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推力重量比
- [用語]
- 分類:その他
- 区分:宇宙世紀
- 出典:機動戦士Ζガンダム 他
説明
推力重量比とは,地球上における瞬間的な推力の重量に対する比率のことで,推重比,推力重力比ともよばれる。
ロケットエンジンやジェットエンジンなどで推進する乗り物に対して用いられる数値のひとつで,その機体を駆動させる最低限の構成(エンジンおよびそれに付属するスラスター,そして最低限の推進剤)が,理論的には最も大きなものとなる。もっとも,機体を駆動させるという意味での比較をする場合,その機体そのものを駆動させる最低限の推進剤の搭載時と,推進剤の満充填時の状態での比較となり,前者の方が数値的には大きなものとなる。
得られる値は,その機体の「主に機体の推進に使われるスラスター」の合計推力で,機体をどのくらいの加速度で加速させることが可能かを示す数値となる。
このため,推力重量比が1を超えると,地球上において自重を持ち上げることが可能であることを意味し,理論的に翼を使わない純粋な推力だけでの飛行(厳密には飛翔)が可能となる。
推力重量比はさまざまな要因に影響されるため,一般的には飛行中にもわずかに変化する。そのため,同じ推力であっても機体が重ければ加速は鈍くなり,逆に機体が軽ければ加速は大きくなる。つまり,同じ機体でも推進剤が満充填の場合と,ほぼ使い切った状態でもその数値は大きく変わってくるのである。(推進剤が消費され,機体の重量が軽くなっていくなどの要因のため。)
EX
MSZ-006《Ζガンダム》のスペックで一例を挙げてみると以下のようになる。
全備重量:62.3t 本体重量:28.7t スラスタ総推力:72800Kg 質量比:1.7
この値から推進剤搭載量を算出すると,推進剤は20.09tとなる。
(算出方法は,「質量比」参照。)
MSZ-006の出撃時の推力重量比(加速度)は,次の式となる。
112.6÷62.3≒1.81 (スラスタ総推力÷全備重量=推力重量比)
同様に推進剤をほぼ使い切った状態(ガス欠寸前の状態)での推力重量比を求めると次のようになる。
112.6÷(62.3-20.09)≒2.80
推進剤が無くなり軽くなっている分だけ加速度が増していることがわかるだろう。
実際には,武器弾薬もかなり消費している状態なので,さらに機体は軽量となっているため,これ以上の加速度であるわけである。
備考
本文中で示した通り,推力重量比の微妙な要件で変化する。
厳密に言えば運用するスラスタの目的や推進(噴射)方向によっては,この計算から除外すべきものも出てくる。(時には,合力の計算が必要な場合も。)
しかし,一般的にモビルスーツやモビルアーマーといった機動兵器のスペック表記は,「主に推進に使われる」スラスターの推力をスペックとして表記しているので,これをベースに考えた数値が用いられている。
関連項目
編集者
最終更新時間:2015年10月25日 20時02分17秒
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脚注