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核兵器

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核兵器

 説明

 原子核反応(核分裂または核融合)によって放出されるエネルギーを破壊活動に用いる兵器の総称を「核兵器」という。生物兵器,化学兵器と併せて「ABC兵器/NBC兵器」と呼ばれることもある。(AはAtomic,NはNuclearを意味する。)
 太平洋戦争中の1945年に実用化された原子爆弾(原爆)を祖とし,その後の開発競争で多種多様な形態の核兵器が開発された。

 当初,核兵器の開発に際しては「既存の通常兵器よりも強力な兵器」といった程度の認識しかなく,太平洋戦争において広島・長崎に原子爆弾が投下された際も,軍部はこれを多大な戦果として見なしていなかった。[1]だが,その実情が明らかになるにつれて,核兵器の使用によって敵国だけでは無く,自国にも大きな影響があり,場合によっては地球その物が滅亡する危険性が高まったことから,核兵器は使用することよりも,抑止力としての位置づけが高まったのである。
 20世紀末頃から,従来の核保有国以外の国々でも核兵器を開発する動きが急速に広まった。これは,ソビエト連邦の崩壊によって,様々な核技術が流出してしまったことと,冷戦の終結によって大国の利害に留まらない国家間の争いが表面化してきたためで,これらの争いは場合によっては敵の殲滅を目的としたレベルにまで過熱しかねず,従来の抑止力としての核兵器の存在ではなく,実際に使用を前提とした核兵器の開発が進められていると受け取られており非常に危険視されている。

核兵器の区分

 一般的には,核分裂による「原子爆弾」,核融合による「水素爆弾」,「中性子爆弾」を核兵器と呼び,劣化ウラン弾などのように放射能汚染された物質をばらまくような兵器は核兵器としては区分しない。(放射能兵器などという場合が多い。)

原理による区分
*核分裂:原子爆弾
*核融合:水素爆弾・中性子爆弾


用途による区分
 また,用途運用によっても分類することができる。
 戦術用途に用いられる「戦術核」と戦略用途に用いられる「戦略核」である。

*戦術用途に用いるもの:戦術核(戦術核兵器)
*戦略用途に用いるもの:戦略核(戦略核兵器)

 この区分は,厳密に言えば核兵器の威力によって区分したものではなく,あくまでも用途による区分である。このため米ソ冷戦時の元来の定義としては,射程500km以下の核ミサイル,ロケット弾,航空機に搭載される核爆弾や陸戦兵器や艦艇などによって直接運用される核砲弾などが戦術核という区分になる。このため,広島や長崎に投下された原子爆弾も区分的には戦術核に分類される。

 一方,戦略核とは,戦略的目標に対して用いられる兵器であり,一般的には大陸間弾道弾などの長射程のミサイルや,戦略爆撃機(極めて高空・長距離を飛行し,敵国の迎撃可能エリア外から爆撃を敢行する爆撃機)によって運用される核兵器のことを指すが,これも米ソ冷戦時の大国だけが核兵器を有する時代の区分であり,21世紀初頭のような核拡散状態では,隣国同士が核武装し対立する場合などでは,従来の射程500km以下のミサイルでも敵国に戦略的打撃を与えることが可能となっているため,その区分は曖昧である。
 また,一般的に戦術核よりも威力が大きいとされるが,これもあくまで状況的な比較論でしかなく,用途的に戦略的意義があれば戦略核に分類が可能であるため,先に示した広島型や長崎型原爆も「太平洋戦争の終結を目指した戦略核」という分類も不可能では無いのである。
 特に,冷戦時に開発された小型核兵器は,そのサイズこそ小型でありながら,実際の威力では広島型や長崎型の原爆を遥かに上回るものも多く,例え戦術核といえどもいわゆる「最終戦争」を引き起こす可能性は排除できないものであった。

 冷戦終結後は,大国間での核兵器競争は自然鎮火的に少なくなっていったが,その抑止力を目的とした小国が開発を実施したり,テロ組織などに小型核が流出する可能性などが危惧され,従来の戦術・戦略核という分類はそれほど用いられず,「核兵器」そのものの拡散に対して注意が計られるようになった。


運用(兵器形態)による区分

*核ミサイル :ミサイル(長短射程)に搭載されるもの
*核爆弾   :航空機によって用いられる爆弾
*核爆雷   :対潜目的に使用されるもの
*核魚雷   :対艦・対潜水艦に用いられるもの
*核地雷   :対陸上部隊に用いられるもの
*核砲弾   :陸上兵器によって用いられる射出型のもの
*核弾頭   :ミサイルなどに搭載されるもの(後述)

 核兵器は,運用形態や兵器形態として上記のように区分されるが,これらもまた一元的なものではなく,運用次第では呼称が変わることも多い。
 核兵器とは,核を搭載した兵器そのものを指すが,兵器はそれぞれの用途ごとに同じ兵器でありながら構造が異なることも多い。
 例えば爆弾は,その目的によって種別の異なる爆弾を用いるが,従来はそれぞれが別個に開発されたものであった。つまり,核爆弾は,核を搭載した爆弾として単独で開発されていたのである。(広島・長崎型原爆などはまさにこのタイプである。)しかし,核兵器の小型化が進むと,核そのものは小型のモジュール型であり,搭載する兵器によって運用が変わるという形態に変化していったのである。こうした「兵器搭載型」の核兵器のことを総称して「核弾頭」というのである。
 従って,核ミサイルには単独で開発されたものもあれば,核弾頭を搭載したタイプもある,という状況であり,既に解体されたものを除けば,こうした核兵器が混在して存在している。
 なお,作品劇中における運用に関しては,本項後半部の各世界観ごとの解説部にまとめている。

核の冬

 核兵器を運用した場合,その爆心地を中心とした広範囲が放射性物質によって汚染されることとなる。
 また,汚染物質を含む灰や雨が降り,これが乾くと再び巻き上がると言った状況を繰り返すようになる。特に大規模に核兵器が使用されると,これら汚染物質の量が極めて多くなり,多数の汚染物質が大気圏上層部にまで到達し,日光を遮ることも予想されている。
 この結果,地表の気温が下がり,様々な弊害が起こると予想されている。

 これを「核の冬」という。

 核兵器の開発競争が過熱した冷戦時代に,この核の冬の到来が予測され,核シェルターという一時的な避難手段しか用意することのできなかったこともあって,核兵器への危機感は極めて高いものとなった。

 各世界観における核兵器の運用

 ガンダムシリーズにおいては,核兵器が重要な位置づけて登場する場合がある。(さりげなく核兵器を用いている場合も多いが。)特に,地球上でその描写がある場合,多くは重要な位置づけとして描写されることが多い。
 一方で,核の使用に躊躇が無くなってしまうと言う,逆の意味での描写を徹底した作品も存在する。
 ここでは,各宇宙歴における核兵器の使用例などをまとめておく。

宇宙世紀

 記録に残っている限りでは,一年戦争の勃発当初はMS-06Cザクによる核弾頭装備の砲弾を用いたザクバズーカの使用例が確認できる。これは主に宇宙空間での使用ではあったが,南極条約によって使用が禁止されてからは,おおっぴらに使用された例はないとされている。
 他にはオデッサ作戦時に,公国軍のマ・クベ大佐が核弾頭(水爆)を搭載したミサイルを射出したが,これはRX-78ガンダムによって弾頭部分が切り落とされ,阻止されている。また,マ・クベ大佐は,一説にはテキサスコロニーでの戦闘時にも核地雷を用いてRX-78を待ち受けるなど,大戦中の条約違反を資料上で散見することができる。

 一年戦争後は,デラーズ・フリートによるコンペイトウ観艦式襲撃事件が,核攻撃によるものとして記録が残っている。これは,連邦軍が開発した核運用型MSである「RX-78GP02Aガンダム試作2号機サイサリス」によるもので,デラーズ・フリートは,この試作2号機の存在をもって連邦軍の南極条約違反を追及したが,連邦軍側はあくまでもこれをテロとして対処,また,実際にこれに対応した部隊を存在しなかったに等しい扱いとし,結果的にこの事件その物を無かったことにしてしまっている。

 グリプス戦役期から第1次ネオ・ジオン戦争期は,散発的に核兵器が用いられたらしい記録は存在するが,この時期にはコロニーレーザーによる大規模破壊やコロニー落としが再び実施されたこともあって,大きな話題として記録されていない。
 第2次ネオ・ジオン戦争期は,ネオ・ジオン総帥シャアがアクシズを地球に落とす際に,ルナツーに保存されていた核兵器をアクシズと共に地球に落着させ,核の冬を引き起こそうとしたが,ロンド・ベル隊の活躍によって阻止されている。

 なお,これ以降の歴史では,大規模な宇宙戦争ではなく,小規模な紛争が中心であったため,核兵器の運用の記録は残っていない。

正暦

 正暦時代における核兵器は禁忌の兵器としてムーンレィスの記録には残っているが,現物が発掘されたのは,地球のロスト・マウンテンであった。この際発掘された核弾頭は,信管の付属した爆破可能なものであったため,核兵器の知識の乏しい人々によって結果的に起動させられ,周囲を灰燼と化している。
 なお,一説によると,これら以外にも様々な兵器が発掘され,その危険性を知らずに利用したため,数多くの人々が命を落とすこととなってしまい,北アメリア大陸のほとんどの地域が人間にとって居住に適さない場所となってしまったとも言われている。

コズミック・イラ

 コズミック・イラにおいて勃発したナチュラルとコーディネイター間の戦いは,ある意味,核の抑止力が機能しなかった戦いである。
 C.E.70年2月14日の血のバレンタイン事件は,連合によるプラント「ユニウス・セブン」の破壊であったが,この際にも核兵器が用いられている。この結果,核分裂を抑制するニュートロン・ジャマーの散布によって,エネルギー危機が起こり,数多くの地球上に暮らす人々が命を落とすこととなった。
 また,ニュートロン・ジャマーそのものも後に無効化する技術が登場した結果,再び核攻撃が可能となったため,核兵器の運用部隊による大規模破壊が幾度となく実施されている。
 また,さらにエスカレートした新技術による大規模破壊兵器が登場し,これによって対立する敵を根絶やしにしようとまで行動するという,歯止めのきかない状況となった。
 いずれの破壊兵器も,結果的に主謀者が除かれたことで最悪の結果をもたらすことはなかったが,「いつでも最悪の結果が起こりうる世界」,という位置づけは継続することとなった。

 関連項目

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最終更新時間:2012年10月21日 18時31分17秒

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脚注

  • [1]実際,アメリカにおける原爆運用の考え方が変更になったのは20世紀末頃からで,それまでは正しいことをした,というものが公式な見解であった。(現在でもその点は変わっていない。)しかし,当時からそのあまりに非人道的な破壊力に対する批判は行われており,現在では様々な会見などでは「(戦争終結のためにはやむを得ないが)やり過ぎであった」という見解がだされることも多くなった。これは核兵器の拡散の危険性が高まったこともあり,こうした兵器の運用に関しては,極めて高度な政治的判断が必要となる,という考え方からである。