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雑記:ガンダムSEED DESTINYの終了を受けて

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期間限定公開(・・だったが放置w)

雑記:ガンダムSEED DESTINYの終了を受けて

  • [コラム]

※時間が経つにつれて感じ方が変わってくると思います。
※あっさり削除される可能性も否定しません(苦笑
※このコラムは,当時のものです。


前置きはありません,今回は(^^;

なんと言ったらいいのだろうか・・擁護できる面もあり,擁護できない面もあり・・・
ぶっちゃけた話,個人的には失敗作という印象以外無い。前作は,まだ毎週確実に見ようという意識があっただけマシであった。しかし,今作はそういった意欲がわかないのである。
とりあえず,全話録画はしたのだが,繰り返してみる気力がない,といった方がいいのだろうか。(用語辞典の登録など,前作は何回か繰り返してみている部分があるのだが,今作は,そういった気力がないのだ。実際,予告編集を見てもらうと分かるのだが,未だ手つかずに近いのである。)

今作最大の問題点は,「主人公の存在感の無さ」につきると思う。
いや,悪い意味での存在感はあったかもしれないが,とにかく「主人公」と思えない扱いであったことは間違いないだろう。
前作の感想でも述べているが,作品として印象を悪くしている原因は,主役の確立が出来ない脚本と監督に問題点はあるだろう。いや,今作を見た感じ,監督の演出意図はどちらかといえばまだマシで,脚本に最大の問題があることを明確に示したということでいいのではないだろうか。

福田監督の演出については,個人的にそれほど嫌悪感をもっているわけではない。サイバーフォーミュラについてもTV版は(多少,蛇足じみたところがあったりしたが)嫌なことはない。それどころか,最終の2話に関してはその神懸かり的な演出が好きなほどである。(作画も神懸かっていたことだし^^;)
ところが,OVA版になると・・・
(電童については,見ていないためパス)

なんというか,この監督はインスピレーションの湧く脚本で,なおかつ時間があったら熱い演出が出来るのは間違いないんじゃないかと。
ガンダムSEEDとガンダムSEED DESTINYのスタッフリストを見てほしい。
SEEDの場合,まだ他の脚本家が脚本を執筆している回が多いのだが,DESTINYの場合,ほとんど全てが両澤千晶氏との連名である。ベテラン脚本家が脚本を執筆している回を含めて,「ほぼ全て」が,である。
一般的に,力量のある脚本家が脚本を執筆した場合,監督の手による手直しが入ることがあっても,同業者からの手直しが入ることはほとんど無いと思われるのだが,この作品に関してはそれが起きているとしか考えられないのである。
たとえば,前作の「舞い降りる剣」では,(多少の問題点は目をつぶってw)個人的に結構気に入ったシチュエーションであるフリーダム登場シーンまでの流れなどは,脚本と演出が噛み合ったシーンと言えるだろう。そこで,脚本家に目をやると,吉野弘幸氏なのである。
これはあくまで一例でしかないのだが,どうも前作の後半から今作にかけて,両澤千晶氏が絡んできた部分において,非常に印象が悪くなっているのである。(何を今更,というのは無しにしてほしい。この件についてまとめたのが今回が初めてということなので^^;)

さて,その脚本については色々と言われているだろうから,ここではスルーして,肝心の作品世界について考えてみたいと思う。
今作の時系列的な流れは,次のようになっている。

・アーモリーワンにおけるガンダム強奪
 ↓
・ユニウス7落着
 ↓
・ごちゃごちゃとした小さな戦闘(その間にアスラン,ザフトに復帰)
 ↓
・キラ,ラクス襲われる(アークエンジェル発進)
 ↓
・ごちゃごちゃとした小さな戦闘(ハイネ参入→戦死,ステラ戦死,フリーダム撃破)
 ↓
・アスラン脱走
 ↓
・キラ,ストライクフリーダムで復帰(アスラン復帰)
 ↓
・ミーア死亡
 ↓
・最終決戦

なんというか,柱がない状態といっていいだろう。特に,12話以降,キラが出てきてからはその傾向が強い。連合もザフトも軍としては,問題点を抱えているという点については,前作のパナマなどあちらこちらで描かれており,特に今作はローエングリンゲートにおいて,わざわざアスランの視点でも見せている。(しかし,アスランは議長の言葉に躍らされていた時期であり,スルーしているわけであるが)
この辺を見せていこうというのなら,キラをいきなり出すよりは,地下に潜らせた方がまだよかったのかもしれないのだが。
また,デスティニー登場の頃になると,シンは完全に主人公でもなく,また,ライバルでもなく単なる三下的扱いになってしまっている。(フリーダム撃破という戦果があるため,かろうじて主役らしいといえるかもしれないが)

だが,視点を変えてみると,やはり設定的には非常に良作としての可能性を秘めていたことが分かる。
まず,ガンダム強奪からアスランのザフト復帰に至るまでの流れであるが,ザフトがガンダムを作っているとか,いきなり奪われるのはいかがか,といった部分はとりあえず細かい設定に任せておくとして,前作が「停戦」であり,「終戦」では無いということを端的に見せると言うことでは,非常に意味があっただろう。(それだけにカガリのデュランダルに対する対応は,どうもバランスに欠いた描写だったように見えるが。)
両軍とも,前大戦のノウハウを生かした兵器を開発していたという点では,戦争物として当たり前のことであるが,評価は出来る。(ただし,なぜ「ガンダム」なのかについては,前作から残る問題点ではある。※1)
インパルスについてもMSVで補足はされているが,効率を求めた上での開発というのであれば,なんら問題のない機体である。しかし,この序盤でやはり演出面,脚本面で大失敗したといっていいだろう。
前作のストライクは,オーブ周辺などでは,ストライカーパックを交換し,イザークらのガンダムを追いつめていくというストライカーシステムを応用した描写が見られた。これは他の場面でも,それなりの描写があったのは間違いない。しかし,今作ではそれらが全く生かされていない(※2)ため,合体シーンが単なる「尺稼ぎのバンク」でしかなかったのである。
ユニウス7落着においてもどうしても結果について納得のいかない勢力というものはあるもので,彼らが起こしたテロリズムという点では,現在の世界情勢にも通ずるものがあるだろう。また,これを利用して「プラント(※3)」を叩こうとする勢力が鎌首をもたげるのもまた,現在の世界情勢に通ずるものがある。

その後,中盤の描写は正直蛇足が多いのだが,これも連合(ロゴス)のやっていることは,コーディネーター排斥だけが目的であり,一般民を考慮していないということを際だたせるという意味では,意味ある描写だっただろう。また,そこにザフトや民間人であってもやはりそれが正義ではないという点を挿入(前述したローエングリンゲートの回である)しているということでは,意義はあったかと思われる。
その後のデュランダルのデスティニープランといい,作品的な基本部分は非常におもしろいものと言える。特に,デスティニープランは,ギレンの優性人類生存説に通ずるおもしろい設定だと思っていたのだが,これを生かし切っていないことは明白である。
特に,最終決戦においてその解決をキラに行わせた関係上,非常に作品としてのアンバランスさが目立ってしまっている。主人公であるはずの,シンが早速と脱落し,また序盤の視点の中心であったアスランもシンと戦っただけで,実のところ話の本筋からは脱落しているのである。
そのため,超人キラ(言葉を換えると神の視点のキラ)の降臨により,話が「終わっちゃいましたよ」という印象しか持てなくなっているのである。
ここでキラはあくまでサポートに徹しており,デュランダルと対峙するのが,アスラン,シンであったらどうだろうか?
大きく印象は変わっていたと思うのだが・・・

他にも例を挙げるときりがないほど生かし切れていない設定が多かった。
これは,返す返すも制作時の時間的配分の問題であろう。後半にいけばいくほど製作時間がとれていなかったことは,スタッフリストからも明らかである。絵コンテを見てもらうと分かるだろうが,中盤以降複数の人間でコンテを切っているのである。
すなわち,分担作業をしなければならないほど脚本のあがりが遅いということである。(シーンの切り替えで,ぶつ切りの印象がある回があるのもそのせいだろう。)
一部では,放映十日前に脚本があがっているという話題もあったほどであり,そう考えるといくら監督が演出案を考えても,それを投入するだけの時間的余裕もなく,バンクばかりになるのも当たり前ではないだろうか。
とにかく,素材はいいのに監督のスケジュール調整と脚本家が全てを悪い方向に持って行ってしまった作品,そういった印象の強い作品となってしまった。

※1

実のところ,フリーダムという機体が,ゲイツヘッドだったらそれほど違和感はないのである。これをたとえば,オーブあたりで頭部を換装してガンダムヘッドになったというならば,それは納得できたのだが。

※2

一部描写としてインパルスのシステムが生かされた描写はあったが,印象的なのはローエングリンゲートと対ザムザザー戦におけるデュートリオンくらいのものだろうか・・

※3

これがザフトならば,まだしも「プラント(=コーディネーター)」と直結してやってしまうのが,ロゴス(この時点では,まだブルーコスモス)の問題点ではある。

 編集者


2005/10/24:脱稿,公開


脚注