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ウェイブライダー
説明
正面からみて逆V字型で，くさび形の平面をしたリフティングボディ機が，超音速で飛行する際に衝撃波が機体の下面に集中することから，「衝撃波の上に波乗りする」という意味合いをもって呼ばれるようになったもの。
このため，元来の意味としては高高度での超音速機や大気圏往還機などの形状の候補として考案されたものである。機体全体で揚力を生み出すという意味では，全翼機（アメリカ軍のB2ステルス爆撃機など）と同じ考え方であるが，リフティングボディ機は，機体剛性の高い高速性を重視した形状であるともされており，往還機には適した形状といえるだろう。
ウェイブライダーという語を有名にしたのは，U.C.0087年に勃発したグリプス戦役の際に，エゥーゴが対ティターンズ戦の切り札として投入した可変モビルスーツ，MSZ-006《Ζガンダム》のモビルアーマー形態をウェイブライダーと通称したことがきっかけであろう。
Ζガンダムの登場以前に実戦投入されていた可変モビルスーツ（可変モビルアーマー）は，その多くが旧ジオン公国軍が一年戦争時に採用したモビルアーマーの持つ特性とモビルスーツの特性を併せ持った機体がほとんどであった。木星船団の長であるシロッコが投入したメッサーラや，オーガスタ研究所が投入したギャプランなどは正に運用目的上もモビルアーマーとモビルスーツ双方の機能を搭載したものであったし，連邦軍で制式採用されたアッシマーもサブ・フライト・システムの必要性を排除するための飛行形態ではあったが，脚部が独自に可動するなどまだMA的な要素を残していたのである。
これに対して，ΖガンダムのMA形態は，システムの試作機となったMSA-005《メタス》同様，宇宙戦闘機という印象が強い。（メタスは脚部と腕部を固定しており，MA時にAMBAC作動肢を持たない。これはΖも同様で，テールスタビレーター以外の作動肢がなく，MAというには若干の違和感がある。）
また，Ζガンダムの最大の特徴として背部に装着したフライングアーマーを標準装備の状態で，ノンオプションでの大気圏突入が可能であることが挙げられる。このため，ΖガンダムのMA形態を大気圏突入往還機同様にウェイブライダーと呼称するようになった。
Ζガンダムには複数のフライングアーマーのプランが存在しており，その中には大気圏内飛行用のプランも存在しており，その飛行形態にはウェイブシューターという名称が与えられていたが，これが一般に用いられることはほとんど無く，このプランの量産型ともいえるMSK-006《Ζプラス（大気圏内型）》の飛行形態もウェイブライダーと通称されるようになってしまった。
その後，Ζガンダムがグリプス戦役期に大きな戦果を挙げたことは周知の通りであるが，この結果エゥーゴ系の可変モビルスーツの多くは，MA形態を（よほどのことが無い限りは）ウェイブライダーと呼称するようになったのである。
これは，後に誕生するいわゆる「Ζ系」MSでも同様であり，航宙戦闘機にもウェイブライダーという名称が与えられるなど，本来の意味とは異なった形で用いられる様になった。
ウェイブライダー形態を持つ可変モビルスーツ
MA形態のことを俗にウェイブライダー形態と呼ぶ可変MSには，以下の様な機体が存在する。
- MSZ-006 Ζガンダム
- Ζプラス系量産機
- MSZ-008 ��
- MSN-001 デルタガンダム
- デルタプラス
- RGZ-91 リ・ガズィ
- RGZ-95 リゼル
関連項目
編集者
最終更新時間：2014年11月23日 17時20分01秒
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脚注