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考察:Laboratory Report/第2章 宇宙世紀の技術(4-13)

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第2章 宇宙世紀の技術

 宇宙世紀の概要については,前章で簡単に説明を行った。本章では,これら時代時代に応じた技術的な面を概要と詳細の形でまとめていきたい。また,各陣営ごと,開発メーカーごとのMS開発に関する技術系譜等も本章で扱う。
 特に,宇宙世紀初期と記録の残る終盤である,200年代ではその世界環境が大きく異なるため,これらも含めて技術論という形でまとめておく。

 なお,各モビルスーツの詳細データ等,個別考察については第4章以降にまとめているので,そちらを参照してほしい。

 2-4 モビルスーツの開発メーカー


 本項では,ジオン公国軍及び地球連邦軍におけるMSの開発メーカーについてその概要と詳細をまとめている。また,関連してMSの爆発的な進化が続いたグリプス戦役期頃までのMSの開発に関わった企業や組織等についてもまとめている。(企業ではなく,軍主導で開発が進められた機体群も存在するため,こういった表現になっている。)
 この時代,MSという機動兵器の基礎フォーマットが確立した時期ともいえ,以降のMS開発はこの成熟が続いていった時代と区別することが可能であり,それだけに様々なメーカーがその技術を競った時代だとも言えるのである。また,メーカーの違いはMSのコンセプトの違いとも言える時期であり,こうした時代を経て,MSという兵器は完成度が高められていったのであろう。そのため,この時代のMSは,初期にMSという兵器が登場した時期から,様々な用途別,機種別分類が確立するまで,非常に短期間で成熟しており,(一般的には兵器の成熟には非常に長時間がかかるものであるのだが)わずか20年ほどで第1〜第5世代まで急速に発展している。(ただし,基礎的フォーマットの確立は第2世代でなされており,以後の機種は多くがこの第2世代MSをベースとしているのは注目すべき点である。)

 第1節から第7節までは,これら一年戦争前後から第2次ネオ・ジオン戦争というMSが急速に発展した時代のMS開発メーカー,組織を重点的に解説している。また,宇宙世紀100年以降に登場したMS開発メーカーに関する概要や詳細については,代表的なものを第8節以降にまとめている。


 2-4-(13) セイバーチーム


 「セイバーチーム」とは,MS開発者ジョン・セイバーを中心としたチームの名称であり,特定の組織を表すものではない。元々ジョン・セイバーは,次項で説明するセツルメント国家評議会の前身組織に所属する技術者であり,セツルメント国家評議会軍のMSであるCCMS-03ブグも彼らセイバーチームが開発した機体なのである。(一説には,CCM-03こそセイバーチームの開発した機体であるB-SAVIOURに相当する機体であるという。)
 しかし,セイバーチームは,セツルメント国家評議会との方向性の相違から袂を分かち,宇宙世紀218年にイルミナーティにヘッドハント(*1)されたのである。奇しくも地球連邦の瓦解したこの年,様々な思惑から地球と独立した各コロニーの間では緊張状態が続いており,イルミナーティ側では地球連邦軍の一部が結成したセツルメント国家評議会に対抗するため,ジョン・セイバーらのチームを引き抜いたのである。(なお,厳密に言えばセイバーチームという名称は,この時に付けられたらしい。)

 彼らの設計するMSの特徴は,既存のMSのパーツ群を利用し,これに独自の新規設計部を加えることで,そのもてるポテンシャルを最大限発揮させるというものであった。実際,イルミナーティで最初に設計されたF-SAVIOURは,そのパーツの多くを地球連邦軍最後の制式採用MSであるRGM-196フリーダムと共用しているのである。
 このフォーマットは,続くMS群でも活かされており,G-SAVIOR,G2-SAVIOUR,G3-SAVIOUR,H-SAVIOUR,I-SAVIOUR,J-SAVIOURと建造された機体は,いずれも共通項を持つ機体となっている。(おそらく,内部レベルではさらなる共通化が図られているはずである。これは,G2-SAVIOURとG3-SAVIOURの間のパーツ互換を考えても間違いないだろう。)

 つまり,彼らセイバーチームの考えるMSとは,あくまで量産運用を前提とした機体であり,その中でスペシャルな運用を前提とした機体と,一般的に用いられる機体を作り分けていこう,とするものなのである。F-SAVIOURは,事実上の実証試験機であり,実はG-SAVIORもその域を抜け出していない。これに対して,I-SAVIOUR(イリュージョンのコードが与えられた)は,比較的多く生産されたが,これすらもセイバーチームに言わせればCCM-03と比較して失敗作ということなのである。無論,G-SAVIORもそういった意味では失敗作なのだが,この機体は高い運用性(換装による各戦場への対応性)を持っていることから,様々な戦線へと投入するスペシャル機として開発が継続されている。
 宇宙世紀224年に地球上で行われたミッションでは,J-SAVIOURとG3-SAVIOURの運用が見られており,この点からもG-SAVIOR系が結果的に特別な機体であることが判るだろう。


 註釈

 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

(*1)

 注意したいのは,あくまでセイバーチームはビジネス的にイルミナーティに引き抜かれているという点である。つまり,理念に同意したと言った「自発的行為」ではないのだ。
 逆に言えば,セイバーチームが望む形でのMS開発が出来なくなったとしたら,イルミナーティから離脱する可能性も非常に高いのである。

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 編集者


最終更新時間:2011年08月15日 17時27分44秒

脚注