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小惑星
説明
アステロイドとされることも多い。
小惑星とは,主に火星と木星の間にある小型の天体のこと。厳密に言えば,太陽系に存在する小型の天体のなかで,星像に拡散成分が無い(=肉眼で視認した場合,見ることのできない)天体で岩石を主成分とする小天体を指す。(ちなみに,肉眼で視認できる小天体は,事実上彗星を指す。)望遠鏡では(暗いながらも)恒星の様に見えるために,ギリシャ語の造語で「恒星のようなもの(アステロイド)」と命名された。
その後,その詳細が明らかになるにつれて,様々な名称が付けられたが,結果的にアステロイドという名称が一般化した。
そのほとんどが火星と木星の間の軌道に存在しており,太陽からの距離は2〜4AUの間に集まっている。その一方で,中には彗星同様の長大な楕円軌道を持ったものもある。
この火星〜木星間領域が(宇宙空間では,かなり密度が高い領域であるという意味合いを持って)アステロイドベルトと呼称されている。
サイズとその名称の関係
小惑星とはその名が示すとおり,惑星よりも小さな天体のことであり,定義づけについては,様々な検討が加えられてきた。[1]
命名上「小惑星」と言っても直径数センチのものから数十キロに達するものまでその規模は様々であり,軌道が確定したものから順次番号が与えられ管理されている。その数は,25万個を超えるが,実際に測定された小惑星(軌道が確定しないもの)は,その数を遥かに上回っており,更に一定の大きさ以下のものは,観測そのものが困難であるため,実際には数十万〜数百万もの小惑星の存在が示唆されている[2]。
また,これらのうち命名されたものは,およそ2万[3]で,当初は,惑星と同様に神話から名称を取っていたが,これはあまりにも数が多くなってしまったために,第2次世界大戦後,アメリカに設立された小惑星センターによってこれらは管理され,いくつかの命名規則を除けば,比較的自由に名称が付けられる様になった。
しかし,今度は,申請が膨大になりすぎたことから,新しい天体であるかの確定に時間がかかり,命名の件数に制限が加えられるようになった。また,番号で管理されているため,命名の権利を有する10年間の間に適当な名称が確定しないことなどから,発見された数に比して少ない数の命名しかなされていない。
一般的に,サイズの大きな小惑星はその自重から球形に近い形状をとり,サイズの小さな小惑星ほどその形状は歪となる。これは,小惑星の誕生が太陽系形成時にさかのぼる証拠のひとつともされ,太陽系の各惑星に付属する衛星規模の小惑星も様々存在することが確認されている。
また,小惑星の中には独自の衛星を有するものもあり,こうした点からも単なる岩塊では無く,歴とした天体のひとつであるという認識が持たれている[4]。
アステロイドベルト
火星と木星の間の軌道に存在する小惑星が多数存在する公転軌道のこと。
現在では,同様の小惑星が存在する領域が太陽系外縁部に存在していることから,そのカイパーベルト領域との区別の為に「メインベルト」と呼称される場合もある。
小惑星のほとんどが火星と木星の間に存在することから,これら小惑星はかつて存在した惑星が何らかの原因で崩壊した,という惑星崩壊説が一時期唱えられた[5]。これは,小惑星が発見されるきっかけとなった学説が,ちょうどこの位置に惑星規模の天体が存在しうることを予見したものであったためであったが,その後の観測によって得られた様々なデータから,これは現在では否定されている[6]。
こうしたことから,現在ではこれらアステロイドベルトの小惑星は,太陽系誕生時に惑星になりきれなかった小天体が集まったものではないかと推測されている。
実際,これらアステロイドの存在する場所は,太陽と木星のラグランジュ点に準じており,かつて想像されたように,小惑星が帯の様に連なっているのではなく,一定の小惑星集団が同一公転周期軌道を公転している状況である。(このため,軌道上にほとんど小惑星が存在しない「空白」地帯も存在する。)
アステロイドベルトには,ジオン軍のアクシズを始め,様々な基地や観測所がある。
これらのは,もともとは,コロニーなどの建設資源を確保するためや木星船団の中間補給基地としての役割のために作られた物がほとんどで,現在でも地球圏に向けて資源を送り出している基地も存在する。
小惑星の分類
小惑星とは,先に示した通り岩石質であることが前提条件であるため,地球上からの観測が困難である。このため,発見された小惑星が既存のものであるか,新規のものであるかどうかの判断は様々な視点から行われる。
一般的に小惑星を分類するにはいくつかの方法があり,それらを組み合わせることで任意の小惑星を定義づける場合も多い。
まず一定期間の観測による軌道による分類がある。
メインベルトに存在する小惑星は,太陽系形成時に惑星になりきれなかった岩塊や,その後,太陽や木星の重力によって捕らわれた岩塊などによって構成されている。前者は,太陽系形成時に衝突を繰り返した結果,比較的大きな小惑星が分裂したり,大きな小惑星を形成するために集まってきたが,結果的に結合しにくかったりしたものので,比較的似たような軌道に集中的に集まっているもので,後者はどちらかと言えば単独に近い状態で存在するのが特徴である。
前者のような存在を「族」や「群」といった言葉で集約する場合がある。
また,メインベルトから離脱して独自の軌道を描くようになった小惑星や,太陽系外縁の小惑星などは特異小惑星と呼ばれている。
これらもまた,その軌道によって分類されており,中には完全に太陽系外縁のものとして分類されるものも存在する。
次にスペクトル観測による成分分類がある。
一般的に,スペクトル観測によって主成分が特定できるが,これによる成分分類も行われている。
主として岩石成分であることは共通するが,その他に含まれるものとして炭素質を中心とするもの,ケイ素質を中心とするもの,岩石成分では無くニッケルや鉄が主成分であるものなどの区別がある。
また,これら以外には,連星(小惑星同士が互いに回転しながら公転している)や,衛星(小惑星の衛星)などの,一般的な惑星と同じような挙動を示すものもあり,それらは特殊な小惑星として区分されている。また,彗星が木星の重力によって捕らわれたもの(主成分がドライアイスなどのため,通常の小惑星と異なってくる)や,細かい塵が長い年月の間に結合したものなど,その誕生の経緯によって区分するといった分類もある。(なお,彗星が木星に捕獲されたように,こうした捕獲衛星には小惑星起源のものが多いと考えられ,火星の衛星であるフォボス,ディモスなどはその代表だろう。)
小惑星の発見と探査の歴史
小惑星が初めて発見されたのは1801年であるが,形状やその特性が明らかになるまでには,非常に長い時間がかかっている。観測の状況から,小惑星が非常に小さな天体であることが明らかとなり,現在用いられる「小惑星」という言葉が定義されたのが,1853年である。
しかしながら,形状や特性があきらかとなったのは,20世紀末であり,そこから加速度的に調査が進んだのである。[7]
準惑星(矮惑星)
本項目のみ現実視点で記述されています。
西暦2006年に行われた国際天文学連合総会で再定義された新分類。
しかしながら,実際には「冥王星を区分するため」の分類として立ち上がった新分類であり,現状厳密な定義がなされていないため,定義付けの検討が続けられている状況である。(このため日本国内では当面の間,積極的な使用は推奨されてない。)
元々冥王星は発見当時から惑星であるかどうかの議論が存在した天体であるが,発見当時は太陽系外縁の天体として話題となり,先行して発見されていた天王星や海王星の軌道確定によって存在が予測されていたこともあって,惑星であるという方向性で定義された。
ところが,その後発見された衛星が直径にして冥王星の3/5と大きく,質量の面からしても「二連星」と表現するのが妥当なレベルであることや,既に発見されている惑星の持つ衛星よりも小さい[8]ということが明らかとなった。
また,2000年代にはいると,太陽系外縁の天体が次々と発見され,中には冥王星の大きさに匹敵する天体もみられ,2005年にエリスが発見された際には,その大きさが冥王星よりもやや大きいと推測されたため,第10番惑星が発見されたとの報道までなされたのである。
これまで冥王星を惑星として定義づけていた理由のひとつが,薄いながらも大気が存在することと,衛星を有していたことだが,これらも次々と否定されていった。1991年,既にメインベルトの小惑星の中には衛星を有するものが存在することが明らかとなっており,2005年の調査ではエリスの表面組成が冥王星に似ている(=薄い大気が存在している)ことが観測された。
また,これらの天体は,冥王星同様の長楕円軌道を描いていることも観測されたため,2006年の国際天文学連合総会では,激しい議論が交わされることとなった。
当初提示された案では,冥王星を惑星として維持する代わりに類する天体を惑星に格上げするというもので,この総会時点で冥王星の衛星カロン(二重惑星として),メインベルトに存在する小惑星ケレス[9],およびエリスを惑星に昇格し,12惑星とするものであった。
しかし,多くの天文学者は,既にケレスを上回るサイズの外縁天体が発見されていることや,同時期に検証されていた新たな天体もこれら同様のサイズであることが推測されたこともあり,強い反対を示した。
この結果,最終的な決議では,これまでの惑星,小天体(小惑星を含む)の間に,新たに「準惑星」というカテゴリを設け,準惑星は小惑星としても登録するという妥協案が示されたのである。
この結果,準惑星の定義として(1)太陽のまわりを公転している,(2)自己の重力によって球形を維持している,(3)公転軌道上から他の天体を排除していない,(4)それ自体が衛星では無いこと,という定義が用意され,冥王星をその代表的な天体であると定義すると同時に,冥王星は(3)の定義が成立するため,惑星では無いとしたのである。
こうして再分類された冥王星は,小惑星番号を与えられ,改めて小惑星として定義されるとともに,ケレス,エリスと共に準惑星として定義づけられた。また,2008年には,ハウメア,マケマケが準惑星に追加され5天体になったが,現在でも調査が進められており,冥王星の衛星カロン(二連星としての再定義を行うかどうか),セドナ,ヴァルナ,イクシオン,クワオア,オルクスなどが,準惑星の候補とされている。
また,これら以外にも非常に大きな衛星を持つ天体が確認されており,その詳細が調査されれば準惑星に区分される可能性がある天体がいくつか存在している。
いずれにせよ,太陽系外縁天体の調査は始まったばかりであり,変更される可能性はかなり高いと考えておくのが妥当であろう。
なお,2015年には探査衛星ニュー・ホライズンズが冥王星に再接近することになっており,この調査によって新たな事実が発見されるかもしれない。
関連項目
編集者
最終更新時間:2012年01月28日 10時29分42秒
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