物体を含むが,「再突入」といった場合は,宇宙船など地上から打ち上げられた物体が帰還する際に用いられる。  しかしながら,人類が宇宙で生活する状況が当たり前になると,そうした区別が意味をなさなくなってきたため,こうした状況下でよく用いられる使用例が「人間が搭乗している宇宙船や無人であっても物資などを輸送する往還船」などに対して「再突入」を用い,隕石,人工衛星など大気圏に向かって落下する物体に対しては,「突入」を用いるという使い分けである。  大気圏への再突入は,地球と宇宙を往還する宇宙船にとって最大の難所である。  大気圏外での物体の速度は秒速数キロという高速であり,その速度が空気との摩擦によって減速されるため,非常に高温となる。(厳密に言えば,摩擦熱ではなく空力加熱による熱である。)通常その温度は極めて高温で,鉄などの金属ですら融解してしまう。そのため,耐熱装備を持たない機体での突入は不可能である。  この事実は,20世紀に入ってミサイル技術が開発されるに至り,大陸間弾道弾の開発が進んだ時点で既に自明の理となっており,1950年代から加速した宇宙開発に於いては,宇宙へと送り出した人類を如何にして帰還させるか,という問題として認識されていた。  一般に,再突入時には機体速度が超高速になっており,ただでさえ大気圏に突入するタイミングが難しい(突入した位置によって降下地点が大幅に変わってしまうためである)上に,突入する角度が浅すぎると,大気圏上層で水切りの様に宇宙船が弾かれ,逆に突入角度が深すぎると加速した機体を減速することが困難になり,速度が上がりすぎて熱破壊される可能性が高まってしまう。  こうしたことから大気圏に再突入する最適な角度,コースを衝撃波を受け流すウェイブライダーの考え方同様に,ウェイブコースと呼ぶ場合もある。  なお,その状況をクリアしても,加速された機体を減速するという大仕事が残っているため,宇宙船の帰還ミッションは極めて難度が高くなるのである。そして,こうした難度の高いミッションをこなして初めて宇宙船は大気圏内に帰還することが可能となる。  なお,後にバリュートが開発され,多くの艦艇やモビルスーツも大気圏突入が可能となる。 !突入角度  大気圏に宇宙船などが再突入する際には,その速度と角度が大きな影響を与える。  通常,宇宙船の再突入時の速度はかなり大きく,大気を使った減速を行う必要がある。この際,高速で大気と衝突することで発生する熱(摩擦熱とは異なる)によって,宇宙船は加熱し,耐熱装備がなければ燃え尽きてしまう。  一般的に,再突入時の機体の角度が(速度に対して)浅いと水切りのように宇宙船がはじかれると言われるが,正確には減速しきれずにそのまま周回軌道(楕円周回軌道)に戻ってしまうという状況である。(速度によっては,そのまま周回軌道に乗らずに地球軌道を離れるルートに乗ってしまう。)逆に再突入時の角度が深いと発生する熱が高くなり,機体を構成する物体の耐熱温度を超えてしまうこととなる。これが,俗に言う「摩擦熱によって燃え尽きる」状況である。(逆噴射すれば速度を落とすことは可能だが,そのスラスター部が熱に耐えられない場合が多い。)  無論,機体の再突入速度がゼロに近ければ,突入する際の角度の幅は広くなるが,大気圏外での周回軌道を維持するための速度を減速するには膨大なプロペラントが必要であり,実際には不可能な状況であるため,大気を使った減速を行うのである。 !!関連項目 //本文内の説明でリンク可能なものは,出来るだけ本文内でリンクする。 !!編集者 *あさぎり ---- {{category 用語}} {{category 用語・UC}} {{category 用語・W}} {{category 用語・SEED}} ---- {{lastmodified}} //2015.04.21:突入角度 //2015.04.21:ウェーブコース !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。