!!!フェイズシフト装甲 / PS装甲 *[用語] //*読み: *分類:機材 *区分:[[コズミック・イラ]] *出典:[[機動戦士ガンダムSEED]] !!説明  フェイズシフト装甲は,大西洋連邦が開発した既成概念を越えた新たな装甲である。  ここでは,フェイズシフト装甲と,その発展型である2種の装甲の説明を行う。 !!フェイズシフト装甲  地球連合が開発した試作モビルスーツであるGAT-Xシリーズに採用された特殊装甲のこと。通常の装甲表面に特殊な加工を施し,ここに通電することで分子位相をずらすことでその強度を高め,防御を行うのが特徴。特に実体弾に対して高い防御力を誇る{{fn 本来,PS装甲の設定では「実体弾には極めて強く,ビーム兵器に弱い」というものであった。(そのため,GAT-Xシリーズにはアンチビームシールドが装備されていたのである。)これは初期設定で明言されている設定だが,いつのまにかビームにも一定の強度を持った装甲へと変化していた。こうしたなし崩し的な設定変更が多いのがSEEDの初期MSの特徴で,これは番組が迷走したことに原因があると考えられる。}}のが特徴で,ザフトの「砂漠の虎」[[アンドリュー・バルトフェルド]]が解析した段階では,強力な実体弾を76発たたき込むことでエネルギーを使い切らせることが可能ということであるが,機動兵器に72発もの実体弾を命中させることが如何に困難かを考慮すれば十分驚異的な装甲であることがわかるだろう。  電気的なオン/オフが可能で,通常モビルスーツ稼働時は,オンにされるが,引き替えとしてエネルギー消耗が激しくなってしまうと言う欠点が存在する。  通常,PS装甲そのものはグレー系の金属色であるが,稼働すると装甲の色が変化する。この装甲色は,ある程度は任意で可能であるが,一般的に高い強度を持たせようとすると,色が濃くなるという特徴{{fn この設定も後付けである。元来同一機であるストライクと,ストライクルージュの機体色の変化を示すために,わざわざ持ち出されたもので,当初から任意に設定可能であったものを,カガリの未熟さを表すために「装甲の強化を行ったために赤系となった」という設定が付け加えられた。(なお,そのためにDESTINY劇中で,ストライクカラーのルージュという見せ場ができたのも事実である。)また,この際に,VPS装甲の基本部分が出来たという設定になり,現在の設定が固まっている。}}がある。  逆に,機体にバッテリー切れによって蓄積された電力が失われると,まずPS装甲の通電がカットされ,機体稼働の最低レベルにまで動作環境が低下する。  これは,最低限母艦への帰還可能なエネルギーを残すための措置であり,逆に言えば,この状況まで戦闘が継続する場合,何らかのバッテリー交換の手段が必要となる。GAT-X105ストライクは,この点を解決するための手段として「[[ストライカーシステム]]」が導入されたのである。  バッテリー切れになると,機体カラーはPS装甲の地の色,すなわちグレー系に戻ってしまう。無論,この状態では,実体弾を防ぐことは不可能であり,場合によっては既存のMSよりも防御力は低下してしまうのである。  このバッテリー切れになり,装甲のフェイズシフト状態が解除されてしまうことを「フェイズシフトダウン」と呼称し,この状態のPS装甲採用機のことを「ディアクティブモード」と通称する。無論,これらの用語は,当初GAT-Xシリーズに用いられていたものであったが,PS装甲の情報が両軍に広がるとともに両軍で用いられる用語となっていった。 !開発経緯  PS装甲は,[[大西洋連邦]]が独自に開発した装甲材で,対プラント戦に投入するモビルスーツに搭載する起死回生の切り札のひとつとして採用された。このため,共同開発を行っていた[[オーブ連合首長国]]にも情報ソースは秘匿されており,オーブ軍はこの技術を盗用することができず,アストレイシリーズには運動性の向上のために発泡金属による装甲材を採用するに至っている。(ただし,後にオーブ近海で行われたストライクとブリッツの戦闘の際に脱落したブリッツの右腕の情報からPS装甲およびミラージュコロイドの情報を入手している。)  オーブの資源コロニーヘリオポリスで勃発した強奪事件により,GAT-Xシリーズがザフトに鹵獲された結果,この装甲技術はザフトにも流出し,以後,両軍で用いられるようになった。ただし,PS装甲のもととなる装甲材は無重力あるいは低重力下での精製が必要であるため,C.E.71年の大戦時には,大規模に用いられた訳では無く,フラッグシップ機などへの採用に留まっている。(ザフトは,戦略兵器であるジェネシスをPS装甲で建造するという選択を行った。)  先にも示したが,PS装甲はその稼働時間が目に見えて明らかで有り,味方だけでは無く,敵にもはっきりと判ってしまうと言う欠点があった。このため,大西洋連邦では,GAT-Xシリーズが強奪された後に,実用化に移行した新GAT-Xシリーズには,この欠点を(完全にではないが)解消したトランスフェイズ装甲を採用した。  一方,ザフトはニュートロンジャマーの効果範囲を限定的にうち消す技術である「ニュートロンジャマーキャンセラー」を搭載したMSを開発し,ここに核動力(核分裂炉稼働)を搭載することで,事実上フェイズシフトダウンが起こらない機体の開発を目指した。  オーブは,GAT-X105ストライクのデッドコピーとして建造したMBF-02ストライクルージュにおいて,バッテリーの改善とPS装甲そのものの高効率化を目指し,一定の成果をあげている。(この技術は,後にVPS装甲として開花する。)  三者三様の発展をみせたPS装甲であるが,C.E.73年に再戦となった大戦時には,オーブが開発したVPS装甲が両軍で用いられていたことを考えれば,皮肉な状況と言えないこともない。  蛇足ながら,ZGMF-X10Aフリーダム,X09Aジャスティスの後継として登場したZGMF-X20Aストライクフリーダム,X19Aインフィニットジャスティスでは,ザフトの開発思想であった核動力を搭載しており,既存のPS装甲が搭載されていたとされている。また,ストライクフリーダム,インフィニットジャスティスでは,パイロットの過剰な反応に気体を追従させるために,機体フレームもPS装甲材を採用しており,これが高負荷稼働時に発光していたとされている。  この機構は,ザフトが投入したX42Sデスティニーにも搭載されているといわれ,核動力とバッテリーのハイブリッド動力だといわれている。 {{anchor TP装甲}} !トランスフェイズ装甲 / TP装甲  地球連合軍の新型GAT-Xシリーズに導入された新しい装甲技術。  フェイズシフト装甲は,その効果は絶大だが,電力通電時と非通電時に装甲色が変化してしまう為,敵に状況を察知されやすいという問題点を抱えることとなった。  これを解決する為に開発されたのがトランスフェイズ装甲なのである。  トランスフェイズ装甲は,装甲そのものは通常型の装甲とPS装甲のハイブリッド構造で,内側のPS装甲が着弾の衝撃と共にフェイズシフトし,機体の損壊を防ぐというシステムになっている。(一説には,任意の部分で着弾の衝撃と同時に装甲面もフェイズシフトしており,外装部の損壊も防いでいるとされる。)  最大の特徴は,着弾の衝撃を感知する圧力センサに反応が無い限りは,装甲の相転移が起こらないことで,必要最小限の電力消費で高い効果を得ることが出来る。  また,新型GAT-Xシリーズではパイロットに生体CPU([[ブーステッドマン]])を採用し,彼らの生存に対して最低限の防御措置しか必要で無くなった。このため,コクピットやエンジン部など重要部のみにTP装甲を採用したことで,機体の生還率だけではなく,結果的に使用エネルギーの軽減も可能となり,稼働時間の延長も計ることができた。特に新型GAT-Xシリーズでは,この軽減された分のエネルギー消費を強力な火器の運用に回した結果,フリーダムやジャスティスといった核動力機とも互角に近い戦いが可能となったのである。  なお,PS装甲同様,積極的に量産機への採用は行われなかった(一部実施された機体も存在する)。これは,コスト面が主な理由だとされている。  なお,アストレイブルーフレームは,ロングダガーとの戦闘で損傷した際に,コクピット部周辺に開発途上だったストライクルージュ用のPS装甲が流用されている。このPS装甲は,コクピットブロック部周辺に配置され,その上から新たに発泡金属による装甲が追加されたため,見かけ上はTP装甲と同等の機能を有するに至っている。  これは,ブルーフレームの改修を行った[[ロウ・ギュール]]のひらめきから行われたものだが,この事例は彼の高い技術と柔軟な発想を示していると言えるだろう。 {{anchor VPS装甲}} !VPS装甲 / ヴァリアブルフェイズシフト装甲  ヴァリアブルフェイズシフト装甲は,ザフトが運用したセカンドステージMS(ZGMF-XxxSシリーズ)に採用された装甲である。最大の特徴は,通電する電流を変化させることで,装甲そのものの強度を変化させることが可能な点である。  このため,砲撃戦などで敵機から反撃を受ける可能性が少ない場合は装甲強度を落とし火器に回すエネルギーを増やし,近接戦の場合は装甲を強化して斬撃兵装などエネルギー消費の少ない装備で戦闘を行う,といった使い分けが可能であった。  既に前大戦でPS装甲の問題点の解決法として,TP装甲や核動力搭載機などが存在していたが,停戦条約として発効したユニウス条約によって核動力機の開発が不可能{{fn この条約がなし崩し的に無視されていくのが,DESTINY劇中の特徴であるとも言える。}}になったため,これを解決するための手段として,開発が進められた。  元々前大戦時にオーブで運用されたストライクルージュに用いられたPS装甲が,実質的にVPS装甲の雛型{{fn 実際にDESTINY劇中で,VPS装甲であることが判る。キラがルージュを運用した際に,設定変更され「ストライク」カラーに変化したのである。}}であったとされ,これらの技術を持った人材が,オーブ解放作戦に前後してプラントに流出したのが開発のきっかけだったという説も存在しているのである。  なお,VPS装甲の防御力は,通電する電圧によって変化するとされており,一般的に「濃い」色合いほど装甲強度がたかまった状態だとされている。  しかし,厳密にはどの色が最も強度が高いか,といった情報は存在せず,未だブラックボックスとなっている。 !!関連項目 *[[ミラージュコロイド]] *[[アサルトシュラウド]] !!編集者 *あさぎり ---- {{category 用語}} {{category 用語・SEED}} ---- {{lastmodified}} //統合履歴 //2011.11.08:PS装甲→フェイズシフト装甲 //2011.11.08:フェイズシフトダウン //2011.11.08:ディアクティブモード //2011.11.08:トランスフェイズ装甲 //2011.11.08:ヴァリアブルフェイズシフト装甲 !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。