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ジオン公国軍の軍装

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ジオン公国軍の軍装

  • [用語]
  • 分類:その他
  • 区分:宇宙世紀
  • 出典:U.C.HARD GRAPH

 説明

 一般的に軍人が用いる服(軍服)や装備品を合わせて「軍装」と呼称する。
 軍装は,軍人(あるいは軍属)であることを証明する一種の証明書でもあり,これを身に纏っている限り,軍人として扱われることとなる[1]

 ジオン公国においては,軍服を年代で区別する方法を採用していない。(これは,例えばM-79などの開発コードによる呼称はしないということである。)あるのは,軍服の種類による区別のみである。
 その理由は,公国軍が採用した軍服のデザインそのものが復古調であり,年代による区別そのものがナンセンスだったからであろう。また,それが「公国制」によく馴染んだことも理由の一つであろう。
 さらに,復古調デザインは,軍装着用規定をかなり緩やかなものとした。「古き良き時代の英雄像」は,華やかであり,かつ目立つべき存在というポリシーさえも復活させたのである。また,ジオン公国軍には,「ザビ家の人々の軍階級」を凌ぐわけにはゆかない特殊事情があった。このことが,同階級であっても執行権力に大差が生まれる原因となり,軍服のアレンジ拍車を掛けている。
 このため,ジオン公国軍が採用する軍服は一見すると多種多様なデザインが存在するように見受けられるが,公国軍においては,これらはあくまでも基本となる軍服のアレンジの範疇なのである。

 エリートたる将校をはじめ,戦功のあった兵士たちの軍装のカスタマイズ,アレンジは,さらさら軍規違反とはならず,むしろ,一般兵士たちの憧れになったのである。一般的に,古今を通じて,将校に対し被服手当てを支給する軍隊は多く存在した。ジオン公国軍がどの程度の支給額であったかは不明であるが,支給されていた事は確かである。これは,彼らの軍服のアレンジへと用いられていたわけである。


 なお,宇宙の軍隊たるジオン公国軍には,基本的に軍装に夏服と冬服の区別はない。
 しかし,地球侵攻作戦によって,着分ける必要が生じたが,これらも現地部隊の臨機応変な判断と現地生産により対処している。また,ジオン海軍も地球環境に応じた海軍軍服なるものを地球制圧軍の管轄の下,制定していた。
 こうした,軍服においてもベースとなったのは既存の軍服のデザインそのものであり,士官においては,独自のアレンジが認められていたのである。
 また,ジオン公国軍兵士は基本的に平時からヘルメットの着用が義務づけられていた。(これは,宇宙での生死に関わる問題であったことがその離湯のひとつであろう。)このため,いわゆる制帽は士官にのみ官品として支給されたが,着用義務規定は緩かった。

軍服のアレンジ例

 公国軍の軍服は,士官や戦功のあった兵士のカスタマイズを認めていたことは先に記したが,これらは以下に挙げるようなパターンで行われていた。
 一見して分かるとおり,規定そのものはかなり緩く,様々なパターンが生まれる余地があることがわかる。こうしたアレンジが行われても「公国軍の軍服」であることを示すことができることが重要であると考えられたものと思われる。

1.型は変えず,生地をオーダーメイド化
2.型は変えず,生地の色を変更
3.型自体の変更
4.上記の掛け合わせ

[ 種別による軍装の区分 ]

ジオン軍の軍装は以下のように区分された。

第1種礼装

 儀式や式典などに着用する正式な礼装。

第2種戦闘服

 一般の軍服。これにも様々な型が存在した。
 将校の場合,肩に掛けた小ケープのない軍服と理解して良い。戦闘部隊および後方支援任務の軍人であっても,前線に赴く軍人が着用した。ちなみに,ジオン公国軍の場合,日常勤務時と戦闘時による服装の区別はない。

第3種戦闘服

 典型的な将校用の軍服。
 小ケープを肩より下げ,房のある肩章(エポレット)に乗馬ズボン姿である。
 小ケープには,比較的角張ったものと,先端が丸ぼそりしたものの2種が存在した。

第4種常装(内勤服)

 直接,戦闘に参加しない将兵の内勤服である。

特殊被服

 種別に含まれないもの全ての総称。
 整備服,突撃服,防暑服,迷彩柄スモック,秘書官用内勤服などが確認されている。

特務部隊に支給された軍装

 公国軍の編成した特務部隊(特殊部隊)には,任務にあわせた特殊被服が支給される場合が多い。これも,公国軍の軍服の規定が緩やかであるからこそ可能なことであった。

ランバ・ラル独立遊撃隊の軍装

 ランバ・ラル独立遊撃隊には,全員に特殊部隊ならではの突撃服と呼ばれる戦闘用の特殊被服が配給されている。しかし,その軍装は,ホワイトベースに白兵戦を挑むまで使用されなかった。理由は,敵に特殊部隊である事を察知されないためである。彼らは,あくまで通常のジオン公国軍の軍装を着用していた。
 唯一の例外は,指揮官のランバ・ラル大尉の軍装である。彼は指揮官が着用すべき第3種戦闘服をカスタムメイドした軍装を身に纏っていた。だが,これは,ジオン公国軍においては決して軍規違反ではない。英雄的軍人やエリートにとって,軍装のカスタムメイドは,ごく自然な事であった。
 ランバ・ラル大尉の軍装の大きな特徴は,通常士官がジオングリーンの生地であるのに対し,彼のそれは紺地であった。また,佐官以上に施される赤い折袖を大尉の階級にもかかわらず帯びていた。これは彼の複雑な立場を象徴していた。
 他の士官は,基本的に通常の第3種戦闘服を着用している。同様に,一般兵士たちは通常の第2種戦闘服であった。ただし,汎用中型バイク,B.M.C. Z78/2を駆り,斥候要員として活躍したゼイガン軍曹は,ゴーグルやグローブなどを用いていた。
 その全員の袖章(アームバンド)には,ランバ・ラル独立遊撃隊(RAMBA RAL COMMAND)の頭文字(R・R・C)が縫い取られていた。

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最終更新時間:2014年11月22日 07時00分47秒

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脚注

  • [1]例えば,戦闘行為において,民間人の殺傷は大きな問題となるが,軍人である場合それが問われない場合も多い。具体的に言えば,前者は殺人罪に問われる場合があるが,後者の場合それが賞賛される場合もある,ということである。