!!!ア・バオア・クー *[用語] //*読み: *分類:基地 *区分:[[宇宙世紀]] *出典:[[機動戦士ガンダム]] !!説明  ア・バオア・クーは,ラグランジュ2軌道上に配置されたジオン公国の宇宙要塞である。2つの資源開発衛星を接合したため,その形状は傘のような独特の形をしており,内部は,開発工廠などを擁する大規模な要塞都市として完成している。  グラナダの[[キシリア・ザビ]],ソロモンの[[ドズル・ザビ]]同様,[[ギレン・ザビ]]総帥の直接統帥下にあり,公国随一の戦力を有している。  L2に設置されていることからも分かるとおり,ジオン本国においては,極めて重要な要の位置に存在する要塞であり,防衛戦上も最終ラインの要となっていた。それ故に,連邦軍もこれを無視してサイド3本国へ直接侵攻を行うことで挟撃される可能性を考慮したこと{{fn 実際には,それだけの理由だけでア・バオア・クー攻略戦が立案された訳ではないのであるが…。}}もあり,一年戦争決戦の地となった。 !ア・バオア・クーの構造  ア・バオア・クーは,元々は資源採掘のためににアステロイドベルトから移送された2つの小惑星であったが,連邦とジオン公国の間に不穏な空気が流れ始めた時期から極秘裏に要塞化が進められ,U.C.0079年6月に要塞として完成している。(一般には,本要塞の完成を持って,月面基地[[グラナダ]],要塞基地[[ソロモン]]を結ぶ,ジオン公国の最終防衛ラインが完成したと言われている。)  構造的には,上部の傘状の小惑星上面と,その下面およびそこに接合された枝状の小惑星からなっており,傘の上面からみて東西南北を4つのエリアに区分し,防衛エリアとしている。  4つのエリアはそれぞれ,N(ジオン公国本土側),E(月の裏側/グラナダ側),W(外宇宙側/Eの反対側),S(地球側)という形で設定されており,それぞれに配備された艦艇,MS部隊,そして要塞そのものの対空防衛システムにより,非常に堅牢な最終防衛線を形成していた。特に,それぞれのエリアの対空防衛システムの射角が重なる部分は,正に雨のように砲撃が加えられる苛烈な領域となっていた。  内部には,各種司令施設を始め,様々な施設が建造されており,要塞としての機能は充実したものとなっていた。また,元々が資源衛星であったため,内部にそれら資源の加工用設備も設置されていたことから,工廠としての機能も有しており,開発こそジオン本国で行われたが,実際の生産はア・バオア・クーで行われた機体も多い。  同様にミサイルなどの弾薬の多くもア・バオア・クー内部で生産可能であったことから,連邦軍の当初の計画では,ア・バオア・クーに侵攻せずに,これを迂回してジオン本国を強襲するプランが選択されたほどであった。 !各フィールド解説  前出の通り,ア・バオア・クーは防衛ラインとして強固な物が求められており,要塞を防御する各防衛戦力も強力なものが配置されていた。特に,各エリアの中心線となる宙域はア・バオア・クーの砲撃が交差する部分であるため,極めて強力な砲撃にさらされる部分でもあった。  4つのエリアは,東西南北にちなんだ「N/E/W/S」の各エリアとなっており,それぞれに部隊を統括する大型空母(または戦艦)が配置され防衛線を構成していた。 :Nフィールド:  ア・バオア・クーにおける宙域を示す基準エリアのひとつで,天頂方向の中心線から下端へと向かって垂直に見て,これを4分割した場合に,サイド3本国側を中心とした90°角のエリアをNフィールドという。  ア・バオア・クー攻防戦において,ソーラ・レイ照射による損失を逃れた連邦軍第2,第3艦隊はSフィールド別働隊を除く総力をもって攻撃を行っている。これに対して公国軍はドロスを中心とした部隊を配置し,さらにグラナダより派遣されたグワジンをも配置することで戦線を支えた。 :Eフィールド:  ア・バオア・クーにおける宙域を示す基準エリアのひとつで,天頂方向の中心線から下端へと向かって垂直に見て,これを4分割した場合に,月方向(グラナダ側)を中心とした90°角のエリアをEフィールドという。  ア・バオア・クー攻防戦時には,グラナダからの支援艦隊も想定されていたことから,連邦軍の派遣された部隊もそれほど多くなかったエリアである。(実際,戦闘序盤には,本エリアを経由しグラナダからグワジン等が配備されている。)  一方で,公国軍側も本エリアに重要な戦力を配置していたとは言いがたく,学徒動員兵によるオッゴ部隊など,戦力的には乏しいと言わざるを得ない状況であった。(なお,最終局面では,制圧のための艦隊がNフィールドからWフィールド,Eフィールドを経由してSフィールド側へと展開しながら移動している。この部隊と,駐留部隊の戦闘は,終戦協定発効以降も散発的に続いたと言われている。) :Wフィールド:  ア・バオア・クーにおける宙域を示す基準エリアのひとつで,天頂方向の中心線から下端へと向かって垂直に見て,これを4分割した場合に,外宇宙側(Eフィールドの反対側)を中心とした90°角のエリアをWフィールドという。  このエリアは,その位置づけからも進撃が難しい場所であり,ア・バオア・クー攻防戦においては,大きな戦闘は起こっていない。  このため,戦闘末期においてア・バオア・クーより離脱する公国軍艦艇はWフィールドを中心に離脱していくこととなった。(なお,最終局面では,制圧のための艦隊がNフィールドからWフィールド,Eフィールドを経由してSフィールド側へと展開しながら移動している。この部隊と,駐留部隊の戦闘は,終戦協定発効以降も散発的に続いたと言われている。) :Sフィールド:  ア・バオア・クーにおける宙域を示す基準エリアのひとつで,天頂方向の中心線から下端へと向かって垂直に見て,これを4分割した場合に,地球側を中心とした90°角のエリアをSフィールドという。  このエリアは,ア・バオア・クー攻防戦時において連邦軍にとって本命とも言うべきエリアとされ,Nフィールドに大部分の戦力を当てることで,公国軍の防衛線を引き寄せることで,ホワイトベースを中心とした部隊が要塞へと直接攻撃をかける戦術がとられている。この際,連邦軍は遠距離からA〜Fの防衛戦ラインを想定し,これらを突破することで要塞へ直接モビルスーツをとりつかせることを第1の目標としていた。  先行したモビルスーツ隊は赤い彗星のシャアが搭乗するMSN-02《ジオング》によってその進撃を一時的に妨害されるが,アムロ・レイのRX-78《ガンダム》がこの戦闘を事実上引き受けたことで,要塞へとりつくことに成功,以後,連邦軍有利に戦況が進むこととなった。  なお,蛇足ながらSフィールドの497ブロック{{fn ブロックナンバーの出典は機動戦士ガンダム 光芒のア・バオア・クーより。}}は,大型艦艇用ドックを有するブロックで,ホワイトベースはここに座礁することとなった。 !各部解説  ア・バオア・クーの内部構造については,未だに明らかとなっていない部分は多い。  いくつかの理由が考えられるが,最大の理由は後述する通り,ア・バオア・クーそのものが一年戦争後にティターンズによって接収されたことが大きいと考えられる。  ア・バオア・クーの持つ高い工業生産能力は,一年戦争後に再編されたモビルスーツの開発拠点コードに含まれている(拠点コード13)ことからも明らかであるが,それにも関わらず,ゼダンの門(ア・バオア・クー)開発の機体がほとんど明らかになっていないことなどから,ティターンズによる情報統制が行われたものと考えられる。  以下は,数少ない情報から記載したものであり,他の情報ソースによっては記述が誤りであったとされる可能性もあることを付記しておく。  ア・バオア・クーは,周辺宙域のエリア区分同様に要塞各部をブロック別にコード化していたことは確認されている。これが,周辺フィールドの設定と完全に一致しているかどうかについては,明らかとなっていないのだが,現時点で確認できる資料の記述を見る限りにおいては,それぞれが各フィールドの配置に準じたものとなっているようである。  このため,ア・バオア・クーの傘の部分から,根元の部分までを東西方向に分割し,それぞれの方向(宙域)にあわせ,Nブロック,Eブロック,Wブロック,Sブロックと区分していたものと思われる{{fn いくつかの記述には,○フィールドの●ブロックという表現があり,この点から考えると,○フィールド≒○ブロックと考え,●ブロックとは,さらに細分化したものだと思われる。}}。 :Wブロック第8ベイ:  Wフィールド方向に設置された宇宙船ドックのひとつと思われる。  ア・バオア・クーにおいて,Wフィールドは,将兵の脱出に用いられたフィールドで,数多くの艦艇が,このフィールドからアクシズ方面へと離脱している。  この第8ベイは,高級将兵の離脱用に用意されたものと考えられ,グワジン級が繋留されていた。(一説によると,このグワジン級はアサルムだとされる。)  このグワジン級を用いて,シャア・アズナブルがアクシズ方面へと離脱しており,この艦にはソロモン脱出後保護されていたゼナ・ザビ,ミネバ・ザビの両名も同乗していたとされる。 //若き彗星の群像 !ア・バオア・クー攻防戦  ア・バオア・クーは,一年戦争最終決戦の場となり激戦の末陥落した。  ソーラ・レイによって,戦力の30パーセントほどを喪失した連邦軍は,当初の計画を変更し,ア・バオア・クーを攻略することで,ジオン本国とグラナダの間の防衛戦を分断する方策にでたのである。  この戦闘のさなか,ギレン・ザビ総帥が暗殺され,犯人のキシリア・ザビ少将も戦死(シャアによる暗殺)した。この結果,公国を支配してきたザビ家が倒されたことで,ジオン本国ではクーデターがおこり共和国は和平を結ぶこととなった。  なお,詳細は「[[ア・バオア・クー攻防戦]]」を参照のこと。 !一年戦争後のア・バオア・クー  ア・バオア・クーは,U.C.0079年12月31日の最終決戦を経て,翌1月1日の終戦協定発令に伴い,地球連邦軍の管理下に置かれることとなった。  しかし,実際に管理下に置かれたのは,司令所をはじめとする一部区画のみであり,実際には,長期間の間,掃討戦が行われたのである。  これは,ア・バオア・クーが巨大な要塞でり,主要区画を連邦軍が掌握しても末端の設備などに立てこもった残党に対する処置が煩雑化したことが理由として挙げられる。  実際のところ,U.C.0080年1月1日午後3時付けで休戦協定は発効していたが,この停戦命令が末端に行き届くのに時間がかかったこと,共和国名で発行された命令を受け入れない部隊があったこと,などの理由からである。  記録上は,少なくとも1月中旬まで掃討戦が展開されていたことが確認できており,戦闘記録フィルムが残されているとされる。  掃討作戦の終了後は,名目上はジオン共和国の管理下に置かれたが,内部施設を利用した各種生産活動は制限され,事実上単なる衛星基地でしかなくなっていた。  だが,U.C.0083年のデラーズ動乱後に誕生したティターンズは,「ジオン公国軍残党」を逮捕あるいは殲滅するための手段として,ジオン共和国の協力を求める。  これは,協力要請の形をとった事実上の命令であり,公国とは違うという立場を取っていた共和国は,これを拒絶することができず,いくつかの保有艦隊や技術協力とともにア・バオア・クーの接収も認めることとなった。  この結果,ア・バオア・クーは,連邦軍のモビルスーツ開発拠点のひとつとして登録され,ティターンズ主導で実施された拠点開発制による拠点番号「13」を与えられることとなった。また,ティターンズは「ア・バオア・クー」という一年戦争当時の呼称を改め,「ゼダンの門」としたのである。  ゼダンの門は,グリプス戦役期,ティターンズの拠点のひとつとして大きな役目を果たした。一年戦争時にそうであったように,その拠点としての防衛力は高く,ティターンズの宇宙における拠点のひとつとして君臨した。  このため,これに対しネオ・ジオン勢力は,小惑星基地アクシズを直接ぶつけることで対応,U.C.0088年1月18日,ゼダンの門は接合部から分解し,破壊されてしまった。 !!関連項目 //本文内の説明でリンク可能なものは,出来るだけ本文内でリンクする。 *[[ア・バオア・クー攻防戦]](歴史記述) *[[ア・バオア・クー脱出戦]](ネッド・フォーサイスによって記された記事) :関連施設: *[[グラナダ]] *[[ソロモン]] *[[ア・バオア・クー|サイド3]](サイド3のコロニー/トミノメモ設定版) :関連キャラクタ: *[[ギレン・ザビ]] !!編集者 *あさぎり ---- {{category 用語}} {{category 用語・UC}} ---- {{lastmodified}} //2015.08.28:Wブロック第8ベイ !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。