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ガンプラ

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ガンプラ

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 説明

 ガンプラとは,「ガンダムのプラモデル」を意味する造語である。
 機動戦士ガンダムの制作元であるサンライズ(当時は「日本サンライズ」)の現在の親会社であるバンダイのホビー事業部(当時は「バンダイ模型」)によって製造販売されている商品であり,「ガンプラ」という言葉そのものもガンダムシリーズの版権管理を行っている「創通」(当時は「創通エージェンシー」)によって商標登録されている。

 機動戦士ガンダムの放映終了後に発売されたこの異例の商品が,巻き起こした大ブームが,後のガンダム作品を作ったと言っても過言では無い。実際,一部には「ガンダムはアニメック(ラポート)が火を付け,ガンプラ(バンダイ)が築き上げた」という論説もあるほどなのである。
 ガンダムという作品は確かにひとつのブームを巻き起こした名作である。だが,その作品を30年を超えて「継続的に売れ続ける作品」にしたのは,やはりガンプラがあったからこそなのである。

ガンプラ登場まで

 意外と思われる人も多いだろうが,日本の国産プラモデルは早くからキャラクタモデルと(いわゆる)スケールモデルが共存していた。国産モデル第1号とされるノーチラスも実質的にはキャラクタモデルの立ち位置であるし,その後に発売されたモーターライズプラモデルの殆どが,実際には外観をそれっぽくしただけのオリジナルの車輌などであったのである。
 こういった中,鉄人28号からマジンガーZといった形で,キャラクタモデルの中に「ロボット」をモチーフとしたものが登場し始めたのである。しかしながら,この当時はやはり「モーターライズ」されたいわば「組み立てる玩具」といった範疇から抜け出るものではなく,スーパーカーブームによって数多く登場した「走るプラモデル」などと同様のものでしか無かったのである。
 60年代後半から70年代前半〜中盤あたりになると,(いわゆる)ミリタリーモデルや航空機のプラモデルにはディスプレイモデルの概念が登場[1]し,ミリタリーファンなどではディテールアップやジオラマといった技法的にも進化していった。

 一方,キャラクタモデルに大きな転機が訪れるのは,70年代後半まで時間がかかる。バンダイの宇宙戦艦ヤマトシリーズなど,ディスプレイを前提としたクオリティの高い商品が次々と登場し始めたのである。[2]
こうした時期にバンダイからメカコレクションという枠で,かつてモーターライズで登場したようなロボットのプラモデルをディスプレイモデルという形で発売し始めたのである。
 ガンダムは,このNo.4として登場したのだった。

ガンプラブームとその後のガンプラ

 ガンプラは,バンダイが発売していたアニメキットシリーズの1つとして登場したが,登場後間もなくして大きなブームを起こした。これには様々な理由があるが,高年齢層,低年齢層双方の求めるニーズを(結果的に)両立したというのが最も大きな理由であろう。また,ブームの仕掛け側に時流をうまく採り入れることの出来る人材がそろっていたというのも大きな理由であると考えられる。
 結果,ガンプラは「スポンサーが降りたために打ち切りになった作品」の商品でありながら,以後連綿と続く(他の商品を含めても)国内有数のヒット商品の一つとなったのである。

※本項の詳細はガンプラ雑記を参照のこと

ガンプラが残した足跡

 ガンプラは,「ガンプラ」という略称が存在することこそが示すとおり,プラモデル分野で非常に大きな足跡を残している。これは,国内での累計売り上げが2010年現在で4億個を超える数となっていることからも分かるであろう。
 これは玩具や遊具などの分野でも屈指の販売量であり,とてつもない記録である。例えば,世界中で売れたファミリーコンピュータは,総出荷数が2億5千万台強,最もヒットしたCD(レコード)でも世界中で6億枚の出荷に過ぎない。中心となる出荷先が国内という限られた市場だけでこの数値を記録していることが如何にすごいことか分かるであろう。[3]

 こうした出荷数の多さは,プラモデル業界そのものの下支えとなったことは事実で,70年代後半に起こったスーパーカーブームに続き,ガンプラブームによって「プラモデル」という趣味が完全に定着したといっても過言では無いのである。

 ガンプラブームは,このスーパーカーブームをも上回るものであり,様々な弊害をも生み出している。バンダイの生産能力の限界値を上回る圧倒的な需要に対して,マスコミやユーザー側からは生産調整の疑いがかけられる程[4]で,これに対してバンダイは,24時間の生産ラインフル稼働(当時の製造業メーカーとしてはまだこうしたフル稼働は希であった)という実情をマスコミに公開し,工場から出荷される様子まで逐一報道に公開したのである。また,模型店で売れないプラモデルとの抱き合わせ販売(多くは,他社のオリジナルロボットものや人気のない城や車といったスケールモデルであった)が横行し,こうした抱き合わせそのものがバンダイの指示ではないかという嫌疑までかけられるようになってしまったことから,バンダイは自社で製造しているスケールモデルの生産を休止するまでに追い込まれてしまった[5]

 また,各社から「ガンプラ風」にアレンジされたいわゆる便乗商品も数多く流通し,何も知らない親が間違ってこれら便乗商品を購入してくると言った騒動も多発した。(逆に言えば,そのために更にガンプラに対する欲求も加速したのだが。)
 82年も半ばを過ぎると,ようやく慢性的な品切れも改善していくようになるのだが,既にこの段階で,「キャラクターモデルのバンダイ」というイメージが確定しており,プラモデル業界の勢力図そのものが塗り替えられていた。

 60年代末に倒産した旧イマイの工場を引き継ぐ形でスタートしたバンダイ模型は,1/48スケールのミリタリーモデルや大型トラックモデルと言ったスケールモデルが代表的製品であり,これらはスケールモデラーからも高い評価を受けていた。しかし,ガンプラブームの到来によってこれらの生産は中止され,新規キットの開発も望めない状況となったのである。ミリタリーモデラーはタミヤの1/35に流れ,代わって台頭してきたのがガンプラファンと呼ばれる新規ユーザーたちであったのである。
 ガンプラブーム後,国内のプラモデル販売額の多くをキャラクターモデルが占めるようになる。[6]

 こうしたガンプラブームは,新たなアニメーション制作手法をも生み出した。従来のように玩具メーカーによる番組買い上げというスポンサー形態ではなく,メーカーと制作スタジオが連動して商品と共に作品を生み出していく手法が誕生したのである。
 番組に新型メカが登場するのと同時に新製品が発売されるという番組に合わせた商品展開が可能となり,売り時を見極めた商売が可能となるこの方法は,日本サンライズとバンダイが提携した番組で次々と取り入れられていき,様々な方法を模索していくこととなる。現在では,新型機の登場したその日から新商品が流通開始できるほど,番組と製品の製造サイクルの一体化が進んでいるのである。また,同時にマーケティングにより対象年齢となるユーザーがより好む形でのモチーフ選択や商品化も行われるようになった。
 こうした手法は,他の分野でも取り入れられており,他社でもまた似たような手法を行うことが現在では当たり前となっている。従前の様に様々な新商品を開発し,売れたものを継続して販売していく,という考え方ではなく,ユーザーの嗜好を調査し,それに合わせて商品を開発していくというマーチャンダイジングの手法がこれ以降本格化したのである。

ガンプラの商品傾向

 ガンプラは,プラモデルの中でも一種独特の商品となっている。
元々プラモデルという商品は,接着剤でパーツを接着し,塗装して仕上げるものである。これは,プラモデル発売当初の商品から大きく変わることはない。
ガンプラも元々はそういった商品であり,例えば最初に発売された1/144ガンダムも白(厳密には緑が僅かに混入されている)で成型されたランナーが箱に入っているだけの商品である。
 ところが,ガンプラという商品はその後の進化でより「組み立てる玩具」としての色彩を強めていくこととなる。
 現在のガンプラはスナップフィットと多色成型(およびシール)により,ほぼニッパーさえ有れば設定に近い状態で完成させることが可能となっているのである。(低年齢層向け商品では,「タッチゲート」と呼ばれる,いわゆる「手もぎ」のための配慮までなされている。)
 こういったガンプラにおける様々な技術的配慮は,それまでのプラモデルが「組み立てられる人が購入する」ことを前提とした商品開発であったのに対して,「新しい購入層の広がり」を求めたものであるといえる。(実際,ガンプラの発売後スケールモデルが「衰退」したのは,スケールモデルの問題ではなく,ガンプラが新たな購買層を手に入れたのに対し,スケールモデルはそれが思ったようにできなかったのが理由なのである。もちろん,スケールモデル側の設計も進化していることは否定しない。だが,その進化部分は,製品の精度の向上にのみ投入されており,購買者の開拓にはほとんど向けられていなかった,ということなのである。)
 実際,ガンプラのこういった傾向は最初に発売された1/100で既に多色ランナーが投入され,さらに翌年発売された「いろプラ」にその萌芽をみることができる。
キャラクタモデルであったが故に,幅広い年齢層に配慮した商品開発を行わざるを得なかったこともまたガンプラの商品開発傾向を現在のようなものにしたともいえるのだろう。
 また,こういった商品開発に伴い,素材として使用される部材も様々なものとなっている。
 一般的なプラモデルは,ポリスチレンのみで構成されるが,ガンプラの多くは,ポリスチレンによるランナーに加え,軸受けとしてポリエチレンによるポリキャップが用意される。
 また,最近ではABSを用いた関節部などもあり,様々な複合素材によって構成されている。これは通常のプラモデルではあまり考慮されない「強度」などもガンプラでは考慮の対象(ST安全規格をクリアすることも理由にある)となっているためである。


 なお,ガンプラの商品展開に関しては,当初からミリタリーモデルなどと同様に様々なフォローが行われていった。
 例えば,劇中の指定色に準じた調色済みの塗料「ガンダムカラー」(ちなみに現在発売されているガンダムカラーは,当時と同じような商品企画の下,スタートした物である。)や「プラモデル製作セット」の発売。製作方法や改造ポイントなどの雑誌でのフォローなど,ミリタリーモデルの様なフォローが行われたのである。(ちなみに,ミリタリーモデルとの最大の違いは,ミリタリーモデルが「こうしなければいけない」という「方向性を指定する」ものであったのに対してガンプラの場合は「こういう方法もある」という「方向性の多様化」であった。)
 現在でもこういったフォローは継続されており,さらに低年齢層などに配慮したガンダムマーカーの様な部材も提供されている。


 ガンプラの種類(シリーズラインナップ)

 ガンプラの種別を分けるとき,一般的にはそのラインナップ(つまり製品そのもの)を見て,シリーズごとに区分することが多い。このシリーズごとのガンプラのラインナップには大きく2つの流れがある。(後述するが,いわゆるファーストガンダムの製品群は,こうしたラインナップの面からも,例外的な存在であるとも言える。)
 すなわち,「作品名を冠したラインナップ」と,「模型に冠されたグレードによるラインナップ」である。

 前者は,「MSV」,「機動戦士Ζガンダム」といった作品名を冠したシリーズで,原則としてスケールを問わずにシリーズ内でのラインナップナンバーが存在している。
 対して,後者は「HG」,「MG」といった「プラモデル製品としての商品ランク」が基準となっており,作品を横断的に展開されるのが基本である。
 しかし,現在では複数のガンダム作品が並行して展開されることが当然となっており,作品名を冠したシリーズを展開しにくい状況にある。このため,グレード(ブランド)を前面に押し立てたラインナップを編成する傾向が強い。

 具体的に言えば,現在主力となっている1/144スケールは,ほぼ全ての新製品が「HG(ハイグレード)」と呼ばれるグレードで発売されており,基本的にはそのグレードを前提としたラインナップで編成され,作品を横断するラインナップとなることが多いのである。

ラインナップの変遷

 当初発売された「1/144スケール ガンダム」は,マジンガーZなどの各種キットと同じ「ベストメカコレクション」シリーズのラインナップであったことは,ガンプラファンならば既に知っているだろう。
 つまり,あくまでも「その他大勢」の中の一つであり,既存のプラモデル同様,「サイズに合わせたラインナップ」のひとつでしか無かったのである。(そのため,1/100スケールは,従前の大型キット的な構成であり,且つ,シリーズナンバーが存在しないのである。)
 こうして従前の300円サイズは1/144スケール(後に400円のものも登場したが)で展開し,それよりも大型のものは基本的に単品のデラックスキット扱いだったのである[7]。すなわち,当初発売されたガンプラは作品ラインナップを企図したものではないのである。

 しかし,MSVの展開が始まる頃になると,ベストメカコレクション以外のガンダム関連キットの数も膨大になっており,これらを区別する為に便宜的に「MSO(モビルスーツオリジナル)」というカテゴリが登場する。このカテゴリは現在は利用されることは無いが,簡単に言えば,「機動戦士ガンダム」に登場した機体などのキット全て(+未登場メカ)を合わせてひとつのカテゴリにしてしまった,というものなのである。
 現在では,単に「ノーマルシリーズ」などとも呼ばれるが,こうした区別を行うことで,他のベストメカコレクションとの差別化も図られているのである。(ちなみに,2010年現在,ベストメカコレクションの再版時には500円が定価となっているが,ガンプラのみ当時の定価300円が維持されている。これもガンプラと他のベストメカコレクションとの区別のひとつである。)
 MSV以降は,作品ラインナップが定着し,新作が制作される度にこうした作品名を関したラインナップが登場している。

 90年代後半になると,テレビとOVAといったように複数のガンダム作品が並行して制作される環境が訪れるのだが,この時期はまだガンプラのラインナップは従前の作品名を冠したシリーズであり,OVAもテレビシリーズもそれぞれが独立したラインナップをバラバラに展開していた。[8]
 これは,平行して制作される作品が,まだ既存の作品の系譜上の作品(第08小隊やエンドレスワルツ)であり,かつせいぜい2作品であったため,そのシリーズ名を冠しても問題なく認知されたことが大きい。

 しかし,2000年代に入るとテレビとOVAという単純な構造ではなく,ゲームやコミックなど数多くの「ガンダム作品」が並行して登場する状況となった。加えて,2002年放映開始の「機動戦士ガンダムSEED」は,ガンプラという商品にとっても久方ぶりの大きなブームとなったことも有り,(さらに複数の媒体,コミックや小説などの公式外伝を横断的に話が展開されたため)単純なラインナップ編成で対応するのが困難となった。
 この結果,2004年放映開始の「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」では,1/144スケールHGを「ガンダムSEED」のHGの連番とすることで,同一シリーズであることを強調したのである。(このため,SEED-MSVがあおりを食っているが,過渡期の問題ともいえる。)
 また,同時に1999年にスタートし,「『機動戦士ガンダムΖΖ』までの1/144スケールキットのリニューアルシリーズ」[9]として展開されていた「HGUC」シリーズで,「宇宙世紀を作品世界とする作品」のキットフォローを行ったのである。[10]

 2008年放映の「機動戦士ガンダムOO」では,ガンダムSEEDで確立したラインナップ編成を明確化し,初心者向け1/144FG,一般向け1/100,上級ユーザー向け1/144HGというラインナップとなった。このうち1/144HGは,関連作品全てを横断するシリーズとなっており,ラインナップが80に至る巨大なシリーズとなっている。
 こうした作品名を冠しながらも実際には,グレードによる製品ラインナップを形成しているのが,現在展開されているシリーズの特徴である。


ラインナップの種別(シリーズ名を冠したラインナップ)

 いわゆる作品名などを中心としたものである。
 ファーストガンダムは本来ならばそうした規定はないのだが,特例的に「機動戦士ガンダムシリーズ」として認知されている。
 これ以降,「MSV」,「機動戦士Ζガンダム」,「機動戦士ガンダムΖΖ」,「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」,「ガンダムセンチネル」,「機動戦士ガンダム0080」,「機動戦士ガンダムF90」,「機動戦士ガンダムF91」,「機動戦士ガンダム シルエット・フォーミュラ91」,「機動戦士ガンダム0083」,「機動戦士Vガンダム」,「機動武闘伝Gガンダム」,「新機動戦記ガンダムW」,「機動新世紀ガンダムX」,「新機動戦記ガンダムW エンドレスワルツ」,「機動戦士ガンダム第08MS小隊」,「∀ガンダム」と,いずれもシリーズ名を冠したラインナップが登場している。

 なお,「機動戦士ガンダムSEED」に冠しては,シリーズ名を冠した商品という意味合いと同時に,世界観を横断したシリーズという意味合いも持たされており,こうした流れは「機動戦士ガンダムSEED DESTINY」,「機動戦士ガンダムOO」,「機動戦士ガンダムAGE」にも該当する。
 このため,次節であつかうグレードによるラインナップとしての意味合いも持たされており,現在のガンプラを象徴する枠組みであるとも言えるだろう。

ラインナップの種別(グレードによるラインナップ)

 ガンプラにグレードという概念が登場したのが,1990年発売の「HGガンダム」である。[11]
 HGガンダムは,これまでMSVという枠の中でトライされてきたパーツ単位でのリニューアルと言った考え方ではなく,「1/144スケールキットを完全新設計で再発売しよう」という新しい考え方の下,製品化されたもので,ガンプラ10周年記念という枠内のものであった。
 だが,1993年の機動戦士Vガンダムのキットは,この「HGブランド」を再利用することとなる。つまり,1/100スケールのVガンダムにこのHGを冠したのである。この時点では従来のDX版である1/100スケールにHGを冠しただけにしか見えなかったのだが,その後発売されたガンイージやゾリディアにはHGは冠されなかった。結果的に変形機構を有するキットのみHGが冠されたのである。
 続くGガンダムでは,1/144スケールをVガンダム同様の組み立てやすいイージーキットとし,1/100スケールをHGシリーズとした。つまり,この時点で「デラックスキットとしてのHG」という意味合いが確立したのである。これはガンダムW,ガンダムXでも同様である。
 しかし,OVAで発売されたガンダムWエンドレスワルツや,第08MS小隊では,1/144スケールに再びHGのグレードが冠されたのである。(エンドレスワルツでは,1/100スケールにもHGが冠されている
り,エンドレスワルツ登場機では,従前のガンダムWシリーズの1/144スケールに比べグレードアップしたキットであったこともあって,HGFAというグレードが冠された。(FAはファイティングアクションの略で,決めポーズ用パーツが付属していた。)
 ところが,同年展開された機動戦士ガンダム第08MS小隊のキットは,1/144スケールで有り,かつ従前のキットが存在しないながらも最初から「HG」が冠されたのである。
 ガンプラファンならばおなじみであろうがこのシリーズの「グフカスタム」は,そのクオリティから,HGUCシリーズの立ち上げのきっかけとなった製品である。つまり,08小隊のキットとは,当初から現在のHGUCシリーズ的な(シリーズ作品の横断的なキットという)位置づけになり得るものだったのである。(グフカスタムは,グフのリニューアルという意味合いも有り,グフフライトタイプはグフ飛行試験型のリニューアルの意味合いもあった。仮に08小隊版ドムやアッガイがキット化されていたならば,ファーストガンダムの登場機のリニューアル的なイメージが持たされたであろう。)

 繰り返しになるが,ガンダムSEED放映後にガンプラのラインナップ編成は大きく変わっていくこととなる。宇宙世紀作品は,基本的にHGUCシリーズでの展開となり,かつてのデラックス版に相当するものが「マスターグレード」ということになった。
 この最大の理由は,宇宙世紀という世界観が(設定的に)重くなりすぎたということだろう。作品を見る為に膨大な予備知識を必要とする宇宙世紀作品は,テレビという年間を通じたスケジュールで展開されるよりも,クオリティを重視した「OVA」や「劇場」で展開した方が,求めるユーザーの要求に合致する。従って,製品展開も作品を横断した世界観を中心とした形でまとめた方が無難である。
 HGUCの持つ意義は,その点に存在していると言えるだろう。

 また,近年HGUCのラインナップにHGAW,HGFCとしてガンダムX,Gガンダムが加わったように,2000年代以前のテレビシリーズは「古典化」していったとも言えるのである。おそらく現在は展開されていないガンダムWや∀ガンダムもこの枠内に加わるのだろう。

 一方,2000年代以降のテレビシリーズは,複数の公式外伝を連動させ展開することが(現在の所)前提となっている。このため,1/144スケールをHGブランドで統一し,複数の作品を通じた様々な機体をキット化する方向性に集約された。
 一方で,1/100スケールは,比較的低年齢層などに組立易さ重視した大きめのパーツ分割の形で製品化されている。(DESTINYのころから,こうした模索はあったが,確立したのはガンダムOOにおいてである。)
 こうした製品ラインナップだと,比較的上級者向けのラインナップであるHGシリーズで多数の機体をラインナップでき,ビギナーや低年齢層向けラインナップに人気機体を用意するという方策が取れる。つまり,従来の1/144=標準と1/100=デラックスという考え方が逆転していることが分かる。
 作品名を冠したシリーズを展開しながらも,グレードごとの製品を容易可能という点で言えば,2000年代以降のテレビシリーズにおける製品展開は,理想的な形態が生まれつつあると言えるだろう。

 なお,現在展開されているグレードによるラインナップは次の通りである。

(0)無印・ノンブランド

 こうした区別が存在しないキット。
 単純にシリーズ名で呼ばれることが多い。
 ファーストガンダム関連は,特に「ノーマルシリーズ」と呼ばれる場合が多い。

(1)HG

 いわゆる「HG」のグレードが付けられたもの。
 HGブランドを冠した製品群で,ガンダムWのHGFAやVガンダム,Gガンダムなどの1/60スケールであるHGEXを含む場合もある。
 広義で捉えると後述する「HGUC」も含むが,一般的には別扱いされることが多い。
 また,特に1/144スケールの初期4種のみを指す場合,旧HGと呼ばれる場合もある。
 近年ではHGガンダムVer.30thや,エクストリームガンダム,Gセイバーなどを含むが,これらはわざわざ別扱いにされることも多い。(これは,ガンプラビルダーズの機体やHGメカの機体も該当する。)

 HGシリーズには,ラインナップ名がいくつか存在しており,これらを別々にカウントする場合もある。(HGガンプラビルダーズ,HGメカニクスなど。)
 このため,これら旧来のHGシリーズを細分化する場合には,以下の様に呼ばれる場合が多い。(なお,個々人によって異なる場合があるので,その点は了承頂きたい。)

 *旧HG(1/144 ガンダム,ガンダムMk-供うΕンダム,ガンダムΖΖ)
 *HGEX(1/60 V2ガンダム,シャイニングガンダム,ゴッドガンダム)
 *HGFA(1/144 エンドレスワルツシリーズ)
 *HGメカ(1/550 HGメカニクスシリーズ4種)
 *HGガンプラビルダーズ

 これら以外では,単品や他のラインナップ(例えば機動戦艦ナデシコなど)の作品名が冠されたものもあるため,その時々で呼称は変わっている。

(2)MG

 マスターグレードシリーズ。「MG」のグレードが付けられたもの。
 当初は旧HG同様ガンプラ15周年でスタートしたが,現在は標準化した。
 1/100スケールのリニューアルの意味合いが当初は強かったが,現在では1/100スケールのデラックスキット的な意味合いが強い。このため,近年の作品ではシリーズラインナップで1/100を発売し,そのわずか後にマスターグレード版を出すこともある。[12]
 また,ガンプラ以外でも「聖戦士ダンバイン」,「機動警察パトレイバー」などでMGブランドが冠されている。特に現在では,MGF(フィギュライズ)という1/8アクションフィギュアタイプのキットで「ドラゴンボール」シリーズや「仮面ライダー」シリーズが人気を博している。

(3)EXモデル

 特にスケールは限定されない「EX」のグレードが付けられたもの。
 従来製品化が難しいものを多少割高であっても製品化するという方向性は,ひとつのグレードである。つまり,EXとはグレードで有りシリーズ名でもあるのである。
 考え方としては,かつてのLMと同じものである。

(4)HGUC / HGAW / HGFC

 1/144スケールでのリニューアルキットを想定したシリーズであったが,現在では宇宙世紀作品では標準的な製品展開媒体となっている。(おそらく,∀ガンダム以前の作品は,この枠内に集約されていくものと思われる。)
 HGのサブカテゴリと捉えることもできるが,すでにひとつのシリーズとして確立しており,別格視されることが多い。

(5)HGガンダムSEED / HGガンダムOO / HGガンダムAGE

 HGUCと同様の考え方で,世界観ごとに製品系列を統一したもの。HG SEEDは,ガンダムSEED,SEED DESTINYなどコズミック・イラを作品世界にもつもので,HG OOはガンダムOO関連の「西暦」を世界観に持つ製品群である。(なお,ガンダムAGEについては,現時点ではテレビシリーズキットのみの展開であるが,公式外伝であるシドの機体の登場も企画されており,同様のフォーマットが企図されたいたと考えられる。)
 当初から,公式外伝の連動が想定されており,特に後者はテレビシリーズは,2シーズン合わせて50話という従来の本数でありながらも,公式外伝や劇場版を合わせ,80種を超える大量の製品数を誇っている。

(6)PG

 パーフェクトグレードシリーズ。
 その時々でバンダイが持つ技術の全てを投入した究極のキットとなるべき物。
 余りに高額であり,基本的に数年に1度開発販売される。
 第1弾がエヴァンゲリオン初号機であったように,ガンダムに限ったシリーズでは無いのだが,コスト的にペイできるのがガンプラしか無いという状況のため,エヴァシリーズ以外は,ガンプラのみである。

(7)RG

 リアルグレードシリーズ。
 ガンプラ30周年に合わせてスタートした新シリーズで,第1弾のガンダムは,1/1立像をイメージした「リアルな」キットとしてスタートしている。
 最大の特徴は,旧HGで投入されたMSジョイントの復活で,進化したMSジョイントであるアドバンスドMSジョイントは,ほぼ組み立て済みのフレームとして封入されており,これに装甲をつけていく,という扱いのキットとなっている。

(8)その他

 これ以外に膨大なシリーズを誇っているものに「BB戦士」がある。
 また,その時々にオリジナルのデフォルメシリーズなどが展開される場合があるが,現在は,こうしたスピンアウトラインはほとんど機能していないため,BB戦士以外は,事実上停止しているといっていいだろう。

 なお,こうした主となるラインナップ以外のシリーズに関しては,それぞれの項目を参照してもらいたい。

 ガンプラの種別(ガンプラのスケール)

 ガンプラを区分する際にシリーズラインナップ以外の考え方として,スケールを基準に考える場合もある。
 これは,ガンプラをサイズごとに区分しようという考え方であり,シリーズを横断した考え方のひとつとも言える。ただし,こちらの場合は,単純にサイズを基準にしているだけであるため,例えば航空機モデルで言えば「第2次世界大戦」時代の機体と,現用機をごちゃ混ぜにしたようなものである。
 ただし,コレクション的な側面や,技術発展を基準にした視点など,通常のキャラクターキットではあまり考えられない視点からの連続性を視認できるという意味では,非常に大きなメリットとして考える事もできる。

 例えば,一年戦争時からザンスカール戦争時まで1/144スケールでガンダムタイプを並べていけば,それだけでひとつのラインナップになってしまうのである。(同様な考え方を実在機で考えれば,例えば日本軍〜自衛隊の主力機が,零戦21型〜52型〜コルセア〜スターファイター〜F4〜F15といった流れであることを同一スケールで並べたようなものである。)

 ガンプラのスケールには,主に1/144,1/100,1/60の3つがあり,これらはいずれも最初のキットシリーズから引き継がれている。

 1/144スケールは,13センチ箱サイズ(金型の制限から生まれた)ものが,たまたま1/144に近かったことから誕生したもので,これが国際スケールであったためにヒットの要因になったとも言われている。
 1/100スケールは,従前の700円〜800円の大型キットのラインナップを踏襲したもので,1/100ガンダムの仕様だけが,他と異なっているのはそうした旧来の「遊ぶプラモデル」のラインナップのひとつとして設計が進んだためである。
 1/60スケールは,従来のデラックスキット,つまり年末商戦などで用いられる大きな箱入りプラモデルのラインを当てはめたものだが,ガンプラの大ブームによって2000円台のキットが標準化してしまったという一面がある。

 また,モビルアーマーの1/550スケールは,大型機が多いMAを商品化するための措置であったが,その後のMAの立体化において継承されている。

 これら以外にも各シリーズによって様々なスケールが用意されたが,基本的には上記のラインで統一されていると言っていいだろう。
 特に商品ラインナップが多いのが,1/144スケールであり,同一種のグレード違いを除いても膨大な商品数となる。
 次に数が多いのは,1/100スケールで,近年の作品では,この1/100スケールを初心者向けと位置づけた設計がなされていることが多く,ガンプラにトライするには,ガンダムSEEDシリーズやガンダムOOシリーズのこれら1/100スケールを進めるのが適当ともされている。

 ガンプラの素材

 初期のガンプラは一部を除き全て「ポリスチレン樹脂」で成型されていたが,Ζガンダムシリーズからは「ポリエチレン」のポリキャップが本格導入され間接のへたり防止に使用された。
 また,大型キットでは電飾や間接のへたり防止に金属パーツが用いられることもあった。

 現在では,ポリスチレン,ABS樹脂,ポリエチレン(ポリキャップ)が中心的な素材で,キットごとに必要に応じた様々な素材が用いられるという状況である。

 金型(バリエーション展開)

 ガンプラ以前(厳密に言えば,ガンプラ以後もそうだが)は,オリジナルのプラモデルなどでの金型の使い回しは半ば当然であった。
 ガンプラのパチモノで有名な各種キットもそうした流用品であったため,市場で反感を買うことが多かったのである。

 一方,ガンプラでもそうした流用を前提とした商品展開は当初から行われていた。
 例えば,量産型ザクとシャア専用ザクの様に,わずかなパーツの追加と成型色の変更によって違うキットとして販売されることは当初から想定されているのである。
 これは金型の製作費用が莫大であることに原因があり,現在一般的な1/144スケールで数千万,大型キットなどは数億になる場合もある。(それでも,CADなどによる製造でコストは下がってきているのではある。)このため,使い回しを前提とした企画を行わなければ,金型制作費すらペイできない場合があるのである。[13]

 コスト的に最も安く済むバリエーションが「カラーバリエーション」であることは言うまでも無いだろう。既にノーマルシリーズ時代から,「シャア専用ズゴック」と「量産型ズゴック」,「リアルタイプシリーズ」などで見られている手法である。これらは,単純に成型色を変えて生産したものである。
 また,ランナーに一部パーツを追加しておき,加工して取り付けられる様にするという手法もある。先に述べた「シャア専用ザク」と「量産型ザク」は,こうして成型色を変えることで生産するのである。

 現在では追加ランナーやスイッチによるランナーの切り替えによって別バリエーションやカラーバリエーションを生み出す場合がある。
 例えば,ガンダムSEED DESTINYシリーズのザクウォーリアは,背部バックパックを機体ごとに変える手法で,本体の成型色替えで数多くのバリエーションを生み出している。また,HGUCシリーズでもこうした手法で「ドムトローペン」,「リックドム供廚覆匹バリエーション発売されている。

 こうした方法で,「ガンプラ全体でのコストペイ」を行っている為,ガンプラは国内生産が可能なのである。他のメーカーが中国などに生産拠点を移転する中,バンダイは国内生産に拘っているのは,「金型の維持管理」,「品質の高止まり」などの目的があるためである。[14]
 それでもコストを抑えるのは難しい状況となっており,全世界的に原油高となった2008年には,遂に従来のキットの値上げを検討するという段階にまでなった。このときに初めて再版された「ちーびー戦士」シリーズは100〜200円の価格上乗せがあり,ガンプラとして史上初の値上げ商品となった。
 なお,現在の商品はそうした価格高騰も視野に入っているため,従前に比べると全体的に価格が高い。しかし,それでもHGシリーズで,1000〜1500円程度(旧HG〜08小隊頃)だったものが,1500〜2000円程度(ガンダムSEED〜ガンダムOO)になったもので,他のメーカーの商品と比較して格段に安いことは間違いない。

 現在では開発コストも肥大化しており,単純にコスト回収すら難しいこともあるため,作品の制作段階からバンダイ側とサンライズ側で打ち合わせ,バリエーション展開を前提としたデザインが作成されることがほとんどである。
 この方法論に関しては賛否両論有るのだが,数多くの商品を開発し,なおかつ画面上の見栄えを考える上で,やむを得ないという状況ではあるだろう。

 なお,このバリエーション展開についてガンプラの悪習の様に語るプラモデルファンもいるが,実のところプラモデルの開発に於いては「当然」のことであり,ミリタリーモデルなど他の分野でも当たり前のように行われている。

MADE IN JAPAN

 ガンプラは,(極めて一部を除いて)国内製品である。
 これは,バンダイがバンダイ模型として旧今井科学の工場を引き継いで[15]から変わることがない。
 ガンプラが大ブームになった際に,生産が追いつかずにやむなく韓国で生産したことがあるほか,元祖SDガンダムなどいくつかの商品を海外で生産したことがあるが,いずれも様々な問題を抱え込む[16]ことから,他の玩具部門等がマレーシアなど海外で生産している状況でも国内生産にこだわっている。
 静岡工場は,老朽化などの問題から2006年に「バンダイホビーセンター」として,新たな施設に移転したが,現在でもこの国内生産という方針に変化はない。
これは,国内でプラモデルを生産・販売しているメーカーとしてもかなり異色だが,それだけにクオリティコントロールには定評がある。

絶版商品

 ガンプラは,非常に特殊な商品であり,約30年前の商品が現在でもその当時の定価で購入できる。これだけ長い期間販売されている商品はあまり例がなく,そういった意味でもガンプラは特殊な商材なのである。

 バンダイの基本方針として,価格改訂を行わず,また,基本的に絶版にすることなく定期的に(金型メンテナンスを兼ねた)生産が行われている。(これを再販と呼ぶのは厳密には誤りであり,本来なら再生産でしかない。)
 ただし,昨今の原材料価格高騰の為,ちーびー戦士の様にやむなく価格改定が行われた商品も登場しており,この流れは広がる可能性は否定できない。(何しろ,初期の1/144ガンプラと本来同じシリーズであるメカコレは,現在再販時に500円〜600円の価格で再販されるため,いかにガンプラが低価格を維持しているか分かるだろう。)

 しかしながら,やむを得ない事情で絶版となってしまったアイテムがある。
 1/144のハイグレード版ガンダムである。
 この商品は,初版時から数多く再生産された上,MSジョイントという特殊なパーツ,変形するコアファイターの内蔵,システムインジェクションの導入,という非常にタイトな設計であった為,金型の劣化が激しく,2001年5月,新たなHGガンダムであるHGUC版の発売に合わせて,ガンプラ初の絶版となった。
 最後のショットでは,ショット時の年月を示すタグが追加され,パッケージにラストショットであることを示すシールが貼られた。(なお,ラストショットにはバリが多かったこともこの金型がいかに疲労していたか示すものだろう。)

 公式に絶版として示されるのは,上記HGガンダムのみであるが,実のところ諸事情によって事実上絶版ともいえる商品は他にも存在する。
 これらは,バンダイの公式な立場では「長期生産休止品」というものであり,「生産する可能性が存在する」商品である。
 実際,長期生産休止品であったものが,突然再生産されたことも多く,完全に入手をあきらめてしまう必要はない。ただし,情報収集は行わないと入手が困難である,ということなのだ。

 長期生産休止品には,以下のようなものがある。(あくまで代表的なものであり,実際にはそれ以外もかなり含まれる。また,シリーズの詳細については該当する項目を参照のこと。)

1.1/250いろプラシリーズ
 はじめていろプラ技術を投入したシリーズで,ガンダム,ザク,シャア専用ザク,グフが発売された。
 販売形態がタグ付き袋売りだったため,実のところ再生産が最も難しい部類の商品の一つである。

2.キャラクターコレクション(キャラコレ)
 100円売りだったフィギュア。
 諸問題で単品売りが難しく,1997年に再生産された際には価格を2000円として全10種をセットで箱売りした。
 これも上記同様再生産が難しい部類の商品である。

3.モビルスーツ戦国伝
 先のHGガンダム同様システムインジェクションによるMSジョイントを導入したシリーズ。いわゆるリアル武者で3種が発売された。
 HGガンダムやHGガンダムMk2同様金型の劣化が原因と思われ,ほとんど再生産の見込みは無い。
 ただし,HGガンダム以外の3種のHGと同様,再生産の頻度は少ない為,メンテナンス次第によっては再生産される可能性が残っている。

4.LM(リミテッドモデル)
 いわゆる簡易金型を使用した簡易インジェクションキット。
 価格は高価だが,商品のクオリティは低い。というのも,発泡剤を含ませた特殊なプラスチックを簡易金型内部で発泡させ成型させるものであり,簡単に言えばガレージキット(昨今のようにシリコン型が高精度化した物ではなく旧来のもの)である。
 元々はエヴァンゲリオンをキット化する為にスタートしたシリーズで,ガンダムWやガンダムXの機体がキット化された。(他にはファイナルファンタジーのキャラクタなど)
 蛇足ながら,勘違いされやすいが同じLMのタイトルを冠しているが,LMHGは,きちんとしたインジェクションキットである。
 このシリーズは,元々再生産が視野に入れられていない為,再生産される望みは低い。また,バンダイ側でも「インジェクションキット」という扱いにはなっていない。

5.BB戦士の一部キット
 BB戦士シリーズの一部キットは,金型にダイレクトに改修を入れてしまった為,再生産ができなくなっている物が存在する。
 例えば,武者サイコガンダムや初期のBB戦士などがそうで,金型流用商品を製作する為に金型を改修した為にこの様な事態となった。
 なお,「当時の形態での再生産」が不可能なだけであり,余剰パーツが付いた状態や成型色の一部が変更となった状態ならば再生産は可能である。
 また,当時採用の特殊技術が再現が困難なキットも再販される頻度がきわめて少ない。

6.ちーびー戦士
 BB戦士シリーズの低価格版としてリリースされた商品だが,コスト面と金型などの問題から長期再生産が行われていなかった。
 しかし,メンテナンスを行った上で,2008年9月に実に久方ぶりの再生産が行われた。(キャラコレのような限定品としての販売形態変更以外では)初の価格改定商品となった。

7.Ζガンダム版MSV
 Ζガンダムの劇中登場版MSVキットも長らく生産が行われなかった。
 権利問題等諸般の理由から行われなかっただけであり,MSVそのものが再生産できないわけではなく,ユーザー側からも渇望されていた。
 ただ,2006年の再生産時にはボックスに「復刻版」の表示がなされたため,この商品が事実上の「再販」であることを示している。
 おそらく,これから先に再生産された場合でも同様の表示があり,「当時のまま」の商品ではないという扱いになる物と思われる。

 蛇足ながら,Ζガンダムシリーズの1/220スケールは,再生産の頻度が少なくはあるが,定期的にメンテナンスの末出荷されている。
 これを事実上の絶版商品的に扱うのは間違いである。

8.バブルキャストモデル
 厳密に言うと,ガンプラではなく限定生産の特殊なモデルである。
 発泡スチロール製の大型モデルの為,これは再生産は事実上不可能。

9.元祖SDガンダムシリーズ
 これも厳密にはインジェクションキット扱いではなく,海外生産の玩具である。
 また,一部金型が損傷している,行方不明などの話があり,再生産は難しいと思われる。
 同様に,塗装を施したため,海外生産扱いとなっているフルカラーモデルやスピードグレードなども再生産が困難なキットといえるだろう。

 ガンプラが与えた影響

 ガンプラは,発売当初からCMなどを積極的に行っており,これを目にしたことで購買する層ももちろんあった。(他のプラモデルのCMを目にしたことがあるだろうか? ほとんど無いはずである。それだけ,ガンプラの販売層は広いのだ。)

 また,ガンプラを主題としたマンガも数多く展開され,多くはコミックボンボン誌上に掲載された。また,いわゆる児童向け情報誌であるテレビマガジン(一時期はライバル誌である「てれびくん」,「テレビランド」でも扱っている)などでもガンプラを扱った記事が登場している。
 これに続けとばかりに「マクロス」などのプラモデルを扱ったマンガをコミックボンボンのライバル誌「コロコロコミック」などでは連載していた。直接的な関連を述べられることは少ないのだが,ミニ四駆関連のマンガも同じようなものであると言えるだろう。

 また,現在では「ケロロ軍曹」の様に作中でガンプラが堂々と登場するマンガも存在する。ケロロ軍曹では,原作時点で既にこれらガンプラがケロロ軍曹の趣味として登場しており,アニメ版ではガンダムを制作したサンライズが制作していることもあり,ガンダムネタが数多く登場している。(特にガンプラネタは暴走気味な物も多く,一時期はケロロ軍曹のアニメや原作で登場した後に実際にラインナップに加わると言った事態も起きていた。)
 他にもサンライズが制作に関わった原作付アニメにもガンダムネタが登場することもあり,ガンダム〜ガンプラブームが与えた影響は大きい。


 関連項目


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最終更新時間:2012年12月08日 19時51分56秒

 ノート

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脚注

  • [1]元々ディスプレイモデルの概念が無かったわけではないので,注意が必要。この頃にそういった流れが加速したということなのである。
  • [2]意外と知られていないのだが,実はヤマトにもモーターライズの商品が複数存在している。つまり,そういった過渡期だったのだ。
  • [3]漫画単行本で言えば,あだち充氏や高橋留美子氏が全ての単行本の累計売り上げが1億部を突破している。これらがプラモデル以上に流通しやすい形態での出荷数であることを考えると,如何にガンプラがすごかったか,わかるであろう。
  • [4]これに追い打ちをかけたのが,デパートでの将棋倒し事件である。
  • [5]これはガンプラの生産ラインを確保するという意味合いもあったが,こうした措置の為,これまで高い人気を誇っていたバンダイの1/48シリーズが事実上幕引きに追い込まれたのである。
  • [6]実は,この状況は現在も変わっていない。以前ほどの勢いではないが,プラモデルの売り上げはキャラクターモデルによって保たれている状況であり,スケールモデラーが言うほどスケールモデルがプラモデル業界に貢献しているとは言い難い状況なのである。
  • [7]ちなみに,企画時の呼称は「ガンダム小・大」あるいは,1/100を「デラックスガンダム」と呼ぶものであった。
  • [8]例外的に,作品間を横断するシリーズとしてマスターグレードは存在していたが,まだガンプラ15周年記念といった意味合いが強く,グレードによる製品ラインナップという意味合いには遠かった。
  • [9]ただし,これが単純なリニューアル企画ではなかったことは,「HGUC」を参照のこと。
  • [10]HGUCのラインナップを見てもらうと分かると思うが,2005年〜2006年から「AOZ」やゲームオリジナル機の製品化が立て続けに行われているのである。「AOZ」などは従来の考え方だと,パーツ流用はあっても,シリーズ名を冠した独立したシリーズとなるはずだが,当初からHGUCシリーズのラインナップとして編成されている。これは,ガンダムSEEDとSEED DESTINYの編成が影響していると考えられるのである。
  • [11]実のところ,それ以前は「1/144が通常版,1/100がデラックス版」という意味合いが持たせられており,価格帯によるグレードは存在していた。後述するが,これは現在でも同様である。ここでは,1/144スケールという既存キットと同スケールで「グレード」という概念が登場したという意味合いが大きい。
  • [12]劇場版ガンダムOOのダブルオークアンタが1/100スケールを出さずに,いきなりMGだったのは,劇場用作品というユーザーを選ぶ作品であった為,低年齢層向けラインナップとしての1/100が避けられたのだろう。
  • [13]この点が流用の効かない,HGオーラバトラーシリーズやHGヘビーメタルシリーズでは,影響したと思われる。
  • [14]実際,元祖SDガンダムシリーズは組立玩具ということで,海外に金型を移転した結果,所在不明になった金型も多く,再版が不可能な物がほとんどとなっている。
  • [15]今井科学は1969年に1度倒産しており,この際にバンダイ模型が静岡の工場と金型を引き継いでいる。
  • [16]実は韓国でのガンプラ生産は,金型のコピーによって様々な海賊品を生み出すきっかけとなったとされている。また,元祖SDの海外生産は金型紛失などの問題を生み出した。