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パートワーク

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パートワーク(分冊百科)

  • [関連用語]

 説明

 ひとつのテーマに沿って,毎週(毎月・隔週など形態は様々)定期的に刊行し,これを集めることでひとつの大きな事典として完成させるタイプの出版物の総称。
 メーカーごとに呼称が異なるため,一般的には「パートワーク」,「分冊百科」,「分冊出版」といった呼称を行う。

 デアゴスティーニが,1959年に出版した百科事典が起源で,それまで高額だった百科事典を低価格で(トータルコストは高額だが)提供したことから,販売手法の一つとして定着した。
 国内でも同様の手法をとった出版社が参入し,
 元々百科事典は一揃え数十万円というものも多く,その使用頻度に比べればコストは高い本の一つだが,これを「1回1000〜2000円前後で,50回の分冊(一例)」といった形態で提供したため,70年代の高度成長期にこうした百科事典を購入する家庭が増えたのである。

 その後,1988年にデアゴスティーニ・ジャパンが国内参入を果たすと,徐々にこうした分冊形式の出版物が増え始め,1990年代末〜2000年代初めに爆発的にその数を増やすこととなった。

 国内での特徴の一つとして,テーマ編集された分冊が多いことが挙げられる。
 元来,百科事典や有名画家や著者の全集を想定していたパートワーク(分冊百科)であるが,国内では「歴史」,「科学」,「釣り」などといったテーマごとの編集が多く,ついには「スタートレック」,「ガンダムシリーズ」といったアニメやテレビ番組のみを扱ったシリーズすら成立する状況になったのである。

 このため,海外で言う所の「ワンテーママガジン」に近いため,そのように呼称する場合もある。(ただし,国内ではワンテーママガジンとは宝島社のムックシリーズのテーマタイトルでもあるため,あまり積極的に用いられている例を見ない。)
 また,パートワークという言葉そのものが,ディアゴスティーニを想起させる用語であるとも言えるため,「ファイルマガジン」,「週刊○○」,「オフィシャルファイル」などという出版社独自の呼称を行うことも多い。

販売形態

 パートワーク誌は一般的に,書籍が中心の場合と付録が中心の場合がある。
 前者の場合,一般的な定価は500円〜800円程度で,薄めの冊子あるいは,分離式カードである場合がほとんどである。
 後者の場合,1000円〜2000円程度で,付録は多種多様(後述)なものがあるが,多くの場合,付録の解説を冊子として付属している。(実質的に,冊子のほうにも力を入れているものもあり,付録がメインであるのに分離式カードの冊子も存在する。)

 冊子の場合,特定のテーマでまとめられており,これらを指定された順番(多くの場合,出版順と異なる場合がほとんど)に揃えることで一つの事典となる。
 分離式カードの場合,初号あるいは別売りのバインダーに,カードを綴っていくことで事典を完成させることを目的とする。(このため,長期シリーズの場合,何度も差し替えるためにカードが傷むことも多い。)

 付録がメインの場合,その付録の種別によって編集方針が異なる事が多い。
 特定の品物を組み立てることが前提となるシリーズの場合,付属する冊子の情報量はどうしても少なくなる。この場合,毎号パーツが付属するため,パーツの保守やアフターサービスもメーカー側は行わなければならず,コスト面でも高くついてしまう場合も多い。(車を作るシリーズなどがいい例だろうか。平均的なプラモデルよりも遥かに高額になるため,金属製パーツや,特殊な塗装などが施されているなどの付加価値が加えられているのである。)
 逆に,コレクションを前提としたシリーズの場合は,各回ごとの解説の充実が求められるため,冊子にも力が入っている場合も多くなる。この場合,必要な号だけ購入する,といった事例も生じるため,メーカーとしては在庫が読みにくいというデメリットもある。

 いずれの形態にせよ,基本的には「完結」してこそ完成するものであるため,長期シリーズであっても完結することが望まれる。このため,売れ行きが悪く,シリーズの打ち切りが続いてしまうと,メーカー側も多くの問題を抱えてしまう[1]

 このため,多くのメーカーでは,初号は半額近い戦略的な価格で売り出し,10号前後の売れ行きで継続時の生産数を想定するといったパターンをとることが多いとされる。

問題点

 先にも触れたが,途中中断した場合の問題点は,ユーザー側だけではなくメーカー側にも大きな問題を残す。このため,特に付録を中心としたシリーズでは,その販売に気を遣っている。
 組み立てることを目的としたシリーズでは,比較的早い内に一般流通の数を絞り,注文されてきた数や,返本数などから逆算したかたちで,出版を続けることが多い。
 また,コレクションを中心としたシリーズでは,人気のある回(例えば車種やCDの時)は,生産数を増やすと言った処置を行っている。
 こうした方法論から,シリーズの途中中断による影響は,これまで大きく取り上げられたことは少ない。

 一方,近年問題となっているのは,シリーズ作品の増大による延長であろう。
 延長は,内容が充実するためにこれを歓迎する声もあるが,定期購読者の場合,解除申請をしないかぎり,いつまでも送付されるため,非常に高額化してしまうという問題点もある。
 また,一度完結したシリーズを更新して再刊行する場合もあり,これが批判を呼ぶこともある。

各呼称について(補足)

 パートワークとして出版される書籍類は,雑誌コードで出版されるものと書籍コードで出版されるものがある。両者の境は曖昧であるが,多くの場合出版社の出版傾向によるところが多い。
 例えば,ディアゴスティーニの場合,「週刊○○」,「週刊○○百科」「週刊○○ファイル」といった名称のものが多く,週刊誌(や隔週刊誌)と同様の形態をとることが多く,雑誌として出版されている。
 対して,講談社などは「オフィシャルファイル」,「ファイルマガジン」といった書名が多く,月刊で刊行される場合が多い。このため,ISBNを付与したムック形式で出版されることが多い。
 いずれもパートワークとひとまとめにされることが多いが,やはり出版社ごとの特色も存在する。

 関連項目


 編集者


最終更新時間:2011年12月29日 00時43分04秒

 ノート

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脚注

  • [1]過去国内メーカーが組立式ロボットをシリーズ化したとき,途中中断したのだが,残りのパーツを実費頒布することになった。だが,その価格が高くなりすぎ,パートワークの意味合いが全く無くなってしまったため,多くのクレームが寄せられたのである。