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アニメ誌の変更点

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!!!アニメ誌
*[関連用語]
!!説明
 アニメ雑誌,アニメ情報誌などとも。
 アニメ関連の情報を扱う雑誌のことで,ストーリーやキャラ・メカといった情報だけではなく,関連クリエイターの情報も提供されることが多い。

 2011年現在,刊行されいてるのは「[[アニメージュ]](徳間書店)」,「[[アニメディア]](学研)」,「[[ニュータイプ]](角川書店)」の3誌。また,これに関連したジャンル別雑誌として,「MEGAMIマガジン」,「娘Type」といった美少女アニメ雑誌や「PUSH!!」などの女性向け誌,「Voiceアニメディア」などの声優誌なども存在する。

 前出3誌が基本的に,アニメ本編そのものを記事とする総合的な雑誌であるのに対して,残りはジャンルに特化した部分が強いこともあり,単に「アニメ誌」といった場合,昔ながらの編集方針による前出3誌を指すことが多い。

 一方で休廃刊した誌面も多く,かつ,ガンダム関連を話題にする場合,どうしてもそれら休廃刊誌を話題に出さざるを得ない場合も多く,こうした状況から,本Wikiでは,休廃刊誌もアニメ誌の枠内として解説項目が存在している。これは,ガンダムを強く扱ってきたアニメ誌という位置づけがある為で,80年代のアニメ誌が中心となっている。

 既に休廃刊してしまったアニメ誌として,「[[OUT]]」,「[[アニメック]]」,「[[ジ・アニメ]]」,「[[マイアニメ]]」,「電撃アニメーションマガジン(電撃アニマガ)」などが,Wiki内では項目化されている。(OVA専門誌として創刊された「アニメV」後の「Looker」は,その性質上,現時点では項目化されていない。)
 こうした数多くのアニメ誌が創刊されては消えていき,現在では先に示した3誌が,事実上の生き残りであるという状況なのである。

!アニメ誌・その歴史と盛衰
 アニメ誌は,これまでアニメファンの増加が起こるようなブーム期に創刊され,これが一段落すると淘汰されるというサイクルがその販売実績からも確定しているといっていいだろう。そのため,「アニメファン」という言葉が定着する以前は,アニメ(テレビまんが)を扱う雑誌は,児童誌(テレビマガジン,テレビランド等)や冒険王といった一部漫画誌のみであった。
 宇宙戦艦ヤマトのヒット後,「アニメーション」という言葉の定着と共に,ファン層も従来の低年齢層だけではなくヤング層にまで広がり始めた。この時期にサブカルチャー誌として創刊された月刊OUTが,創刊2号(1977年6月号)でヤマト特集を組んだのだが,これが人気となり雑誌としては異例の2度の増版の結果,アニメ誌に舵を取り直したことから,事実上のアニメ誌第1号となった。{{fn OUTがアニメ誌第1号というのは,厳密には異なり,取り次ぎ流通のない形で専門誌「ファントーシュ」が存在していた。しかし,「取り次ぎ流通が無い=一般書店に並ばない」ため,認知されていない。というのも,ファントーシュは,自費出版であるため,正規流通本とも言い難いのである。そのため,ここでは取り扱わないこととする。}}
 その後,追随して「アニメージュ(1978)」,「アニメーション(1978)」,「アニメック(1978)」,「ジ・アニメ(1979)」,「マイアニメ(1981)」,「アニメディア(1981)」と創刊ラッシュが続いた。

 この創刊ラッシュは,宇宙戦艦ヤマトと続く機動戦士ガンダムブームによるところが大きく,こうしたブームは,1980年代前半を象徴する状況であるといえる。
 これは1985年の「ニュータイプ」の創刊と,その直後の各誌の休廃刊が象徴している。すなわち,機動戦士ガンダム(と,サンライズ作品)を中心に打ち出したニュータイプは,新規創刊にこぎ着けた訳であるが,既存のアニメ誌では,既に「アニメーション(1981)」が休刊しており,「ジ・アニメ(1987)」,「マイアニメ(1986)」,「アニメック(1987)」と立て続けに休刊が続いた。この頃,アニメ誌が積極的に取り上げてきたリアルロボットアニメの衰退が始まっており,と同時にテレビ放映されるアニメそのものの数が減少していた時期であり,各誌は差別化を打ち出そうとしたが,耐えきれなかったという状況なのである。
 実際,この頃を乗り切ったアニメ誌は,この状況を乗り切っただけのそれなりの理由があり,ファンに買い支えてもらえるだけの特徴を持っていたといっても過言では無いのである。(例えば,アニメージュ=宮崎作品,ニュータイプ=サンライズ作品,アウト・アニメディア=投稿読者層の形成,といった具合である。)

 続く80年代後半から90年代初めにはOVAブームが到来する。
 初期のOVAは,既存のテレビ作品のスピンアウトだけではなく,美少女キャラクター物も多く,この流れは90年代前半の「セーラームーン」ブームやアイドル声優ブームに繋がり,こうした分野に特化したアニメ誌の創刊が相次ぐこととなった。
 この時期にも非常に多くのアニメ誌(あるいはアニメ関連誌)が創刊されているが,そのほとんどが短命に終わってしまっている。一例を挙げれば,「MEGU(青磁ビブロス/1995〜1997)」,「Vバージョン(みのり書房/1990)」などが挙げられる。その中でも,OVA専門誌の「アニメV」は,「Looker」と誌名変更を行いながらも,1985〜1999と分野を絞った専門誌としては健闘した方であろう。
 このOVAブームは,高額なオリジナルビデオをどうやって購入してもらうか,という点で様々なキャラクターなどを生み出したが,90年代に入り,バンダイビジュアルの4800円という価格破壊(機動警察パトレイバーなど)によって,ブームそのものに陰りが見えてしまう{{fn 実のところ,90年代に入る頃にはOVAのブームは下火になりつつあった。理由として,(1)高額である,(2)それにも関わらず作画などでアラの目立つ作品が増えた,(3)シリーズの展開に時間がかかりすぎる,(4)場合によっては打ち切られ最後まで見ることができない,などの問題点があった。例えば,銀河英雄伝説などは,契約販売という手法でこれをクリアし,バンダイビジュアルは価格破壊で応えた。こうした流れが他のメーカーの淘汰を進めてしまったというのが実情だろう。}}。
 こうしたOVAというジャンルは特に2000年代に入ると淘汰されてしまい,自然と姿を消すこととなる。これが姿を変えたのが,いわゆる深夜アニメであり,短期クールで放送し,ソフトウェアや関連商品の販売で,利益を出すという方法論に変化したのである。

 こうした状況下,今度は「新世紀エヴァンゲリオン(1995)」のブームが到来する。しかし,その直前「OUT(1995)」が遂に休刊,ひとつの時代の終わりを象徴するかのような事件だった。
 その後,90年代末から2000年代初めまで,キャラクターやビジュアルに特化したアニメ誌が数多く創刊されている。(「AX(ソニーマガジンズ/1998〜2001)」,「Newtype.com(2000〜2002)」,「電撃B-magazine/電撃Animation magazine/電撃アニマガ(1998〜1999〜2001,2002〜2005)」など,いずれも短命。)

 2000年代に入ると,総合的なアニメ誌は「アニメージュ」,「アニメディア」,「ニュータイプ」の3誌の状況が定着し,それ以外のジャンル誌で各社が火花を散らしている状況である。
 しかし,美少女アニメ誌では学研のメガミマガジンが通巻150号に到達しようかという状況ではあるが,他の分野では混沌とした状況が続いており,創刊だけでなく休廃刊も相次いでいる。(ただし,声優誌は例外的で,現在刊行されている3誌が安定してファン層を形成しており,アニメ誌同様の状況となっている。)
 これは,「情報媒体としてのアニメ誌」の魅力が低下していることが理由のひとつで,出版不況下,インターネットによる情報収集も可能な状況である為,アニメ誌を情報入手の手段として考えられなくなっていることが最も大きい。
 このため,各アニメ誌はインターネットでの情報収集などでは得られない分野にそれぞれの記事リソースを振り分けており,前出の3誌のように雑誌としての特徴が安定していることが重要なのである。
!アニメ誌の特徴と分類
 前項で示した通り,アニメ誌として一般的に認知される3誌は,総合的な情報誌としての位置づけがはっきりしている。(アニメージュは「宮崎作品系」,ニュータイプは「ビジュアル発信」,アニメディアは「ユーザー参加型」とそれぞれの特徴がはっきりしているのも特徴的である。){{fn 実は,その中でもアニメディアは突出して特徴的な部分がある。アニメディアは,各アニメを広く浅く紹介するが,特集は,「各アニメを横断的に」行う上,ユーザー視点での参加を前提としているのである。これは,(言葉は悪いが)児童誌などとの発想と同じで,ユーザーが迎えるイベントに「アニメ側を組み込んでしまう」という発想なのである。例えば,1月号では正月イベント,2月号ではバレンタインイベント,といった具合に,アニメ本編が全く関係なくても,そのアニメに登場するキャラクタをイベントに関連したイラストを書き下ろさせるなどの明確な指針が存在しているのである。故に,アニメディアに書き下ろされたイラストは貴重なものが存在することも多く,これが元でスピンアウト的なイラストが誕生することも多い。}}

 対して,これら3誌以外のアニメ誌(或いは,アニメ関連誌)は,いずれも特定分野を中心とした「ジャンル別専門誌」といった体裁となる。
 また,一部には批評や研究雑誌的な側面を持ったものもあるが,これらも大別すれば専門誌でしかなく,特にこれらの雑誌は定着せずにすぐに休刊することが多い。{{fn これは,アニメの批評,研究というものが,きちんとした方向性を持っていない事に原因がある。エヴァの時に様々な評論が行われたが,評論の方向性や書き手のバランス感覚などの問題もあり,評論として機能していなかったものも多く,特に「好き嫌い」が明確に現れてしまうタイプのアニメには,こうした評論・研究は向かないのではないかとも思われる。
 あえて言えば,かつてのアニメックやB-CLUB(後期),グレートメカニックなどがそうした点で成功しているといえるのではないだろうか。
!アニメ誌と誌面作り
 アニメ誌の誌面作りは,基本的にそのアニメ誌の独自色が現れてくる。(ニュータイプなら,ビジュアルイラストを中心にその周囲に記事を展開する,アニメディアなら季節のイベントイラストを中心にその周囲に記事を展開する,といった具合。)

 休廃刊した雑誌では,OUT,アニメックは,その独自の存在感から特徴的な誌面作りを行っていた。特にOUTは,前身がサブカルチャー誌で,宇宙戦艦ヤマトのヒットをきっかけにアニメ誌に変貌したという経緯からか,独特の切り口で作品を紹介したり,時には雑誌そのものを使って,作品を「茶化す」こともあった。それ故に,オリジナルのパロディやネタ企画が花開くことも多く,数多くの才能が育った雑誌でもあった。
 一方,アニメックは独自視点で切り込むタイプのアニメ誌で,インタビューや様々な資料を総合的にまとめる手法での記事展開が多かった。このため,独自の特集から生まれたガンダム関連の設定が,公式設定となったものも多い。

 こうしたアニメ誌独自の誌面作りというものは,近年難しくなっていることは言うまでも無い。深夜アニメに代表されるような短期アニメは,1クールであるため,アニメ誌の場合3回しか掲載チャンスが無く,ストーリーの解説のみで終わってしまうことも多い。一部人気作が,年を通じて説明されることがあるくらいで,ほとんどが一過性のものとなってしまうのである。また,これに輪をかけるのが昨今の製作本数である。
 こうした状況である為,月刊誌であるアニメ誌では情報過多が起きてしまっているのである。かといって,かつてマイアニメが行ったような月二回刊に移行できるだけの体力が現在のアニメ誌にあるとも言い難く,「紹介する作品を絞る」か,「多くの作品を広く浅くする」のいずれかになって行かざるを得ないのである。
 こうした理由から,現在のアニメ誌の体裁がこれ以上変化することは,まず起こりえないと言えるだろう。

 また,近年版権ビジネスの影響を受け,掲載できる資料等の問題も生じている。「サンライズの権利関連のうるささ」は,一部Webで記事となったが,こうした事例は他にも生じている。(かつては,サンライズが甘く,小学館や集英社が厳しかった。)しかし,これも当然と言えば当然であり,一時期アニメ誌が暴走した結果ともいえる。
 自分たちが作りたい記事の為にアニメ製作会社の意向を無視した記事を掲載していたこともあり,そうした事例の積み重ねが結果的に版権のビジネス化の一要因とも言えるのである。(その点で言えば,現在でもアニメディアが自由にやれている点は,そうした版権ビジネス面との折り合いが付いているから,とも言えるだろう。){{fn この点は,ガンダムOOの水島監督のインタビューでもうかがい知ることができる。他のアニメ誌やホビー誌にはネタバレや情報流出にならないように記事をチェックし,イラストにも気を払っていたが,アニメディアのみ編集部の意向に任せていた,というものである。これは,アニメディアのスタンスが,ユーザーと共に誌面を作るというものであり,速報競争の様な状況とは異なるからである。逆に言えば,安心して自由に記事を作らせられるということになる。}}

 現在ニュータイプやアニメージュの特集トップを飾る作品をみると,方向性が定まっていることが分かるだろう。いずれもサンライズ系やガイナックス系,マクロスといった定番の作品(加えて,自社がプッシュする作品)ばかりなのである。
 つまり,アニメファンに人気が出るタイプの作品が中心なのである。

 詳細は,各項目に譲るが,これらアニメ誌が担ってきた役割は,現状では「[[ガンダムエース]]」や各種[[ホビー誌]]にシフトしたといっていいだろう。
 現在,生き残っている各誌は,いずれも情報を広く発信するスタンスを継続しているのが特徴である。逆に言えば,それだけ大規模な特集を組むだけの力を持ったアニメが存在しなくなっていることもまた,事実なのである。
!!マイナーなアニメ誌
 ここでは,上記説明で取り上げながらも項目化されていないアニメ誌や,そもそも取り上げられてもいない雑誌,さらにはこうしたアニメ関連に関係した雑誌などを簡単にまとめる。
 いずれも編者が大したことはない,という判断を下しただけであるので,特にガンダム関連に絡めた解説を執筆できる人に,その項目の執筆はお願いしたい。
!PASH!
 主婦と生活社から刊行された隔月刊行のアニメ誌。2004年創刊。
 ムック型式で,女性アニメファンをターゲットとしている。
 現在も不定期(?)でほそぼそと刊行中。
!MEGU
 青磁ビブロス刊行のアニメ誌。1995年創刊,97年休刊。
 1995年7月創刊の月刊誌。前述『月刊アウト』から移籍したスタッフにより創刊されるも長く持たず、1997年3月休刊。
 みのり書房解散により休刊となったOUTの編集長が青磁ビブロス移籍し,後継誌として創刊した物。そのため,創刊当時は「OUT色」が残っており,特に投稿コーナーは活発であった。
 しかし,編集長の交代以後,誌面から月刊OUT色が一掃され,結果的に低迷し休刊した。
!AX
 ソニー・マガジンズ刊行のアニメ誌。1998年創刊,2001年廃刊。
 同時期創刊の電撃系と同じくビジュアルや付録(ダイジェストDVDなど)を付けることで,差別化を図ろうとした。
 しかし,売上は伸びず,ソニー・マガジンズの関連事業撤退に伴い廃刊した。
!Globian(グロービアン)
 OVA専門誌。アダルトOVAのコーナーがあった…という程度しか記憶していない(^^;!V VERSION(ブイ・バージョン)
 みのり書房刊行のOVA専門誌。
 ビジュアルの見せ方が上手く,情報が細に入っていた記憶があるが,あっさり消えていた。
!ランデヴー
 みのり書房刊行。厳密に言えば評論誌で,OUTの増刊として刊行されたが,1年ほどしか持たなかった。1977〜1978という年代を考えると,早すぎたのだろう。
!ファントーシュ
 日本発のアニメ雑誌。とはいえ,自費出版誌であり,且つ,版元の問題で出たり出なかったりを繰り返した本,という印象しか無い。
!アニメーション
 1978年創刊,OUTに続いたアニメ誌のひとつで評論系。
 早すぎた雑誌のひとつ。
!動画王
 キネマ旬報社刊行。1997年創刊。
 アニメファンの土壌ができた時期の本であるとは言え,評論系の難しさを証明してしまった本。非常に高密度な記事であったが,4年12冊をもって休刊。
!アニメ批評
 ゲーム批評を刊行しているマイクロマガジン社の雑誌。
 1号のみで終わっている。
!アニメスタイル
 クリエイター中心の記事でまとめた雑誌。
 雑誌としては2号で終わっているが,現在もWebで更新中。
!Anime Studio
 宙出版刊行,2004年創刊,2号で休刊。
!アニメーションRE
 終了したアニメを中心に深く掘り下げて行こうという雑誌で,付録DVDが充実していた。
 しかし,3号で休刊。
!メカビ
 講談社刊行。オタク文化に焦点を絞ったサブカルチャー誌。
 4冊刊行時点で休刊。
!声優グランプリ
 主婦の友社刊行。現在でも「声グラ」として刊行中。
!Pick-up Voice
 現在も刊行中の声優誌。
!萌えめーじゅ
 アニメージュ増刊として刊行された美少女誌。
 他誌に比較しインパクトに欠け,あっさりと消える。
!アニソンマガジン
 洋泉社刊行のアニメソング専門誌。
 現在も年1冊のペースで刊行されている。
!!関連項目

!!編集者
*あさぎり
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