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考察:Laboratory Report/第3章 勢力考察(12)

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第3章 勢力考察

 本章では,これまで宇宙世紀において登場した勢力について簡単にまとめている。
 これまで製作された作品では大小様々な組織が登場し,様々な人間模様を描いてきた。それら勢力についての総括を行ったのが本章である。

 記述内容に関しては,時代設定を統括した形でまとめているため,若干の読み取りにくさが存在するが,それぞれの節ごとにご覧になって頂きたい。(なお,一部の項目は前章までの内容と重複しているが,ご容赦願いたい。)
 また,宇宙世紀を語るとなると,必然的に「地球連邦政府」と「ジオン公国/共和国」を最初に触れざるを得ないため,これらの記述は既に第1章でまとめている。そのため,本章で中心的に扱うのは,それ以降,すなわちグリプス戦役期以降が中心になっている。同様に,どうしても資料面での制約を受けているため,本章は非常におおざっぱな集約となっている点をご了承いただきたい。

 3-(12) 木星帝国


 宇宙世紀130年代に地球侵攻作戦(後の歴史書によれば,実際には「地球消滅作戦」とでもいうべきものであった)を展開した木星帝国は,クラックス・ドゥガチを支配者とする組織であった。
 元々ドゥガチは,木星圏に建造されたステーションの管理者からそこを統括する人物として力を蓄えた人物であり,自らの体験から地球に住む者たちを憎んでいた。そのため,木星圏での地盤固めが進むにつれて,「地球に対する憎悪」と共に軍備の拡張が進められたのだと考えられる。
 ここで,注目すべき点は,この目的が「連邦政府」といった形の組織を対象としたものではなく,あくまで「地球に住む者」という曖昧な区分である点である。これは,ドゥガチが,地球人を憎んだが故のものであり,だからこそ,コロニー勢力の介入を想定していなかったのだ。(これに対抗したクロスボーン・バンガードのパイロットが述べているが,こういったドゥガチの考え方は,地球という母なる大地を既に忘れ去った「木星人」の考え方,ということになるのだろう。)

 結果的に,木星帝国はコロニー勢力の介入により,その首班ドゥガチが倒されたことで瓦解する。
 一説には,その数年後,再び地球に対する攻撃を敢行しようとしたという説もあるが,残されている資料が僅かなことと,地球が攻撃を受けた痕跡が無いため,これを立証する術がないのである。ここについては,現在確認されている資料の精査,あるいは新たな資料の発掘を待ちたい。

 蛇足ながら,意外と思われるかも知れないが,実はシャアがやったアクシズ落としと木星帝国が行おうとした核攻撃は何ら違う物ではない。ただ唯一異なるのが,シャアはニュータイプの覚醒を求めた理念故の暴走,ドゥガチの場合は地球憎しによる殲滅だった点である。しかし,いずれにせよ許されない行為である点には違いはないだろう。

 註釈

 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

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 編集者


最終更新時間:2011年08月15日 17時34分59秒

脚注