トップ 一覧 Farm 検索 ヘルプ ログイン

考察:Laboratory Report/第1章 宇宙世紀概要(3)の変更点

  • 追加された行はこのように表示されます。
  • 削除された行はこのように表示されます。
!!!第1章 宇宙世紀概要

 1979年に放映が始まったテレビアニメーション「機動戦士ガンダム(以下,ファーストガンダム)」は,日本におけるアニメーション史上に画期的な作品の一つとなった。それには様々な理由があるが,いずれの理由も「ガンダムがヒットした理由」にはなり得るであろう。

 逆に言えば,こういった様々な理由が複合的に重なった結果,「ガンダム」という作品は今日まで続く長期シリーズとなったと言えるだろう。本章では,最初に放映されたファーストガンダムが用いていた架空の暦「宇宙世紀」に関して時代ごとの概要をまとめている。

 なお,以降の本文と註釈で執筆のスタンスが違うので注意していただきたい。(本文は,宇宙世紀の遙か未来に生きる人間として,注釈は我々「ガンダムという作品を見ている者」としてのスタンスでまとめている。)

(red:概要は,PDF版では章頭にのみ記載されるが,Wiki項目では説明の為に各小節ごとに掲載している。)

!!1-3 宇宙開拓時代とサイド群の形成

 宇宙世紀元年(西暦2045年)に建造が開始された第1号コロニーは,初の大型移民用コロニーとして様々な問題を抱えながらの建造となった。宇宙空間における大規模施設建造という歴史的事業は,過去に類を見ない過酷なものであったであろう事は想像するに難くない。実際,資料によっては死傷者が続出した結果,計画の凍結すらも取りざたされたとされている。
 しかし,それ以上に「地球が支えられる」人口の限界は見えて(*1)おり,これがコロニー建設を加速化することとなったのである。

 第1号コロニーが建造されたのは,地球軌道上で最も安定的なラグランジュポイントの一つであるL5(ラグランジュ・ファイブ)である。
 この第1号コロニー周辺に建造が進められたL5宙域に続き,宇宙世紀10年には,L4にスペースコロニーの建造が始まっている。また,L4におけるコロニー群の建造開始に伴い,L5のコロニー群と併せてサイドという行政区分が設けられている。(L5のコロニー群をサイド1,L4のコロニー群をサイド2として区分された。)1つのサイドには40基程度の島3号型コロニーが所属する形とされ,各コロニーには「バンチ」と呼ばれる行政番号と愛称が与えられた。(例えば,サイド1の1バンチコロニーには理想郷を意味する「シャングリラ」の愛称が与えられた。同様に多くのコロニーにこうした愛称が与えられている。)

 この行政区分の設定に至る10年間は,あえて言えば第1号コロニーの建造による技術的ノウハウの蓄積が行われた時代といえるだろう。

 地球連邦政府が正式に移民推進のための組織であるフロンティア開発移民移送局を設立する宇宙世紀16年までは,申請による場合を除き,コロニー建設に関わる従事者が宇宙移民者のほとんどであった。そのため,当初の10年間はこういった人々が次世代のコロニー建造にかかる技術の蓄積や開発に費やしたといっても過言ではなく,こういった人々の努力があったからこそ,後の宇宙移民時代がやってきたとも言えるのである。
 また,L4のコロニー開発に伴い,サイドという行政区分は誕生したが,この時点では未だ移民を受け入れるに充分なコロニーが完成していなかったことは間違いないだろう。そのため,それぞれのサイドで移民を行いながらコロニーの建造が続けられていったのである(*2)。

 コロニーの建造が進むにつれ,建造のための新たな技術やノウハウが開発されていったため,新規の開発計画が立案されるたびにそれらは採り入れられていき,建造そのものの速度も加速していった(*3)。これは技術面だけではなく,建造のための環境面も含まれる。具体的に言えば,資源開発のための月面開発(これに伴い,宇宙世紀27年には月面に初の恒久都市であるフォン・ブラウン市が建設されている)やアステロイドベルトからの資源衛星の移送などがあり,様々な方策が採られている。特に月面には,マス・ドライバー施設を維持するための様々な設備が付随して建設され,これを運用するための人員の居住区などが次々と建設されていった。

 こういった様々なかたちで,宇宙開発は進み,宇宙世紀50年代には「地球」,「月面」,「スペースコロニー」という生活圏が確定した。これは,宇宙世紀の記録として残る最も新しい時代である,宇宙世紀220年代においてもこの大まかな区分は変わることはない。
 だが,人類の生活すべきスペースコロニーは,あまりにもその数を増やし,宇宙世紀220年代には,第8のサイドまで誕生させている。この時代には,一説によれば,火星のテレフォーミングがある程度進行していたともいわれ,人類の人口増加は,「地球圏」でも支えきれなくなりつつあったのかも知れない。

 なお,一説には宇宙世紀1100年代の資料とされる文献が存在するが,この文献では,この時代に至って,人類は超空間移動技術を手に入れ,銀河中にその生息域を広げたともされている。(*4)


!!註釈
 本文中の注釈である。
 記述スタンスは,基本的に「執筆者の視点」ではなく,「(我々)編集者/閲覧者の視点」で行われている。

!(*1)
 宇宙世紀元年には,既に地球の総人口は90億人を突破しており,食糧問題はかなり深刻化していた。だが,地球上ではこれだけの人口を養えるだけの「食料を生産するための場所」の確保すらも難しい状態であったのである。
 このため,第二の大地としてのスペースコロニーが求められていたのである。スペースコロニーは,プランが作成された当時の技術レベルで建造可能なプランであり,他の惑星への移民と比較して,実現可能性が極めて高かった。これは,当時のせっぱ詰まった状況では最も現実的であったのである。
 なお,現実の社会情勢と比較しても西暦2040年代には,地球上の総人口は90億人程度と試算されており,この時代背景が完全に絵空ごとではないことが判る。

 蛇足ながら,G-SAVIOURでは,さらに地球の環境汚染も問題となっており,食糧危機が深刻化していることが描かれている。地球上では,食料生産の為のプラントを深海にせざるを得なくなっている。この点からも,一部特権階級が行って来た政策は,地球という環境に如何に悪影響をもたらしていたかが分かるだろう。

!(*2)
 移民を行いながらコロニーの建造が進められていったことは,機動戦士ガンダム本編や機動戦士ガンダム・ユニコーンにおける描写が参考になっている。
 実は,実際に提示されたコロニー開発プランでも,当初は技術者が移民し,彼らによってコロニーを建造しながらさらなる移民者を居住させていくというプランになっているのである。この点も,ガンダムという作品が持つリアリティの一つとなっているだろう。

!(*3)
 実際,サイド3が建設開始したのが,宇宙世紀35年,そして新規コロニーの開発計画が凍結されるのが,宇宙世紀51年である。この時点で,サイド6までの建設計画はすでに承認済みであるということであるから,およそ15年でかなりの数のコロニーの開発計画および開発着工が行われたことになるのである。
 このことから考えると,コロニー建造が進むにつれ,開発速度がかなり加速していったことがわかるだろう。

!(*4)
 これは,強化人間物語MAD WANG 1160やデュアル・ハーツのことを指している。


!!ナビゲーション
*[[目次|GUNDAM WORLD ENCYCLOPEDIA Laboratory Report]]
* << [[前項目|考察:Laboratory Report/第1章 宇宙世紀概要(2)]] ■■■■ [[後項目|考察:Laboratory Report/第1章 宇宙世紀概要(4)]] >>

!!編集者
*あさぎり
----
{{lastmodified}}