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ア・バオア・クー攻防戦

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ア・バオア・クー攻防戦

 説明

 [U.C.0079.12.31 00:00〜0080.01.01 15:00]

 一年戦争最大にして,最後の大規模要塞戦となったのが,ジオン公国軍の最終防衛戦のひとつ,ア・バオア・クーの攻防戦である。

 星一号作戦の序盤戦であったソロモン攻略戦は連邦軍の勝利に終わり,コンペイトウと名を変えたソロモンを前線基地とし,サイド3攻略を見据えた最終計画が進行していたが,前日21時5分に行われたソーラ・レイ照射によって司令官であるレビル将軍を始めとした主力艦隊の約30%を失った連邦軍は,その計画を修正するに至った。(なお,レビル艦隊が当時その宙域に終結していたのは,公国公王デギン・ソド・ザビによる和平交渉のためであったとされ,これを阻止するためにギレン・ザビが手を打ったというのが,現在ではソーラ・レイ照射の定説となっている。)

 各艦隊司令の協議の結果,ア・バオア・クーの攻略を実施するとともに,グラナダを孤立させ封じ込める作戦へと変更し,作戦開始を31日0時とした。
 急遽,実施された艦隊の編成が終了したのは,午前5時(一説には,午前5時50分)で,これを持って連邦軍は,ア・バオア・クーへの攻撃命令を発した。

 一方,ア・バオア・クーでは,ギレン・ザビ総帥による防衛線の構築が行われており,失われたソロモンの残存艦隊をも組み込んだ形で編成が行われていた。
 だが,公国軍の士気は高かったが,その内情は惨憺たるもので,主力MSとして配備されたゲルググタイプには学徒動員兵が大量に採用されるなど,見かけの数こそ充実していたが,実際の戦力としては疑問を持たざるを得ない状況であった。

 午前8時10分,連邦軍の攻撃が開始され,要塞突撃艇(パブリク)を中心とする第1次攻撃部隊が攻撃を開始する。これは,ソーラ・レイの被害を受けなかった第2,第3艦隊の主力によって構成され,公国軍の主力部隊が配置される要塞Nフィールドへ進行した。(同8時40分には主力MS部隊も投入している。)
 だが,さすがに主力部隊が展開するフィールドである。ギレンによる的確な指示も相まって,大型空母ドロスを中心としたNフィールドでは,膠着状態から公国軍の優勢へと移行しつつあった。

 このタイミングで,第13独立艦隊ホワイトベースを中心に,第1艦隊の残存艦で編成された「ルザル艦隊」が,Sフィールドへと進行を開始する。
 この艦隊展開は,ア・バオア・クー要塞司令室にも伝わったが,ギレンはこれを「大した戦力では無い」と受け流した。
 このため,要塞司令室には,勝利の兆しが見えたとの余裕が生まれたが,逆にこれが戦場から目を奪わせることとなってしまった。

 この機会に,キシリアは,ソーラ・レイによって父デギンが死亡したことをギレンに問い詰めたが,ギレンの答えは自らが父を葬ったというものであり,従来からギレンと対立する立場にあったキシリアはギレンを父殺しの罪を名目に射殺する。午前9時25分のことであった。

 動揺する要塞司令室を鎮めたのは,トワニング准将であったが,この僅かな時間の司令部からの司令の途絶によって,守備隊の指令系統に隙を作ることとなってしまった。

 Sフィールドでは主力として投入されたMS部隊が要塞へと取り付き始め,また切り札として投入されたジオングもガンダムとの戦闘に忙殺され,戦局をコントロールすることが不可能であった。
 同様にNフィールドでは,ギレンの戦略思想に則った指示が途絶したことから,ドロスを中心とした防御フィールドが崩壊,同日9時40分にドロスが,10時10分にSフィールドのドロワが沈められ,起点となる大型空母2隻を失うこととなった。
 このため,多くの連邦軍MSが要塞に取り付くこととなった。

 さらに,午前11時前後になると,キシリアの指示ばかりに疑問を持ち,ギレンが謀殺されたことに気がついた親ギレン派の戦力が次々とア・バオア・クーを離脱し始める。特にエギーユ・デラーズ大佐を始めとする一派の離脱は,公国軍の敗北を決定づけるものとなり,これに呼応してアクシズへの離脱を謀る部隊も現れ,戦力の低下は著しいこととなった。

 ここにおいて,キシリアは要塞の放棄を決定,戦力の残るグラナダで一定の影響力を残したまま和平交渉を行おうと脱出を図ったが,乗艦していたザンジバル級が撃沈され死亡している。(なお,戦後,このザンジバルのキシリアをシャアが射殺していたことが明らかになっている。)
 皮肉にも,サイド3本国では独自に和平交渉の準備が進められており,グラナダでの和平交渉の準備が進められている状況下のキシリアの戦死であった。
 また,ほぼ同時刻に,一年戦争に大きな足跡を残した第13独立艦隊の強襲揚陸艦ホワイトベースが沈んでいる。これもまた,ひとつの運命がもたらした偶然であろう。

 同日12時15分頃,一部区画を除き電力供給が停止,要塞機能が失われた上,多くの人員の生命維持にも問題が生じ始める。キシリアが脱出時に命じていた,脱出後15分してからの降伏は,キシリアの死の後も的確に通達され,離脱を図る一部部隊の戦闘行為を除き,ほぼ全域で戦闘が終了する。

 以降,連邦軍は掃討戦に以降,抵抗を続ける公国軍兵力に対して,降伏勧告と(従わない場合の)攻撃を続けることとなる。
 その一方で,残存した艦艇を中心に戦力編成を行っていたが,とてもサイド3本国へ侵攻できるほどのものではなかった。
 こうした掃討戦の最中,午後6時,サイド6を通じて,「ジオン共和国」から連邦政府への終戦協定の打診があり,翌U.C.0080.01.01 15:00を持って正式に停戦が成立した。

 だが,ア・バオア・クーでは,各施設での抵抗は少なくとも1月上旬の間は継続していた様に,事実上のクーデターによって成立した「ジオン共和国」を良しとしない公国軍兵は,独自の抵抗活動や,地球圏を離脱して,小惑星基地アクシズへの逃亡を企てるなど,様々な形に散っていったのだった。

参考(ア・バオア・クー攻略戦時における両軍の総兵力)

 なお,ここで示した事例は,一部の資料に掲載されているもので,あくまでも一つの説としての提示でしかない。これに相反する資料の存在も確認されているため,あくまでも参考資料として提示する。

種別連邦軍ジオン公国軍
戦艦(空母)マゼラン型以下18隻
(14隻が撃沈又は大破)
グワジン型3隻,ドロス型2隻
(撃沈数不明)
巡洋艦サラミス型巡洋艦以下98隻
(60隻が撃沈又は大破)
ムサイ型,チベ型以下41隻
(30隻以上が撃沈又は大破)
モビルスーツRGM-79型他,総数4800機
(未帰還機4000機以上)
09R型他,総数3600機
(未帰還機3000機以上)
戦闘機ブースター装着コア・ファイター型以下
総数900機
ガトル型戦闘機以下,総計830機
(未帰還機120機以上)
突撃艇ほかパブリク型他,総計110隻
(ほぼ全滅)
ジッコ型他,総計46隻
(ほぼ全滅)
その他MS母艦として運用されたコロンブス型輸送艦が84隻
他にミサイル駆逐艦,ビーム砲艦などが多数参加
艦内に収用できないMSは,各艦の甲板上などに固定され輸送された
MA-05以下,少数ながらもMA投入
未完成だった試作機も投入されたといわれる
ビーム・ミサイル砲座はソロモン以上に増設されていた

 備考

 小説版でのア・バオア・クー攻防戦は,その位置づけが大幅に変わっている。
 まず,総帥であるギレンがズム・シティから指示を出しており,要塞司令はランドルフ・ワイゲルマン中将となっている点が最大の相違点で,これを攻略する連邦軍は,総力を持ってア・バオア・クーに当たっているのである。
 小説版では,ソロモンではなくグラナダを連邦軍は攻略し,ここを連邦は前線基地としている。
 この際に,グラナダを脱出したキシリアは,ア・バオア・クーに身を寄せるのだが,ここでは外様扱いであった。だが,シャアとの話し合いの後,連邦艦隊の撃破を口実に,ア・バオア・クーをかすめてソーラ・レイが照射されたことを見て,自らの立場を再確認し,要塞内ではなく,外へ打ってでる。これを知らないギレンは,連邦艦隊の撃破を口実に,ア・バオア・クーへ再びソーラ・レイを照射する。キシリアを巻き添えにするために,要塞司令室を狙って。
 この結果,ア・バオア・クーは陥落し,キシリア艦隊とペガサスによってズム・シティは強襲されるのである。

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最終更新時間:2012年06月15日 23時35分46秒

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