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ディフォルメの変更点

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!!!ディフォルメ
*[参考]
!!説明
 元来は,対象の姿を変形して表現したりする方法論のことを指す言葉であり,「元があってこそ,デフォルメされた姿がある」。すなわち,比較によって説明できる必要があるのが,デフォルメという手段である。
 いわゆるキュービズムなど前衛的な画法として認識されやすいが,対象物のみならず,動きなども誇張することでデフォルメされたこととして認識される。

 古くは原始時代の洞窟壁画などが,こうした「対象物の特徴を描くことでそれを明らかにする(例えば象ならば長い鼻と大きな耳があれば,象だと認識しやすい)」ことを目的としており,人間が情報を伝達しようとする際には,デフォルメという手段が無意識下で行われている可能性もある。
 こうした手法が独特な方向に発展したのが,先に示したキュービズムなどであるが,他にも浮世絵や戯画と呼ばれる画風や,イラスト,漫画,アニメなどもそうしたディフォルメの結果,誕生したものということができる。

 なお,日本では,こうした元来の意味合い以外に「対象の特徴を誇張・強調」し,「簡略化」を行うことをデフォルメという場合がある。(特に,漫画やアニメのキャラクタに対する批評で用いられることがある。)しかし,簡略化は結果であって,方法論ではなく,そうした意味では用法として誤っている。
 また,元来そうしたバランスが崩れた対象物をそのまま描いてもディフォルメ(したもの)とは呼ばず,あくまでもそれは写実的描写に過ぎない。(例えば,人間としての一般的なバランスと異なる赤子の絵を描いても,それは「赤子の絵」であって,人間のディフォルメ画ではない。)
 また,宗教画の様に,本来存在しないものを描き手のイメージで描いたものも「イメージ画」であって,ディフォルメ画ではない。
 つまり,ディフォルメとは,描き手(作り手・描き手)が意図的に対象物を変形させ,作り出した表現であり,バランスの崩れたものを描画したり,対象物の存在しないイメージを描き出したものを指すものでは無い。

!日本におけるディフォルメ
 日本では,世界と比較して数多くの漫画・イラスト・アニメなどが製作されており,これらのキャラクターデザインや動作の表現などに一定の方向性が定着している。
 これは戦前の漫画から続く擬人化や伝承モノといった流れだけではなく,浮世絵などの技術が,海外で花開いた近代美術の方向性のみならず娯楽部分にも広がった部分が大きい。

 これが結実したのが手塚治虫氏による各漫画群であり,そのアニメ化である鉄腕アトムであろう。
 ここではコスト削減のためにリミテッドアニメという手法が採られたが,その表現のために既存のディズニーアニメなどと比較しても大胆な動きの強調や装飾が行われた。
 これが日本の漫画,アニメにおけるキャラクター造形の方向性を決定づけたといっても過言では無く,こうした「ディフォルメされた人物像」が当然のように受け入れられるのは,日本という国の特徴である。

 また,こうした手法のひとつに頭を大きめに描き,手足,体を小さめに描くことで,かわいらしさやキャラクタの特徴を強調しようとする手法も登場する。(藤子不二雄氏のキャラクタなどはそうした方向性である。)
 これが1980年代にはいると,極端な姿で描写されるようになり,これが商品化されるようになるのである。1984年ごろから発売されたガシャポンの各種塩ビ人形や組立モデルは,寸詰まりの頭身(当初は,2.5頭身程度〜2頭身のものが多かった)で,頭部が強調され,手足はほとんど簡略化されたデザインであり,カプセル玩具として発売するのに都合の良いデザインであった。(もともとキン肉マン消しゴムのように,実際のキャラクタよりもディフォルメされ寸詰まりの形で製品化されるのがカプセル玩具の特徴ではあった。)

 そこで,ガンダムシリーズの塩ビ人形の製品化にあわせて「SDガンダム」という商品名がつけられ,これに「スーパー・ディフォルメ」という名称をあてたのである。
 このSDガンダムが1990年代初めに大ヒットした結果,そうした2頭身や3頭身と言ったデザインのキャラクターに対して用いられる様になってしまったため,ディフォルメという言葉が,SDガンダムの様に寸詰まりのデザインを表すようになってしまったのである。
 詳細は,[[スーパーディフォルメ|SD]],[[SDガンダム]]を参照のこと。

!!編集者
*あさぎり
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