トップ 差分 一覧 Farm ソース 検索 ヘルプ ログイン

スケール

お願い

  ■検索等で初めて来訪した方は,注意書き等を必ずご覧になってください。
  ■Wiki項目への直接リンクは避けるようお願いします。→<必読>  頻繁に項目変更が行われる関係上,直リンクはエラーのもととなります。
  ■あまりにマナーの悪い人がいましたので,一部項目にアクセス禁止処理を行いました。
  ■極めて短時間で集中的アクセスを行ってるIPについては,終息の目処が立たなかったためアクセス禁止処理を施しました。解除申請は本家掲示板にて。

スケール

  • [模型用語]

 説明

 日本語で言えば,縮尺。元々の「物」に対して,どの程度の大きさであるかを示すための尺度のひとつ。
 一般的に実物のサイズに比べてどの程度の大きさであるかを示す為に,「1/○」(「○分のいち」と読まれる)と表記されることがほとんどで,○には任意の数字が入る。
 地図に用いられたり,建築模型や完成模型(特に内容は問わない)といった「クライアントに説明を行う為」の模型に用いられるなど,実生活にも必要な知識ではあるが,模型分野では特に正確性を示すときに強調されることが多い。

 基本的には,現物よりも小さな模型にたいして用いる言葉であり,大きく表現するための模型には用いることは少ない。ただし,学術分野などで実際のサイズに比してどの程度の大きさかを厳密に必要とするときなどは,拡大スケールなどという微妙に意味の通らない言葉が現れる場合もある。

 プラモデルや一般模型,玩具などでは,スケールという言葉が用いられる場合には,実物が存在する,という意味を強調する場合にも用いられる。このため,実物が存在するもののプラモデルをスケールモデルと呼称したりするのだが,宇宙戦艦ヤマトの登場以降,キャラクターモデルにもスケールの表記が登場し,機動戦士ガンダムのガンプラ以降は,キャラクターモデルでもスケール表記が当然のようになっている。

 なお,勘違いしてならないのは,スケールとはあくまでも実機との比較サイズであり,スケール表記があるからと言って,実機を本当にそのままスケールダウンしたものではないということである。つまり,ボリューム的にそのサイズであるという意味であり,厳密に縮小されたものではない,ということなのだ。
 この理由は,様々な模型メーカー開発者等のインタビューに見られるのだが,厳密に縮小しても,「実機らしさ」は,再現できないというのである。人間よりも小さなものを見る場合に,人間は物体を俯瞰して全体像を見るが,人間よりも大きなものを見るには写真などで全体像を把握したりする以外は,どうしても一部を中心とした視点で見てしまうのである。つまり,遠近法の描写と同じで,中心となる視点の位置が異なると,実機のイメージも異なってしまうのである。
 このため,各メーカーは独自の基準でそのようなイメージに近づける為のアレンジを加える。すなわちディフォルメしているのである。このため,同じ車種や機種であっても,メーカーごとのアレンジの方向性よっては,印象が大きく異なることがあるのだ。

 スケールの基準

 スケールには,大きく分けて2種類が存在する。
 一つはいわゆる「国際スケール」というもので,もう一つは「箱スケール」と呼ばれるものである。
 前者は,ヤード・ポンド法による縮尺基準を用いた物で,『1フィートを1/4インチで表す』(1/48スケール)といった基準で決まっている。(詳細は,下記の各スケールの詳細を参照。)また,一部のメーカーが独自に定めたスケールが,多数の製品の普及によって結果的に国際標準(デファクトスタンダード)となったものもある。バイクの1/9やAFVの1/35,艦船模型の1/700などは,こうしたデファクトスタンダード的なスケールである。
 後者は,製品の価格帯を基準に「最終的な製品のボックスサイズに収まる商品」を設計し,このサイズから実際のサイズとの縮尺比を算出する,というものになる。このため,箱スケールの場合,想像もしなかった数値になったり,同じシリーズないで縮尺がバラバラだったりすることも多い。代表的な事例が,初期のガンプラがリストアップされていた「ベストメカコレクション」である。ガンダム(やマジンガーZ)は,300円売り箱(1オンス金型)で製造できるサイズが,たまたま実機の1/144スケールであったが,他のロボット(ライディーン,ゴッドシグマetc.)は,そうしたスケールにはならないということなのである。(このため,ベストメカコレクションでスケール表記が存在するのはガンプラのみ,となるのである。)

 模型や玩具で一般的に見られるスケール

 プラモデルや玩具で一般的に見られるスケールは以下の通りである。(ドールの分類については,ドールの項でも触れているので,そちらを参照。)
 これらのうち,一般的に模型分野などで見られる国際スケールおよびそれに準拠するスケールを簡単にまとめてみた。(もちろん,国際スケールでも以下に取り上げられていないものも存在する。それらについては,各種資料を参照のこと。)
 特に解説が多いスケールは,国内で一般的に見られるものだと考えてほしい。

1/1

 すなわち原寸大である。
 主にモデルガンなどが相当するが,昆虫や鳥といった小動物なども模型化される場合,原寸大の場合も多い。
 特殊な部類として「等身大ドール」というものもある。

1/6

 1フィートを2インチで再現することが基準となったもの。国際スケール準拠。
 模型分野では,大型のバイクモデルなどが有名であるが,実のところ1/6が有名になったのは,アクションフィギュアとしてのG.I.ジョーなど12インチサイズフィギュアがきっかけである。
 国内では,美少女フィギュアやドールの中心的サイズであり,この派生で「1/5」や「1/7」,「1/8(国際スケール準拠)」も存在する。なお,ドール分野では,同じスケールをさらに「実際のサイズ」で区分しており,1/6ドールであっても,複数の種別が存在する。
 特に1/8は,近年美少女フィギュア系で特に数が多くなっている。これは,以前の主力であった1/6ではサイズが大きすぎ,高額化かつ場所をとるという問題があり,逆に1/12では細かいディテールを加えることが困難であった,という事情があろう。

1/10

 ラジコンカーの実質的標準スケール。
 ヤード・ポンド法による縮尺基準ではなく,メートル法準拠であるのは,電動式の組み立て式ラジコンの一部がこのスケールを採用していた為。
 元々は,1/12が多かったラジコンカーは,サスペンション等内部構造の充実の為に大型化し,タミヤなどは1/10が中心となっている。

1/12

 自動車,バイク,ドールなど。元々は1フィートを1インチで再現するという国際スケールで,ドールハウスが採用していたサイズである。
 特に自動車モデルでは,ビッグスケールとの表示もなされるほどで,F1モデラーなどがかなり力を入れている。

1/20

 自動車モデルでは一般的に見られるサイズ。F1やレーシングカーなどでもよく見られるサイズだが,元々は箱スケールである。
 自動車模型のモーターライズのためのサイズだった物が,ディスプレイモデル化しても残ったもので,元々はバンダイなど複数のメーカーの箱サイズのものが,タミヤがシリーズ化したこともあって,定着した。
 現在ではバンダイがキャラクターモデルに付属させるフィギュアのサイズとしても定着している。(及び,装甲騎兵ボトムズシリーズのバンダイ製品もこのスケールである。)

1/24

 カーモデルでは,一般的なサイズの一つ。1フィートを1/2インチで再現する国際スケール準拠のスケール。
 このため,海外のメーカーが発売するF1モデルや市販車などでは,このスケールがよく見かけられる。米国企画の1/25スケールとあわせると,数多くの周辺商品が存在し,ダイオラマなどに向いたスケールとも言える。

1/35

 AFV模型の国際的な標準スケールの一つ。とはいえ,元々は田宮模型が生み出した独自スケールであり,デファクトスタンダード化したもの。
 戦車のモーターライズ化の際に,縮尺を計算したら,1/35だった,という箱スケールの発端だったが,その後のディスプレイモデルでもこのスケールを踏襲し,大規模な商品ラインナップの結果,国際的に認知されたもの。
 現在,ミリタリー系の商品は周辺商品が豊富な1/35に合わせようとする風潮まであり,「装甲騎兵ボトムズシリーズ」などは,1/35スケールで発売された。また,ガンプラの異色作,「U.C. HARD GRAPH」シリーズもこのスケールである。

1/43

 ミニカーの標準的なスケール。
 国内では,ミニカーというとタカラトミー製の「トミカ」が,真っ先に思い浮かぶが,これはダイキャストカーで,箱スケール商品であり,統一スケールではない。1/43スケールのミニカーは国内で言えば,幼児用フリクション玩具程度のサイズで「ミニカー」という言葉の印象とは異なったものであろう。
 しかし,近年デアゴスティーニのパートワークなどで,1/43ミニカーが用いられることもあり,徐々に浸透してきている。

1/48

 国際スケール。
 航空機やAFVのメインスケールのひとつであるが,AFVは近年1/35が主流となっており,どちらかと言えば「航空機」のスケールの印象が強い。

1/60

 ガンプラで見られるスケールで,ガンプラ最大(ただし,近年は1/48メガサイズモデルの登場により,最大ではなくなった)の標準スケール。
 もともとは「2000円サイズ」という箱サイズが基準である為,一部の大型モビルスーツは,現在の視点で見ると,若干1/60よりも小さめの造形である。
 そのサイズ故,当初から様々なギミックや技術の投入が行われており,初期の物で既に発光ギミックやポリキャップによる間接のへたれ防止などが行われている。
 現在では,テレビ放映中に主役機が発売されたり,「パーフェクトグレード」として高機能キットが発売される程度にその商品数は少ない。

1/72

 国際スケール。
 航空機モデルで,近年のジェット機の模型の中心となるサイズ。
 他に,AFVの標準サイズのひとつだが,「1/76」スケールも大きな商品群となっており,意外に棲み分けされていないスケールとなっている。

1/100

 メートル法準拠のスケール。建築模型でよく使われるサイズだが,建築模型の場合,その模型を製作する部材が「mm単位」であるためメートル法準拠のスケールが都合がいいという理由もある。
 また,航空機モデルにも多いスケールだが,これはプラモデル以前に流通していたソリッドモデルの国際的な標準スケールが1/50であり,このサイズの1/2としてマルサンやタミヤが商品化したことに端を発している。
 後にガンプラの「大サイズ」が箱スケール的に1/100であったことから,ガンプラでも一般化する。

1/144

 国際スケール準拠の標準的スケール。
 航空機やシミュレーションゲームに用いるようなAFVモデルのキットが多かったスケールだが,近年では,「航空機のミニサイズ」と「ガンプラなどアニメーション登場ロボットなどの小サイズ」という印象が強い。
 ガンプラヒットの顛末は,ガンプラ雑記にて触れているが,このスケール表記が大きな意味合いを持っていたことは事実である。

1/350

 大型艦船モデルに用いられるサイズ。
 ハセガワが発売した三笠が話題となり,その後各社が同スケールでの艦船発売に追随した。これに,海外メーカーが加わった結果,事実上の国際標準となったものである。
 それ以前は,後述するウォーターラインシリーズの1/700スケールを除けば,各社の作る艦船模型はてんでバラバラのスケールで,統一されたものが無かったのである。

1/700

 ウォーターラインシリーズと呼ばれる統一スケール。
 元々統一スケールの存在しなかった艦船模型に「艦隊」を再現することを目的にスタートしたシリーズで,国内メーカーが発端となった物である。
 その後,海外メーカーの参入によって事実上標準化した。


箱スケール

 正式な言葉では無く俗語であるが,使用頻度の高い言葉のひとつ。
 かつてキャラクターキットでは,金型のサイズに制限があり,生産できるランナーの大きさが限定されている場合がほとんどで,逆に言えば,このランナーの大きさで価格が決定されていた。つまり,一定の価格で発売される製品の外箱の大きさは同じサイズになるのが通例であり,例えば100円の箱,300円の箱,と決まっている状況だったのである。
 こうした箱サイズから逆算され提示されたものが,いわゆる「箱スケール」である。

 ガンプラの場合,ビッグサイズの「1/60」がこれに該当し,ガンダムを30cmサイズ(当時の2000円箱サイズ)のキットに落とし込んだ場合が1/60に該当したため,これが採用されたのである。1/550や1/220,1/1700なども同様の理由によるものである。

 実は,いわゆるスケールモデルに相当する商品であっても,同じような理由で開発された製品も多い。例えば,200円均一で販売されていた飛行機モデルがあるが,ジェット戦闘機の多くは1/144,大戦時のプロペラ機は1/72,爆撃機は機体ごとのスケールといった形であり,統一されていなかった。これら製品は「数を揃える」ことが目的であり,同一スケールかどうかについては,あまり考慮されなかったのである。
 しかし,航空機など実際に存在する機体の場合は,そういったシリーズであっても「スケールモデル」には分類されるのである。

 鉄道模型の縮尺

 鉄道模型の縮尺は,他の模型で説明したような国際基準や箱スケールといったものとは異なり,模型のレールの幅が基準となっている。これを,実際の鉄道サイズに換算した物がいわゆるスケールとなるのである。
 また,鉄道には「狭軌」と「広軌」の2種類があり,同じレール幅でも結果的に車輛のスケールが異なってくる場合がある。

 例えば,日本の鉄道はイギリスの鉄道をベースとした狭軌であるが,新幹線は高速化の為に欧米型広軌を採用している。このため,一般的な鉄道模型として取りざたされる「Nゲージ」では,一般車両が1/150スケール,新幹線が1/160スケールとなるのである。

 国内では,その住宅事情もあって海外で中心となっている「Oゲージ(約1/45)」や「OOゲージ(約1/76)」は,普及していない。
 代わりに,標準化したのが「HOゲージ(約1/87)」などの小型模型である。
 特に「Nゲージ」の普及は多く,国内鉄道模型メーカーのストラクチュアは,ほとんどが1/150を基準に製造されており,このことからガンプラの1/144スケールダイオラマに鉄道模型が流用されるようになったのである。
 なお,現在では「Zゲージ(約1/220)」の普及も進んでいるが,バンダイなどが参入した「ZZトレイン(1/300)[1]」もそれなりに売れているようである。

 備考

 模型に関する用語の集約の為,ガンダムに関連しないもの,関連しないメーカーも含まれています。

 関連項目


 編集者


[模型用語]


最終更新時間:2012年02月26日 16時03分52秒

 ノート

本項目に追加情報を記載する
※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。

脚注

  • [1]1編成2500円程度と,非常に低価格であるのも魅力で,一時は雑誌の付録などにもなった。