!!!一年戦争 *[用語] //*読み: *分類:歴史 *区分:宇宙世紀 *出典:[[機動戦士ガンダム]] !!説明 [U.C.0079/01/03 - 0080/01/01]  地球連邦からの独立を求めたサイド3(ジオン公国)と連邦政府との戦争を「一年戦争」という。公国側からの視点として別名を「ジオン独立戦争」ともいう。  一年戦争とは後年付けられた名称であり,由来はこの戦争がほぼ一年で終結したことからきてい。後の歴史からすると,史上初の宇宙戦争であり,且つ,史上初の全[[地球圏]]規模での戦争であった。また,一年戦争が史上初でありながら,史上最大の宇宙戦争であったのは,その失われた人命からしても明らかである。  その後の歴史からしてもここまで広域な戦闘状態になったのは,後の[[ザンスカール戦争]]までなく,その点からも如何にこの戦争が人類史上類を見ない大規模な戦いであったかが判るだろう。  厳密に言えば,これ以降の戦乱のほとんどが局地戦的規模の戦闘でしか無く,ザンスカール戦争も戦火は地球全土に渡って広がりはしたものの,実際の戦闘規模は局地戦規模の小さな戦闘が各所で勃発していた,という程度しか無かったのである。  これは,ザンスカール帝国という国家の規模が,ジオン公国と比較しても小規模であったこと(ジオン公国はサイド国家だが,ザンスカール帝国はコロニー国家である)と,連邦軍の多くが日和見をしており,[[リガ・ミリティア]]などの抵抗軍と連邦軍の一部部隊が独自にザンスカール軍と戦っていたからに過ぎないためである。  このザンスカール戦争で,全地球規模での影響を与えたのは,エンジェル・ハイロゥによる人類退行のプロセスだけであるが,これも実際の戦闘規模は,一年戦争時の艦隊戦に比べると小規模な物ではあった。  同様に,核攻撃により地球そのものを壊滅せしめようとした木星帝国も,その攻撃規模は「ジュピトリス9」ただ一隻であり,実際の戦闘規模は極めて小さな物であったのである。それだけにコロニー軍の参戦によってあっさりと阻止されてしまったのである。 !開戦(三秒の布告)  一年戦争は,U.C.0079/01/03に[[ギレン・ザビ]]が行った宣戦布告によって開戦したということになっている。  この宣戦布告は,一説によると午前7時20分に行われているが,宣戦布告が通達されたわずか3秒後にサイド1,2,4に対して,ジオン公国軍の宇宙艦隊による攻撃が行われたとされている。(このことから,一年戦争の宣戦布告を'''3秒の布告'''と記す資料も存在している。)  しかし,開戦以前から地球連邦とジオン公国の間には火種が燻っており,近年発見された資料{{fn 「ガンダム・ジ・オリジン」のこと。オリジンのアニメ化によって,これらが正史となるかパラレルのままかは不明であるが,(それぞれのMSの誕生経緯は実際のガンダム世界の史実と異なるにせよ)オリジンにおける開戦までの経緯は,非常に重要な記述だとは考えられる。}}では,開戦以前から連邦軍とジオン軍との戦闘行為はあったともされており,開戦はなかば規定事項であったともいえるだろう。 !一週間戦争  開戦直後からの1週間を俗に「一週間戦争」と呼ぶ。(詳細は「[[一週間戦争]]」を参照。)  宣戦布告直後の奇襲により,各サイドに駐留していた連邦軍艦隊は壊滅的被害を被っており,開戦の伝達が連邦軍各艦隊に通達された3日午前8時50分には,多くの駐留艦隊は,既に反撃するだけの能力を持ち合わせて居なかったのである。  開戦直後のジオン公国軍は,各サイドに対して奇襲攻撃を実施,NBC兵器の無差別投入などによって3つのサイドを事実上壊滅させており,その人的被害は28億人とも言わる惨状となった。  また,同時にサイド2の軌道からコロニーを一基離脱させ地球へ落下させる"[[コロニー落とし]]([[ブリティッシュ作戦]])"を決行した。本来の落下目的である[[ジャブロー]]への直撃は失敗に終わる物の,地球の環境に多くのダメージを与え,地上の多くの市民を死に至らしめたのである。 !ルウム戦役  ブリティッシュ作戦は,連邦軍の執拗な攻撃により(コロニーの落着こそ達成したが)事実上の失敗に終わってしまった。このため,公国軍は改めて艦隊編成を行い,再度ジャブローへ向けてのコロニー落としを行うこととなった。  第2次ブリティッシュ作戦として実施されたこのコロニー落とし作戦に際して,公国軍が落着させるコロニーを調達するためにサイド5へと向かい,これに対して全軍阻止の構えを見せた地球連邦軍とサイド5宙域において勃発したのが,ルウム戦役である。(詳細は,[[ルウム戦役]]を参照。)  この戦いでは,サイド5が壊滅的被害を被っただけではなく,連邦軍艦隊は主力艦隊に致命的な被害を被り,さらに司令官であった[[レビル]]将軍が捕縛されるという結果となってしまった。  なお,この戦いまでに地球圏の総人口のおよそ半分の55億人もの人命が失われている。 !南極条約締結  宇宙世紀0079年1月28日,サイド6を通じてジオン公国より地球連邦政府に対して講和条約(一説には休戦条約とも言われる)の締結に向けての打診が行われる。  これまでの戦闘では,多くの場合,公国軍の圧勝であり,連邦軍の抵抗線は事実上崩壊したに等しかった。このため,連邦軍側にもこの条約を受け入れるべきだとの声も多く,講和条約締結へ向けて話し合いが進められる状況となった。  この時点では,事実上連邦政府の敗北という形での終戦であった。  だが,この交渉の席上,レビル将軍の帰還が連邦軍に伝えられる。  この際に,レビル将軍が行った「ジオンに兵なし」の演説によって,連邦軍は徹底抗戦へと舵を切り,講和会議が一変して戦時条約締結会議となったのである。([[南極条約]]締結。)  この結果,以後の戦線は膠着し,物量に勝る地球連邦に対して公国軍は各種資源の確保も視野に入れ地上への侵攻を行うこととなった。  以後,公国軍は戦線維持のために徐々に国力をそがれていく結果となったのである。 !地球侵攻作戦  公国軍は,南極条約の締結によって当初想定していた短期決戦による講和という計画を変更せざるを得なくなった。(本来,地球上への侵攻は想定されていなかった。)  コロニー落としによって,連邦軍の本拠であるジャブローを壊滅させられなかったため,公国軍としては地上侵攻を行った上で,ジャブローを攻略すること以外に,終戦への道がなくなってしまったのである。  また,もう一つの理由として,サイド国家でしか無いジオン公国の事情もあった。  資源衛星は確保していたものの,地球上でしか入手できない資源も多く,元々国力の小さなジオン公国としては,どうしても資源の確保の必要性があったのである。  こうして,宇宙世紀0079年3月1日,公国軍は[[地球侵攻作戦]]を発動することとなった。  だが,地球侵攻作戦は,結果的にジオンの国力を徐々に削っていくことになってしまうのである。 !戦線の膠着  ジオン公国軍は,地球侵攻作戦の当初は破竹の勢いで占領地域を増やしていくこととなった。これにもモビルスーツという新兵器がもたらした影響は大きく,地球連邦軍の持つ従来型の兵器では,その損耗度が比較にならなかったのである。  だが,時間と共に公国軍の持つ問題点が露呈することとなる。  すなわち,ジオン公国の国力の小ささが問題となったのである。  公国軍で最も資源に乏しいのは実は人的資源であった。  急速に占領地を広げてしまった公国軍は,これを維持するために兵力を投入するので精一杯となり,(また,戦線の膠着が続いてしまい,その間に地上での生活に慣れてしまった兵士が増えてしまったことも影響しているが)事実上の交戦不能状態になってしまったのである。  こうしてジオン軍がジャブローを攻めあぐねている間に,連邦軍のモビルスーツ開発が軌道に乗り,ついには量産機が前線に配備される状況となると,その物量差によってジオン軍は徐々に勢力を狭めていくこととなる。 !オデッサの戦い  宇宙世紀0079年11月7日,地球連邦軍はジオン公国軍に対する大反攻作戦の緒戦として,公国軍の地球上における最大の資源基地であったオデッサの攻略作戦を発動する。この作戦は,一年戦争の一連の戦いにおいて極めて大きなターニングポイントとなった戦いである。(詳細は,「[[オデッサ作戦]]」を参照。)  3日にわたる激戦の結果,オデッサ基地司令官マ・クベ大佐は,オデッサ基地を放棄し,連邦軍の勝利となった。敗走する公国軍は,宇宙へと脱出するだけではなく,地球上に残る各地へと散っていくこととなったのである。  この戦いには,連邦軍の地上兵力の大多数が投入され,運用が始まっていたモビルスーツも部隊編成の上(一部とは言え)投入されている。  これは,少数とは言え,連邦軍がモビルスーツを投入した本格的な作戦(各地域では限定的にモビルスーツを試験運用の形で実戦投入は行われていた)によって,ついに戦術兵器的には公国軍と連邦軍が同じ土俵に上がったことを示していた。  これは,事実上,国力に乏しい公国軍はいよいよ後が無くなったことを示していたのである。(なお,マ・クベ大佐は,離脱の際に「(オデッサから送られた物資によって)ジオンはあと10年は戦える」と発言したと伝えられるが,これは公国軍の現状を見ず,あくまでも数値上での結論を述べただけのものであり,どちらかと言えば軍人というよりは経済面の人物でしかなかったマ・クベをよく表した言葉であるといえるだろう。) !ジャブロー攻略戦の失敗と星一号作戦の発動  オデッサ作戦により,オデッサ基地を失った公国軍は,起死回生の一手として北米基地(キャリフォルニア・ベース)に残る戦力を投入した(第2次)ジャブロー攻略作戦を実施した。  この戦いでは,史上初めてジャブロー内部での戦闘が行われたものの,広大なジャブロー基地を公国軍は攻め落とすことはできず,各個撃破の形で押し戻されており,結果として北米に残る戦力の多くも失うこととなった。(詳細は,「[[ジャブロー侵攻作戦]]」を参照のこと。)  この結果,公国軍の地上戦力は大きく後退し,ついに地上より撤退を余儀なくされたのである。  一方,公国軍を地上より押し返すことに成功した連邦軍は,その持てる工業力を投入し,生産した宇宙艦艇とモビルスーツによって大反攻作戦を計画する。これが「[[星一号作戦]]」である。  この大反攻によって国力に乏しいジオン公国は追い詰められていくこととなる。  [[ソロモン攻防戦]]における敗退で,公国の絶対防衛戦が破られ,地球連邦軍に本国侵攻の足がかりをあたえると,ついにはア・バオア・クーが陥落,指導者であるザビ家一族の滅亡により事実上の公国解体となったのである。  [[ア・バオア・クー攻防戦]]に際して,残るザビ家の一員であるギレンとキシリアは,双方ともア・バオア・クーにて指揮を執っていたため,サイド3では厭戦派がクーデターを起こし,再びジオン共和国とその名を変えることとなった。  共和国は,連邦に対してサイド6を通じて講和条約締結を打診,グラナダで締結した条約により,一年戦争は終結することとなったのである。 !一年戦争とは  一年戦争は,これまでくすぶっていたスペースノイドとアースノイドの軋轢が「戦争」という形で表面化した物である。  だが,実際には「ザビ家独裁」と「民主主義(実際には多分に官僚主義だが)」の戦いであったという側面が強い。実際,連邦軍の中でもスペースノイドの間では,連邦に対していい印象を持っていない兵も多く,「この戦争が終わった後,連邦も叩くかい」といった発言{{fn この発言は,劇中のカイ・シデンの発言。一年戦争終盤の発言であり,実際の所ホワイトベースのクルーも,連邦軍のいい面,悪い面を見た後の発言として非常に重い。これがΖガンダムにおけるカイのスタンスになると言えるだろう。}}もあったのである。  この後に起こる様々な戦乱の多くは,やはりこの「スペースノイドとアースノイドの軋轢」に端を発する物である。これらは,連邦という組織ではなく,その一部官僚が行う独善的な政治が,原因であるともいえ,この点で言えば,「ザビ家独裁」と何ら変わるところはなかったのであろう。 !ジオン共和国と公国軍残党  一年戦争後,数多くの公国軍兵が地に潜ることとなった。  公国軍残党の多くが,講和条約を認めずゲリラ活動を続ける結果となったのが,「ジオン共和国と地球連邦」の間での講和条約であったことが理由の一つとなっている。  これは,この手の大規模戦争が終戦した後に,必ずと言っていいほど起こる現象ではあるが,一年戦争終結後の残党軍の抵抗の理由は,実はこの一点に集約されるわけではないのである。  大きく分けると「ジオン・ダイクンの理想を目指すために戦い続ける」勢力と,「ギレン・ザビの理想を目指すために戦い続ける」勢力に分かれると言えるだろう。 !!関連項目 !!編集者 *あさぎり ---- {{category 用語}} {{category 用語・UC}} ---- {{lastmodified}} //履歴統合 //2011.08.13:ジオン独立戦争を統合(単なるショートカットだったので廃止) //2014.11.07:三秒の布告 !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。