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角川騒動

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角川騒動

  • [関連用語]

 説明

 1992年年末に勃発した一連の角川書店内紛[1]のこと。
 角川春樹(当時角川書店社長)氏と角川歴彦(当時角川書店副社長)氏兄弟の角川書店の運営方針に関わる路線対立がきっかけで起こった内紛で,表向きは角川歴彦氏が角川書店を去ることで,一応の決着はついている。

 元々,角川春樹氏のエンタテイメント主義に関しては,角川書店の路線として社会的に認知されていたと思われるが,実際には制作された映画の多くは,実質的に赤字であり,これを出版業で埋めようとする春樹氏側と,映画の制作を抑え,バランスよく利益追求を行おうという方向性であった歴彦氏が対立したものと言われている。

 表向きは,早々に決着した問題ではあるが,歴彦氏を慕うスタッフが角川書店に辞表を提出し,主婦の友社のバックアップによって設立された新設「メディアワークス」へと軒並み移籍してしまったため,角川書店の雑誌等の編集部が機能しなくなってしまった。
 例えば,角川書店が80年代半ばから刊行していた「コミックコンプ」という漫画雑誌は,編集スタッフのほぼ全てがメディアワークスに移籍し,かつ,彼らが担当していた漫画家にも声をかけ,そのまま新雑誌「電撃コミック ガオ!」を立ち上げた。このため,コミックコンプの新年号は,前号の予告とは全く異なった「新人(や同人作家など)の新規作品がほとんど」で構成されており,定期購読者などから大きな批判を浴びた。(その結果,その後も細々と刊行は継続されたが1年ほどで休刊となった[2]。)
 一方,「ガオ!」は,多くの作品がコンプからの移籍組であり,あらすじなどにページが割かれていたが,事実上誌面構成もコミックコンプを継承[3]していた。このため,一般にはガオ!がコンプの後継誌として認識されている。

 なお,この騒動自体は1993年に起きた春樹氏のコカイン密輸事件による逮捕によって,角川書店の社長を解任され,歴彦氏が社長へと就任したことで,事実上終結している。
 しかし,この騒動が残したものは多く,角川グループ全体の再編に向かうきっかけとなったといっても過言では無いだろう。
 現在では,角川グループは,主婦の友社との提携を離れたメディアワークスとアスキーが合併したアスキー・メディアワークス,エンターブレイン,角川書店(現体制)と,エンターテイメント部門を取り扱う出版社が3つも存在するなど問題が多く,再編が進められていくと思われる。特にゲーム分野では,エンターブレインの角川グループ入りによって,一時しのぎを削った大手メーカー2社が同一グループという非常に面倒な状況である。どのような体制になるか注目される。

 こうしたお家騒動がきっかけの企業再編は,他にも多く,ゲーム「ドラゴンクエスト」で有名なエニックスの出版部門でのトラブルも,似た様な経緯[4]があった。

 関連項目


 編集者


最終更新時間:2011年11月04日 18時13分45秒

 ノート

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脚注

  • [1]時事に分類していいものか(^^;),まぁ,その辺の判断は,見た人に任せますw
  • [2]ただし,コミックコンプそのものは「頑張った」とも言うべき状況で,94年夏の休刊も,角川春樹氏の麻薬事件による逮捕によって歴彦氏の角川書店復帰が決まったため,事実上少年エース立ち上げへの整理のための休刊である。掲載作も安定し始めてたころで,少年エースなど各誌に移籍しており,事実上少年エースが後継雑誌といっても過言では無い。
  • [3]ところが,そうした措置も,直後に創刊された電撃大王によっておかしな方向性となっていく。ガオは角川系であったが,電撃大王は,旧バンダイ出版課系(つまり,サイバーコミックスやメディアコミックスダインなどのオリジナル作品)の連載作品やベースとなったパソコンゲーム雑誌「電撃王」(これも対コンプティークとして創刊されたといっても過言では無い)に掲載されたゲームやオリジナル作品のコミック化などを行っていた。つまり,旧角川系の引継ぎと,電撃文庫系コミカライズのみであったガオ!は,徐々に追い込まれていき,2008年,電撃大王に吸収される形で姿を消している。メディアワークスと角川書店の経営統合後は,少年エースはより一般誌側にシフトし,電撃大王はマニア向けにシフトする事で辛うじて両立しているといっていいだろう。
  • [4]あまり,ガンダムネタとは関係ない企業なので脚注で解説するが,エニックスの出版部門(特にコミック部門)の設立に携わった編集社が,エニックスの出版方針と対立し退社,新会社マッグガーデンを設立したもの。このトラブルは裁判係争まで行われ,事実上マッグガーデンの株式(50%)で,手打ちとなったもの。エニックスはマッグガーデンの株式を売却する事で,利益を得て,マッグガーデンはその株式売却によってエニックスの関与から逃れられる,というものとなった。皮肉にも,この係争中に別の編集者もエニックスから独立し,一賽社を設立している。なお,現在では,マッグガーデンは,ProductionI.G.(旧IGタツノコ)やジーベックなどと同じくIGポート傘下に,一賽社は,スタジオDNAと経営統合し「一迅社」となっている。エニックスは,後にスクウェアと合併し,出版部門もスクウェア・エニックスと改めているが,独立された部門は,一部のヒット作(鋼の錬金術師など)を除き,現在でも弱い部分がある。しかし,青年誌(の体裁をとった実質マニア誌)ヤングガンガンから数多くのアニメ化作品などを輩出している点を考えれば,双方とも路線に大きな間違いは無く,単に単独誌で継続するのがつらい状況だった,ということなのだろう。(これは,後日ブレイドからジンキが電撃に移籍したことでも想像できる。)