>>[[ユーザーファイル入口|USER/〔RX-93-ν2〕Hi-νガンダム]] !!!Hi-νガンダム *[MS] !!データ ,機体データ{COLS:2|LEFT} ,型式番号,RX-93-2 / RX-93-ν-2 / RX-93-ν2{{br}}RX-93{{fn ベルトーチカ・チルドレンにおける型式}} ,兵器区分,ニュータイプ専用試作モビルスーツ ,所属,地球連邦軍 ,パイロット,アムロ・レイ ,製作データ{COLS:2|BGCOLOR:88aaff|BOLD} ,デザイナー,出渕裕(ベルトーチカ・チルドレン版/公式設定版){{br}}カトキハジメ(Ver.ka版) ,初出作品,機動戦士ガンダム逆襲のシャア〜ベルトーチカ・チルドレン{{br}}CCA-MSV ,参考文献,機動戦士ガンダム逆襲のシャア〜ベルトーチカ・チルドレン口絵{{br}}1/100 MG インストラクション{{br}}SDガンダムGジェネレーションポータブル ほか多数 !!スペック ,項目,内容 ,全高,Unknown ,頭頂高,20.0m ,本体重量,27.9t ,全備重量,Unknown ,ジェネレータ出力,Unknown ,スラスタ推力,Unknown ,装甲材質,ガンダリウム合金 ,黒歴史コード,10-4919224 !頭部  Hi-νガンダムの頭部は,いわゆるガンダム系の基本デザインが踏襲されたものとなっている。地球連邦軍の開発するモビルスーツにおいて,一般的な量産型モビルスーツはゴーグル型のデザインが採用される場合がおおいのだが,いわゆる「ガンダムタイプ」に関しては,RX-78で採用された人型を模したデザインが踏襲され続けていたのである。  この当時,地球連邦軍はガンダムタイプモビルスーツの取扱いに関しては非常にセンシティブであった。だが,アムロ・レイ搭乗機としてアムロ本人の設計による本機は,そのこだわりもあってガンダムタイプのフェイスデザインが採用されたのである。  構造としては,RX-78より続く部材の配置に大きな違いはないが,最新の機材が用いられた上,ニュータイプ対応機能が追加されている。 !ボディ  Hi-νガンダムのボディユニットは,RX-78の基本構造を踏襲した標準的な機体となる予定で試作されていたものである。(このため,一説にはRGM-89《ジェガン》タイプの基本フレームがそのまま用いられているともされている。)それに,サイコミュデバイスなどの附帯機能と装甲材の強化などを行っている。ただし,バックパック周辺には,当初の計画案から大幅に手が加えられている。  特にアムロの求めた信頼性の高さのために,基本的な構造はグリプス戦役時に標準化したいわゆる第2世代モビルスーツの基本設計と大差なく,柔軟なムーバブル・フレームを基本としている。  建造に当たっては,アナハイム・エレクトロニクスの開発した各種ガンダムタイプのデータも用いられており,バイオ・センサーやインコムデバイスのスピンオフ技術なども採用されており,結果的にHi-νガンダムはワンオフの機体として量産を前提としない機体となっている。  また,Hi-νガンダムを特徴付けるサイコ・フレームは,元々ネオ・ジオン軍の導入した技術であるが,サイコミュ関連の機能強化のために導入されたものである。  この技術は,Hi-νガンダムの開発を行っていたアナハイム・エレクトロニクスのフォン・ブラウン工廠に外部からもたらされた{{fn 劇場版設定。}}とも,鹵獲したネオ・ジオン軍の機体から調達した{{fn ベルトーチカ・チルドレン設定。}}とも言われている。 !腕部  Hi-νガンダムの腕部は,他のMSと基本構造が同一のムーバブル・フレームが使用されている。ただし,後の機能増加や改造が容易なように,消耗品以外の部材,ケーブルなどは,標準的な規格品を超える選りすぐりが供給されている。  特にその信頼性と耐久性に重点を置いて選別された部材は,可能な限り規格品を用い,戦闘が長期化した際のメンテナンスやアップデートに配慮されている。  また,機体構造そのものの大型化もあり,枯れた技術を積極的に採用した機体には内部容積の余裕が生じたことから,両腕にそれぞれ武装を内蔵する余裕まで生まれている。 !脚部  Hi-νガンダムの脚部は,空間戦闘用モビルスーツの基本的構造を踏襲している。このため,基本的に巨大なベクタードノズルとして機能するが,拠点攻略や防衛,上陸任務や母艦へのランディングなど,歩行脚としての脚部は依然として不可欠な装備となっている。  腕部と同様,Hi-νガンダムの脚部は非常にベーシックな設計が施されており,ふくらはぎ部分の追加バーニアもこれまで建造されてきた様々なモビルスーツの機能を盛り込んだ物であり,総合的な機動性の向上が図られている。  また,Hi-νガンダムの装備するフィン・ファンネルは,そのサイズと装備数の関係で,装備状況によって機体の重量バランスが著しく異なる状況が発生する。このため,機体の慣性重心の頻繁な移動に対応するため,複数の高出力スラスターの装備とならび,脚部の動作による慣性制御を行うことで機体の挙動そのものを管理する重要なユニットとなったのである。 !プロペラントタンク  Hi-νガンダムは,背部に二基の追加スラスター装備型のプロペラント・タンクを装備可能としている。これは,先にも触れたフィン・ファンネルの装備による重心移動に対応した各種スラスターの運用によって消費するプロペラントが膨大な量になることが想定されたことから,前線へと到達するまでに機体のプロペラントを極力消費しないために用意されたものである。 !!武装  Hi-νガンダムに施された武装は,そのほとんどが専用の物である。  しかし,部材や弾頭などはほとんどが規格品を用いており,補給に支障が出ないように配慮されている。これは,Hi-νガンダム自体が急造のMSであったことを考えれば,破格の充実ぶりであると言うこともできる。 !ビーム・ライフル  ビームを圧縮して間欠的に射出することができ,マシンガン的な使用も可能。最大出力では同時期の戦艦クラスの主砲に匹敵する威力を持つ。 !ビーム・サーベル  2種類のビーム・エミッターを内蔵し,ユニットの前後でビーム刃を生成可能なカスタムタイプのサーベル。  左右のファンネルラックに1基ずつ,左腕には標準的な規格品を予備として装備している。 !ニューハイパーバズーカ  連邦軍の代表的なMS用兵器。口径は280mm  同等品をHi-νガンダムに合わせて仕様変更したもの。  無論,射程や弾頭の破壊力は改善されている。 !シールド  ビーム・ガン用のジェネレーターを内蔵する防御装備。 !ビーム・キャノン  シールド裏面に設置されている装備。  デバイスそのものの出力は一年戦争時のビーム・ライフルに匹敵する。 !ミサイル  シールド裏面に設置されている。 !右腕バルカン砲  右前腕部に設置されている。  弾体は上部にカートリッジで挿入する。 !頭部バルカン  連邦軍のモビルスーツが標準的に装備する武装。 !フィンファンネル  Hi-νガンダムに装備される手兵装"フィン・ファンネル"は,ガンダムタイプ初のオールレンジ兵器であり,MSが単体として携行できる武装としても屈指の威力を持つ攻防一体の武装である。  開放型のメガ粒子加速帯と小型のジェネレーターを内蔵し,それ自体が三つのブロックからなるAMBACユニットそのものでもある。オールレンジ兵器としては大型で,機体に匹敵する全長をもつが,その機動性や稼働効率,実働時間はスラスト機動のみに頼る通常型のビットやファンネルをはるかに上回る。  さらにビーム・バリアの展開が任意に可能である。 !!概要  RX-93-ν2《Hi-νガンダム》は,地球連邦軍のニュータイプ対応試作型モビルスーツである。連邦宇宙軍外郭機動艦隊ロンド・ベルのエースパイロット,アムロ・レイによって設計された機体で,実際に第2次ネオ・ジオン戦争においてネオ・ジオン軍総帥シャア・アズナブルの乗機(諸説あり,MSN-04《サザビー》であったという説やMSN-04-2《ナイチンゲール》であったという説もある)との決戦に用いられたとされている。(なお,定説では,アムロ・レイが最後に搭乗し,シャアとの決戦に用いたのはRX-93《νガンダム》である。) !Hi-νガンダム開発時の状況  U.C.0087年のグリプス戦役において,エゥーゴに参画していたシャア・アズナブルは,ティターンズとの最終決戦において行方不明となっていたが,その直後から様々な噂が乱れ飛んでおり,第1次ネオ・ジオン戦争当時から旧ダイクン派をとりまとめることでその地盤を固めようとしていたと言われている。  実際,第1次ネオ・ジオン戦争当時,地球連邦軍と事を構えたのは事実上アクシズ陣営のみであり,かつてのサイド3(ジオン共和国)の戦力はほとんど動かなかった。一説によると,これはシャアに協力するためにハマーン・カーンの要請を断ったためであるともされている。(事実,サイド3の割譲後,ハマーンはサイド3の人民に苛烈な労働を課しており,ある種の意趣返しであった可能性も否定できないのである。{{fn この段落あたりはジョニー・ライデンの帰還におけるネオ・ジオンの動きなどの情勢から拡大解釈した部分であり,公式な設定ではないので注意。}})  この当時,地球連邦軍はグリプス戦役によって疲弊していただけではなく,上層部の腐敗状況もかなりの状況であり,自らの保身さえ可能であれば,ネオ・ジオンとの交戦そのものに及び腰であった。結果的にエゥーゴの独立機動部隊の活躍とネオ・ジオン自体の内紛による瓦解によって第1次ネオ・ジオン戦争は終結するのだが,こうした状況であったことが連邦軍の事なかれ主義をさらに加速したのである。  U.C.0091年,シャアが再び活動を開始したという情報を掴んだロンド・ベルは,独自にその追跡活動を開始するも,ダイクンの理念に共感する人々の多いスペースコロニー住人は,ロンド・ベルの活動に非協力的な状況が続いていた。  また,一年戦争の英雄でニュータイプパイロットであるアムロ・レイを有するロンド・ベルに大きな戦力が集まることを懸念する連邦軍上層部は,ロンド・ベルに対して予算面,配備面双方から圧力をかけており,ゲリラ戦を続けるネオ・ジオンに対して対抗するロンド・ベルに強力な機体(グリプス戦役におけるガンダムタイプモビルスーツなど)を与えない状況が続いていたのである。  状況を理解している一部議員の尽力によって,最新鋭の量産型モビルスーツ,RGM-89《ジェガン》の先行配備こそ行われたものの,強力な機体を有するネオ・ジオンに対抗するには力不足は否めない状況であった。(実際,後にシャアの機体と交戦したアムロのRGZ-91《リ・ガズィ》は,その力不足を露呈しており,そのことをシャアは部下に対してすら語ったとも言われている。)  状況が一変したのは,アムロにとってかつての同士であるブライト・ノアがロンド・ベルの司令として赴任したことであった。  ブライトは,ロンド・ベルへの赴任に当たり,権限の拡大を行うこととなったロンド・ベルに自らのコネクションを用い,新造機開発のための予算の確保と開発許可を与えさせたのである。無論,シャアの蜂起により,連邦軍内部に危機感を持った人々が増えたこともその要因である。  結果,調達が可能となった新造機は,既存の開発機をベースにアムロの考案した様々なシステムを導入することでわずか3ヶ月という短期間でロールアウトすることとなった。 !Hi-νガンダムという機体  Hi-νガンダムという機体は,資料によってアムロが実際に運用した・しないの違いはあるものの,「νガンダム」という機体のいわば完成形であるという点はいずれの資料においても共通している。  先述の通り,わずか3ヶ月という期間で完成したのは,既にベースとなる機体が存在していたからである。  ベースとなったRX-93《νガンダム》という機体は,定説ではアムロによる手が入った後の機体で,実際に第2次ネオ・ジオン戦争に投入されたとされている。しかし,アムロが実際に想定していた仕様は,本機「Hi-νガンダム」と同様のものであり,νガンダムそのものが暫定的仕様に過ぎなかったとする論説は非常に多くみることができる。  つまり,完成こそしなかったものの,「νガンダム」の本来の姿は「Hi-νガンダム」であったという考え方である。  一方,アムロによって第2次ネオ・ジオン戦争に投入されたとの説の場合でも,ベース機はRX-93である。(ただし,こちらの資料では「νガンダム」という機体名が記述されていない。ここでは,この機体も「νガンダム」という名であったとして進める。)  νガンダムは連邦軍の次期開発機で,この機体にアムロが様々な機能を付け加えたことで完成した機体がHi-νガンダムだというのである。  実際,一部資料にはサイコミュシステムを搭載しないRX-93に似た意匠の機体が記録{{fn 近藤作品におけるRX-92やPX-00531のこと。}}されており,この説も単純に否定できないのである。  いずれにせよHi-νガンダムという機体は,極めて信頼性の高い枯れた技術で構成された安定した機体に,アムロ考案によるサイコミュ兵装(フィン・ファンネル)そしてネオ・ジオンよりもたらされたサイコ・フレームという技術が,極めて高いレベルで結合した,いわば究極の機体となったと言えるだろう。  だが,その反面,高度な技術が融合したが故の絶妙且つセンシティブなバランスによって成り立った機体であるとも言えるだろう。 !!引用 !ベルトーチカ・チルドレン挿絵キャプション  アムロ・レイが自ら考案した最新攻撃型モビルスーツ。フィン・ファンネルというニュータイプ専用兵器の他,ビームライフル,ニューハイパーバズーカなどの火器を持つ。パイロットの精神波に敏感な操縦系を有する。 !!備考 !Hi-νガンダムの初出から設定の変遷 :初出:  1988年に発売された角川スニーカー文庫『機動戦士ガンダム 逆襲のシャア ベルトーチカ・チルドレン』収録の出渕裕による口絵イラスト。  この時点では上半身のみのイラストであり,設定上も「RX-93νガンダム」そのものであった。 :全身設定の初出:  出渕裕氏描き起こしによる全身設定画は「HobbyJAPAN」1990年8月号(1990年6月25日発売)の特集記事(作例:菅義弘氏)が初出と一般にはいわれているが,実際には「NEWTYPE」1990年5月号(1990年4月10日発売)における〈Newtype EXPRESS〉内の告知記事で既に全身画が掲載されている。  また,同時期にバンダイ刊行の模型情報にも画稿が掲載されている。  なお,この時点でも「小説版νガンダム」という位置づけであり,設定上の大きな違いは存在していない。 :名称の確定:  現在の名称である「Hi-νガンダム」という名称は,1991年11月25日にB-CLUBから1/220スケールのガレージキットとして発売された際,同シリーズの「νガンダム」と商標区別化のため付されたもの。この際に型式番号も「RX-93-ν-2」と独自のものが付けられている。  劇場版における「νガンダム」の初期設定名である「Hi-Sガンダム」を捩ったと思われる(「Hi」は「High」の省略形)。 :CCA-MSVとしてのカテゴライズ:  逆襲のシャアに登場するモビルスーツのバリエーション(CCA-MSV)のそもそものきっかけとしては,「Bクラブスペシャル 機動戦士ガンダムMS大全集(1988年2月10日初版)」に掲載された明貴美加氏による3種のモビルスーツイラストに端を発している。これに,逆襲のシャアのプラモデルシリーズの1988年発売分以降のインストラクションに描かれた福地仁氏のバリエーション機を加えた形で改訂版の新MS大全集以降で取り上げられたものである。(ただし,1/550α・アジール掲載のβ・アジールは長い間取り上げられない状況が続いている。)  このCCA-MSVにHi-νガンダムが加わったのが「電撃データコレクション7 機動戦士ガンダム 逆襲のシャア(1998年8月15日初版)」である。  ここで,「νガンダムの発展型にあたる機体」という設定がなされ,以後,この設定が中心となっていく。 :その後のメディア露出:  PlayStation用ゲームソフト『リアルロボット戦線』,『SDガンダム Gジェネレーション-ZERO』(共に1999年8月12日発売)において家庭用ゲームに初出,以後,様々なゲームに「νガンダムの完成体」としてのHi-νガンダムの立ち位置によって「(本来アムロが運用するはずであった)最終・最強のアムロ専用機」としての認識が広まることとなった。  2006年11月発売の模型誌上において,Hi-νガンダムのサンライズ公式設定化が発表された。これは,翌2007年2月にマスターグレードでの商品化の告知に伴うもので,同時に出渕裕氏による新規設定画も公開されている{{fn しかし,この新規設定画は小説版口絵のイメージを期待していた人々には不評であり,ネット上をはじめ様々な形で不満が噴出することとなった。もちろん,これを肯定的に受け止めた人も多いが,それ以上に不満の声が大きかったのである。}}。  2009年6月,HGUCシリーズにおいてHi-νガンダムが発売された。これは,同年4月のHWS装備型に続く「CCA-MSV」のHGUCキット化で,HWS装備型とは異なり新規金型による製品となった{{fn このHGUC版はMG版と比較すると評価されたが,それでも機体バランスに関して不満がでる状況は変わらなかった。}}。(このため,頭頂高設定がνガンダムより低いこともあって印象としてはνガンダムと比較するとかなり小ぶりなものとなっている。)  2014年8月には,従来のイメージをベースとしたカトキハジメ氏による新規画稿をベースとした「Hi-νガンダム Ver.ka」が発売されている。こちらは,機体バランス等は初期のイラストのイメージに近い物であるが,様々な新機軸が加わっており,特に注目される変更としては,HWSの着脱が機構として加えられているという点がある{{fn Ver.kaに関しては,HWSの追加などの変更などよりも画稿としてのカトキ氏デザインに対する好き嫌いもあって,やはり不満を表明する層は存在している。そういった意味でも,残念ながら,元々が1枚イラストのバランスからスタートしているため,万人が納得するバランスは難しいと思われる。}}。 !公式設定の位置づけ  2006年のサンライズ公式化によってHi-νガンダムという機体そのものが,サンライズオフィシャルになったが,注意しなければならいのは,《「Hi-νガンダムという機体」=「宇宙世紀正史のモビルスーツ」》ではない,という点である。  あくまでも『ベルトーチカ・チルドレン』版νガンダム=Hi-νガンダム,という状況をサンライズが確定させただけであり,多くの模型やイラスト発の機体と異なり,サンライズが自社のフィルム上に正式に登場させたモビルスーツと同等の扱いとする,という宣言があったという状況なのである{{fn 蛇足ながら,フィルム未登場のモビルスーツを公式として宣言したのはHi-νガンダムが初で,これ以降は,複数の作品が「公式外伝」という一歩進めた形で組み入れられている。}}。  このため,サンライズの公式デザインとしては,未だにマスターグレード版発表の際のデザイン(2006年の模型誌に発表された出渕裕氏のもの)であり,他の機体(例えばナイチンゲール等)も名称等はともかく,公式デザインとしては確定していない状況である。  とはいえ,現在も『ベルトーチカ・チルドレン』の表紙イラストは依然アニメ版準拠のνガンダムのままであり,混乱を誘うような状況は続いている。  なお,公式化に当たって作成された設定において,それまで他の資料で触れられていた「νガンダムの発展型にあたる機体」(または,「νガンダムの上位機種」)といった設定を「連邦軍が開発を進めていた次世代機RX-93{{fn 名称については触れられていない点に注意が必要。MGインストでは「Hi-νガンダムの素体となった機体」という形で幾度か触れられている。}}にアムロの設計を組み込み完成した機体」という方向性で組み込んでまとめられており,設定そのものの完成度は高いものとなっている。 !解説文におけるニュアンスの違いについて  上記「公式設定の位置づけ」で説明した通り,公式設定上では「ベルトーチカ・チルドレン」におけるアムロ機という位置づけで,ベース機(RX-93)を改修したものとされているが,ゲームに登場する場合,「宇宙世紀の正史上の機体」以外も組み込まれるため,これと連動した形での解説がなされる場合も多い。  このため,解説文のニュアンスが若干異なっており,「第2次ネオ・ジオン戦争の際に急遽投入されたνガンダム」を「時間をかけて完成度を高めた機体」という形での記述が多く見られる。  つまり,この場合,宇宙世紀という時間軸の中で「アムロが使用した機体とは異なる」という解釈に他ならず,「ベルトーチカ・チルドレンでアムロが用いた機体」とは異なった扱いなのである。  なお,本項目概要部は,あくまでも宇宙世紀の遙か未来からの視点で記述しているため,機体そのものが存在しているという前提で記述しており,上記の解釈双方をブレンドしているので注意願いたい。 !Hi-νガンダムという機体について  現在「Hi-νガンダム」とされる機体のデザインの初出については,小説「機動戦士ガンダム逆襲のシャア〜ベルトーチカ・チルドレン」の口絵イラストであることは既に周知の事実であるが,この時点ではあくまでも「RX-93νガンダム」という機体であった。  つまり,劇場版「機動戦士ガンダム逆襲のシャア」に登場したνガンダムと同一の機体であり,νガンダムと違う特別な設定が存在する機体ではなかったのである。  これは,当時で言えば「機動戦士ガンダム0080ポケットの中の戦争」における「ザク改」,「ズゴックE」といった機体が,当初「ザク(MS-06F/J)」,「ズゴック」として描かれていたという状況と似ている。(蛇足ながら,デザイナーによる別アレンジ,同一機体を違う意匠で描くといった方向性がユーザー側に強く認知されたのは,GUNDAM SENTINEL 0079以降であろう。もちろん,一部ではHG版ガンダムのインスト等,そういったアレンジの方向性について話題になっていた状況は存在している。)  0080の各モビルスーツは商品展開上の問題や「デザイナーによるバージョン違い(アップデート稿)」という概念がユーザー側に受け入れられにくかったこともあり,それぞれが独立した「バリエーション」へと変更されているのだが,Hi-νガンダムもいわば同様の流れに乗っかったともいえるのである。  これは,他の例で言えばガンダムWにおける「エンドレスワルツ版」とされる機体も同様である。こちらは逆に同一機体のバージョン違いが明確化した例である。  なお,同様に小説版機動戦士Ζガンダム(講談社版/角川版)もデザインの異なるバージョンで描かれているのだが,こちらはそれほど大きな話題にはなっていない。  これは,当初の講談社版の機体が永野護氏のデザインであったため,「Ζガンダムのモビルスーツの別バージョン」という印象よりも「永野護デザインの機体」というイメージが先行したためだと思われる。(「当時としては」,やはりモビルスーツらしくないデザインであったためであろう。)また,角川版の藤田一巳氏のデザインも結果的にタイラントソードという非公式作品のデザインに近い意匠であったため,非公式デザインという印象で見られやすかった可能性もある。  とはいえ,Hi-νガンダムが結果的にこれだけ話題になったのは,やはり「(劇場版における)νガンダム」という機体そのものの人気があったためと思われる。実際,アニメージュ版(ハイストリーマー版)の星野宣氏版デザインがそれほど話題にはなっていないため,「あの(劇場版の)νガンダム」が更に強そうなデザインになった,という点が大きかったのではないだろうか{{fn この辺については,全肯定的スタンスで見ていたこともあって,筆者(あさぎり)としては判断が付きにくい部分である。このため,だいぶ推論じみているが,資料等での補足可能な方があれば,ご報告願いたい。}}。 !!関連項目 !!編集者 *あさぎり *ギムG ---- {{category MS/MA・R}} {{category モビルスーツ・CCA-MSV}} {{category モビルスーツ・ベルトーチカ・チルドレン}} ---- {{lastmodified}} !!ノート ■[[本項目に追加情報を記載する|BBS2]] ※追記できる情報(他愛のないものでかまいません)がある場合,上記リンクから記述専用ページに移動し,情報投入をお願いします。