!!!レーダー *[用語] //*読み: *分類:軍事用語・設備 *区分:[[宇宙世紀]] *出典:MSVほか !!説明  電波を対象物に向けて発射し,反射して返ってきた反射波の測定により,対象物の距離,方向,大きさなどを測定する機器(設備)。現在では,電磁波の照射,反射を基準とした測定装置を意味しており,単純に電波測定だけの機器ではない。  本来は,RAdio Detecting And Rangingの略で,RADAR(レーダー)というが,現在では略語が定着し,これで一つの用語となっている。  電磁波は,高い直進安定性を持つため,強力な電波を照射し,それが反射して返ってくる時間差と反射波の強度を測定では主に用いる。例えば,気象用レーダーでは,空気中に漂う水滴(雲)に反射する周波数の電波を発射し,これが反射されてきた速度で雲の厚みと量,方向を判断する。  特に射撃管制に用いる艦載用レーダーなどは,精密な測定が必要となるため,極めて高い周波数の電波を強力な出力で発信するため,動作中のレーダー設備のそばに近寄るのは非常に危険である。(要は,電子レンジである)  また,強力なレーダーのある近くでは,電波障害が起こりやすい。  主に電波であるため,反射を防ぐことで,理論上は映らなくすることが可能。これを応用したのがステルスであるが,航空機のステルス性は既に(時間をかければ)解析されているも同然であり,現在では,どのくらいの時間相手のレーダーをだます事が出来るのか,という点に焦点が移っている。 !レーダーの誕生  元々,レーダーの概念は,ドイツでヘルツが行った電磁波の実験に起因して誕生している。これを実用化したのは,第2次大戦前のイギリスで,第2次世界大戦では,ドイツ,イギリスともレーダーを活用した戦術によって大きな効果を上げていた。(特に,レーダーによって夜間爆撃を封殺できたことが大きい。)  また,太平洋戦争では,レーダー技術を持たない日本軍がアメリカ軍に敗北することが多く,結果的に太平洋戦争敗因の要素の一つとなっている。  しかし,意外にもレーダーの根本となる受信設備であるアンテナは日本人が開発したものである。八木・宇田アンテナ(単に八木アンテナともいう)は,大正時代に日本人が発明した電波受信用のアンテナで,現在でも用いられているテレビ電波受信用アンテナとほぼ同じものである。(というよりも,基本的に同じで,受信する周波数帯に合わせ形状が異なるだけである。つまり,それだけ完成度が高い発明品だったのである。)  日本では,技術的に意味が無いと見なされた八木アンテナであったが,欧米では画期的な発明として取り入れられ,現在のVHF帯レーダーアンテナの基礎が誕生している。 !パルスレーダー  現在のレーダー装置のほとんどが,送信と受信を極めて短時間で切り替えて行うパルスレーダーである。この方式では,アンテナが一つですむという利点があり,移動式のレーダーなどでは重宝するものとなっている。  気象レーダーなどでは,発信するアンテナと受信するアンテナを分けた常時観測型もあるが,これは専用の設備を二つ必要とするという意味では,艦艇などに搭載するには向いていない。 !フェイズドアレイレーダー  固定式の板状のアンテナ上にある無数のフェイズドアレイ素子が各々異方向にビームを照射することによって索敵を行うレーダー。  機械的な首振り(よく艦艇で見られるレーダーが回転する様な動作)がないのが特徴で,大型化する代わりに,同時に多方面の測定が可能となる。 !ドップラーレーダー  反射波の周波数の変化を測定することで,距離や速度を測定する方式のこと。  対象物が近づく時に音が高くなり,対象が遠ざかるときに音が低くなるというドップラー効果を応用したもので,反射波の周波数の遷移を測定し,近づいている・遠ざかっているという動きを追う事ができる。  気象観測などに用いられることが多く,パルスレーダーと組み合わせたシステムで,より制度を高めようとしたものも存在する。 !パッシブレーダー  相手の出すレーダー波を探知することで,相手の位置を特定するタイプのレーダー。  レーダーに用いられる電波の周波数帯はおおよそ決まっているので,航空機などが発振する電波を逆に探知することで,その機体の位置を割り出すもの。 !ミノフスキー粒子とレーダー  [[ミノフスキー粒子]]は,散布されるとプラス電化とマイナス電化された粒子が,立方格子状に構成され,その中を電磁波が通る場合に減衰してしまうと言う特徴がある。このため,ミノフスキー粒子散布下では,レーダーの機能に著しい制限が課せられてしまう。  特に宇宙空間におけるレーダー使用の制限は,大型艦艇と航宙機動機を中心とした地球連邦軍の軍備構成においては,致命的であったと入っても過言では無く,一年戦争緒戦で大きな損害を被るきっかけとなった。  なお,ミノフスキー粒子の散布濃度と,そこに至るまでの拡散時間,電波減衰の割合などを勘案し,後に[[ミノフスキー・レーダー]]が開発されるが,既にその時代になると,モビルスーツが戦力の主力であり,軍備上,大きな変革が起こるには至らなかった。 !!関連項目 !!編集者 *あさぎり ---- {{category 用語}} {{category 用語・UC}} ---- {{lastmodified}} //2015.04.21:ドップラーレーダー !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。