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〔RX-78-2〕ガンダム

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ユーザーファイル入口

ガンダム(ガンダム2号機/アムロ・レイ搭乗機)

  • [MS]

データ

機体データ
型式番号RX-78-2
兵器区分汎用多目的型試作モビルスーツ
所属地球連邦軍
パイロットアムロ・レイ
製作データ
デザイナー大河原邦男
フィニッシュワーク:安彦良和
初出作品機動戦士ガンダム
参考文献1/100MG Ver.1 インストラクション
1/100MG Ver.1.5 インストラクション
1/60PG インストラクション
1/144HG インストラクション
1/144HG Ver.G30th インストラクション
1/144HGUC インストラクション
1/144HGUC 初回特典 GUNDAM WEAPONS SP
1/200 スピードグレード インストラクション
ガンダムコレクション
ガンダムコレクションNEO
ガンダムコレクションコンプレックス
ガシャポン戦士実写シール
1980年バンダイプラモデルカタログ
データコレクション 一年戦争外伝
MS大全集2003
EB52 機動戦士ガンダムMS大図鑑PART.8
}ガンダム占い0079〜0080
パイロット名鑑<一年戦争編>
ガンダム事典
FRIDAY DYNAMITE オレたちのガンプラ伝説
GUNDAM SENTINEL0079
GUNDAM WAR
Gジェネレーションポータブル
Gジェネレーションアドバンス
GジェネレーションDS
ギレンの野望 アクシズの脅威V
GUNDAM EVOLVE../Α ライナーノーツ
ガンダム動画図鑑
公式サイト
他 多数



スペック

項目内容
全高18.5m
全高18.0m[1]
頭頂高18.0m
本体重量43.4t
全備重量60.0t
自重60t[2]
自重53.4t[3]
総重量110.4t[4]
出力6万5千馬力[5]
馬力37500hp[6]
ジェネレータ出力1380kw
スラスタ推力24000kg x2,1870kg x4
スラスタ推力55500Kg[7]
センサ有効半径5700m
動力システム熱核反応炉[8]
エンジン出力28000[9]
主推進システム化学燃料ロケット/201.5t x2/持続時間29.1[10]
180度旋回時間1.5sec
1.1sec(マグネットコーティング後)[11]
陸上走行速度165km/h
地上走行速度205km/h[12]
地上走行最高速力130km[13]
装甲材質ルナチタニウム合金
装甲材質超鋼合金ルナ・チタニウム[14]
黒歴史コード03-7799496
03-7314814(半壊)
ガシャポン戦士パスワード9コクシムソウ(9国士無双)

ユニットスペック

教育コンピュータ

項目データ
教育型コンピュータICNシステム(推論型ナヴィゲーション・コントロール・システム[15]

RX-LU-D1 MS用歩行システム

項目データ
最大作業重量306t
連続作動時間185min
重量9.6t
作動自由度3+2+3DOF
アクチュエーターリニア,油圧併用
独立制御装置AE-8001ei
AE-1251+
独立搭載センサ傾斜計
Gセンサ
6軸センサ
視覚カメラ
補助動力源(ジェネレータ)NC3MD/NC7S-3
補助動力源(ロケットスラスタ)LE500/LE550

R&R-M322 MS用汎用アーム

項目データ
最大作業重量107t
連続作動時間220min
重量6.2t
作動自由度3+3+3DOF
アクチュエーターリニア,油圧併用
独立制御装置AE-8201fx
AE-M5gs
独立搭載センサ傾斜計
Gセンサ
6軸センサ
視覚カメラ
補助動力源(ジェネレータ)-
補助動力源(ロケットスラスタ)LE-30



 武装

 RX-78は白兵戦を想定しており,MS同士の格闘を戦闘の最終段階として対応できるよう設計されている。加えて各種の武装は,当時最強の技術が持ち込まれている。

 RX-78の強さは,パイロットの優秀さも無視できないが,当時最強の装甲と攻撃兵器によるところも無視できない。特に,エネルギCAP技術によって携行が可能となったビームライフルの開発は,MSという兵器の有効性や戦闘能力をドラマスティックに変革した画期的な技術であった。
 また,RX-78が装備可能な武装は多岐にわたる。それは,MSそのものが,運用上の利便性や戦闘能力の向上を模索する途上にあったからで,その実効性を検証するために試験的に投入された兵装もあったようだ。

 なお,装備の詳細については,各独立項目を参照のこと。

XBR-M-79-07G ビームライフル x1

 ボウワ社製MS用中距離ビームライフル。(ボウワ社の綴りが諸説あるため,型式に揺れが存在するが,基本的には「XBR-M-79-07G」が型式である。)
 エナジーCAP技術により,当時艦艇にしか搭載できないとされていたメガ粒子砲をMSの携行武装として実現したもので,ガンダムが最強足り得たのは,このビームライフルによるところが大きい。当時の戦艦級の破壊力を持つ。

ビームサーベル(ビームジャベリン)x2 (0.38 MW)

 ガンダムの特徴的な武装のひとつ。メガ粒子をIフィールド技術によって剣状に固定したもので,高い切断能力を持つ。
 ビームジャベリンは,ビームサーベルの変形で,サーベル本体のロッドを伸ばして使用する投げ槍状の投擲兵器。ビームの威力はサーベルとほぼ同等で,間合いの遠い対象との近接戦闘用武装としても使用可能。

AMG-6A 60mm頭部バルカン x2

 頭部に搭載されている60mmバルカン砲。
 大きな破壊力はなく,主に牽制目的に使用される。

XHB-L-03/N-STD 380mm ハイパーバズーカ(5+1発)

 BLASH社製MS用バズーカ。
 380mmの各種弾頭を専用炸薬で射出する。設計段階では,核弾頭や魚雷の装備も検討されていたらしい。

 なお,この型番は極めて初期の物であり,後期の物はRGM-79に採用されたものと同じ物だと思われる。また,一部資料[16]では,70mm口径とされている。

ガンダムハンマー

 近,中距離用の打撃兵器。原始的ではあるが物理的な攻撃両区は対MS戦において予想以上の効果をあげたと言われている。

ハイパーハンマー

 白兵戦兵器。
 宇宙での使用を考えバーニアを装備する。

RX・M-Sh-008/S-01025 シールド

 ガンダムシールドとも通称される手持ち式の盾。
 RX-78に使用される装甲構造を単純化したもので,堅牢さよりも衝撃吸収/拡散を目的としている。防御姿勢のフレキシビリティは,その後の量産機にも採用されるなど,非常に良好な効果が確認されている。
 なお,記載されているシリアルは特定時期のものである可能性が高く,時期によっては異なったナンバリングであったと考えられる。

スーパーナパーム

 ビームライフルに装着して用いるナパーム弾。弾頭その物は,広域を焼き払うための装備であるが,その着火にビームライフルの機能を利用するもの。
 サイド7で,ザクの強襲により破壊されたRXモビルスーツの部品群を焼き払うために用いたが,以後は使用する機会は無かった。

 概要

 RX-78-2《ガンダム》とは,人類史上初の大規模宇宙戦争となった「一年戦争」において,その戦況を覆したとまで言われるほど有名となった地球連邦軍のモビルスーツ(以下MS)である。一般的に「RX-78-2 ガンダム」として知られる機体は,一年戦争当時,地球連邦軍最強といわれたニュータイプパイロット,アムロ・レイが搭乗した「ガンダム2号機」のことを示す。
 しかしながら,「RX-78-2という型式で示されるガンダム」は,兵器としては当然のことながら複数存在する。ここでは,アムロ機であるRX-78ガンダム2号機の運用状況とともに,RX-78の開発状況などをまとめている。
 なお,特定の機体については,別項目が用意されているので,関連項目から参照のこと。

開発経緯

 一年戦争開戦当初,ジオン公国軍の開発した新世代兵器であるMSによって甚大なる被害を被った地球連邦軍は,これに対抗可能な兵器としてのMSの開発に踏み切った。実のところ,従前からMSという機材(当初発表されたMS-05ザクは,あくまでも作業用という触れ込みであったのである)に対して,強い懸念を持った連邦側技術者も多く,彼らの中からはMSの研究に対する予算の捻出が働きかけられていた程であった。
 しかし,一年戦争勃発前の段階においては,上層部の理解には至らず,次世代MBTの開発計画が進められているに過ぎない状況であった。

 この情勢が大きく変化したのが,一年戦争勃発直前に起こったサイド6へのジオン広告による軍事介入と一年戦争序盤に行われた一週間戦争によるジオン公国軍のMSによる圧倒的戦果であった。

 ここにおいて連邦軍内部でもMSの開発推進派の発言力が強まり,MSの開発へと大きく舵を切ることとなった。従前から進められていたいくつかのプロジェクトは,そのデータをMSの開発に転用可能であるものはMS開発計画に統合され,「RX計画」として改めてスタートすることとなった。また,MSの運用を含めた総合的なプランとして立案されたのが「V作戦」であり,これには先のRX計画を含め,運用するための母艦の開発を行うSCV-27計画などが含まれることとなった。

 既に開発が進められていた次世代MBTは,そのデータを基に,基本仕様が「対MS戦にも対応可能な機体」に変更され,対MS重戦車「RTX-44」として4機ほどが完成した。このRTX-44は,連邦軍における最初期のMSとして現在では認知されているが,あくまでもMBTの発展型と言うレベルのものでしか無かった[17]。このRTX-44は,コア・ブロックシステムなどを取り込むことで,RX-75ガンタンクへと発展していくこととなる。
 RX-75ガンタンクは,連邦軍における事実上初のMSであるが,公国軍側からは「戦車もどき」などと酷評されており,この時点で如何に連邦と公国のMSの開発における技術格差が大きかったか,ということが分かるであろう。

 しかし,開戦後,損壊したザクの回収や鹵獲の成功,あるいは連邦への亡命などによって,公国軍のMS-05,MS-06が連邦軍の手に渡ったことで,連邦軍のMS開発は劇的に発展することとなる。
 二足歩行技術の導入のために,既存のザクタイプをベースに開発したRRf-05ザニー[18]や研究用の素体としてのRXM-1が開発され,これがRX-77ガンキャノンへと発展することとなる。

 完成したRX-77ガンキャノンは完全に二足歩行を実現しており,(ザクほどではないが)汎用性も獲得していた。その一方で,連邦軍では公国軍の様にザク一種で全ての戦場をカバーする,という発想では無く,戦場において最も適した運用を前提とした機体を開発する方針であった。このため,RX-75を長距離支援(あるいは拠点防衛用の事実上の移動砲台),RX-77を中〜長距離支援とし,さらに近接戦闘型の機体も開発を進めたのである。
 極めて初期に開発されたRX-77タイプである,RX-77-1(一般的にプロトタイプガンキャノンなどの呼称で呼ばれる場合もあるが,単に「初期型MS」とされる場合もある)の機体各部の整理を行い,近接戦闘向けに再設計した機体が,X-78(あるいはRX-78)との型式をもつ「ガンダム原型機」である。
 このガンダムの原型機とされる機体については,諸説存在し,RX-78の1/2サイズの実用試験機であったという説もあれば,各種実働用の装備を持たない原寸大の可動骨格であったというものもある。現在最も実機である可能性が高いとされているのは,一年戦争終戦直後に刊行された資料に掲載された,「後のRGM-79ジムによく似た機体」では無いか,とされている[19]

RX-78の開発

 RX-78は,10年は遅れていると言われていた,ジオン軍とのMS開発技術の差を埋めるために,考えられるありとあらゆる最新技術を投入した実験機でありながら,戦場において実戦投入しながら,データ収集を行うことも想定されていた機体[20]であり,「実戦運用する極秘兵器」という矛盾した命題をもった機体であったということができる。

 先述した通り,公国軍のザクによって多大な被害を被った連邦軍は,これを撃破するための戦力を必要としながらも,カウンターとなる兵器のノウハウが全く無い状態からのスタートであったため,真の意味での「対MS用MS」であるRX-78の開発には思い切った手段がとられることとなった。
 特に,MSの運用実績を持たない連邦軍は,運用艦として建造が進められたペガサス級とともにMSの運用における各種ノウハウを得るためにもRX-78タイプのような汎用性の高い機体は必要とされていたのである。

 このため,既に開発が進められていたRX-77から発展したRX-78ではあるが,主流となる計画では,必要と思われるありとあらゆる機能を盛り込んだ最新鋭技術の塊として基本的にコストに糸目をつけない機体として8機のRX-78がロールアウトするに至った。
 これらロールアウトした8機のRX-78は,いずれ大量生産を実施することとなる量産機のための開発ベースであるとともに,それらのための実働データ収集機,そして,次世代機開発のためのテストベッドとしても位置づけられていた。

 また,傍流として,開発時に生じた規格外パーツや,試作機開発のために整えられた(後に量産機に転用されるであろう)生産ラインを利用し,製造された量産化のための前段階とも言うべき機体群(RX-79タイプ,RGM-79[E]/[G]タイプなど)が誕生している。これらは,公国軍の攻勢から戦線を支えるために早くからMSを必要とする部隊に対して,実働試験を兼ねた形でロールアウト後直ちに配備が行われている。(これらの機体は,強力な教育型コンピュータなどは有していないが,実働時に得られたデータや,整備上の諸問題などを解決した運用結果は,本格量産に入った際に,役立つこととなった。)

 ジャブローで建造された8機のRX-78は,実働データ収集機として1〜3号機が割り振られ,残る4〜8号機はRGM-79ジムの母体として,様々なデータ収集に用いられた。
 建造直後の8機は,あくまでもRX-78という機体の本体のみであり,実際に運用するための装備,例えば宇宙用の冷却器などが実装されていない状態であり,いわば「RX-78という機体の実証段階」に過ぎなかった。このため,まず1号機は無駄と思われる部分の軽量化が徹底的に行われ,さらに冷却器や大気圏突入装備など要求水準を満たすための改装が行われている。続いて2号機にも同様の改装が行われており,改装終了後,ルナツー経由でサイド7へと移送され実用試験が開始された。この1,2号機が施された改装によって実際に実働する対MS用MSとしてRX-78は完成した,ということができるだろう。
 この改装では,軽量化とともに冷却器や大気圏突入装備などが装備されたことは既にふれたが,この時点でビーム・ライフルも装備されている。ここで用いられたビーム・ライフルは,腕との一体化を考慮されたハンドショットガンスタイルのもので,右腰部にはこれを収納するためのホルスターが設置されていた。ここまでの改装は,既にジャブローで終了しており,俗に「プロトタイプガンダム(中間武装型)」と呼ばれる仕様は,この段階のものである。(ちなみに,ロールアウト時の状況を含め「初期試作型」と呼称する。)

 3号機は若干遅れて改装を受けているが,これは1,2号機で得られたデータが反映されたもので,ジャブローで改装に移った時点で既に1,2号機よりも一歩進んだ機体へと変貌を遂げている。すなわち,1,2号機で確認された無駄な部分が更に整理され,ビーム・ライフルは,取り回しに難があったハンドショットガンスタイルのものから,我々がよく知る形状のもの(XBR-M-79-07G)へと差し替えられている。(なお,ビーム・ライフルの基本構造は変化しておらず,極端な言い方をすれば,外装のみの変更である。)
 この3号機の改装によって,一通りの「機体そのもの」に関するデータはとりまとめが終了しており,これを俗に「3号機仕様(または,後期試作型とも)」といい,実用化のための仕様として認められたことから,「RX-78-2」の型式番号が与えられることとなった。
 3号機は,やはりルナツー経由でサイド7に送られ1,2号機も3号機と同じ仕様へと再び改装を受けることとなった。

 一方,4〜8号機は,冷却システムなどを搭載しない段階で,RGM-79ジムの母体として用いられ,ジムの実用化が一段落つくと,次世代機開発のためのテストベッドとして改装される事なった。
 4〜5号機は,宇宙用の強化仕様として改装が行われ,ペガサス級サラブレッドに搭載され,実戦投入が行われたことが早くから知られていたが,6〜8号機については,その実戦参加記録が確認されるまでに時間を要しており,また,資料そのものの少なさから,どのような状態で実戦に投入されたかも明らかでは無かった。
 後に,6号機は砲撃戦仕様への改装プランが明らかとなり,6号機実機(あるいは,同等の建造プランによって建造された機体)が,オデッサ作戦などに投入されていることが確認されている。
 また,7号機は,実戦投入の記録も残っているものの後に発見された資料によると,改装時に終戦を迎えており,フレーム状態で残されていたとされている。(このため,実戦投入は明らかに改装前の段階である。)この機体は,その後完成し,U.C.0081年のジオン公国軍残党によるテロ事件に実戦投入されている。
 なお,8号機に関しては実戦投入の記録こそ残っているが,その詳細は明らかとはなっておらず,諸説紛々といった状況であり,未だAAAとして秘匿されている情報の公開が求められている。

2号機の運用

 本機は,ジャブローで8機建造されたRX-78型の2号機(G-2)[21]で,ジャブローでRX-78-2仕様に改修された後,サイド7でトライアルが行われていた。トライアル時のテストパイロット(実際に戦線に投入された場合のパイロットであったとも想定できる)は,公式には不明であるが,ウィリー・ケンプ中尉[22]であったという説もある。

 先述した通り,本機はサイド7においてトライアルが実施されていた機体で,このトライアルである程度のデータ収集が行われた後に,ペガサス級ホワイトベースへと搬入され,実戦運用と共にデータ収集を行う予定であった。
 しかし,U.C.0079年9月18日,ジオン公国軍特務部隊(ファルメル部隊)によって実施されたサイド7内部からの強襲によって予定外に起動することとなってしまった。

 これは,ホワイトベースが,ゲリラ戦掃討作戦から期間途中のシャア・アズナブル少佐率いるファルメルに補足され,その追撃を振り切れなかったために起こった事態であり,結果的にこの戦闘によってホワイトベースの乗員の多くは戦死,あるいは行方不明という事態に陥ってしまった。また,サイド7において開発途上であった連邦軍のモビルスーツの多くも,この襲撃によって甚大な被害を受けてしまい,本機と同型機である1号機は大破,3号機[23]は小破してしまった。(この襲撃で,RX-75,RX-77各1機と僅かな予備部品を除き,多くの機体が失われてしまっている。)
 幸いにして,炉心に火が入っており,事実上の稼働状態であった本機は,偶然にも本機のマニュアルを入手したサイド7の少年,アムロ・レイによって起動,初陣でザク2機を撃破するという戦果を挙げることとなった。

 正規のパイロットが戦死してしまったこともあり,アムロを暫定的なパイロットとしてサイド7を脱出したホワイトベースであったが,ルナツーではこの行為が機密漏洩と見なされ,一時的にホワイトベースと共に封印される。しかし,ジャブローからの指示によって,彼ら民間人を中心としたクルーによって,ジャブローへの回航を命じられ,地球へと降下することとなった。
 このため,正式に軍人としてではないが,(建前上「軍属」であったと考えられる)アムロ・レイを正式なメインパイロットとして運用されることとなった。

 ルナツーからジャブローへの移送は,直接移動可能なルートが選択されたが,大気圏突入時のファルメル部隊による攻撃によって降下位置が変更させられ,想定していた南アメリカ大陸ではなく,北アメリカ大陸のジオン公国軍の勢力圏へと誘導されてしまった。
 しかし,ホワイトベース部隊はガンダムを中心にこれを戦い抜き,無事にアメリカ大陸を離脱することに成功する。
 この戦果によって,連邦軍内部にホワイトベースを支援しようとする動きが持ち上がる。僅かながらではあるが,補給を受けることができたホワイトベースは,サイド7から同乗してきた民間人を補給部隊へと引き渡した後,いくつもの戦いを経て「オデッサ作戦」に参加した。2号機は,ここでも水爆ミサイルの弾頭切除に成功するなどの戦果を挙げ,連邦軍の勝利に大きく貢献することとなった。

 オデッサ作戦の後,ジャブローに到着したホワイトベースは,そのクルーが正式に軍人として扱われることとなった。ガンダム2号機パイロットであったアムロ・レイも同様で,曹長として任官された。

 第13独立戦隊として再編された後の2号機は,宇宙へと戻った後,キャメルパトロール艦隊の撃破,コンスコン艦隊の撃破,ソロモン攻略戦におけるMA-08ビグ・ザムを始めとする幾多のモビルアーマーの撃破など,数多くの戦果を挙げたが,ア・バオア・クー攻防戦においてアムロのライバルであったシャア・アズナブル大佐搭乗のMSN-02ジオングと相打ちになり,ア・バオア・クー内で破棄されている。(アムロ少尉は無事に脱出している。)

2号機のスペック

 本機があげた戦果のほとんどは,アムロ・レイ少尉(一年戦争時最終階級)のものであり,彼の優れた操縦技術によって,その戦果は生み出されたといっても過言ではない。
 実際,スペック的な面で言えば,運用当初こそジオン軍の主力であったザクタイプを圧倒する性能であった本機であるが,終戦間際になると,RGM-79GシリーズやMS-14シリーズなどカタログスペック上では既に本機に匹敵,あるいは上回るほどのものとなっており,「ガンダム」といえども,突出した性能の機体であったとは言い難い状況となっていたのである。(詳細は,スペック一覧を各機と比較のこと。)

 また,2号機の機体反応速度(追従速度)に対する問題をパイロットであるアムロが提言するなど,「ガンダムと言う機体を超えた」パイロットの存在もまた大きな戦果を生み出した理由の一つとしてあげざるを得ないのである。(アムロの戦果は,ただでさえ連邦軍のエーストップ3に収まるだけのものであるが,他のエースの多くが,航空機・航宙機による戦果を含んでいるのに対して,アムロの場合,ほぼ全てがガンダム,ガンキャノンといったMSによるものである点は特筆すべき点であろう。)

 機体スペック面では,実用ビーム兵器を搭載した初めてのMSでもあり,攻撃力では(MS-14など匹敵するMSは存在するが)一年戦争時最強のMSといっても過言ではない。
 しかし,本機の最大の特徴は,一般に言われるようなビーム・ライフルを始めとする強大な攻撃力ではなく,本機で初めて採用されたルナ・チタニウム(ガンダリウム)合金による装甲であると考えるのが正しいであろう。
 実際の所,本機の活躍はその強固な装甲に助けられた面が多く,後にビーム・ライフルがジオン軍のMSに配備されても,優位性はそれほど変わらなかったとも言われている。

 本機は後にモスク・ハン博士によってマグネットコーティングが施され,追従性の大幅な向上が計られている。この技術検証に用いられた機体が3号機であり,マグネットコーティングを実施した素体として,3号機には「RX-78-3」の型式番号が与えられているが,2号機がRX-78-3の型式に改められたという資料は,現在の所確認することができない。(変更された可能性について触れた資料は存在する。)

 なお,ここで取り上げたような大きな改修やスペックアップではない,細かい変更は2号機に関しては常に行われていた。これは,マチルダ隊による補給を受けるまでは,サイド7で積み込んだ補給物資や1,3号機の予備部品などを使い回していたためで,時には試作段階のテスト用パーツが用いられる場合もあったとされている。
 こうしたことから,各資料で2号機の写真の詳細なディテールが異なる事も多く,研究者の間からは各時期時期での装甲パターンの研究すら行われている状況である。
 なお,ジャブローへ寄港した際にホワイトベースに行われた改修と同時に2号機そのものも改修が行われており,以後は,当時開発が進められていたセカンドロット機と同様のオーガスタ系パーツに差し替えられた部分も多いと考えられている。
 こうしたことから,2号機の装甲パターンについて戦闘時期が明らかでは無い写真などの判断を行う場合,装甲パターンに統一性の少ないものが北アメリカ〜オデッサ戦,後のオーガスタ系に近いパーツが散見されるようになっている場合は,ジャブロー〜ア・バオア・クー攻防戦の時期,というようなおおよその判断ができると,現在では考えられているが,資料の中にはそれを否定する記述も見られるため,この装甲パターンについては,様々な資料の公開が必要であろう。

 各部解説

 本節では,RX-78-2の各部パーツについて詳細な解説を行う。
 なお,FF-X7コア・ファイターに関する記述は,該当項目に記載している。

頭部ユニット

 一年戦争で投入されたモビルスーツ(以下MS)は,数多く存在するが,いわゆる「ガンダムタイプ」と呼ばれる機体は,その頭部が特徴的であることでも知られる。
 ジオン公国のMSが,モノアイと呼ばれるセンサーカメラを採用し,いわゆる「単眼」であるのに対して,連邦軍が投入したMSであるガンキャノン系やジム系と呼ばれる機体群は,グラスシールドに覆われたモノセンサー(あるいはデュアルセンサー)型が中心であり,デュアルカメラを人間の顔に見立てて配置した「ガンダム」の頭部は,極めて特徴的であるといえるだろう。

 ガンダムの頭部形状は,照準精度を高めるためにデュアルカメラが採用されたと言われているが,これにはガンダムが試作機であったという事情も大きく影響している。ザクの様に大量生産を前提とした機体の場合,機体の運用目的をある程度限定し,必要充分な部材によって機体が構成される事も多い。これは,場合によっては性能が落ちても価格的に有利な部材が用いられることがありえる,ということである。
 一方,ガンダムは試作機であるが故に高性能な部材をありとあらゆる運用を想定して配置しており,頭部デザインもそういった要求の中からでてきたものともされている。一説には,このカメラ配置は開発者の極端な擬人化ポリシーによるものともされているが,人間が搭乗して運用する人型の機体である限り,人間を模したデザインである方が,あらゆる状況を想定しやすいということも言えるため,結果的にそうなったのだ,という説を唱えるものも存在する。
 実際,このカメラ配置によって視差による計測も可能だったとも言われており,いわゆる大量生産の機体と比較して高度に極められたユニットであったことは間違いないであろう。

 頭部ユニットは,機体が情報収集を行う為のセンサー類の集合体である。特にミノフスキー粒子散布下では,従来のレーダーの機能が著しく低下するため,電波観測機器だけではなく,光学的な走査端末や各種の計測装置などが併設され,これらが光統合回路でリンクされ,データ処理が行われている。また,ミノフスキー粒子による集積回路への影響も最小限になるように配慮されている。
 ガンダムに搭載されている教育型コンピュータの本体部分はコア・ファイターに搭載されているが,頭部にもサブシステムが内蔵されており,これはコ・プロセッサーとして機能すると共に頭部のセンサー群のデータを集約する機能も持たされている。

 また,両眼と頭頂部,後頭部に設置されているカメラは,いわゆる光学的な映像ばかりを捕らえている訳ではなく,不可視領域の電磁波帯のセンサーとしても機能している。他に,ドップラーレーダーや動態センサーなどを始めとして,既存の兵器に採用されていたあらゆるセンサー類が各所に配置されているのである。
 コクピットのモニターには,これらのデータを総合的に処理した上で,次に必要な行動の指標などを合成した画像が表示される。無論,自機の状況や状態を認識させ,コンディションを伝達する端末も装備されている。
 こうした構成になったのは,教育型コンピュータが戦況データの蓄積を行う際に各種情報による負担増加を抑えるために頭部ユニットが各種データ処理を肩代わりするためだとも言われている。

 これらセンサー群のほかに,スーズ社製の無段方位アンテナや,マツム・ソニック社製の通信,音響システムなども採用されていて,パイロットの空間認識に援用されている。例えば,全方向の情報が同時に正面に表示されると視覚が混乱するだけなので,正面以外の情報は,まず音響によって伝達され,その上で,パイロットの操作によって必要なポイントを表示するようになっている。この機能は宇宙空間でも稼働しており,例えば,敵機の接近や爆発などが後方や側面で起こった場合,警告音の他に,その衝撃波や映像から事象を類推して,それに準じた合成音を発するようになっている。
 また,頭部には固定武装としてAMG-6A バルカン砲が装備されている。これは,パイロットの視角と頭部のポジションが恒常的に連動していることを利用した副武装で,手持ちの武装を使用するまでのタイムラグを無くすための配慮であるとも言われている。装弾数や威力はそれほどではないが,近接戦闘用の武装として,特に牽制や白兵戦展開時などに非常に有効であることが実証されている。

マツムS-4

 頭部側面部に装備されている集音器の型番。
 極めて初期の資料に掲載されている型番であるため,実際には差し替えられている可能性は否定できない。

スーズType79

 頭部無段方位アンテナ(V字アンテナ)の型番。
 極めて初期の資料に掲載されている型番であるため,実際には差し替えられている可能性は否定できない。

シリアルコード

 頭部ユニットも他の部位同様に,運用に伴って幾度かのパーツ変更が行われている。
 明確な資料が確認できるものとしては,H.U-0078A2-60/3.6+,H.U-0078A0 S-000002の2種が存在しており,前者はコンペイトウにおけるマグネットコーティングの実施時に装着されていたユニットで,後者はオデッサ戦終了時,あるいはジャブローでの攻防戦の終了時に装着されていたユニット(時期の詳細は不明)とされている。
 型番から想定するに,「H.U-0078」がRX-78用頭部ユニットを示すコードで,「A0/A2」がユニットバージョンだと考えられる。
 その後部のナンバリングについて,明確な資料は存在しないのだが,後者の「S-000002」は,シリアルナンバーであろうと想定できる。一方,前者だが,この時点で既にRX-78は試作機でありながらも部隊編成された状況下での運用であるため,おそらくは装備状況を現すコードでは無いかと推察される。すなわち,60mmバルカン砲のバージョン3.6UPを搭載したという意味ではないだろうか。

胴体ユニット

 RX-78の胴体ユニットは,胸部ブロック,コクピットブロック(コア・ブロック),腰部ブロックから構成される。この構造は,RXシリーズ3機種が当初は戦況に応じて柔軟にパーツを換装することを想定していたために,コクピットであるコア・ブロックを共通にし,これを胸部ブロックと腰部ブロックで挟み込むことでボディを形成する設計を採用したものである。(このため,RX-78には空中換装用のガイドアームが装備されている。)

 ガンダムの動力源は,コア・ファイターに2基搭載されるNC-3型(NC-3D)核融合ジェネレーターをメインとし,背部のランドセル内にあるNC-5型(NC-5D-5)2基をサブジェネレーターとしている。NC型ジェネレーターはいずれもタキム社製で,3型はコア・ファイターの航空/航宙用の熱核ジェット/ロケットエンジンとしても機能し,メインスラスターの燃焼にも不可欠な装置である。5型はビーム・サーベルへのエネルギー供給にも使われる。さらに腰部のNC-7型1基などを含む総合出力は当時の宇宙艦艇の水準をはるかに超えるものだった。
 NC-3型は,通常は推進用ジェネレータとして機能するが,ガンダムにドッキングしている状態ではコ・ジェネレータと連動して動作することで,ザクの5倍とも言われるエネルギーゲインを達成する。

胸部ブロック

 ガンダムの胸部ブロックは,コア・ブロックをカバーする腹部カバー(赤色の部分)と,MSとしての駆動部を内蔵した胸部で構成されている。コア・ブロックが収納されると,コクピット部を挟み込むように存在するコア・ブロックのジェネレータが,本体のコ・ジェネレータと連動し,MSのメインジェネレータとして動作する。ここで生み出されたエネルギーは,本体の駆動だけではなく,腕部の駆動や腕部によって運用される各種ビーム兵器のコントロールなどにも用いられる。また,下半身に存在するサブジェネレータの駆動用にも用いられている。
 各部にはセンサや小型カメラも設置されており,頭部ユニットが損壊した場合などは,これらの情報を総合的に運用することで,メインカメラの代替とすることになる。

シリアルコード

 頭部と異なり,ボディブロックは装甲の換装を除き,細かい変更がそれほど加えられなかった為か,シリアルは「RX-BU-C2」1種類(マグネットコーティング時の機体に確認できる)しか確認されていない。
 しかしながら,C2は明らかにバージョンを示す記号だと考えられるため,少なくともC1に相当する装備(頭部と比較するとC0も有り得た可能性がある)はあったはずだと考えられる。

コクピット

 RX-78のコクピットは,コア・ファイターのものがそのまま兼用される。
 コア・ファイターは,ガンダムのコクピットとして機能する場合,コア・ブロックと呼ばれる形態へと変形しており,翼をたたんだボックス状のユニットとなっている。
 コア・ブロックは,RX-75,RX-77と共通のものであり,本来は柔軟に換装することも可能であるが,実際の運用時にはほぼ固定された状況で運用されることとなった。
 なお,詳細については,コア・ファイターを参照のこと。

腰部ブロック

 腰部ブロックは,コア・ブロックの下方受け口であると同時に,各種武装のマウントラッチや大気圏突入時などに使用する耐熱フィルターおよび機体冷却剤噴霧ユニットなどが内蔵されている。
 腰部および股関節部の駆動のためにサブジェネレーターのNC-7型(NC7S-3)が搭載されており,ジェネレータユニットとコア・ブロック接合部(腰部可動のためのターレット構造を兼ねる)を中心として,各種ユニットが配置されている。

脚部ユニット

 MSの脚部は,その機動性の多くを担う非常に重要なパーツである。機体全体の質量のおよそ半分がこのユニットによって占められており,無重量空間ではAMBACユニットとして,重力下では足となって破格の走破性を発揮する。逆に言えば,MSの汎用性は脚部によって達成されているといっても過言ではない。
 しかし,その用途からは想像もできないほどデリケートなユニットでもある。

 これは,MSの脚部が非常に複雑な構造を持っていながら,もっとも酷使される部位でもあるためで,連邦軍のMS開発における最大の難所であったといっても間違いでは無い。
 無論,2脚歩行のシステムそのものはザクから入手したOSの解析で開発期間を短縮できたものの,設計思想が異なる機体であるため,ほとんど独自開発と同様だったという。
 実際,度重なる整備やオーバーホールにおいて,もっとも改修を受けた部位が脚部であると言われている。(ガンダムの最も形状が変化した部位とも言われる。)

 脚部には駆動用の独立したNC-3M型(NC-3MD)のジェネレーターが内蔵されており,姿勢制御用バー二アやショックアブソーバーのほか,各種センサーやコントローラーおよび,それらを独立/統合制御するコンピューターも装備している。
 これらが,本体に搭載されたジェネレータと連動し,高い機動性,運動性を発揮するのである。

シリアルコード

 脚部ユニットのシリアルコードは,RX-LU-D1(マグネットコーティング時),LU-0078A1 S-000031(オデッサ戦終了時,あるいはジャブローでの攻防戦の終了時に装着されていたユニット)が確認されている。他のシリアルコードと異なり,型式そのものが変更されているのが特徴である。
 LU-0078A1は,頭部ユニットなどと同様のコードであるため,試作段階のユニットコードであると考えられる。(S-000031はユニットシリアルであろう。)一方,RX-LU-D1は,部隊運用開始後のコードであるため,RX-78用のコードとして作成されたものだと考えられる。
 LU-0078A1は,骨太なユニットで脚部全体が角張った印象の強いユニットだが,RX-LU-D1は,どちらかと言えばスリムな人間の脚に近い印象のユニットとなっている。おそらくだが,運用で得られたデータによって宇宙空間における戦闘時には,こうしたユニットでも充分だという判断がくだされたものだと思われる。(ちなみに,RX-LU-D1は,ふくらはぎ裏に開閉式のスラスターが追加されており,これもマグネットコーティング時の追加項目である可能性がある。)

腕部ユニット

 MSが画期的であった点のひとつに人間同様に武装や装備を取り扱うことが出来る,と言った点がある。これは,保持する装備によって機体の性能その物が変わってしまうことを意味しており,例えば斬撃戦用の装備を保持すれば近接戦闘兵器となり,また,例えばMS用の巨大なスコップ(実際にそうした機能を持った装備やシールドなどが存在する)を保持すれば重機として運用可能である,ということを示しているのである。すなわち,MSの持つ汎用性は多種多様な武装を容易に変更できることが前提となっているのである。ことに白兵戦の場合,四肢の性能の優劣が戦闘能力を決定するといっても過言ではない。
 また,MSの四肢はそれ自体が宇宙空間ではAMBACユニットとして動作し,腕部もまた同様の機能を有している。
 つまり,MSをMSたらしめている重要な要素が腕部なのである。

 RX-78の腕部は,機体の設計ポリシーを体現してある部分である。それは執拗なまでの擬人化の傾向である。設計にあたっては,義手,義足などを開発していた技術者も動員されている。ガンダムの各関節部分に採用される駆動装置は,フィールドモーターと呼ばれる新開発のアクチュエータニシステムである。これは,ミノフスキー物理学の応用で可能となった技術で,Iフィールドとミノフスキー粒子の相互作用によって,スケールを超えた大出力のトルク発生を可能とする。
 このモーターは,連邦軍の技術部と重電重工メーカーのサムソニ・シム社の共同開発によるもので,マニピュレーターの各部にも同様の原理によるアクチュエーターが採用されている。開発に当たって軍当局が強く希望したのは,作動の確実性と整備の簡便性であった。連邦製のフィールドモーターは,公国系のパルスモーターに比較して制御系と動力系の取り回しなどの確実性が高く,各ユニットのブロック化もあって,それらは運用上のフェイルセーフとして機能していた。ただし,その分ユニットそのものは構造的にデリケートなきらいがあり,損壊した部位は,基本的にそのユニットごと交換するのが前提とされていた。

HM-680405-A+

 RX-77,RX-78に用いられたハイブリッドアクチュエーター。
 腕部,脚部にもちいられているとされる。

ユニット シリアルコード

 腕部は,その特性上最も頻繁に手が加えられていたと思われる部位のひとつである。脚部が,その運用の苛烈さに伴いバージョンアップしていったように,腕部は連邦軍のMSへのデータフィードバックに伴い,様々な試験項目が追加されていったものと考えられる。
 実際,シリアルも複数確認されており,そのシリアルのコードパターンも大きく異なっていることから,複数のメーカーなどの案が逐次採用されていた可能性も否定できない。
 現在確認できるシリアルコードは,マグネットコーティング時に装着されていたとされる「R&R-M322/D725 Serial000004」と,オデッサ戦終了時,あるいはジャブローでの攻防戦の終了時に装着されていたユニット「AU-0078B6 S-000018」である。
 前者は,ホワイトベースを実戦部隊配属した後のコードであるため,連邦軍の他のMSと同様のシリアルコードとして確立したものであると考えられる。
 後者は,そのナンバリングから「78型用アームユニット/B6型」であると考えられ,他の部位同様に初期に用いられていたユニット型式であると考えられる。

装甲材

 ガンダムが一年戦争時に最強とも言われた理由のひとつがこの装甲材である。
 連邦が独自に新素材であるルナチタニウムの採掘,精製技術を持っていたことは公国軍のMSに対する大きなアドバンテージであり,ルナチタニウム系合金の採用によって,公国軍製のMSに比べて大幅な軽量化に成功したRXシリーズは,高い機動性や運動性を手に入れることができたのである。
 また,この素材は,装甲材としても優秀であり,破格の耐久,耐弾性をもガンダムにもたらしたている。これまでの通常兵器にとって脅威であったザクマシンガンの直撃にも耐えうる装甲材は,民間人の未熟なパイロットであるアムロがいきなり実戦に送り出された際に,その身を守るという意味で非常に大きな意味があった。公国軍にも強力なビーム兵器が登場した一年戦争末期にはその優位性は薄れていたものの,一般的なザクやドムの攻撃では致命傷にならない場合も多く,カスタム機などでは多くのベテランパイロットの戦果に貢献したとも言われている。

 引用

1/100 MG Ver.1.5 インストラクション(抜粋)

 連邦軍は,かねてより進行していたRX計画に連なるプロジェクトを統合する形で,捕獲したMSザクを解析し,本格的な高性能MSと,その母艦との開発を並行して行うV作戦を立案,実行した。ただし,この時点で連邦軍が公国軍に勝っていたのは,新素材の開発能力と,ビーム兵器の小型化技術だけであったと言われている。しかし,この点こそが,計り期れないアドバンテージであったことも確かである。
 RX-78ガンダムは,連邦軍が指標とすべきMSのリファレンスとして開発された。この機体は,実質的には前年度から最強のMSを目指して開発が進められていたもので,その時点での最高性能と連邦軍が保有する技術力の粋を凝らして設計されている。

 備考

型式について

 マグネットコーティング後のアムロ機(ガンダム2号機)は,RX-78-3という型式であるとされることも(考察分野では)多いが,実は厳密にRX-78-3とした資料は存在していない。このため,特にアムロの搭乗後の2号機を「アムロ機」として総合的にまとめたのが本項目ということになる。

没設定

 テレビ版放映時,シナリオでは「ガンダーX7」という型式が記述されていたことは有名。また,初期設定では「VM78」というものもある。

 関連項目

武装

 編集者


[MS/MA・R]
[モビルスーツ・1st]


最終更新時間:2016年07月02日 20時51分04秒

 ノート

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脚注

  • [1]アニメック8号 ガンダム事典/GUNDAM CENTURY
  • [2]アニメック8号 ガンダム事典
  • [3]GUNDAM CENTURY
  • [4]GUNDAM CENTURY
  • [5]アニメック8号 ガンダム事典
  • [6]GUNDAM CENTURY
  • [7]MS大全集2003
  • [8]GUNDAM CENTURY
  • [9]GUNDAM CENTURY
  • [10]GUNDAM CENTURY
  • [11]GUNDAM CENTURY
  • [12]GUNDAM CENTURY
  • [13]アニメック8号 ガンダム事典
  • [14]アニメック8号 ガンダム事典
  • [15]元々は,サンライズ未校閲で出版された旭屋出版のフィルムコミックが出展。しかし,電撃HobbyMagazineなどで取り上げられてしまい…。
  • [16]MS大全集2003など。
  • [17]公国軍の試作兵器であるモビルタンク「ヒルドルブ」は,発想的には逆の発想で開発された機体ではあるが,概念的な部分ではRTX-44に類似した機体であると考えられる。
  • [18]断定する資料は無いが,RRfとは,「連邦軍のリファインした05型」の意味だと考えられる。
  • [19]これはガンダムセンチュリーに掲載されたイラストを意図している。
  • [20]賛否両論有ると思うが,コアファイターの存在は,実戦によるデータ収集を前提としていたということではないだろうか
  • [21]RX-78-2は,仕様ナンバーを表す型式番号だが,G-2は,機体番号を表す「機体ナンバー」である。これは,各種資料からも確定する。
  • [22]このケンプについては,オリジンの設定のため,公式ではないので注意!
  • [23]一部資料に3号機をRX-78-3として記載しているものがあるが,この時点で3号機はマグネットコーティングを施されたものではないため,このRX-78-3は機体番号を示す物と考えられる。