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考察:Laboratory Report/第1章 宇宙世紀概要(6)

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第1章 宇宙世紀概要


 1979年に放映が始まったテレビアニメーション「機動戦士ガンダム(以下,ファーストガンダム)」は,日本におけるアニメーション史上に画期的な作品の一つとなった。それには様々な理由があるが,いずれの理由も「ガンダムがヒットした理由」にはなり得るであろう。

 逆に言えば,こういった様々な理由が複合的に重なった結果,「ガンダム」という作品は今日まで続く長期シリーズとなったと言えるだろう。本章では,最初に放映されたファーストガンダムが用いていた架空の暦「宇宙世紀」に関して時代ごとの概要をまとめている。

 なお,以降の本文と註釈で執筆のスタンスが違うので注意していただきたい。(本文は,宇宙世紀の遙か未来に生きる人間として,注釈は我々「ガンダムという作品を見ている者」としてのスタンスでまとめている。)

概要は,PDF版では章頭にのみ記載されるが,Wiki項目では説明の為に各小節ごとに掲載している。


 1-6 戦後復興と連邦崩壊への芽吹き


 宇宙世紀0080年1月1日,グラナダで行われた終戦協定によって,後に一年戦争と呼ばれる世界規模での戦争は終結した。
 ただ,戦争は終結したものの戦争序盤に行われたブリティッシュ作戦によって地球環境に深刻な影響が残っていた。また,サイド1,2,5では,戦乱によって多くのコロニーが損傷,あるいは損壊した状態であった。(*1)

 このことから,地球連邦政府は一年戦争終戦後直ちに地球圏の復興と,地球連邦軍の再建計画に着手することとなった。
 まず,コロニー再建計画によって,既存のコロニーを修復し,生活基盤を安定化させる措置が執られた。これには,ほとんど壊滅状態となった,サイド1,2,5のコロニーの中で,修復可能なコロニーを修復し,安定軌道に乗せることでコロニー居住者の生活の不安を解消することが行われた(*2)。(蛇足ながら,この際にサイドナンバーのふり直しが行われており,一年戦争前のサイドナンバーと異なっている。)
 一方,地球連邦軍の再編計画は,基本的に宇宙軍を中心に行われている。これは,連邦政府が一年戦争を通じて,最も大きな損害を受けたのが宇宙軍であったことと,(起こると想定した場合)以降の戦乱が基本的に宇宙戦になることが想定されたからである。

 宇宙世紀0082年には,様々な復興計画が実行に移され,特に艦艇の建造は積極的に行われた。また,同年スタートしたガンダム開発計画は,一年戦争で驚異的な活躍を残した,RX-78-2ガンダムの後継機を開発するためのプロジェクトとしてスタートし,宇宙軍管轄の新たなMS基準による戦術構想によるものとして以降の計画に組み込まれることが前提であった。
 しかし,この時点でも地球連邦軍の大艦巨砲主義は完全に排除されてはおらず,建造された艦の多くは,MSの運用艦としての機能が不十分であった。同様に,連邦政府の復興政策もコロニー側に配慮しているかに見えて,実際には自分たちの利権確保だけが中心であり,実のところ宇宙生活者の不満そのものは,一年戦争開戦前と変わるところはなかった(*3)。

 結果的に連邦政府が行った復興政策は,宇宙移民者との軋轢を更に増幅することになり,宇宙生活者と地球生活者(基本的には連邦政府だが)の間の対立は解消されるどころか,ますます大きくなっていったのである。

 こうしたタイミングで,旧ジオン軍の将校であったエギーユ・デラーズが,「ジオン共和国」が締結した終戦協定を無効として,地球連邦政府に対して,宣戦を布告,歴史に残らない「デラーズ紛争」が勃発した。(*4)
 連邦軍が極秘に開発していたガンダム開発計画による試作2号機の強奪事件に端を発するこの紛争は,わずかな軍勢の引き起こした動乱ではあったが,連邦軍の受けたダメージは非常に大きなものとなった。
 この紛争は,地球連邦政府に対する宇宙移民者の反発をあおった形となり,また,動乱の理由付けにガンダム開発計画で開発された核搭載型ガンダム「ガンダム試作2号機」が用いられたため,連邦政府内部の権力争いにも影響を与え,ジオン軍の残党狩りを名目とした部隊「ティターンズ」の成立を許すこととなった。

 実際のところ,これ以前から連邦軍(連邦政府含む)の内部での権力闘争は日常茶飯事ではあったのだが,ティターンズの成立は,これを決定的に加速させたのだった。すなわち,ティターンズというエリート部隊の存在が,連邦軍内部にも格差を生み出し(*5),これが原因でさらなる権力闘争を生んでしまったのである。こういった「特権組織」の誕生が,これまでの連邦軍の腐敗を更に推し進めてしまったのである。

 多くの一般兵にはその責は無いにせよ(*6),こういった「上層部の対立構造」が,結果的にグリプス戦役の引き金として決定的な部分を担っており,また,連邦政府の腐敗をも加速していくのである。(デラーズ動乱以降,連邦軍高官の権力闘争は,激しさを増しており,ティターンズですら,権力闘争の手駒でしかなかったのは,後の歴史が示している。)

 こうしてみると,この時代の連邦政府,連邦軍が持った「戦勝国意識」が,結果的に地球連邦政府崩壊への道筋を付けてしまったといえるのではないだろうか。もちろんこれは極論である。しかし,こうした極論じみた結論を導き出しても構わないようにこの時代背景は思わせてしまうのである。

 こうしてティターンズは,ジオン残党狩りを名目にその勢力を加速度的に増していった。しかし,ジオン軍残党狩り,という組織設立の理念は,いつしか宇宙生活者への弾圧にすり替わっていく。
 そして,宇宙世紀0085年7月31日,後に連邦軍の行く末を決定づける事件が勃発する。
 そう,「30バンチ事件」である。


 註釈

 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

(*1)

 地球上では,オーストラリア大陸周辺の損傷が激しく,コロニーの落着によって地形が大きく変わってしまっている。(この点については,各種資料を参照のこと。特に,地形変化に関する情報は,かなり広まっていたらしく,ポケットの中の戦争では,このあたりがセリフの中でネタとしてでてくる。)また,気候変動も起こっており,通常あり得ない地域での降雪なども確認されているようだ。
 一方,コロニーでは多くのサイドで深刻な影響が出ていた。例えば,通常ペアで建造されるコロニーの片側が損傷したため,軌道補正が正確に行われなくなったバンチや,かつてのテキサスコロニーのように,時間調整が不可能になったコロニーも存在している。
 これらを再び居住可能なコロニーへと再生しようという計画が,コロニー再建計画ということなのである。

(*2)

 具体的には,公国軍の攻撃で住民が避難し居住者がいなくなったコロニーや,損傷によってペアとなるコロニーを失ったコロニー,内部の空気が流出したコロニーなど,比較的再建しやすいコロニーをサイド3やサイド6といった被害の少なかったサイドに移送し,コロニーそのものの修復を行っている。また,比較的損傷の少なかったコロニーは,もともとのサイドでそのまま修復が行われ,修復完了と同時に,再び移民が行われている。
 なお,大きな損傷があったコロニーは,廃棄されたり,修復可能なコロニーの資材として活用されるなどの措置が執られ,基本的にはそのほとんどが再利用されている。
 とはいえ,この計画によってどの程度宇宙移民者が連邦政府を受け入れたかは不明である。いずれにせよ,この直後のデラーズ紛争においても,連邦政府に対する不満が宇宙移民者から出ていたことを鑑みると,コロニーの再建よりも,自分たちの住む「地球上の施設の修復」が優先されていたであろうことは,想像するに難くない。

 蛇足ながら,未曾有の大戦乱だった一年戦争であるからして,コロニー内の人的管理データ(戸籍など)もおそらくその殆どが失われていたものと考えられる。(でなければ,戦後連邦籍を入手するジオン兵などが現れるのは難しい。)
 そのため,特にコロニーでは財産を奪うような輩もかなり存在したものと考えられる。推測に過ぎないが,サイド1タイガー・バームのスタンパ・ハロイなどは,ジャンク屋とは言うが,そうした輩であった可能性は高い。

(*3)

 とはいえ,宇宙移民者の多くは,ジオン公国がコロニー生活者に対して行った行為を否定的に見ていた。連邦に対する不満はあっても,ジオンのように自らのサイド以外を排斥する様な勢力を受け入れられるはずもないのである。この点は,デラーズ・フリートの活動にも現れているだろう。つまり,ジオン公国の戦争行為を継続するとした場合,単に終戦協定が無効であると宣言し,戦闘行為を継続すれば良かっただけである。しかし,戦力が小さいことと,宇宙生活者を味方に付ける必要があり,「連邦側がジオン側よりも悪どいことをしている」ことをガンダム試作2号機を使って説明する必要があったのである。
 逆に言えば,ただ単に戦闘行為を継続していても,ジオンが行った行為から各コロニーの反発を買うだけの可能性もあったわけである。

(*4)

 デラーズ紛争が公式に歴史書に登場したのは,宇宙世紀100年のこととされている。
 正式な情報解禁の日時については不明だが,ガンダム開発計画の情報が解禁となった時期に合わせたものと推測される。
 今日では,U.C.0096年に起こった(おそらく)「最後のジオン系残党と連邦軍との戦い」が描写されたことからも,この後,デラーズ紛争についての情報が公開されたと考えるのは間違いではないだろう。

(*5)

 ティターンズは,連邦軍内部でも1階級上の特権を与えられており,時に通常の部隊運用にも口を出すことがあった。こういった点が,連邦内部でも不協和音を生じさせる原因でもあり,中にはこの特権を利用してやろうという野心を抱くものもいたのである。
 なお,一般のティターンズ兵は,そういった立場ではなく,どちらかといえば「ジオン残党による平和を乱す行為」に対抗することを信念としており,彼らもまた被害者である。

(*6)

 上記(*5)とも関連するが,一般的なティターンズ兵が,上層部の思惑に振り回されていたかを示す資料として,「Advance of Ζ〜ティターンズの旗のもとに」が,上げられる。
 機動戦士Ζガンダム劇中の描写では,どうしてもエゥーゴよりの描写が多くなってしまう為,どうしてもティターンズが悪の組織と見られてしまうのだが,実際には,そういった「野心による行動」が見えるのは,上層部が原因であり,多くの「良心的なティターンズ兵」は,純粋に「平和を乱すジオン軍残党」を討伐している,という意識しかなかったはずである。


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最終更新時間:2011年08月15日 17時17分35秒

脚注