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ジオン公国軍

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ジオン公国軍

 説明

 サイド3に成立したジオン公国の擁する軍隊のこと。
 ギレン・ザビ大将を首班とし,ドズル・ザビ中将の宇宙攻撃軍,キシリア・ザビ少将の突撃機動軍を中心として編成されている。
 U.C.0080年1月1日の終戦をもって公国軍は解体され,(形ばかりではあるが)独立を正式に成し遂げたジオン共和国の保有する軍として再編されている。以後,U.C.0100年の自治権返上までは,共和国軍として治安維持を中心とした運用がなされた。
 再編された共和国軍は,U.C.0087年のグリプス戦役においては,その情勢からティターンズに実質的な傀儡として協力を求められるなど,数奇な運命に翻弄されている。
 なお,一説に依れば,共和国軍として再編された後も旧公国軍系の軍人による事実上のクーデター[1]で軍組織そのものが牛耳られていたともいわれており,ある意味,共和国にとってものど元に刺さったトゲといっても間違いではなく,内部対立もあったとされている。

公国軍の成立

 公国軍の原型となったのは,U.C.0058年にサイド3で行われた共和国宣言に伴い発足した「共和国国防隊」である。(なお,近年発見された資料[2]では,当時はジオン自治共和国ではなく,ムンゾ自治共和国であり,ムンゾ自治共和国防衛隊という組織だったともされている。)
 しかしながら,この国防隊は「軍隊」と呼べるような組織ではなく,あくまでも治安維持組織としての位置づけに近いものであった。
 ところが,U.C.0062年にデギン・ソド・ザビが事実上の実権を握ると国防隊は,「国軍」へと昇格し,パプア級とチベ級戦艦(当時の艦級)を中心とした宇宙艦隊を主軸とする軍隊へと拡充されている。

 元々,自治権の要求から独立宣言へと至ったサイド3政庁と地球連邦政府の関係は悪化していたところに,宇宙艦隊を要する軍を設立したことで,連邦との軋轢はより一層激しくなることとなった。また,こうした政策をきっかけに,サイド3政庁内部でもダイクン派とザビ派の対立が表面化するほど激しくなっていくこととなった。
 そして,U.C.0067年,連邦がコロニー自治権整備法案を廃案にしたことが,ひとつのターニングポイントとなった。

 コロニーの自治権を認めないとする連邦の方針により,より一層苛烈な弾圧が加えられたことに対して,コロニー側の反発が一気に高まったのである。そして,翌U.C.0069年,ダイクンが病死を遂げると,この勢いは爆発的なものとなった。
 デギン・ザビは,自らをダイクンの後継者として政庁を掌握,ザビ家を中心とした「ジオン公国」として独立を宣言したのである。
 これに合わせ従来の国防軍を「ジオン公国軍」として再編するとともに,新たに確立したミノフスキー粒子の散布技術を戦術に組み込んだ部隊編成,すなわち,モビルスーツを運用するための軍組織を構成したのである。
 こうして,モビルスーツを実戦投入可能な編成が行われた史上初の軍隊が誕生したのである。

 モビルスーツの実用化の時期については諸説あるが,実践運用可能な編成が初めて行われたのは,U.C.0075年11月(古い資料にはU.C.0076年5月との記述も見られる)の「教導機動隊」の編成であろう。
 モビルスーツの有用性を高く認めていたキシリア・ザビ大佐(当時)は,ギレン・ザビ大将を説得し,実験的な部隊編成を行っている。これが教導隊で,後にモビルスーツ部隊編成における大隊規模の基本的編成の指針となっており,「教導機動大隊」と呼ばれるようになる。
 教導隊には,後に一年戦争でエースとして名を知られることとなるパイロットが数多く所属しており,「黒い三連星」として名を馳せるガイア,マッシュ,オルテガの3名や,「赤い彗星」ことシャア・アズナブル,「青い巨星」ことランバ・ラルなどの名前が確認できる。
 彼らは,モビルスーツの性能を活かした戦法を次々と生み出し,公国軍の戦術大系の基礎を作りあえていった。そして,治安維持名目で行われたU.C.0077年7月の初陣以降,各所でモビルスーツによる紛争介入が行われるようになるのである。

教導機動大隊の編成


 教導機動大隊の編成は,後のモビルスーツ大隊の編成における指針となった。
 このため,モビルスーツ大隊の編成は,ほぼ教導機動大隊の編成と同等のものとなっている。(ただし,陸戦部隊など運用状況が異なる部隊については,この限りではない。また,ここに掲載した編成は初期の編成であり,後年突撃機動軍の編成が行われて以降,細部が異なっている。詳細は,教導機動大隊を参照のこと。)

公国軍の再編

 U.C.0078年10月,公国軍はその陣容を「宇宙攻撃軍」と「突撃機動軍」の二つに分割編成することとなった。
 直接のきっかけとなったのは,ギレン大将の下,各軍の指揮を執っていたドズル・ザビ少将(当時)とキシリア・ザビ大佐(当時)の対立である。実のところ,ドズル少将もキシリア大佐もモビルスーツの有用性に関しては大いに認めていたが,その運用思想について大きな隔たりがあったのである。(なお,ドズル少将は,モビルスーツの開発については,ギレン大将を説得するなど,極めて積極的であったことを付記しておく。)

 ドズル少将は,モビルスーツは優秀な戦力ではあるものの,戦いの趨勢を決定するのは宇宙戦艦(航中戦闘艦)であるとの認識を強く持っていたのである。一方,キシリア大佐は,今後の戦いで主力となるのはモビルスーツであり,艦艇の重要度は低いと考えていたのである。
 公国軍は,二人の意見の違いから二つに割れることとなり,収まりが付かなくなった双方とも自分の理念が認められなければ軍を退役するとまで言い出したのである。
 これを受けて,ギレン総帥の出した妥協案が,公国軍を自らが指揮する直営部隊を除き,ドズル派ともいうべき「宇宙攻撃軍」とキシリア派ともいうべき「突撃機動軍」に分派し,それぞれが司令に収まる,というものであった。
 この時,ドズルは中将に,キシリアは少将に昇進し,ドズルはソロモンを拠点に,キシリアはグラナダを拠点としたのである。

 以後,基本的にこの2つの軍を中心に公国軍の部隊運用は行われることとなった。
 しかし,これは妥協案に過ぎず,各所で双方の対立は根深く,これが原因で効率的な作戦行動が阻害されることも多かったのである。

ジオン公国軍の編成


 公国軍の初期の編成が上図である。
 公国軍は,共和国軍からの移行にともない,従前からの編成をそのまま公国軍の部隊編成とした。
 この編成では,師団本部をサイド3に置く形で,各艦隊ごとに指揮権が与えられるものとなっている。このため,各個艦隊ごとにひとつの軍として運用可能な編成がなされており,艦隊指揮艦に与えられた権限は大きなものとなっている。
 図に表記されたモビルスーツ大隊の編成は省略されているが,実際には,先述した教導機動大隊の(初期の)編成と同じものとなっており,少なくとも27機のモビルスーツと13隻の艦艇で構成されることとなる。
 一方,衛生小隊は戦場あるいはその後方での直接支援のための部隊で,パプアタイプ1隻と非武装のザクタイプ3機からなっている。通信小隊も同様の編成で,ミノフスキー粒子散布下での各種通信や支援活動を行う。
 輸送中隊は,3個の輸送小隊からなる物資輸送のための支援隊で,小隊構成は衛生小隊などと同様だが,本国(あるいは拠点)から,実働部隊が活動する戦線までの輸送を担う重要な部隊となっている。

 少々特殊な扱いとなっているのが特務小隊である。
 特務小隊は,ムサイタイプ1隻,ザクタイプ3機からなる特殊任務部隊で,必要に応じてその編成は変化したとされる。

 なお,この基本編成は,宇宙攻撃軍と突撃機動軍に分派してからも維持されてはいたものの,各軍の特性に合わせ細部が変更となっている。
 例えば,宇宙攻撃軍ではモビルスーツ大隊の定数に対して,宇宙戦艦などの戦闘艦が多く配備されており,打撃艦隊としての色合いが濃くなっている。

 しかし,U.C.0078年10月,ドズルとキシリアの方針の違いから公国軍が二分されることとなった。これにより,公国軍の編成は次図の様になった。

 ギレン総帥の総帥府を起点に,総帥直属の「公国防衛隊」を除き,突撃機動軍と宇宙攻撃軍という2つの軍が位置することとなった。

地球侵攻作戦と地球攻撃軍

 U.C.0079年1月31日,本来ならば公国軍にとって勝利となるはずだった南極での停戦交渉は,レビル将軍のジャブローへの帰還によって水泡と化し,戦時条約の締結交渉へと変貌した。しかも,締結された南極条約は,結果として公国に不利益な条項となってしまっていたのである。

 このため,かねてより懸案となっていた地球上への侵攻作戦が実施に移されることとなった。
 同年3月1日,第1次降下作戦が実施されたが,これに投入された地球攻撃軍は,実際には突撃機動軍第1機動歩兵師団を基幹に急遽改組されたものであった。これは,公国軍としてはこの戦争を短期決戦と見こしていたためで,地上戦などの研究は行っていたものの,本格実施に至るとは考えていなかったためである。
 結果として,モビルスーツを中心とした部隊編成が陸戦にも対応可能であったことから,突撃機動軍を中心に第2次,第3次降下隊を派遣,これら地球攻撃軍そのものを突撃機動軍の指揮下に位置づけたのである。

 この地球攻撃軍の本拠地は北米に置かれ,統括はガルマ・ザビ大佐が行うこととなった。だが,ガルマ大佐は同年10月に戦死,これ以後,統括にきしみが生じ始める。
 また,11月上旬のオデッサでの敗戦とキシリア少将自ら統括した11月30日の第2次ジャブロー攻略戦の失敗によって,地上の公国軍組織は瓦解するのである。

末期の公国軍

 前述した地球攻撃軍の瓦解は,地球連邦軍の大反攻のきっかけとなった。
 宇宙要塞ソロモンの陥落により,ドズル中将が戦死すると公国軍は突撃機動軍型の編成へ一本化された。(ただし,部隊名や基本構成は,混乱を防ぐために従来通りとされた。)
 しかし,この混乱が収まるまもなくア・バオア・クーにおける攻防戦によって,ギレン総帥およびキシリア少将が戦死,統括すべきザビ家が崩壊したことで,講和派が進めていた終戦協定が締結されるのである。

公国軍におけるMS開発

 ジオン公国に於けるMS開発は,それぞれの部門が独自に行っており,地球上の各工場の接収以降は,さらに多くの開発拠点が乱立するという状況におちいっていた。この手法は確かに非効率的ではあったが,性能が突出した優秀な兵器を排出することが可能という側面もあった。06型の完成で,MSという兵器に対する一応の完結を見ていたジオン軍は,次なる世代のMSの開発に結果的に後手に回る事となった。
 これは一年戦争が短期決戦として計画されていたことが原因で,降着した戦線の打開をはかるべく,ありとあらゆる計画が実施されずにはいられなかったのである。

 備考

 ジオン公国軍の設定に関しては,機動戦士ガンダム劇中の描写と,それ以降に出版された資料等で大きく異なる部分がある。
 いまでこそ,ジオン軍の陣容は,ギレンを総帥とした一般的な軍構成と大差ない状況に解釈されているが,機動戦士ガンダム放映当時の解釈としては,ザビ家の私兵的な軍であるという認識が強かったのもまた事実なのである。すなわち,ギレンを総帥(大将),ドズルを中将,キシリアを少将,ガルマを大佐と配置し,劇中にザビ家以外の将官を登場させなかった点からもそうした傾向が伺える。

 これは,ガンダムと言う作品がまがりなりにも子ども向けであり,敵組織が従来のロボットアニメと異なり人間であるとしても,その組織形態は中心となる「独裁者」を筆頭に縦割りのピラミッド型構造によって判りやすく見せていた,という点が最大の理由だと思われる。

 一方で,ガンダムセンチュリー以降,MSVなどで徐々にザビ家以外の将官が登場し,軍としての体裁が整えられていった。ただし,MSVではまだガンダム劇中の状況に引っ張られており,宇宙攻撃軍の長がドズル(中将)であり,突撃機動軍の長がキシリア(少将)であるとなっている。

 これに対して,公式にも公国軍の陣容が大きく変化するきっかけとなったのは,デラーズというキャラクタの登場によるところが大きい。
 デラーズは,「中将」とギレンを除くザビ家の面々よりも高い階級が設定され,さらにそれまで原則ザビ家のみが与えられる艦であったグワジン級を乗艦としていたのである。
 これ以降,急速にジオン軍の規模そのものが拡大しており,サイド3という限定国家が有する軍にしては大規模な組織になっており,更に言えば複数設定された将官がその権力基盤の重なりもあって,組織そのものが非常に見えづらくなっている。

 現在でも,この不整合部分は後を引いており,ア・バオア・クー攻防戦において,キシリアよりも階級が上のデラーズが戦場にあるのにキシリアが指揮を執ったなど,様々な問題点が生じている。

 関連項目

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最終更新時間:2016年06月11日 03時55分37秒

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脚注

  • [1]厳密に言えば異なるが,ガンダムUCにおける風の会などは,これに近いものがある。ここでは,説明のためにこのような表現となっている。
  • [2]アニメ版ガンダム・ジ・オリジンにおいて提示された資料