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考察:Laboratory Report/第2章 宇宙世紀の技術(4-12)

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第2章 宇宙世紀の技術

 宇宙世紀の概要については,前章で簡単に説明を行った。本章では,これら時代時代に応じた技術的な面を概要と詳細の形でまとめていきたい。また,各陣営ごと,開発メーカーごとのMS開発に関する技術系譜等も本章で扱う。
 特に,宇宙世紀初期と記録の残る終盤である,200年代ではその世界環境が大きく異なるため,これらも含めて技術論という形でまとめておく。

 なお,各モビルスーツの詳細データ等,個別考察については第4章以降にまとめているので,そちらを参照してほしい。

 2-4 モビルスーツの開発メーカー


 本項では,ジオン公国軍及び地球連邦軍におけるMSの開発メーカーについてその概要と詳細をまとめている。また,関連してMSの爆発的な進化が続いたグリプス戦役期頃までのMSの開発に関わった企業や組織等についてもまとめている。(企業ではなく,軍主導で開発が進められた機体群も存在するため,こういった表現になっている。)
 この時代,MSという機動兵器の基礎フォーマットが確立した時期ともいえ,以降のMS開発はこの成熟が続いていった時代と区別することが可能であり,それだけに様々なメーカーがその技術を競った時代だとも言えるのである。また,メーカーの違いはMSのコンセプトの違いとも言える時期であり,こうした時代を経て,MSという兵器は完成度が高められていったのであろう。そのため,この時代のMSは,初期にMSという兵器が登場した時期から,様々な用途別,機種別分類が確立するまで,非常に短期間で成熟しており,(一般的には兵器の成熟には非常に長時間がかかるものであるのだが)わずか20年ほどで第1〜第5世代まで急速に発展している。(ただし,基礎的フォーマットの確立は第2世代でなされており,以後の機種は多くがこの第2世代MSをベースとしているのは注目すべき点である。)

 第1節から第7節までは,これら一年戦争前後から第2次ネオ・ジオン戦争というMSが急速に発展した時代のMS開発メーカー,組織を重点的に解説している。また,宇宙世紀100年以降に登場したMS開発メーカーに関する概要や詳細については,代表的なものを第8節以降にまとめている。


 2-4-(12) リガ・ミリティア


 リガ・ミリティアは,ザンスカール帝国に対する抵抗運動を行っていた組織である。元々は,宇宙戦国時代に至って民間の抵抗組織同士が結びついた形で結成されたものであるが,武装化が進んだのはザンスカール戦争に至ってからのことである。
 当然ながら,ゲリラ的活動を行う組織ではあるが,理念としては宇宙戦国時代の各国家間の争いによって,民間への被害が波及するのを阻止するものであった。しかし,ザンスカール帝国との抗争は,従前の活動だけでは対処が不可能であり,MSを始めとした重武装化を進めたのが宇宙世紀153年当時のリガ・ミリティアということになるのである。

 リガ・ミリティアの運用したMSは,組織の特徴が色濃く出た設計となっている。
 最大の特徴は,全ての機体が地球連邦軍の兵装のアッパーバージョン(上位互換機)であることが挙げられるだろう。これは,MSそのものからそれらが運用する武装にまで至っている。
 例えば,リガ・ミリティアが最初に開発したLM111E02ガン・イージは,ゲリラ的運用が前提とされているため,その基本設計こそリガ・ミリティア独自のものであるが,損傷時には連邦軍が使用しているRGM-119ジェムズガンやRGM-122ジャベリンのパーツを代用品として修理が可能となっている。(無論,100%想定された性能が発揮できるわけではないが,損傷したため稼働率0に陥るということは無いということなのである。)これは武装にもあわれており,LM111E02のビームライフルこそリガ・ミリティアのオリジナルであるが,ビームバズーカ,ビームシールド,ビームサーベルなどはいずれもこれらRGM系MSに用いられているもののアッパーバージョンなのである。逆に言えば,出力はおちるものの,RGM系MSのものを使用することも可能なのである。(無論,ビームライフルも使用可能である。)
 このようにLM111E02も小型MSとしては充分完成した機体としてロールアウトしているが,さらにリガ・ミリティアを特徴付けている機体が,V(ヴィクトリー)計画によって生み出されたLM312V04ヴィクトリーガンダム(Vガンダム)であろう。
 LM312V04は,リガ・ミリティアのフラッグシップMSとして,また主力量産MSとして開発された機体であり,LM111E02の発展型として開発された機体である。最大の特徴は,3つのユニットに分割が可能で,それぞれが独自に生産ラインを構築可能である,という点にあろう。これは,リガ・ミリティアが事実上のゲリラ組織であったことに由来するのだが,各パーツごとにそれぞれ生産可能であれば,MSのコアとなるコアファイターさえ有していれば,どこの地域であっても近場の工廠から輸送されたユニットでフルスペックの機体として運用可能な機体であるということを示しているのである。また,コアユニットそのものが上位機にパーツ換装(LM312V06ヴィクトリーガンダムヘキサとなり,最終的にV1タイプは全てヘキサタイプに換装されている)しても運用可能な形に設計されており,非常に高い互換性を維持していた。

 実際,ヨーロッパで活動していたリガ・ミリティア部隊はいずれも小規模な部隊であったが,各工廠のパーツ群をうまくやりくりしてザンスカール帝国軍と渡り合っていたのである。

 これらいずれの事例もリガ・ミリティアという組織故の特徴とはいえるのだが,いずれも理想的なMS運用であることは間違いないだろう。ザンスカール戦争終盤に投入されたフラッグシップMS,LM314V21 V2ガンダムにもこの特徴は引き継がれていた。(但し,LM314V21に関しては,コアとなるコアファイターの建造が最も困難を伴ったため,建造されたコアユニット自体の数は少ない。)

 なお,蛇足ながら,リガ・ミリティアのMS開発にはアナハイム・エレクトロニクス社とサナリィ双方が関わっていたという説がある。実際,LM111E02やそのアッパーバージョンであるLM111E03ガンブラスターなどは,アナハイム社が得意とする分野の機体であるし,LM314V21に用いられていたミノフスキー・ドライブ・システムは,サナリィがF99でテストしていた装備である。これらのことから,リガ・ミリティアのリーダーであったジン・ジャハナムは,双方に太いパイプを持っていたであろうと推測できる。


 註釈

 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

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最終更新時間:2011年08月15日 17時27分12秒

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