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食品玩具の変更点

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!!!食品玩具
*[模型用語]
!!説明
 食品玩具,通称「食玩」とは,「おまけ」として玩具(一般的にミニトイ,シールなど食品以外のもので,おまけとして成立する物ならなんでも)を添付して販売している食品や飲料の総称で,今日ではこの呼称で定着している部分が多いが,実際には一部問屋などで主に使われていた用語。菓子業界では「玩具菓子(玩菓)」と呼ばれることが多い。
 一方で玩具業界では,食品玩具という言葉は「食べられる玩具」という意味合いで用いられていたため,微妙に意味合いが異なっている。
 また,一部メーカーでは「キャンディトイ」とい用語を用いているが,これもまたいわば地方用語のようなものであり,中心的な用語では無い。
 あえて言うならば「食玩」こそが,現在のこうした商品にたいして最も頻繁に使われている用語,ということになる。

 こうした食品に食品以外のものを添付(あるいは,添加)するという発想は,古くから存在しており,世界各地でこうした「あそび」を見ることができる。
 例えば,餅の中に当たりくじを隠しておく引きくじなどが該当し,世界各地に類似する発想は多い。

 国内でこうした食玩の元となったものは,やはり「グリコ」のキャラメルが初である。(ただし,こうした発想が国内で根付いたのはタバコカードと呼ばれるタバコの箱に入っていたカードで,これがきっかけで未成年の喫煙が禁止されている。
 昭和に入ってすぐに,グリコのキャラメルにカードが付属したのが始まりで,同様の発想で商品と引き替えできる点数券がついたキャラメルなどが次々と発売されている。

 現在の食玩に近い形に進化したのは,やはり戦後であるが,この頃になると,シール(鉄腕アトム,月光仮面など)やミニトイなどが付属するようになり,おまけのコレクションを行う人が多く現れる。一大転機となったのは,やはり仮面ライダースナックである。この時初めておまけの存在が食品の存在を上回ったのである。カードが目当てで,スナックを食べない,という社会問題となり,以後,こうしたおまけが中心となった食玩が数多く登場することとなる。

 現在の食玩で多い「キャラクターモデル」や「フィギュア」といった方向性でのおまけはグリコがやはり先で,こうしたミニトイの中に鉄人28号などのフィギュアが登場することとなった。
 これらはあくまでもミニトイであったが,1978年に発売されたカバヤのビッグワンガムは,従来の食玩の発想を完全に捨て去り,1枚のガムに軟質樹脂製のプラモデルが付属するという,現在の食玩の基礎とも言うべき形態を誕生させたのである。

 その後,シールやカードと言った分野では,ビックリマンチョコなどの大ブームが巻き起こるが,フィギュアなどの食玩が本格的にブームとなったのは,1999年のチョコエッグの発売以降であろう。
 以降,巨大な食玩ブームに国内が翻弄され,現在のような一定のシェアを保った状態となっている。逆に言えば,こうした食玩では無い普通の菓子のシェアが格段に下がったのは,消費者側のスタンスが大きく変わったということであろう。

 なお,現在ではこうした食品玩具の販売ルートで食品が付いていない商品(例えば,ガンダムコレクションなどのブラインド箱入り商品)も流通するようになっている。流通ルート上では大きな違いはないのだが,これらの区別の為にこうした食品の付属しないものを「トレーディング・フィギュア」(ストラップなど,商品形態に応じて変化する)と呼称することが多い。

!レアとシークレット
 もともとグリコのキャラメル時代からこうした食玩の多くは,「ブラインド」であることが当たり前であった。(特に,シールやカード類にこの傾向は顕著である。)
 しかし,キャラメルなどは外箱に商品種類を説明するなどの措置を行っており,基本的に全ての景品を確認することができ,自分がほしい物だけを目的にすることもできたのである。(カード,シール類も同様で,アルバムや一覧といった形で雑誌等で公開されることも多く,「当たりにくい」景品があるのは確かだが,基本的には全種を確認できたのである。)

 ところがチョコエッグの発売以降,こうした状況に変化が生じた。チョコエッグは元となった商品同様ブラインドであったが,中の景品について同梱している景品一覧に存在しない景品が含まれていたのである。これがいわゆる「シークレット」で,これまで存在した当たりにくい「レア」とは異なり,ただでさえ封入数が少ない上に「知る人ぞ知る」アイテムであったため,大きな話題となった。{{fn 実は,この発売時期がインターネットの黎明期だったことも大きく,こうしたネットなどでの噂がさらに加熱を呼んだともいえるのである。ところが,その後は,逆にシークレットばらしなどが横行するようになり,楽しみが逆に減ってしまうこととなった。}}

 この封入数の少ない景品がユーザーの射幸心を煽ることとなった。また,ほぼ同時期にペットボトル飲料の景品として付けられていたボトルキャップに対して,公正取引委員会から,是正勧告(ブラインドは射幸心を煽りすぎる,誰でも入手できない物があるということは景品では無く懸賞品である)が行われた結果,こうしたレア,シークレットの表記にも大きな変化が生じた。
 それまではシークレットの存在すら触れられていなかったのに対して,同梱ブックレットにシークレットの存在(および個数)が記されていたり,レアの写真が掲載されるなどになった。
 ところが,これで射幸心を煽らなくなったかというと,そうでも無かったのである。

!コスト問題とコレクション
 チョコエッグ以前の食玩はほとんどが無彩色,あるいはシールによるマーキングといったシンプルなものが多かったが,チョコエッグでは中国の向上を利用して,リアルな塗装を施した画期的なものとなった。結果的に,他のメーカーでも同様の彩色フィギュアなどを景品にしなければ売れなくなってしまったのである。
 このため,まずこうした「新たな行程」にかかるコストが追加され,同時に「食品玩具」としての出荷であるために,これまでの製品同様,一定数量以上生産しなければならないことから,トータルで大きなコスト高を招いた。(このため,食玩の平均価格が上昇することとなった。)
 また,あまりに食玩の品質競争が過熱したために,下請けで生産していた中国での労働コストの上昇がこれにダイレクトに反映される結果となり,当初100円〜200円程度であった食玩は,瞬く間に300円前後にまで高騰することとなった。(これはガシャポンなどでも同様で,200円程度だったものが,300〜500円に高騰することとなった。)

 この状況下で,2000年代末になると,今度は原材料高という問題点が生じることとなった。このため打開策として,無彩色(或いは,金や銀,セピア,ストーン調などの単色やそれに類するもの)の商品が混入されることが増えることとなった。これは,塗装コストを抑え,総数を均一化することで,従来の値段で販売できるまでコストダウンをおこなったもので,ひどい例だと,彩色済1に対して無彩色(あるいは準ずる物)10といった比率のものも存在していた。
 特に無彩色クリア成型のものは,ハズレ扱いされることがほとんどだが,コレクターにとっては結果的にコレクションする対象が増えるという問題点でもあった。
 同様に,一定数の売り上げを当初から確保するための,コンビニ流通限定や逆にどの程度の売り上げがあるか見込めないための受注限定,販売地域限定などの販売方法により,入手不可の商品が数多く登場することが多く,こうした販売方法もコレクター泣かせの問題となっている。


 また,食品玩具という枠での出荷であるため,どうしても「賞味期限」という制約から逃れることができず,彩色・無彩色を初め種別総数は増えていながらも,販売期間が従来なみ,あるいはそれよりも短い状況が,コレクターにとって非情とも言うべき商品にまで変化してしまったのである。
 現在でこそ,こうした賞味期限切れ商品を「食べられない商品」として扱う店舗が登場はしているものの,これもスーパーなど食品を扱っている店舗では不可能であり,多くは返品や廃棄の憂き目に遭っているのが実情である。
 これらの問題から,コレクターによる大人買いや,サーチなども起こっており,時に大きな問題となっている。

!サーチ問題
 ブラインドで販売されている商品は,どうしても商品のダブり(重複)が問題となるが,これを避けるためにいわゆる「サーチ」を行う人も多い。
 通常,レアやシークレットが別ラインで生産されることを利用し,パッケージの僅かな違いや,商品(玩具)そのものの形状や重量の違いを利用して,レアやシークレットを抜き出す行為をサーチといい,大きな問題となっている。

 例えば,トレーディングフィギュアなどでは箱を潰すことで,内容物の形状がある程度把握できるため,こうした行為が横行し,商品価値そのものが無くなってしまう事態が続発した。また,こうした行為でレアやシークレットが抜き取られてしまった商品は,そのシリーズそのものの商品価値が低下してしまうことにもなり,販売店側にとっては非常に困った問題となったのである。
 また,元々機械による自動梱包であったため,レアやシークレットが収まる場所が決まってくる場合も多く,わざわざ箱の梱包を解いてまで商品を持ち出す客も多かった。

 こうした行為が頻発したことから,現在では多くの販売店が,サーチができないような販売方法を選択しており,また,メーカー側も簡単に内容が把握できないような商品構成にするなどの改良が施されてきた。
 しかしながら,現在でも100パーセントこれを防ぐ方法は無く,逆にこれを利用して店舗でレアやシークレットを抜き取った商品を販売し,抜き取ったレアやシークレットを通信販売などで高値で販売するという極悪な店舗も存在する。

!!備考
 模型に関する用語の集約の為,ガンダムに関連しないもの,関連しないメーカー名も含まれています。なお,参考として模型漫画関連からカテゴリーリンクされています。

!!関連項目

!!編集者
*あさぎり
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!!ノート
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