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ポリキャップ

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ポリキャップ

  • [模型用語]

 説明

 主にポリエチレン樹脂製によるパーツで,キャラクターモデルの関節軸受けに用いられることが多い。組立説明書では,単にPCと略される事も多い。メーカーによって表現が異なる場合もあり,ポリキャップ,ポリパーツ,ポリ部品など,様々な表記がある。
 一般的には,こうしたキャラクターモデルに同梱されて流通するが,自作や改造用に市販されている物もある。
 材質がポリエチレンという柔軟性のある素材である為,比較的高い保持力と滑らかな可動の双方を満たすというメリットがある。と同時にプラスチック軸同士が擦れて緩くなる「へたり」の防止にも役立つ。(反面,重量のあるパーツの保持には向かない。)

 初期のポリキャップは,ポリエチレン製の短い筒型のものが多く,これをパーツに装着して軸を通すことで,間接部のへたり防止としていたが,その形状故に,パーツ内部でがたつくなどの問題もあった。
 その後,様々な形で改良が加えられており,現在一般的なポリキャップは,(多少の形状の差異はあるが)「筒状のパーツにこれを固定する為の軸或いは出っ張りが存在している」ものと,「ボールジョイントとその受け」がほとんどとなっている。
 もちろん,メーカーによっては専用のポリキャップを多数用意することもあるが,汎用性のたかいパーツが結果的に生き残ってきたということであろう。

 ポリキャップそのものは,1980年代から既に一部キットで用いられていた。(AFVモデルのポリキャタピラはそれ以前から用いられている。)バンダイの場合は,既に1/60ガンダムの一部パーツがポリキャップによって保持されていたのである。キャラクターモデルで本格的に導入が進んだのは,「超時空要塞マクロス」シリーズにおけるアリイの導入が初であると思われる。(ただし,アリイ製のポリキャップはパイプを輪切りにしたような1種類だけで,非常に扱いづらく,時にパーツで挟み込んだあとポリキャップよりもパーツ幅が狭いということもあり,加工が必用な場合もかなりあったのである。)
 バンダイでは,「銀河漂流バイファム」シリーズから本格的に導入され,ここで現在主流となるような「腕付きの軸受け」型のポリキャップが登場している。(このとき1/144スケールに導入されたA,B,2種のポリキャップは,かなり長い期間用いられることとなる。)
 この導入により,間接のへたり防止とともにパーツごとの分解が可能となったことから,パーツごとの完成→塗装という技法も誕生することとなる。

 その後,バンダイでは,組立にかかる労力の軽減を目指して,様々なポリパーツの開発を続ける。例えば,90年のMS戦国伝で採用された「MSジョイント」は,ポリキャップとABS樹脂のシステムインジェクションによる複合成型によってフレームを成形してしまうと言うもので,この当時は技術面の蓄積不足から,不評のほうが多かったが,現在,PGやMG,さらにはRGの一体化フレームという技術に進化している。
 同じ時期に発売された「0080」シリーズでは,ポリキャップを専用設計として,ランナーに配置してしまうという「色プラ」からのアプローチも試されている。[1]
 一方で,93年の「Vガンダム」シリーズでは,フレーム状にポリキャップを成型し,共通化するという「Vフレーム」が考案された。しかし,これは小型機の再現には向いていたが,フレームを丸ごと成型してしまうため,一部の機体のプロポーションが乱れてしまうと言う欠点が生じてしまっている。そこで,続く「Gガンダム」と「ガンダムW」では,「ポリキャップそのものを差し込み式の間接としてしまう」ことで,解決が図られた。塗装などに制限を受けるが,この方式は極めて低い労力で組立が可能となり,高い効果を挙げた。ところが,今度は一定の技量をもったユーザーから,間接や手首(この時期手首もポリパーツだった)に関するクレームが登場するに至った。
 この結果,HGUCシリーズの途中から,発想としては「ポリキャップそのものを関節として用いる」という方法論を継承しながら,各部にポリキャップを覆い隠すパーツが用意され,現在に至っている。
 こうした様々なトライの結果,現在のバンダイ製プラモデルはいくつかのPCを枠ごと使い分ける方法に変化しており,安定的な関節強度を保つようになっている。

 その一方で,新たな関節強化の手法として,近年のHGUCシリーズや小型のMSを再現したMGシリーズなどでは,ABS樹脂による関節構造が採用されているものもある。
 しかし,ABSは,様々な問題を抱えており,この点からも当面の間,PCによる関節構造は継続していくと考えられる。


 各キット専用に開発されたPCを除けば,現在主に用いられているPCの種類としては,先に挙げた「軸受け(筒状のもので,固定用の突起部がある,無いにかかわらない)」や「ボールジョイント(ボール部がPCである,ないに関わらない)」の2種が中心的である。
 これ以外に汎用的なパーツとして発売されているものとして,ボールジョイントを進化させた「ダブルボールジョイント」やPCでジョイントそのものを構成してしまうものまで,様々なものが存在する。
 いずれも,PCの受けや軸として既存のプラ棒,プラパイプを想定したものであり,汎用性には富むが,必用なサイズが見つからない場合もある。
 各メーカーの別売りPCだけではなく,既存キットのPCの余剰分やそのランナー部(一般にポリランナーと通称[2]される)を組み合わせることで,意外にカバー出来る範囲が広がるので,キットの余剰品はできれば保管しておいたほうがいいだろう。

 備考

模型に関する用語の集約の為,ガンダムに関連しないもの,関連しないメーカーも含まれています。

 関連項目


 編集者


[模型用語]


最終更新時間:2011年03月13日 21時02分03秒

 ノート

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脚注

  • [1]これが1シリーズのみとなったのは,機体ごとに設計する手間が増えるということと,成型時にポリエチレン樹脂のみが成形時間が大幅に異なる為,成型に手間がかかってしまうと言う問題点からである。
  • [2]この名称で呼ばれるようになったのは,ガンダムセンチネルの作例で多用されるようになってからであろう。